中野秋嵩
ライフデザインレポート 14J102005 中野秋嵩
「男女関係と法」
結論
男女間への法の介入は見直すべき点もある。
「結論が曖昧な理由」
まず初めに私が考えた結論について述べていく。
今回のレポートのキーワードとなっているものには、現在の法律や判例、解釈のままで良いと考えるものもある。その一方で、見直すべき点や反対意見もあると考える。したがって、このすべての問題を一括りにして、「規制を厳しくすべきだ」「規制はもっと緩くすべきだ」といったことは言えないのではないかと考えた。
「条例と婚姻可能年齢の矛盾」
ここからは具体例を挙げながら意見を述べていく。
20歳のBは15歳のAの同意を受けてSEXをした。Aは大喜び。
これが淫行条例に違反するかどうかといったものだ。判例では18歳未満であろうとも、純愛であれば淫行にはあたらないとしている。法は家庭に入らずという考えには私自身、大いに賛成である。しかし、ここで問題となるのが15歳のAの同意は有効か無効か。民法上、行為能力は20歳からであるが、女性の場合婚姻が16歳から認められている。これはある程度の心身の成熟が考慮された上での基準であると考えられる。婚姻が認められている16歳と、A(15歳)に非常に大きな差があるとは考えにくく、今回のケースではAは喜んでいるという点から、15歳Aの同意は有効であると考えるのが妥当ではないか。
「法律から見る問題点」
ストーカーをはじめとする性暴力について。
これについては厳しく規制しても良いと考える。
というのも、こういった事案は被害者の心身に多大な負担をかけることになるからである。トラウマや精神的・身体的ストレスは決して簡単に癒えるものではなく、当面の間、普通の日常生活もままならず、生活に支障をきたすことも十分に考えられる。
ストーカー規制法があるが、警察に相談をしても、証拠がなければなかなか動いてくれないようだ。動いたとしても警告や命令といったもので、被害者を確実に保護できているとは到底言えないだろう。事実、三鷹ストーカー事件においては、被害者は警察に相談していたにも関わらず殺害されている。これでは一体何のために相談をしたのかわからない。ストーカーは緊急性を要する事案であるという意識を、過去の事例から学んで欲しい。話が少々それたが、ストーカー規制法の見直しが必要なのではないかということが言いたい。具体的には、この法律の厳罰化や警告の方法、迅速な捜査等である。
「憲法との兼ね合い」
次に児童ポルノについて述べていく。
この度、児童ポルノに関するものの単独所持も禁止とする法律が施行された。処罰は「自己の性的好奇心を満たす目的」があったと認められる必要があり、学術研究などは処罰されないとしている。また、児童ポルノ「自己の意思に基づいて所持するに至った者」であると「明らかに認められる者」が処罰の対象となり、知らないうちに児童ポルノを送りつけられたという場合には「基本的には処罰されない」といったものだ(引用)。ここで問題となるのは憲法13条の幸福追求権の侵害ではないのかというもの。確かに個人利用の範囲内であれば、所持をしていても問題はないはずだ。しかし、同時に児童も国民並びに個人として尊重されるべき人間である。自己の性的欲求を理由に児童ポルノの所持、買春等の行為は法律によって規制されるに十分値する。また、規制法第1条にこの法律は、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性にかんがみ、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利を擁護することを目的とする。とある。したがって、児童の保護は妥当であり、今回の改正法も適正であると考える。しかし、(適用上の注意) 第三条この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。とあり、議論が続きそうだ。私の意見としては、先程も述べたように、単独所持の法律も適正である。
では、男女間において年齢の錯誤があった場合はどうだろうか。(児童の年齢の知情)
第九条 児童を使用する者は、児童の年齢を知らないことを理由として、第五条から前条までの規定による処罰を免れることができない。ただし、過失がないときは、この限りでない。 と条文にはある。これによって、過失がなかったことを立証できなければ無罪にはならない。だが、故意でないことを立証するのは難しいのではないか?これでは本当に錯誤があった場合、非常に不利な状況におかれるであろう。こうした者を保護するためにも、もう少し規制を緩やかにすべきではないだろうか。かといって「過失はなかった」ということで全て無罪となってしまうのは、これもまた問題である。判断が難しい点ではあるが、今回のケースにおいては錯誤をした者をある程度保護すべきだと考える。
「カフェー丸玉女給事件から考える自然債務」
ここまでは主に刑法に関する事項について述べてきた。ここからは民法に関する事項について述べていく。
まず、私の意見を言うと、男女の私的関係にまで法が深く関与しなくても良いと考える。冗談交じりの口約束など、日常生活の中や他人との関わり合いの中でよくあることだろう。
カフェー丸玉女給事件という判例がある。カフェーの女給(今で言うとキャバレーのホステスさんにあたる)に対して、そのお客さんが歓心を買うため、将来の独立資金を援助しようという約束をしたため、その女給さんが、その約束の履行を求めて裁判を起こしたというもの。裁判所の見解は、かかる約束については、本人が自ら履行する場合は債務の弁済として有効であるが、そうでない場合に、法律によって強制すること適切でない債務の場合があるとして、女給の請求を認めなかった(判決としては、そのような自然債務の可能性もあるから、その点について審理すべきとして差し戻しの判決がなされた、)。つまり、このような酒の席で、女性の歓心を買うため、つい、心にもない大それた約束をしてしまうことは往々にしてあることであり、それらの酒の席の約束については、本人同士で解決すべきもので、国がその実現に協力する筋合いのものではない場合があると判断した。というものである。私はこの見解に賛成である。客自身も女給が本気にするとは思っていなかっただろうし、先程も述べたがこのような冗談は関わり合いの中で十分想定できる範囲内であろう。このような事案について法が介入してしまっては、ちょっとした冗談も安易に口にできなくなってしまう。また、債務の中には、裁判手続に
よって実体法上の権利の存否を判断してもらうことができず(訴求力がない)、よって債務の内容を強制的に実現することもできない(執行力がない)が、債務者が自らすすんで履行した場合には、有効な履行として債権者は履行された給付を返還する義務を負わない(これを給付保持力という)ものが存在する。このような自然債務といった概念もあるので、文書か何かの証拠でもない限り、法が介入する必要はないと考える。
「当然の規制」
話が金銭問題に入ってきたところで次の話題へ移る。
民事的に違法な男女関係において、金銭や物のやり取りがあった場合に返還の請求ができるのかという問題。条文を見てみる。
(不法原因給付)
第708条
不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
とある。つまり公序良俗に違反して行われたものに対しては返還しなくても良いというものだ。これについても私は賛成だ。そもそも公序良俗に反した金銭や物の動きであるにも関わらず、そういったものに対する返還請求が可能になってしまえば、違法なものを保護することになりかねないし、法のあり方ももう一度見直す必要が出てきてしまう。以上のことから、法によるこの程度の規制は適正であると考える。不倫など紛らわしいことはしないのが一番である。
「夫婦間における契約取消権」
民法第754条では、「夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。」と定められている。
法は家庭に入らずという概念を象徴する条文ではないだろうか。夫婦間の愛情といったものまでに法が入り込むことは望ましくないし、夫婦である以上その2人の間で問題は解決すべきという趣旨からの法律であろう。これに対しても賛成である。また、この条文が適用されるのは夫婦の仲が良い場合のみであって、実質上破綻状態にある夫婦においては適用されない。このような柔軟な解釈があることも賛成する要因である。
「まとめ」
ここまでキーワードを使いながら男女関係と法について述べてきた。冒頭の結論で私は、見直すべき点もあると述べた。男女間の様々な関係に法がもっと介入すべきかそうでないかは、断言できない。一つ一つの事案によって感じ方や考え方は違うからだ。
私が述べてきたことは大きく二つにわけることができる。
一つは、刑法が絡んでくるものは規制を厳しくし、法が介入しても良いのではないかというものだ。ストーカーなどの性暴力や児童ポルノがこれにあたる。たとえそれが愛であっても、常識を逸しており、さらに相手に被害を負わせた上に様々な権利を侵害している。こういった面から、今よりもう少し男女間に法が介入しても良いと考える。
もう一方は、民法が絡む問題にはあまり深く介入すべきではないというもの。愛情や一時的な感情への法の介入はすべきでない。ある程度の規制は必要だが、カフェー丸玉女給事件のようなことは日常でよくあること。夫婦間における契約取消権に代表される、「法は家庭に入らず」という概念は尊重されるべきである。
この二つの考えが今回のレポートで私が考えた意見である。
参考URL
カフェー丸玉女給事件
http://www9.ocn.ne.jp/~ishigami/Jouhouteikyou/Keiyakusyo/Keiyaku-tohananika.html
自然債務
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E5%82%B5%E5%8B%99
男女間の法
http://www.mc-law.jp/rikon/2557/
児童ポルノ
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO052.html
不法原因給付
http://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC708%E6%9D%A1
石川周朔
男女関係と法
14J102018 石川周朔
私は法律は一部を除いてはもっと男女関係について厳しく取り締まった方がいいと
思う。
はじめに、これから男女関係に法律がどのように介入すべきか、またはすべきではないかを判例や条文をもとに述べていく。1では刑事法について実際の判例と判決をもとに私自身の考えと見解を述べる。2では未成年の性事情について青少年保護法をもとに意見を述べる。3では民事法について実際の判例と判決をもとに私自身の考えと見解を述べる。4では夫婦間の問題についての法律の在り方について考えを述べる。最後のまとめではそれまでの意見をまとめ、足りない部分の補足とこれからの日本の法律の在り方について述べる。
目次
1.歪んだ恋愛感情と自己中心的な行動
2.未成年の性問題
3.民事的男女関係
4.家庭と法
5.まとめ
1.歪んだ恋愛感情と自己中心的な行動
まずは、一番身近に感じられる『性暴力』『ストーカー』について意見を述べる。性暴力と言えばまず思い浮かぶのは強姦、レイプ、痴漢、強制わいせつなどをよく耳にすると思う。
刑法176、177条には強制わいせつ、強姦についての構成要件が載っているが強制わいせつについては6か月以上10年以下の懲役、強姦については3年以上の有期懲役、181条より致死の場合はそれぞれ3年以上の懲役か無期懲役、5年以上の懲役か無期懲役。どう思うか。私にはとても軽いように思える。
判例を見てみよう。1988年東京都足立区綾瀬で起こった『女子高生コンクリート詰め殺人事件』、この事件の概要は少年4人が女子高生を拉致、監禁、強姦、拷問し死なせさらに死体をコンクリート詰めにして遺棄するという近代稀に見る凶悪事件の一つである。裁判では少年らはそれぞれリーダー格に懲役20年サブリーダー格に5年以上10年以下の懲役、その他二人には5年以上9年以下、5年以上7年以下の懲役という判決が下された。この事件は犯人は未成年でありながらあまりに凶悪すぎるため成人と同じように扱われたという。
この事件と裁判所の判決を見てどう思うだろうか。私はこんな凶悪な事件を起こしてこの判決はあまりにも軽すぎると思う。自分たちの欲望のままに少女を拉致、監禁し性的暴力やひどい肉体的、精神的暴力を加え挙句の果てには死なせてしまい、死体の処理に困り遺棄。それなのに懲役だけ、私は亡くなった少女のことを思うとあまりに報われなさすぎる。私は死刑判決が妥当だと思う。まだまだこういう犯罪は見つかってないだけで世の中にたくさんあるかもしれない。この事件でも懲役だけなら犯罪への抑止力的効果が見込めないのではないか。事件が起こってからでは遅い、起こる前に止めるにはやはりもっと法律で厳しく取り締まるべきである。
次にストーカーについて述べたい。まず知っての通りストーカーとは特定の人に付きまとう迷惑行為である。しかしその迷惑行為がエスカレートすると大変な事件になる。2013年10月8日に起こった『三鷹ストーカー殺人事件』この事件は女子高生がフェイスブックで男と知り合い交際するが女子生徒が距離を置き始め、海外留学の出国前に別れを告げたが帰国後に男が復縁を執拗に迫り最終的に拒んだ女子生徒を殺害したという歪んだ恋愛感情が生んだ残念な事件である。この事件は女子生徒が事件発生の数時間前に警察に「待ち伏せされている」と相談に行ったにもかかわらず起きてしまった。なぜなんだろうか。私は世間でのストーカー被害を軽視しがちなことに原因があると思われる。ストーカー規制法によるとストーカー行為をしたものは6か月以下の懲役または50万円以下の罰金とある。人に危害を加えておいて罰金で済んでしまうということがあっていいんだろうか。この事件の判決は無期懲役が求刑されているが、私は人を殺しておいてのうのうと生きているのが不思議でしょうがない。場合によっては「人殺し」も仕方ないと思うが今回はただのエゴであって許されるべきでない。それに相談されたときに警察も家まで一緒に帰ってあげることはできなかったのか。ストーカー規制法もそうだが警察の対応も改善の余地があるようだ。
2.未成年の性問題
未成年の淫行(みだらな性行為)は青少年保護法の淫行条例より禁止されている。これは各都道府県が規定しており適用範囲はもその都道府県に限定される。ここでいう淫行とは、不純な理由からはじまる性行為であって結婚を前提になどの純愛であれば条例に反しないということである。私も純愛であれば未成年での性行為も許されるべきだと思う。
未成年のことで児童ポルノの問題がある。条文によると児童(18歳未満に満たないもの)に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性にかんがみ、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利を擁護することを目的とすると書かれている。この法律は未成年のためになっていると思われる。最近では児童ポルノの単純所持も禁止され破ったものには罰則もある。法律の見直しがされ厳重化されるのはいい傾向だと私は思う。
3.民事的男女関係
自然債務という言葉がある。自然債務とは債務として最低限の効力しか持たない債務である。『カフェー丸玉女給事件』昭和8年頃、大阪のカフェ「丸玉」の女給に熱を上げた客が、女給に独立資金として400円渡すという約束をした。男にはそんな金もなく、ウソであったが、そのことを真に受けた女給が、いつまでも400円くれないことにしびれをきらし、訴えたもの。1審、2審は、男の敗訴。大審院は「浅い馴染みの客が、女給に多額の金銭を与える約束をしても、その履行を強制されない特殊の債務関係が生じるに過ぎない」と、男の勝訴判決を下しました(民法414条、大判昭10.4.25)。(参照http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1428778279)
この事件は自然債務について代表的な事件のひとつである。裁判所は男の戯言を本気にするなと裁判では負けてしまった。なんとも哀れであるが、私はしょうがないと思う。しかし、こんなことでいちいち裁かれていては日本は犯罪者だらけになってしまうがこの事件の場合男は金を払うといって女給からそれ相応のことをしてもらってたのではないだろうか。そうなれば話は別で、金を払うからと体を要求されたら、金の為ならと割り切ってしたことなら、これは罰せられるべきなのではないかと私は思う。
お金の問題では不法原因給付について述べたいと思う。不法原因給付とは私人間での契約で金銭又は物を給付したが、その契約が無効になったとき善良の風俗(民法第90条 公序良俗)に反する不当な目的を理由とする場合不当利益返還請求できないというものである。私は公序良俗の定める善良の風俗が非常に曖昧だと思う。もっと具体的に示すべきだと感じる。
4.家庭と法
家庭と法について述べる。民法 754条では夫婦間の契約は、婚姻中いつでも夫婦の一方から取り消すことができる(夫婦契約取消権)と定めている。これは法律を持って二人を拘束するのは適切ではなく愛情と道義によって約束事を解決すべき、『法は家庭に入らず』というスタンスを示している。例えばこの法律を使えば、夫が妻にその場しのぎでダイヤモンドを買うといって妻が信じたとする。しかし夫は最初から買う気がなくて妻が催促をして買ってもらおうとしても夫から一方的に無効にできるのです。ここで民法上の錯誤が生じていても関係なしに取り消せる。冒頭で私は『私は法律は一部を除いてはもっと男女関係について厳しく取り締まった方がいいと思う。』と書いたがその一部というのは『夫婦間の問題』である。夫婦間の問題は非常にデリケートであり、私は家庭というのはそれぞれに独自のルールがあり大げさに言うと小さなひとつの国みたいなものだと考えている。日本の法律がアメリカで通用しないのと同じ原理その逆も然り。しかし家庭というのはの日本人が作り出し日本に存在しているので全く制約を受けないのは違う。私は夫婦間のトラブルは当人たちで解決できない場合法律に頼るというのが理想だと考える。家庭内暴力などは別だが、そういう法律体制が望ましいと私は思う。
まとめ
ここまで述べてきて、まだまだ男女関係について改善の余地があることがわかった。特に刑事法はまだまだ未完成だと感じた。刑事法の罪は軽すぎる。私は人を殺したものは特別な理由がない限り死刑がふさわしいと思っている。それなのに『女子高生コンクリート詰め殺人事件』などを見てると軽すぎて信じられない。
次に民事法には法律の穴があるように見えてならない。民法第90条の公序良俗については上でも述べた通り、曖昧で善良の風俗とは曖昧で善人の考える善良の風俗と悪人が考える善良の風俗は果たして同じだろうか。こちらはこういった問題をどう解決すればいいのかを早急に考えるべきである。
夫婦間の問題では法律の関与の余地はあまりないように思えた。
未成年の性問題も非常にデリケートで難しい問題だがいまある法律では事件を未然に防ぐのは難しいのではないかと思える。親などに売られやな思いをしてる人がいるかもしれない。今ある法律では事件発覚後なら裁くことは可能だ。しかし事がおっこってからでは遅い。体の傷は消すことや治すことができるかもしれないが、心の傷を消すことはなかなかできるものではない。被害者の悲しみや痛みを考えるとどうも今の法律は緩く思えてしまう。なので私は法律は一部を除いてはもっと男女関係について厳しく取り締まった方がいいと思う。
しかし法律だけで事件発生を防ぐことができないのもまた事実。これには社会全体の協力が必要不可欠である。法律の改善だけでなく犯罪をしないさせない社会環境を作っていくのがこれからの及第点なのかもしれない。
黒濱史也
基本男女は法の下、平等である。しかし、一部の法、社会では男女には差が存在する。
ストーカー+児童ポルノ+表現の自由
今回のテーマでは、大半が男性による犯罪が目立っている。例として最近の事件の岡山で起こった小五女児誘拐事件を挙げる。この事件は以前にも不審者がいると言われていた所で、小5女児を誘拐し容疑者宅で監禁し誘拐の罪(224条)で起訴されたものである。今回の事件によりアニメの規制がされる可能性がある。それは容疑者が美少女系のアニメポスターが天井や壁に貼り付けてありそれが容疑者の犯行に繋がったと思われているからである。この意見がネット、テレビでも扱われている。最高裁判所ではまだ適用されていないが、下級審では表現内容規制で明白かつ現在の危険として@ある表現行為が近い将来、実質的害悪をもたらす蓋然性が明白であること。Aその実質的害悪が極めて時間的に切迫していること。B当該規制手段がその害悪を除去するのに必要不可欠であること。この@ABが必要であるとされておりこの事件においてアニメが制限されることはない。ただ、視聴する側として一定のモラルを守る必要がある。
もう一つの例として三鷹事件を挙げる。この事件は元彼氏による犯行で被害者女性が死亡した事件である。この事件の注目すべきことは特別法のストーカー規制法が役に立っていなのではないかというところである。私はもっと厳しくすべきだと考えている。今回の事件は警察の再三の警告にも起こった事件であるためだ。このストーカー規制法の「個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資すること」この目的が達成できていない。私が思うのは犯人に対して警告が効いていない。一回目の犯行に対して警告は威嚇になり歯止めが効くであろう。しかし、今回の事件のように警告を無視する犯人にはストーカー規制法の目的達成のために強制執行をすべきだった。私はこのストーカー規制法が取締りのための法律のように感じている。この法律の目的達成のために強制執行ができる法改正及び法の厳罰化されることを期待する。
性暴力と淫行
性暴力による犯罪は刑法167条と177条がある。淫行による犯罪は特別法の青少年保護法である。青少年保護育成条例は青少年の健全な育成を図るために青少年保護することを目的に施行された条例である。ここでの論争は授業でも取り上げられた十八歳未満の子と成人による性行為は淫行に当たるのかどうかである。青少年保護育成条例には何人も青少年(18歳未満)に対して淫行またはわいせつ行為の禁止がある。ここの条文だけでは淫行は抽象すぎてわからないが、判例によると淫行とは青少年に対する性行為一般ではなく、青少年に対し誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当」な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させる対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為を淫行と定めている。ここから分かるのは純粋な恋愛による性行為は認めていることだ。私はここで疑問を提示する。愛知県で実際にあった事件では不倫による、十八歳未満の青少年との性行為はここに抵触するかどうかだ。名古屋簡易裁判所では不倫とは「結婚を前提にしない」というだけでは刑事罰との対象とはならず、加害者と青少年との関係性、行為の手段方法、状況等の外形的なものを捉え、青少年の保護育成上危険があるか、加害者に法的秩序からみて実質的に不当性、違法性があるか等、これらを時代に応じて『社会通念』を基準にして判断すべきと述べ、一定期間に映画を見に行くなどのデートを重ねたこと、女子高生も男性に対して好意を抱いており、合意や心的交流があったうえでのセックスだったことなどから、「淫行」に相当するというには相当な疑問が残るとして、男性を無罪にするとしている。淫行は不倫及び純粋な恋愛における性行為は罰せられない。私はこの条例の目的が守られいなように感じる。不倫における性行為が健全な育成を守っているのか疑念があるからだ。だが、構成要件にあてはまらないのであればこの名古屋簡易裁判所の判断は妥当であると判断できる。また、不法原因給付によるお金の返済は民法708条により返済義務は存在しない。
カフェ丸玉女給事件
この事件は大阪の丸玉にあるカフェで男性客がここで働く女性に400円をやると言ってそれを真に受けて女性が男性に対して請求した事件である。公序良俗に反しない限りの無償契約の諾成契約又は片務契約が男性に存在したのだろうか。確かに意思表示は相手方がその意思表示を知ってから有効である。だが、この事件は自然債務として債務の内容を強制的に実現することもできないとして結審した。私は彼女には心裡留保の相手方が善意無過失と言えないと考える。この女性は現代のいわゆるホステスをしていた女性であった。彼女は職業柄としてこのような事が日常的あったと想定され男性の言葉が本心から出た言葉として信用するに値しないのはすぐに分かるはずである。私は この判決が妥当と判断する。
夫婦契約取消権
夫婦間でした契約はいつでも取り消すことができる。第三者の権利を害することはできないとされている。ただ離婚前で夫婦間に破綻に瀕した場合、その契約は有効であり取り消すことができない。夫婦契約取消権が生じる夫婦とはいつから始まるのだろうか。夫婦の定義は、婚姻届を提出し一緒に居住している男女である。では、事実婚の男女は夫婦ではないのだろうか。ここでは二つの学説が存在している。最初にライフスタイル論を挙げる。この学説は日本国憲法13条(幸福追求権)
を根拠として、個人が婚姻という形態をとるのか事実婚という形態をとるのか選択するのは自由であり、国はこの自由を保障すべきであるとる学説である。もう一つは、婚姻保護論がある。この学説は婚姻の法制度上の効果を望んでいない当事者に婚姻類似の効果を認めるべきでないとする学説である。両者には批判もあり、まだ判例が存在していない。結婚の多様化に伴い法律の改正が必要と考える。
親権
親権とは婚姻中は二人の親が持っていて未成年の子に対して執行できる権利である。離婚の際は片方の親が親権をもつことになるためとても離婚の際にもめる権利である。私が率直に感じるのはこの親権の取得は男性に不利で女性に有利に働いてるところだ。子の親なのになぜ男性は不利なのだろうか。私はこう考えている。母が有利なのはお腹を痛めてまで出産した人であり、子の育児には母が適していると考えがある。裁判では母方に親権を与えるのが圧倒的に多いが決まっているわけではなく、小さい子は母方が育てるべき慣習があるみたいだ。ある程度の意思表示ができる子にはその子の意見を尊重した決定がなされようだがもう少し親権における父親の地位向上をしてもらいたい。
私の知っている裁判での親権の確保をした子の父は、育児にどれだけやってきたか証拠の写真が決め手になったと思われるからだ。この父の場合は写真が存在したため、親権を勝ち取れたが証拠写真がなければ負ける確率が高い。また、男性の裁判における負担軽減も考えて欲しいところだ。
育児
日本の社会の風潮として赤ちゃんの世話や子育ては女性の仕事であり、男性は外で仕事をして家族を養うことで育児参加をするというものがあり、未だにそのイメージは根強く残っているように思われる。実際に以前は「育児・介護休業法」でも配偶者が専業主婦(夫)で家にいて子育てに専念できる場合は、その夫や妻が育児休暇を取得することはできないと規定されていました。 また、育児休暇は法律で定められているため取得できて当然の制度ですが、実際には育児休業を申請しても仕事の状況から申請を却下されたり、申請によって退職に追い込まれてしまったりすることも多いのが現状である。女性でも同じような状況であるため、男性の育児休暇取得についてはさらに厳しい現状があります。 厚生労働省の調査によると、育児休業制度を規定している企業は全体の約7割とされていて、女性の育児休業取得率は平成11年時点では5割程度でしたが、平成17年には7割、平成20年には9割と順調に伸びてきている。これに対して男性の育児休暇取得率は、平成11年時点で1割未満、平成20年でも1割とまったく取得率は上がっていないのが現状である。 そのため、厚生労働省は男性が育児に参加しやすい環境を作り、育児時間を増やすことを目標として、現在「パパ・ママ育休プラス」の普及に力を入れています。男性が育児や家事を行う時間は平均して1日あたり60分という統計がありますが、厚生労働省は10年後に2.5時間まで伸ばすことを目標といる。女性だけでなく男性も取得することが可能な育児休業には様々なメリットある。育児休暇のメリットとしては何よりも出産後も女性が同じ会社で働くことができる点ではないだろうか。以前は結婚や出産を機会に会社を辞めざるをえない女性も多く、子育てが一段落してからの社会復帰はなかなか難しいものがありました。しかし、現在は少子化対策の一環として育児休暇が法律で認められるようになり出産後の社会復帰が可能となってきている。まだ男性の育児休暇取得が増えてきたメリットとして、出産直後の女性の育児負担を減らすことができようになったことと、男性が育児へ積極的に参加できるようになったことがあげられる。しかし、現在のところ女性に比べて男性が育児休業を取得する数は圧倒的に少ないと言われている。 育児休暇について定められている「育児・介護休業法」では育児のための様々な制度が設けられていますが、育児だけに限定した休暇ではない。もしも子供が怪我や病気などで看護が必要となった場合に、子供一人につき看護休暇が年間で5日間(2人以上の場合は年間最大10日間)が付与されることとなっている。他にも勤務時間の短縮や所定外労働の免除についての規定もあり、育児をしながら仕事を続けていくための様々なメリットがある。育児休暇のデメリットとしては、育児休暇中の給与が無給もしくは減らされることや、仕事から離れている間のブランクなどがあげられる。また育児休暇については未だに一部の企業では取得しにくい環境のところもあるという点である。特に男性の場合は査定などを考慮して育児休業を取得する人が少ないと言われている。よりよい育児環境が行える社会になることを期待する。
参考
J CAST
ニュース 女子高生とのセックス
「愛」あれば不倫で「無罪」
離婚 必ず母親が親権を得る?
育児休暇の仕組み (引用)
口約束の契約不履行
夫婦間の契約取消権の判例
憲法 白水先生のプリント(表現内容規制)
福岡県青少年保護育成条例事件
NEWSまとめもりー 岡山県倉敷小5誘拐監禁事件
法令条文 各都道府県の青少年保護育成条例において淫行禁止に関わる部分の条文
日経新聞 元交際相手に無期懲役求刑 三鷹ストーカー殺人事件
中江先生の授業ノート
ポケット六法