川面京平

13J102007  川面 京平

ライフデザイン レポート

相続と第三者

 

「家宝」、「伝家の宝刀」という言葉が存在するように、日本では昔から相続というものが概念が存在していた。おそらく諸外国でも沿うであろう。しかし時代は流れるとともに「親が死亡したら、家族はその遺産を相続する。」といったように単純にはいかなくなってゆく。相続については百を越える法が記載されている。これは現代社会における相続の複雑さを物語っている。さらに第三者。他の法律でもいえることであるが、この第三者という存在が相続の複雑さに拍車をかけている。現在も論争が重ねられている相続について説明、私の考えを論じていく。

 

1,遺留分

まず最初に、遺留分について説明していく。日本ではなくなった人物の意思を尊重し、自分の財産を相続させる相手を選ぶことができる。しかし家族という立場もある。そのため、家族としての相続分をある程度確保できるように定められているのが遺留分である。まさに第三者に関する法である。遺産を相続させる者としては、家族とはうまくいかず愛人などに相続させたい、など様々な気持ちがあるだろう。それは本人の自由である。しかし実際の相続までもが自由になってしまうと、「家族」という法律で定められている存在をないがしろにしてしまうことになる。もちろん法律だけはない。家族という社会は古くから日本が守り続けてきたもの。現在、平等という言葉があらゆるところで謳われているが、私は家族を重んじたい。よって遺留分は大切な法だと私は考える。詳しく説明するならば、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して留保された相続財産の割合をいう。被相続人の兄弟姉妹以外の相続人には相続開始とともに相続財産の一定割合を取得しうるという権利(遺留分権)が認められる(民法1028条)。また、子の代襲相続人にも遺留分権は認められる(民法1044条・8872項・8873項・901条)。遺留分権を有するこれらの者を遺留分権利者という。また、侵害された遺留分を確保するためには、遺言書により財産を相続した人物に、「遺留分減殺請求」をする必要がある。さらに、「遺留分減殺請求」の権利は、相続開始、および自分の遺留分が侵害されていることを知った日から1年、あるいはそれを知らなくても相続開始の日から10年を過ぎると、時効で消滅するため注意しなければならない。遺留分として請求できるのは、配偶者や子供が法定相続人にいる場合は相続財産の2分の1、法定相続人が親だけの場合は、相続財産の3分の1となる。

2,負担付遺贈 

現代社会では孤独死が増加している。原因としては結婚をしない、親と子の関係の変化などが考えられる。なぜこのような説明をしたというと、負担付遺贈は今説明した人たちにとって関係するからである。説明すると受贈者が贈与者に対して、目的物の対価とまではいえない程度の負担を負う場合を負担付贈与という(民法5512項、第553条)。つまり単純に相続させるわけではなく、相手に対して条件をつけるということである。相手は家族である必要はない。まるで遺産と引き換えにしているように感じるが、少子化が進む今では大切な法である。一般の贈与については無償契約であるため、贈与者は原則として善意なら担保責任を負わないが、負担付贈与についてはその負担の限度において、贈与者は売主と同じく担保の責任を負うとされている。その他、その性質に反しない限り売買等双務契約に関する規定が準用される。受遺者は義務を負担するのが嫌であれば、遺贈を放棄することができる(民法986)。そのため、負担付遺贈をする場合には、遺贈者と受遺者は事前に十分話し合っておくことが必要になる。なお、受遺者が遺贈を放棄すれば、負担の利益を受けるべき者は自ら受遺者になることができる。「負担の利益を受けるべき者」とは、例えるならば「年老いた親の面倒を見ることを条件として財産を与える」ならば、「年老いた親」となる。ただし、遺言者が遺言で別段の意思表示をしたときはそれに従うこととなる(民法10022項)。

3,REVERSE MORTGAGE

Reverse mortgageは欧米においては一般的な考えとなってきている。日本におけるReverse mortgageは広く普及しておらず、問題点がいくつか指摘される。住宅ローンでは、返済年数が決められている。そのため支払い額が無限に増えていくことはない。金利の上昇によって支払う利息の額はある程度の変動するものの、返済が進むとともに元金が減っていくので、金利上昇リスクはある程度限定的になる。一方、Reverse mortgageでは、元金は減らないため、長生きすればするほど多くの利息を支払うことになる。また、利息も含めて死亡後に一括返済する方式では、元金がどんどん増えていくので、金利上昇によるリスクはかなり大きくなる。Reverse mortgageの「長生きすればするほど損をする」というイメージが、利用者が購入に踏み切りにくい一因だと考えられる。なお、Reverse mortgageの特徴は自宅を担保にして銀行などの金融機関から借金をし、その借金を毎月の年金という形で受け取る。年月と共に借入残高が増えていき、残高に対する利息も未払いのまま残高に加算される。契約満期または死亡時のどちらか早い時期に一括返済しなければならない。現金で返済できない場合は、金融機関は抵当権を行使して担保物件を競売にかけて返済に充当する。契約者死亡の場合は返済義務は契約者の相続人が承継する。通常のmortgage(=抵当・担保)ローンでは年月と共に借入残高が減っていくが、この制度では増えていくのでReverse() mortgageと呼ばれる。最終的に自宅を手放す(可能性が高い)ことはその家を売却することに似ているが、契約の期間中はその家に住み続けられることが特徴である。

4,遺産分割

遺産を相続する人物が一人しか存在しない場合は比較的に平穏に相続は行われるだろう。しかし複数人いる場合は遺産分割を行う必要がある。複数人いる場合の相続は被相続人が遺言を残すことなく死亡した場合、相続の発生によって、被相続人の遺産は相続人全員の共有状態となる。そのため、共有状態となった遺産を各相続人に具体的に配分していく手続が必要となる。そのために行われることを遺産分割という。もちろん共有状態のまま遺産を放置することも選択肢の一つとして考えられるが、共有物の処分は共有者全員の合意で決定したり、共有物の管理は共有者の持分の過半数で決定したりと、その取扱いに煩雑な手続を伴うため、できるだけ単独所有形態で分割しておくほうが、後の紛争を回避することがでる。なお 遺産分割は、相続人全員で行う必要があり、一部の相続人を除外してなされた遺産分割協議は無効となる場合がある。さらに第三者が入ることにより遺産分割の複雑さは増すことになる。例をあげると兄弟が父親の家の相続を始め、共有している状態にあるとする。その際、弟が第三者に登記を移転させた場合どうなるのかというと、遺産分割前の場合、兄は第三者に対して権利を主張することができる。この際、兄は登記は不要である。しかし、遺産分割後の場合は第三者の権利を侵害することができないので登記を持っている第三者の勝ちとなる。

5,共有、合有

民法では共有という概念が使用されている。しかしそれらの意味はすべて同じというわけではない。共有の法律をめぐる論点は、共有者相互の内部関係、第三者に対する対外関係、共有関係の解消に当たる共有物分割の3つに分けることができる。相続においては、相続財産は相続人の共有であるとしている(民法898条)。しかし、共同相続人という一種の団体が存在していることによる特殊性があるのではないかという点が論点となっている。そのため、このような団体的規制の強さに応じて、性質が異なる共同所有県警の類型を認めるべきだという考えがある。まず、民法249条以下の非常に個人主義的な共同所有が「共有」。組合などのようにやや団体的規制が加わったものが「合有」。さらにいわゆる「社団」の財産のように構成員の所有権から半ば独立した財産となったものを「総有」、と呼んで区別する。制限物権のひとつである入会権の所有関係は総有だなどといわれる。なお、共有はフランス法の影響が強く、合有はドイツ法における考え方である。

6,遡及効、宣言主義、移転主義

遺産相続において宣言主義移転主義という二つの考えが存在する。私は移転主義をとる。理由としては、宣言主義の場合第三者が圧倒的に強いからである。まず、二つについて説明をする。遺産分割がされた場合その効力は相続開始時に遡る。つまり遡及効が適応されるということである。(民法第909条 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。)各共同相続人が分割により取得した財産は、相続開始時に被相続人から直接承継したことになる(このことを宣言主義という。)。しかし、相続開始から分割まで時間経過があることから、実態としては遺産を共有している状態になっている。(共有を前提として、分割により各共同相続人に単有となるのを、移転主義という。)つまり、遡及効が適応されると遺産分割における財産の共有状態ではなかったとことになる。相続中に第三者が債権などを行使し、家の登記を移転させた場合、何も対抗することができないのである。法律は平等なものであるべきだ。何も抵抗できないのは少々違和感を感じる。そのため私は遡及効のない移転主義を採るべきだと考える。なお、管理費用の負担、収益の取得、代襲財産等については共有関係が存続し、また相続した不動産を第三者に対抗(主張できる)するには、登記が必要である(最高裁判例)。そのため、ただし書きの存在から、分割の効力に関する民法の宣言主義は、実質上は(実態もそうであるように)移転主義といってよいことになる。すなわち分割の合意があって特定の財産(遺産)が特定の相続人に帰属することになる。(遺産分割協議書作成が実務的に重要性があることが理解することができる。)
7,
相続放棄

被相続人の死亡により、相続は開始される。しかし、必ず相続しなければならないわけではなく相続人は相続するか、放棄するか選ぶことができる。放棄する場合のことを相続放棄と呼ぶ。相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産もまったく相続しないというものである。相続放棄をするには、自己のために相続の開始があったことを知った日から 3カ月以内 に家庭裁判所に申立てなければならない。この期間を過ぎると、単純承認(通常の相続)をしたものとみなされ、プラスの財産もマイナスの財産も相続することになる。親に債務が多い場合便利に感じるかもしれないが相続放棄の許可は、裁判所が行う。家庭裁判所が放棄の申述を受理する旨の審判をすることによってその効力が生じ、その相続人は初めから相続人でなかったものとみなされる。したがって、その子や孫への代襲相続することもない。相続放棄した場合第三者は相続に介入できなくなる。放棄以外にも財産がプラスの範囲内で相続を行う、限定放棄が存在する。


相続する立場の人たちにとって、相続中は被相続人の死などにより精神的に不安定である。それに人が死亡したときに財産の話をすることは不謹慎だと感じる人も要るだろう。しかし、それにつけ込んで第三者、あるいは家族が財産を持っていってしまう可能性もある。そのためにも相続は法学的な考えを統一し、誰もが落ち着いて行えるようにするべきである。

参考資料

相続税・贈与税・遺言の部屋 http://123s.zei.ac/

遺留分権と遺留分 http://www8.plala.or.jp/daisho/sozoku/iryubun-kenri-gaku.htm 

遺留分 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%BA%E7%95%99%E5%88%86

リバースモーゲッジ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%83%E3%82%B8

リバースモーゲージとは? http://リバースモーゲージとは.com/

遺産分割完全ガイド http://www.ac-isanbunkatsu.jp/advice/advice01/index01.html

民法を学ぶ・基本編2−10 http://sky.geocities.jp/gomanobenkyo/mpb/mpb27.htm

アンドロメダM31 http://rikeishoshi.blog62.fc2.com/

よくわかる相続基礎知識 http://www2.odn.ne.jp/~cjj30630/index.html

民法T 内田貴 著

 

宮川卓也

相続と第三者

 

私は相続と第三者について、絶妙なバランスで成り立ってはいるが、法律そのものは完全とは言い難く、細かい点において、第三者を蔑ろにしているのではないかと考える。

 

 

 

相続と問題点

 

相続とは人の死によってその財産が遺族に継承されることである。

相続の対象は民法第896条により、財産のみとされ、死亡が唯一の相続開始原因であることを民法第882条で定めている。

そして、相続の開始は死亡時であることも押さえておきたい。

また、失踪宣告も死亡に含まれる。なお、航空機事故により、夫婦が死んだ場合同時脂肪の推定が適用される。

なれば、なぜ相続が行われるのか?

これは相続財産のなかには、遺族のバックアップによるものがあること、遺族の生活補償を考えること、社会が遺族に財産が卑屈がれることを予想、期待することが理由としてあげることが可能であろう。

そして、死んだ人間の財産上の権利義務を継承する人間のことを相続人と呼ぶ。

相続人には血族相続人と配偶者たる相続人の2種類に分けることができ

血族相続人に関しては順位がある。

@第一順位 被相続人の子と孫以下の直系卑属(8871項)

A第二順位 被相続人の直系尊属(父母、祖父母)

B第三順位 被相続人の兄弟姉妹とそのものの子。

また、配偶者はこれらの相続人と並んで常に同順位人の相続人となることを押さえておきたい。

そして、この時相続人が相続する財産のことを相続財産と呼ぶわけある。

相続人は896条にある規定どうり、一身専属権以外の動産、不動産、債券などを包括的に継承する。

その際、相続人が数人ある場合や、相続人と包括受遺者がいる場合には、相続財産は遺産分割されるまで共有となる。

判例は、この共有の性質を合有や総有では無く、普通の共有と考えている。

遺産の管理には共有の規定が類推適用される。

では、共有、合有、総有とはなんであろうか?

共有とは、何人かの人が1つのものに対してそれぞれ持分を持っている状態のことであり、各自はこの持分を自由に処分出来る。例として、金銭などがあげられる。

合有とは、各自がそれぞれ持分を持っているが、その持分を自由に処分したり、あるいは分割請求することが出来ない共同所有携帯のことである。例として主に組合などが挙げられる。

総有とは、各自に持分すら認められないもので、そのため、持分の処分や分割請求といったことが問題にならないもののこと。例として入会権などが挙げられる。

何故民法が遺産の管理を普通の共有であると考えるのかはおそらく次に述べる遺産分割と関連してくるからであろう。

そして、先も述べたが、被相続人の死亡により相続は開始される。

しかし、限定承認の場合、権利よりも義務の方が多い場合がある。

つまり、借金が多くて財産が少ない場合である。

この場合、相続人に相続させることはあまりにも酷であるため、民法はの三つの選択肢を相続人に与えることにした。

@単純承認

全財産を無条件に引き受けること。

相続人が相続の開始をしてから三ヶ月いないに限定承認、相続放棄しなかった場合、相続財産を処分したん場合、相続財産を隠したり、密かに消費した場合なども単純承認になるてんも押さえておきたい。

A限定承認

相続開始時にプラスかマイナスの財産どちらの方が多いのかわからない場合、プラスの財産の限度で債務や遺贈を支払うという条件付承認の事を言う。

限定承認するためには限定承認をするという申述書を家庭裁判所に提出しなければならない。

また、財産の目録を作って提出しなければならない。

これは、相続人になったことを知った時から三ヶ月以内に行わねばならない。

B相続放棄

相続放棄とは財産を相続せず、破棄することである。

そのばあい、相続を放棄する旨の申述書を家庭裁判所に提出しなければならない。これは相続人になったことを知った時から3ヶ月以内に行わなければならない。

三ヶ月が過ぎてしまうと単純承認になってしまうからである。

相続放棄になると遡及効が生じ、その効果は相続開始前に遡る。

つまり、相続放棄した相続人ははじめからいなかったこととして扱われる。

しかし、相続放棄というものは遺産を一人に相続させるために利用されることが多々ある。その点では問題点があると言わざるを得ない。

 

 

 

 

 

 

遺産分割遺留分の天秤

 

遺産分割とは、相続人が複数存在する場合、相続財産(相続開始によって共同相続人の共有になっている遺産)を法律と条理に従って分割することである。

遺産分割においては、次の四つを決めることが必要である。

@分割当事者

A分割請求権

B分割対象

C具体的相続分

遺産分割の方法には

@被相続人が遺言で資産分割の方法を指定する指定分割

A遺言がない場合共同相続人の講義によりなる協議分割

B各分割当事者が遺産分割を家庭裁判所に請求する審判分割

C協議がまとまらない場合家庭裁判所に調停の申し立てをする調停分割

以上の四つがある。

そして、審判分割の際は民放の規定の相続分に従い分割し、指定分割の場合は被相続人が相続人以外の第三者に分割の方法を指定することが可能である。

遺産分割の効力は相続の時に遡って生じることも押さえておきたい。

そしてその遺産分割の際、例えば、父が死んで、母と子が残ったとする。

その際に遺言所に「遺産は全ておばあちゃんに渡すこと」と書いてあったとする。

そういう場合、残された母娘はたまったものではない。

たとえ父が作った財産であれど母の内助の功もあったはずである。

もし、家計の稼ぎどころが父だけだったとすれば、残された母娘はどうしようもない。

この際に相続人の期待権を守るために、一定の割合を相続人に保証する制度が遺留分である。

つまり、死んでゆく者の財産の自由な処分権と遺産を家族の中に残し続けようという二つの考え方の妥協として遺留分の理論があるのである。

これは全くもって理にかなっている。残された遺族と第三者の利益を比較衡量して、絶妙な形で天秤を水平に保っていると言っても良いであろう。

次に遺留分における範囲であるが、遺留分を持つ相続人は配偶者、直系卑属、直系尊属、直系卑属の代襲者である。

遺留分の割合は

@相続人が直系卑属だけの場合は被相続人の財産の12

A相続人が配偶者だけの場合は被相続人の財産の12

B相続人が直系卑属と配偶者の場合は被相続人の財産の12

C相続人が直系尊属と配偶者の場合は被相続人の財産の12

D相続人が直系卑属だけの場合は被相続人の財産の13

となる。

そしてもし、その遺留分が侵害された場合、自らの遺留分の額を満たすために遺留分権利者がすでに被相続人になってなされた遺贈や贈与を取り戻すために「遺留分減殺請求」をすることが可能である(民法1031条)

先の場合であげれば、母子がその権利を有する事になる。

そして、遺留分減災の順序だが

基本的に遺留分は相続開始に近い時期のものから減殺して行く。

古いものから減殺してしまうと取引の安全を害することとなりるからである。

まず、遺贈を減殺し、その後贈与を減殺する。

贈与が複数ある時は、新しい贈与から減殺して行く。

これもまた、取引の安全という第三者保護と遺族という当事者の利益を双方尊重している。

そして、遺留分減災請求権は、遺留分権利者が相続の開始と減殺できる贈与、遺贈があることを知った時から1年、相続開始から10年で消滅する。

おそらく先述した例(全財産をおばあちゃん〜)のような場合に、遺留分減災請求をおこなえるようにすることが理由であろう。

遺言をめぐる争いにおいて、最も深刻な事態を引き起こすのが遺言による遺贈である。

財産処分自由の原則をここで貫いてしまえば相続人の手に何も入らないという自体が起こりかねない。

それでは、相続人の為の相続制度が意味をなさなくなってしまう。そこで、財産処分の自由の原則をそのままにしながら、相続人を保護するために考え出されたものが遺留分である。

人の財産を相続人のために遺留しなければならないぶぶんと、自由に処分できる部分に分けるのである。

こうすることで、第三者利益と、相続人の利益衡量を図っている。

そして、何らかの形でその遺留分が侵害された時のために遺留分減災請求権という反撃手段も用意している。

このシステムそのものは、さすがとしか言いようがない。しかし、このシステムの詳細な部分には疑問を抱かざるを得ない。

そのことについてはのちに負担付き遺贈と死因贈与契約の章で後述しようと思う。

 

崩壊した宣言主義

 

先も述べたように、ある者が死亡して相続が開始すると、その者の相続は一旦相続人間で遺産共有状態になり、遺産分割に遡及効を付与し(909条)その結果被相続人の遺産は遺産分割により、被相続人から直接、相続人に帰属し、あたかも遺産の共有状態がなかったかのような構成をとっている。

これを遺産分割の「宣言主義」という。

遡及効の働きにより、遺産共有時になされた処分が無権限者のなした処分となり、遺産分割の結果当該財産を取得した相続人を保護しようというのが本来の目的であった。

これに対して、遺産共有状態を一般の共有状態と考えれば、遺産分割はまさに持分の、権利の相互移譲、相互の交換であり、遺産分割により、各相続人の単独所有となると考えることになる、つまり遺産の共有を経て取得したことになるのである。

これを移転主義と呼ぶ。

これを踏まえて、戦後の民法改正の際に909条但し書きが導入されたことにより、我が国では宣言主義は事実上崩壊し、実質移転主義と異ならないように思える。

ともと宣言主義を取った立案者によれば

@取引の安全、第三者の保護よりは、相続人間の平和を重視した

A法律関係の簡銘な処理を重視した

B相続の本質上各相続人は被相続人の権利の承継者であることがふさわしい

というのが理由のようであるが、それにもかかわらず、分割前に個々の相続財産の持分を取得した第三者がいる場合、その第三者に対しては遡及効を主張することができないという但し書きは結局矛盾を生じる結果になっているのではないか?

故に、遺産分割になった場合、相続財産を第三者に譲渡できる事となる。

これを相続分の譲渡という。ここで言う相続分とは、相続人が遺産全体の上に持っている分数的割合を意味し、ここの財産の共有部分ではない。

つまり、相続人の地位そのものなのである。

相続分を譲渡したものは相続人としての地位を失うが、債務については債権者との関係で譲渡後も譲渡人は譲受人と並んで連帯して債務を行うとする見解がある。

また、相続分の一部譲渡が可能かどうかについては否定する見解もあるが、肯定するのが通説である。

相続分の譲渡は第三者にも行うことができる。

第三者が、相続人から相続分の譲渡を受けて遺産を現実に取得する場合において、不動産の移転登記は可能だが、譲受人からの預貯金の払戻しについては金融機関は認めていない。

相続分が共同相続人以外の第三者に譲渡されると、分割協議に第三者が入ってくることになり、分割協議がうまく進まないことが多くなる。

だが民法はここでもバランスをとっている。

相続分が第三者に譲渡された場合、他の共同相続人はその相続分を取り戻すことができることにしている。

これを相続分の取戻しという。

取戻権は、共同相続人全員で行使する必要はなく一人でも行使できるが、行使した相続人に相続分が帰属するのではなく、取り戻された相続分は共同相続人全員に帰属するものとされている。また、取り戻しに要した価額や費用も、共同相続人が相続分に応じて負担することになる。

取戻権を行使するには次の要件を充たさなければならない。

相続人以外の第三者に、相続分が譲渡された場合であること。

他の相続人に譲渡された場合は取戻権は行使できない。

譲受人に対し相続分の価額および譲渡に要した費用を支払うこと。

この取戻しの価格は、相続分を第三者に譲渡したときの価格ではなく、取戻権行使時の時価による。たとえ無償に近い金額で譲渡されていたとしても、取戻時の時価を支払わなければならない。

譲渡されたときから 1ヶ月以内 に行使すること。

なお、この相続分取戻権は、相続人から相続分の譲受人に取戻権を行使する旨の通知をするだけでよく、譲受人の承諾は必要ありません。ただそのためには、相続分の価額と費用を現実に提供しなければならないとされている。

このことに関しては受遺者の利益を優先し、第三者の遺産分割協議に関する介入をなるべく排除しようとしているようにうかがえる。

しかし、これはもっともな話で。

相続分を第三者に移譲するということそのものを簡単に許してしまうと、第三者が必要以上に介入できる権利を与えてしまう上に、遺留分の制度自体が形骸的なものになりかねない。

その上で、民法はここでも絶妙なバランスを保っていると言っても良いであろう。

 

 

                                               

 

 

 

負担付き遺贈と死因贈与契約の違い。

 

 

負担付き遺贈とは、受遺者にある一定の債務を課してなす遺贈のことである。

たとえば「俺が死んだら家をあげるから子供の面倒を見てくれ」という場合である。

その場合、受遺者が負担を実行しない場合は相続人が催促する。それでも執行しない場合は遺言の取り消しを裁判所に請求できる。

しかし、この場合、例えば父Aと子BCがいたとする。AはBに対し「毎月の生活を見てくれれば死後、家を与えると約束する。Bは約束を果たしたが、Aは死の直前に「家はCに与える」とした場合が問題である。

判例ではこの場合もしこれが負担付き死因贈与契約であるならばBが勝ち、負担付き遺贈であればCが勝つとしている。

つまり、遺言は様式行為であるからあとの遺言は常に勝つ。したがって弟が勝つ。しかし、これは遺言ではなく口約束なので贈与契約(負担付き死因贈与契約となる)553条負担付き贈与は遺贈の規定を準用する。とある。

しかしこれはおかしいのではなかろうか?

例え遺贈であるならCが勝つのであれば、Bは何のために今までがんばってきたのであろうか?

人を一人世話をするということは、想像外の苦労を要するものなのである。

このことに関して、遺言であるならCが勝つのであれば、言ったもんがちであり、信じた方がバカなのである。

極端に言ってしまえば一種の詐欺行為であると私は考える。

その場合、遺留分減殺請求などで対抗はできるし、寄与分で補えないことはないと推測する。

がしかし、負担条件付き遺贈の条文に関関しては見直すべきであると主張する。

確かに寄与分と遺留分減殺請求でこの場合は何とかなるかもしれないが、Bが全くの第三者であればまた事情が異なる。

この場合には、Bが第三者であれば遺留分が存在しないのだ。

であるならば、寄与分だけでは少し弱いのではないかと考える。

本来そう言ったことを第三者に頼む場合というものはえてして、受遺者にたよれるような人間がいないからであり、そのことについて、死ぬまで第三者が時間を削り、身を削り尽くしたのに、死ぬ前に少し心変わりしたからと言って、遺言の規定を準用し、後の遺言が優先されというのは不合理であると考える。

であるならば、何もしておらず、血縁だからと言って遺産を相続した挙句、自分の取り分を上げることに躍起になり骨肉の争いを繰り広げるような愚か者どもの手に渡るより、最後まで負担を貫いたならば、負担をした第三者にも利益が渡るようになすことが道理なのではなかろうか?

 

 

revercemorgageと遺贈は似ている?

 

revercemorgageとは自宅を担保にした年金制度の一種。自宅を所有しているが現金収入が少ないという高齢者世帯が、住居を手放すことなく収入を確保するための手段である。

契約者が死亡すると、担保になっていた不動産を処分して、融資金を一括返済するという仕組みになってきる。

 モーゲージ(mortgage)は、「担保」とか「抵当権のついた住宅ローン」などという意味で、通常の住宅ローンは、融資後返済が進んでいくとともに、借入残高が減っていくが、リバースモーゲージでは、年月が進むとともに借入金が増えていくことから通常のローンとは逆になる(Reverse)という言葉が組み合わさって、リバースモーゲージと呼ばれている。

これは、欧米などでは一般的に普及している金融商品であるが、日本では欧米に比べて普及が遅れている。

しかし、公的年金制度が危機的な状況にある中で、2011年には経済産業省が社会保障改革案としてリバースモーゲージを提言するなど、社会的にも注目が集まっている。

しかしやはりこのシステムも万全というわけにはいかず、メリットとデメリットが存在する。

リバースモーゲージの最大のメリットは、収入や現金が少ない高齢者でも、持家があれば生活のための資金を受け取ることができ、しかも生存中に返済する必要がないということである。

 また、基本的に持家の資産価値を超えた融資は行われないため、リバースモーゲージ利用者がなくなった際、相続者が持家の資産価値を超えた借金を背負うことにはならない。

 一方、リバースモーゲージの多くは変動金利を採用しているため、金利上昇のリスクがある。また、不動産価値が下落した場合には、当初想定していた融資枠が縮小されてしまうリスクもあります。

 また、基本的には元金を減らさないため、長生きをすればするほど支払う利息が増えてしまうというリスクもある。

 これらのメリット・デメリットを考えると、誰でも気軽に利用できるというものではないだろうが、高齢者が安定した収入を得る手段として、大きな選択肢の一つであることには間違いないだろう。しかい、そもそもこのようなシステムに高齢単身者が頼らざるを得なくなったのは、国の年金制度などが杜撰になり、社会保障を受けられなくなったのが一要因であると思う。

年金という制度自体が不完全であるから、このようなことに陥るのではないかと考える。

しかい、このシステムを利用しようとするほとんどの高齢者は身寄りのない人間であろうから、うまく利用すれば立つ鳥跡を濁さずという面では綺麗に人生の幕を閉じることができるのかもしれない。

そして死亡という事を条件に、不動産を処分して、債権を返済するというこのシステムの大枠は負担付き遺贈と共通しているような気がする。

 

以上のことから、私はわが国において相続と第三者について、絶妙なバランスで成り立ってはいるが、負担付贈与と言ったような細かいケースにおいて、負担を負った第三者を蔑ろにしていると言えるのではないかとのではないかと考える。

であるから、まだまだ法律というものは穴だらけで、未完成であり、そもそも、法律に完成などないのだと、この授業を通じて考えさせられた。

なればこそ我々にできることは、日々考え、常識ですら時に疑い、間違っていることは間違っていると言えるような精神を持ち一人一人が何を出来るかを真剣に考えて、社会に貢献して行くことであると、この授業を通じて考えさせられた。

 

以上

 

13j102015 12組 宮川卓也

 

 

 

参考文献

yahoo知恵袋

すがぬま行政書士法律事務所ホームページ

Wikipedia

初めての親族相続 尾崎哲夫著

民法親族、相続第三番 松川正毅

民法  内田貴

リバースモーゲージとは.com

基礎からわかる法学 成分堂

図解雑学民法

民法丸ごと講義生中継 TAC出版

六法全書

ライフデザインノート

中絵ゼミ参考資料

 

 

 

児玉明日香

 結論から言うと、私は第三者が遺産相続に関わってくることによって、相続額や家、土地の所有者を巡る争いが増え、結果第三者の方が遺産を勝ち取っていくのならば、何故法律で、第三者は遺産相続に関わってはいけない、としなかったのか疑問に思った。

遺留分相続放棄

 遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して留保された相続財産の割合をいう。民法第一〇二八条遺留分の帰属及びその割合には「兄妹姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一 二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一」とある。直系尊属とは、自分よりも上の世代、つまり父母や祖父母のことだ。何故直系尊属の方が三分の一でそれ以外が二分の一なのだろうか。初めに聞いた時、私は割合が逆なのではないか、と思った。親の方が多くもらうべきなのでは、と考えたのだが、一般的な遺産相続の場合、親はすでに他界していて、子供や孫に相続させるケースが多いことに気が付いた。そのため、親がまだ生きている状態での遺産相続というのは珍しいケースなのかもしれない。ならば、直系尊属の相続人が三分の一でそれ以外の相続人が二分の一なのも納得がいく。遺産分割協議を行うにあたり、人数と割合とで計算していけば何の問題もなく進む、ということだ。しかし、すべての相続人が遺産を相続しようと考えるとは限らない。民法第九三九条相続の放棄の効力によると、「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」とある。さらに、相続放棄をした者だけでなくその子供まで相続人としての権利を失うのである。親が勝手に相続を放棄しただけなのに、子供の意思とは関係なく自動的に権利を喪失させられるのは少しおかしいと思う。例えば、その子供が生まれたばかりで、まだ幼い場合ならば良いが、ある程度の年齢で自分の意思をちゃんと持っているのであれば本人の意思をしっかりと聞いた方が良いと考える。しかし、「初めから相続人とならなかったものとみなす」を、存在自体していなかったと考えると、子供に権利が与えられないのは当然のことであると推測される。

遺産分割

 民法第九〇九条遺産の分割の効力には「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を侵害することはできない。」と書いてある。この条文本文の規定には二つの説がある。九〇九条本文は各共同相続人が被相続人から遺産に属する個別財産を直接に取得した、つまり、「最初から遺産共有はなかった」と宣言した規定だとする考え方である宣言主義。そして、遺産は相続の開始によってまず遺産共有の状態に入り、分割によって初めて各相続人の単独所有に移行するとする考え方である移転主義だ。しかし、法改正が行われ、但し書きが追加されたため、宣言主義は事実上必要性をなくし、移転主義とほぼ変わらなくなってしまった。相続開始の時とは、民法第八八二条相続開始の原因によれば「相続は、死亡によって開始する。」とのことである。ここで授業内にて扱った判例について考えてみたいと思う。“ある男性Aが死亡した。Aには息子BCがいた。AはBに遺言で家をすべて与えた。Cは借金を抱えており、債権者Dは借金回収のため債権者代位権を行使し登記を移転した。家は誰のものか。”債権者代位権とは民法第四二三条債権者代位権「@債権者は、自己の債権を保全するため、債権者に属する権利を行使することができる。ただし、債権者の一身に専属する権利は、この限りでない。A債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。」である。先ほど書いた宣言主義移転主義のどちらかによって、遡及効の有り無しが決まることとなる。宣言主義共有)の場合では有り、移転主義合有)の場合では無しになる。ここで前の問題に戻るが、第三者であるDが登記の移転をしたのが、遺産分割協議の前、または遺贈をする前だった場合、移転主義ならCの相続分を対抗問題とすると家はDのもの、Bの相続分を当事者問題とすると家はBのものとなる。また、第三者であるDが登記の移転をしたのが、遺産分割協議の後、または遺贈をする後だった場合、移転主義なら家全体についての対抗問題とすると家はDのものになる。宣言主義の場合は、登記の前後問わず対抗問題となり、家はDのものとなる。後になって登記をした者が対抗問題として処理されるのは、民法第一七七条不動産に関する物件の変動の対抗要件「不動産に関する物件の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」という公示の原則によるものである。私がここで気になったことは、家がDのものになる割合が非常に高いということだ。被相続人であるAはBに遺言で家をすべて与えたはずなのに、第三者であるDが家を持っていくのである。被相続人であるAの意思は全く関係なく法律によって、誰が家を譲り受けるか決まってしまうのだ。これでは遺言の意味がないだろうし、遺産分割協議でさえ何故行われるのかよく分からなくなってしまう。これは変ではないか。“登記をしなければ、第三者に対抗することができない。”この文があることによって、登記をしたDは対抗問題として処理されたときに、家を勝ち取ることができた。では、BAから家を譲り受けたその日に登記を移していれば、後からやってきたDにも勝つことができるのではないだろうか。この判例の場合に、Bが登記は早い者勝ちである、ということを知ってさえいれば、このような事態にならなかっただろう。

・負担付死因贈与と負担付遺贈

まずは、負担付贈与についてだが、民法第五五一条二項より「負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。」とある。一般の贈与との違いは無償契約のため、贈与者は善意なら担保責任は負わないことだ。次に、死因贈与については民法第五五四条死因贈与「贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する」とある。遺贈と類似しているため規定を準用しているが、当事者間の事前の契約による点が遺贈とは異なる。そして、死因贈与が負担付贈与である場合を負担付死因贈与というが、判例によれば受贈者の負担の履行期が贈与者の生前と定められた負担付死因贈与契約について、受贈者が負担の全部又はそれに類する程度の履行をした場合、贈与者の撤回を認めることは受贈者の利益を犠牲にすることになり相当でないとし、特段の事情がない限り一〇二二条(遺言の撤回「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。」)や一〇二三条(前の遺言と後の遺言との抵触等「@前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとする。A前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。」)の各規定の準用はなく贈与者は撤回できないとする。簡単に言うと、死因贈与とは、死亡する前に財産を贈与する旨の遺言を告げ、さらに贈与者は負担を負わなければならないということだ。そして、負担付遺贈は民法第一〇二二条一項によると、「負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価値を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。」と書かれている。ここで、まだ私が理解できないことは、何故遺贈を受けた者が多少の負担を負わなければならないのかという点です。負担付遺贈を行うためには必ず負担を負う必要があるのか。では、普通の遺贈にすれば良いのに、と考えてしまう。

reverse mortgage

 自宅を担保にして銀行などの金融機関から借金をし、その借金を毎月の年金という形で受け取る。年月と共に借入残高が増えていき、残高に対する利息も未払いのまま残高に加算される。契約満期または死亡時のどちらか早い時期に一括返済しなければならない。現金で返済できない場合は、金融機関は抵当権を行使して担保物件を競売にかけて返済に充当する。契約者死亡の場合、返済義務は契約者の相続人が承継する。通常のモーゲッジ(=抵当・担保)ローンでは年月と共に借入残高が減っていくが、この制度では増えていくのでリバース()モーゲッジと呼ばれる。この制度にはリスクがある。一つ例を挙げるとすれば、担保にした自宅の価値が借入残高を下回る、所謂“担保割れ”である。これが起こると、足りない分の返済はまた別のところから持ってこなければならない。

 さて、今回のテーマは「相続と第三者」であったが、私個人の意見としては、いくら身内が借金をしていたからと言って、その返済として、第三者が親族の遺産を相続することには反対である。例えば、被相続人が遺言を遺したとしても子供が借金をしていたことを知らなかったとしたら、それが必ずしも思い通りになるとは限らない。それは遺言の意味があるのだろうか。最後の授業のノートに“相続の哲学”として、「子に財産を譲る親の気持ち」と書いてある。これはまさにそういうことなのではないだろうか。自分が死んだら、財産のすべてを自分の子供、または親族に譲りたいと思うのは当たり前のことだと考える。このような考えに至るのは、私がまだ法律の知識が浅いから、なのかもしれない。それに、法律を定めた人々にもそれぞれの考えがあって創られたものだとも思うので、一概に否定はできないと思った。今後法律を勉強し、知識をつけたあとにまたこのテーマについて考えてみるとまた違った考えが出てきておもしろいかもしれないと感じた。

 

出典:成文堂 基礎からわかる法学 著:五島京子他

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   コトバンク

 

 

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