猪股俊介

健康日本21と公務員制度

 

 

. 本件に対する私的見解

 

健康日本21を成功させるためにも、公務員制度の無駄を省くことも含めて今後の社会保障費を確保→健康の確保→最終的な医療にかかる社会保障費を減らす方向へ繋げる必要がある。

 

 

. 健康日本21とはなにか

 

健康日本21は、新世紀の道標となる健康施策、すなわち、21世紀において日本に住む一人ひとりの健康を実現するための、新しい考え方による国民健康づくり運動である。 これは、自らの健康観に基づく一人ひとりの取り組みを社会の様々な健康関連グループが支援し、健康を実現することを理念としている。 この理念に基づいて、疾病による死亡、罹患、生活習慣上の危険因子などの健康に関わる具体的な目標を設定し、十分な情報提供を行い、自己選択に基づいた生活習慣の改善および健康づくりに必要な環境整備を進めることにより、一人ひとりが稔り豊かで満足できる人生を全うできるようにし、併せて持続可能な社会の実現を図るものである。これは厚生労働省のホームページに見る健康日本21の総論の序文である。現に世界各国でも国を挙げての国民健康政策というのは実施されているが、これは単に国民が健康になるのが良いことだということだけではなく、最終的に国民の病気を減らすことが出来れば、国の社会保障費を減らすことができるという大きな命題を抱えている。その健康について語るにおいて 、我国の死因のトップを占める生活習慣病をいかになくしていくことができるかが鍵となっている。

 

事実、現在の日本では少子高齢化の傾向が着々と進行しており、人口転換的にも少産少子の時代を経て、少産多死の時代に入ろうとしている。つまり、これからは多産の時代に産まれた団塊の世代が老人になり、少産の時代に産まれた私たち現在の子供〜若者の世代がその少ない人数でもって多くの人数を支える必要性が出てくることになる。そうなると、もちろん年金の問題 (現に今までは三人で一人の老人を支えていたのに、これからは一人で一人を支える苦しい状況になる) も出てくるし、なによりも人が医療にお金を費やすのは死ぬ直前が大部分を占めることにより、膨大な社会保障費が必要になってくることが懸念されている。早い話が大きなお金が国として必要になってくるのだ。だからこそ、余分な病気によってかかる社会保障費の流出を防ぐために、国民の健康改革を推し進める必要性が出てくるのである。

 

では、ひとえに 「健康改革」 といっても具体的にはどのような対策をしているのだろうか。その一つになるのが 「特定保健指導」 と呼ばれる健康指導である。これは、一般的に健康とは呼べないラインを設けることによって、そのラインを割ってしまった人への特定検診を行うといったものである。その特定検診にかかる健康のラインとは、High-Density Lipoprotein [HDL/高密度リポたんぱく] の値が40mg/dl以下、空腹時の血糖値が110mg/dl以上、最高血圧の数値が140mm/Hg以上の三つである。この特定検診の中では、当然にダイエットに関する指導も行われており、どういった運動を行うことにより消費カロリー (Metabolic Equivalents [通称METs (メッツ)]) を上げることが出来るのかも内容に含まれている (指導内容では摂取カロリーが消費カロリーを上回ることを推奨しており、これはダイエットによるストレスを溜めないための対策である。ただし、食べる量は減らさない代わりに野菜を多く取らなければならない。そして、有酸素運動、中でも大きくスローな運動を行うことにより全体の筋肉量の増加を図り、体全体の代謝を上げていくことが最も望ましいとされている。)

 

 

. 健康日本21に取り掛かるために (公務員制度の改革)

 

このように、外見からするとこの上なく望ましい健康日本21であるのだが、この健康改革が成功しているのかというと、まだ良い結果が現れていないのが事実である。言うまでもなく、やり方に問題があるのかどうかといった見直しもなされてはいるのだが、今後少ない時間で見直しと成功を見るのはなかなかに困難であろう。よって、今後必要になるお金をどこからか用意しなくてはならないことになる。では、なにによってこれを実現するのかという問題で注目すべきなのが、公務員制度における無駄の排除である。単に無駄の排除といってもどの部分を重視するべきなのかといった問題に突き当たるが、これは簡単な話でありほとんどは天下りの 問題の解決によるものである。

 

さて、天下りの解決と簡単に言っては見たが、どうして天下りなるものが起こるのかという根本的な部分を知らないことには意味がない。よって、その部分の解説から入っていこうと思う。まず、天下りというものは官僚の中の間引かれた人が、その所属の影響の強い団体等 (等としたように、一般企業への天下り自体もあるので一概には言えない) に流れるように転職する仕組みを言う。これは本来官僚組織の若返りを目的としたところから来ているのだが、悪い方向へと進むと汚職や癒着といったものが出てきてしまうのである。

 

公務員という職業には、職業であるにも関わらず、どことなくつきまとうような身分保障じみたものがある。リストラや倒産がなく、老後も天下りで面倒を見てもらっている人もいる。事実、公務員の人数自体を見ると諸外国と比べて人数が少ない日本ではあるが、権限の大きさ的には日本の社会に対して大きな影響力を持っているのである。では、なぜこのような身分保障があるのかというと、公務員には労働基本権と政治活動を認められていないというのがある。これに関する判例が三つあるので時系列順に触れてみようと思う。

 

はじめに土台になるのが全逓東京中郵事件と呼ばれるものである。ことの起こりは昭和33年の春闘の際、被告人8名が全逓信労働組合の役員として、東京中央郵便局の従業員を勤務時間に食い込む職場集会に参加するよう要請・説得し、38名の従業員に対して職場を離脱させたというものであり、この行為が郵便法79条1項の郵便物不取り扱い罪の教唆罪に当たるとして起訴された。本件の争点は、言うまでもなく郵便局職員の争議行為禁止規定の合憲性である。この事件の判決では、裁判所は4つの条件を公務員の労働基本権を制限する場合に求めるとして (合憲限定解釈)、公務員の労働基本権はある程度認められるようになった。ただ、この最高裁判決を受けて一番驚いたのは日本国政府であった。というのも、政府の意に反した判決といってもいいような内容であったからである。よって、この流れは数年間続くことにはなるのだが、後に起こった全農林警職法事件では労働基本権が、猿払事件では政治活動が否定され、ついには全面禁止となったのである。

 

これはあくまで公務員の政治活動・労働基本権に関わる判例であるが、ついでに付け足して見るならば法人と政治の関係はどうなのであろうか。これには二つの判例がある。政治献金をめぐって争われた八幡製鉄事件南九州税理士会事件である。この二つの事件の判決は、どちらも政治献金をめぐって争われたものであるにも関わらず異なっており、八幡製鉄事件では政治献金を認める判決、南九州税理士会事件では認めない判決が出されている。なぜ二つの判決が食い違うかについては次の通りである。まず、本二つの事件とも、争点となるのは政治資金の寄付行為は、定款所定の事業目的内の行為かというものであったのだが、その所属する団体が強制性のある団体だったか否かというのが結論を分けるに至った要因である。後者の南九州税理士会事件は、当該税理士会に所属する税理士が税理士会に対して訴えを起こしたものであるが、税理士にとって、税理士として働くためには税理士会への所属は必要不可欠のものであった。そんな団体が各会員に課す競技義務は、場合によっては人権侵害に当たることがあるのである。

 

さて、では話を公務員の天下りといった内容に戻そうと思うのだが、私個人が思うに単純に天下りそのものが悪であるとは思わない。現に先に述べたように官僚制度の若返りを目的としたものや、実際に官僚になる人材は優秀な人が多く、別所にて登用することで成果を上げるといったことも少なくはないからだ。しかしながら、良い点があるにも関わらず、悪い点ばかりが大きく見えてしまう現状 (市民が思う天下りの印象というのは、制度を細かに知ってのことではなく、マスコミ等が面白いように公務員叩きをしているというのに起因することのほうが多そうではあるのだが) というのは、やはり近年天下りの悪いところが目立ってしまっているからであろう。特に、無駄なポストができることによって国の財産を食いつぶしているというのであれば問題であるし、もしこれを否定して必要なものだというのであれば、天下りなどという謎の仕組みを作るのではなく、各省庁内に部署を設けてしっかりと管理すべきものである。これを実現するためには、事実起こっている自然昇給等の形を無くし、優秀な人材のみが昇給する仕組みを設けることが必要となるのである (本来必要なものであるのならば、そこに公務員の給与として税金が行くのは何ら問題ないし、人数自体が変わるわけではないのだから大変になるということもない。だが、不必要なものは解体することにより、ただの社員として国に貢献すればよいだけの話 [昇給していない公務員なので、天下りなどの形をとるよりは支給されるお金も減ると思われる] なのである)。また、この時仕事の評価が正しく行われること (元公務員同士で評価したのでは、正当な評価がくだされない可能性がある) ことには注意しなければならないだろう。実際に、外交や徴税・防衛等の権力中核部分以外を民間との協力に晒すという見方もできるのだが、基本的に公務員と民間の仕事内容は異なる上に、公務を民間に下ろすことで成功した事例というのもないに等しい故、大筋自体は変わらない可能性は高いものと思われる。しかし、選挙や倒産による組織見直しの機会のない官僚機構は、官僚が先導していた時代に作られた特権を返上し、代わりに労働基本権を認め、人事院の廃止等も検討するのがよいと思われる。こうして、仕組み自体を民間に近づけていくことができたならば、税金の無駄食いなどと言われることもなくなっていくだろう。とはいえ、現場にある程度の裁量があるというのも事実であるのだから、 現場そのものが無駄をなくそうという意識をなくさない限りは無駄が減ることはないという点は重要な点である。

 

 

. まとめ

 

このように、社会保障を語る上で裏の問題として見えてきた公務員制度に見る問題であったのだが、実際問題公務員だけにすべての問題が詰まっているのかといえばそうではないだろう。今回の公務員制度に見る問題は、あえてピックアップされた一部分に過ぎないはずである。事実、健康日本21を実現するには長期的な目線で物事を見る必要があるものと私は考えている。だからこそ、今回少尉高齢化に伴う社会保障の問題も絡んできたのだが、網の目状に絡み合う多種多様な制度は、最終的に日本という国の未来を明るくする方向に向いていなければならないというのは当然のことだろう。健康日本21のとっかかりとしての公務員制度改革である が、始めろと言って自主的に始めるというのはなかなかに難しいものである (それだけに強い利権だから)。だが、始めないことには国の将来が危ぶまれることが明白になっている現在、どうしても始めないわけにもいかないということを強調したいと思う。身内に甘い状態を続けるわけにはいかないのである。先に述べた通り、天下りそのものが完全悪なのではなく、重要なのは現在潜んでいる無駄を一つ一つ排除することにあるというのは忘れてはならない。様々な無駄が排除されていった結果、国としてのあり方も向上し、そんな中で国民の健康状態も素晴らしいものである・・・そんな理想的な状態が将来的に作り出される方向へ進むことを祈って、本レポートの締めとする。

 

以上

 

 

( 目次 )

 

. 本件に対する私的見解

. 健康日本21とはなにか

. 健康日本21に取り掛かるために (公務員制度の改革)

. まとめ

 

 

< 参考・引用に用いた書籍、又はサイト >

授業ノート

社会保証のイノベーション 信山者-中江章浩 著

 

Wiki項目 各ワード

 

東京実業健康保険組合ページ

http://www.tojitsu-kenpo.or.jp/member/info/10.html

 

厚生労働省ページ 健康日本21

http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/s0.html

 

公務員の歴史

http://www.government-worker-history.com/status-adoption/career-point/

 

 

 

 

小松祐太

結論
@健康な生活を送ることにおいて健康日本21の目的と活動内容を高く評価し、今後も改訂を続けながら活動を継続していってほしいですが、健康寿命と平均寿命の差が大きいと感じるので、いかに習慣的な運動を定着させていくかが重要だと思います。
A公務員制度において、政党に対する献金であっても、企業からの献金は制限をされるべきものだと考えます。また公務員は国民から納められた税金を元に生活をしているため、与えられた職務を全うし、ある程度の人権は制限されてもしょうがないのではないのだろうかと考えます。

@の根拠
・平均寿命と出生率
 戦後の1947年〜49年にかけての第一次ベビーブーム、1971年〜74年にかけて再び起こった第二次ベビーブームによって日本は人口増加を続け、1950年には8000万人だった人口が40年後の1990年には約12000万人にまで達しました。人口の増加とともに経済も発展を続け、世界有数の経済大国になったのは、この時代に生まれた人たちの頑張りがあったからだと思います。しかしここにきて新たな問題が浮かび上がってきました。それは高齢化社会です。総務省が発表した推計人口によると2013年の65歳以上の高齢者の人口は過去最高の3186万人で、総人口に占める割合も25%を越え、こちらも過去最高となりました。
高齢化社会の主な理由として2つ挙げるとすれば、1つ目に少子化の問題がある。第一次ベビーブームの時には4.0を超えていた合計特殊出生率(一人の女性が生涯で産む子供の平均数)は第二次ベビーブームの時には、自然増と自然減の境目と言われる2.07まで減少しました。その後も減少を続け、2005年には過去最低の1.26を記録した。2つ目の原因は平均寿命の延びが考えられます。1947年に男性50.06歳、女性53.96歳だった平均寿命は2010年には男性79.55歳、女性86.30歳と、53年間で男性は約29.5歳、女性は32.3歳平均寿命が延びている。1950年代は子供がたくさん産まれていたが、平均寿命は50歳ほどであったため多産多死だったと言える。そして近年、合計特殊出生率は低いが、食事の改善や医療の発達により平均寿命は延び続け、少産少死の状態が続いている。これは日本が人口転換を迎えていると言えます。この状況が続けば、人口減少は止まらず、国力も低下し、やがては労働人口が高齢者を支えていけなくなる時代が来てしまう恐れがあります。手遅れになる前に国は少産を多産に変えていく策を考えていかなければなりません。それと同時に、いかに健康寿命を伸ばし、高齢者に健康的な生活送れるようにするかが健康日本21の今後の課題だと考えます。

・健康寿命と現状
前の段落において、平均寿命について詳しく触れましたが、この段落においては健康寿命に触れておきたいと思います。平均寿命という言葉はよく耳にしますが、健康寿命という言葉は実際今まで耳にしたことがありませんでした。健康寿命とは「健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のこと」です。2010年で、男性は70.42歳、女性は73.62歳とあまり低くないと思われがちですが、平均寿命との差を見てみると違いが分かります。男性での差は9.13年、女性に関してはさらに差が大きく、12.68年となっている。要するに男性は約9年間、女性では約12年間、何かしら健康に問題を抱えて生活を続け、最後を迎えなければならないということである。そこで高齢者の主な死因を調べてみると、高齢者に多く見られる主な死因に悪性新生物(癌)や心疾患、脳血管疾患、肺炎がある(2010年)。癌の主な原因について見てみると、喫煙や肥満、飲酒、運動不足などにより癌のリスクが高まることが分かる。次に心疾患について。心疾患は心臓を取りまく冠動脈に動脈硬化が起こると、血液の通り道が狭くなってしまったり、ときには血栓が出来てしまうことが主な原因と言われています。それによって心疾患の代表ともいえる心筋梗塞や狭心症を引き起こされます。
上で見た癌と心疾患において共通している部分があります。それは主な原因に生活習慣病が関係している点です。生活習慣病とは普段の生活習慣(運動不足、偏食、飲酒、喫煙)が発症や進行に関わっていて、高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満が代表的なものとしてあります。自身がどれだけこれら生活習慣病のリスクを知ることはとても重要なことだと思います。例えば、状態を知るために見ておくべき数値として、コレステロールの量が挙げられます。コレステロールには2種類あり、悪玉(Low Density Lipoprotein)と善玉(High Density Lipoprotein)がある。LDLは肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割があるが、脂肪分と結合したタンパク質であるため血液の中に溶けることが出来ない。よって、LDLの量が多いと血管の壁にコレステロールが入り込んで、動脈硬化を引き起こしてしまいます。一方でHDLは全身で余ったコレステロールを肝臓に持って帰る役割があるので、HDLが多くなると動脈硬化が進行しにくくなると言われています。このように自分でも少し知識があればリスクを確認することができるのです。
健康日本21でも「第3次国民健康づくり対策(平成⒓年〜)」として施策の概要に2つの特徴な内容を表記しました。1つ目に「健康づくりの国民運動化」として、効果的なプログラムやツールの普及啓発、定期的な見直しや、・メタボリックシンドロームに着目した運動習慣の定着、食生活の改善等に向けた普及啓発の徹底。2つ目は「効果的な健診・保健指導の実施」として・医療保険者による40歳以上の被保険者・被扶養者に対するメタボリックシンドロームに着目した健診・保健指導(特定保健指導という)の着実な実施を掲げている。平成13年度からの具体的な活動としては毎年異なるテーマに関しての全国大会を開催しています。ここでは成功事例についての紹介や、ワークショップ、講師を招いてのパネルディスカッションが行われています。また、国と連携し法案を健康促進に関する法案を作成したり、各都道府県の自治体と協力した取り組みを行っている。NPO団体などと連携して活動することも多くなっているのも大きな特徴と言えるのではないでしょうか。これらの活動は、日頃の生活では知りえない情報を入手できる絶好の機会だと思います。しかしながら、全国大会の参加者300人と限られていることや、それぞれの活動に話題性が無くメディアにも取り上げられないため、こんなにも有益な情報が多くの国民に知られていないのが現状です。生活習慣病は若年層にも広がりを見せており、HPへの誘導方法やSNSとの連携を考慮しながら、若い世代の人たちにもこれらの活動を広めるための施策を定めていくことが必要になってくるのではないでしょうか。

・運動習慣の喚起
健康日本21が行っている施策の中で個人の運動習慣を推進するものを取り上げたいと思います。それが「東京都とフィットネス産業団体のコラボレーション事業」です。東京都には全国の約6分の1に相当する254か所のフィットネスクラブがあり、年間で3300万人が利用している。健康日本21で定めている数値に達するためには、205万人に運動習慣を定着させなければならず、東京都が単独で行う事は難しく、施設を多く所有している民間企業に協力を要請しました。運動を始めさせることは簡単だが、継続させることが難しいのが現状です。公共の運動施設の利用状況を見てみても、3か月後には利用率は半分まで下がり、1年後には2割の人しか継続していないという調査結果も存在します。主な活動として「健康づくりとフィットネス」という、運動の必要性や継続するコツをまとめたものを共同で作成し、都内のフィットネスに配布。その後、「TOKYO発運動習慣定着キャンペーン」を実施し、その一環として都民の日に「無料体験キャンペーン」も実施しました。キャンペーンには都民4000人が参加し、官民協働であったからこその成功を収めることが出来ました。
運動を定着させるこのキャンペーンはとてもいい施策だと感じましたが、実際にどれくらいの運動をどのくらいの期間続けることが推奨されているのでしょうか。健康日本21HPによると、「23メッツ・時/週」と書かれてあった。ここに書かれている「メッツ」とはMetabolic Equivalentsのことで運動を行ったときに、安静時の何倍のカロリー消費をしているかを示したもののことです。1週間で23メッツを達成するためには、毎日800010000歩のウォーキング、もしくはジョギングやランニングなどの有酸素運動1日1時間で週2日行う事になる。私も最近プールに通うようになったが、1時間泳ぎ続けることは難しく、更にはこれを継続することは根性が無いと難しいのではないかと考えます。こうした運動施設を利用した運動ではなく、いかに日常生活の中での運動(例えば階段の上り下りや、自宅から駅まで歩くなど)を継続して出来るような動機づけを考えていくことが、1週間で23メッツを達成する近道なのでは無いかと考えます。



Aの根拠
・政治献金と個人献金
 政治家が活動するためには政治活動費が必要となるが、全てを党のお金で賄う事は難しく、献金を受ける場合があります。それは企業献金と個人献金に分けられます。一般的には、個人が自主的に政治に参加する方法ということで、個人が献金することが望ましいとされている。企業献金をした場合、その見返りを受けているのではないか、癒着しているのではないかと思われてしまう可能性があるからです。政治献金とは党に対して献金するものであり、政治家個人に献金するのは原則禁止とされているが、個人が資金管理団体を通して献金することは150万円まで可能で、企業が政治家個人に献金することは違法とされています。過去に政治献金に関しての大きな事件が2つありました。それは八幡製鉄事件南九州税理士会政治献金事件です。八幡製鉄事件は民間企業である八幡製鉄が自民党に対して350万円の政治献金をしたことで、株主が「会社の資金を献金するのは違法」だとして訴訟を起こした事件です。この事件では企業は納税も行っているため、ある種の人(法人)として認められるため、企業献金は法律違反には当たらないという判決が出ました。一方で南九州税理士会政治献金事件は、加入が条件となっている税理士会のような団体において、会員から強制的に政治献金用となる特別会費を徴収するのは法律違反としました。
 企業が「癒着するためではなく、単に政党を応援したいという思いで献金する。」という意思を持っていても、企業の裏事情を知らない国民からは「どうせ癒着しているのだろう」などと思われてしまう可能性は高いと思われます。そう思われないためにも、金銭としての献金ではなく、新たな援助方法を考案し、クリーンな活動をしていってほしいと思います。

・公平性の欠如と人権
憲法152項で「すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とされています。本当にこの通りだと思います。公務員が不公平な立場を取ることで信頼を失い、それは国の責任だとして、国までもが国民の信頼を失いかけないからです。猿払事件は公平な立場を取るべき公務員が特定の政党を支持し、その政党の公認候補者のポスターを優先的に公営掲示板に掲示したことなどが問われた事件です。一個人として誰を推していこうが、それは個人の自由であるとは思いますが、公的な場所を利用して不公平な行動を取ることは絶対に許すべきではない行為であり、今後もそうした行為をした公務員は厳しく処罰を受けるべきだと考えます。
 では、どれだけ公務員は人権を制限されなければいけないのか、という話にもなってくるのではないでしょうか。それについて全農林警職法事件を参考に考えてみたいと思います。これは労働争議の高まりを受けて、当時の岸内閣が警察の権限を広めて取り締まりを強化しようとした。それを受けて時限ストライキを行った。その行為が国家公務員法に違反しているとして、労使組合の幹部を訴えました。結果「公務員は公共の利益のために勤務するものであり、ストライキを行う事は国民共同の利益に影響を与える恐れがある」として、幹部らは有罪判決を受けました。この際、国家公務員法985項は合憲限定解釈する必要なく、公務員法は合憲としました。私自信はこの判決は正しいと思いますし、公務員にはストライキではなく、別の方法で交渉をしてもらい、全力で職務を全うしてほしいと考えます。



出典
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000500/hpg000000480.htm
http://www.sageru.jp/lsd/02_01.html
http://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/2832.html
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&ved=0CB0QFjAAahUKEwjslK7P-PzGAhVEjZQKHfQQAQk&url=http%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Fbunya%2Fkenkou%2Fdl%2Fkenkounippon21_02.pdf&ei=1P62VezaNMSa0gT0oYRI&usg=AFQjCNFWYFM91IZT2l7XDTUlOJuQ33oD1g&sig2=Yf6_4xkMnCEE0_ClaKWqiQ&bvm=bv.98717601,d.dGY
http://consti.web.fc2.com/6shou2.html
http://kenpou-jp.norio-de.com/zennourin-jiken/

 

 

 

 

上野美咲

健康日本21と公務員制度

 

健康日本21は公務員制度のせいでなかなか進まない。

 

 ()健康日本21と医療保険

  出生率も死亡率も高水準にある多産多死から、出生率は高いが死亡率が急激に低下する多産少死、出生率も死亡率も急速に低下する少産少死へと、社会の発展に伴い変化する過程を人口転換と言い、少子高齢化が進む日本は少産少死に当てはまる。多産多死から少産少死へと移り変わった原因は、医療水準の発展が大きいだろう。現在の日本では、健康日本21という21世紀における国民健康づくり運動が行われているが、この運動の理念は素晴らしいものである。現在、生活習慣病の増加が深刻化していることから、生活スタイルを見直し生活習慣病を予防しようと働きかけている。まずは特定健診を受け、腹囲・血圧・血糖・血中脂質(HDL=High-Density Lipoprotein)等を測定する。HDLとは、善玉コレステロールのことで、血管の内壁にへばりついて動脈硬化を引き起こすコレステロールを引き抜いて肝臓まで運ぶ働きをしているものである。測定した結果、上回るものがあった場合は、特定保健指導を受ける。そして、運動時の代謝が安静時の代謝の何倍になるかを表すMETs(Metabolic Equivalents)という運動強度を割り出してそれに見合った有酸素運動をすることで生活習慣病を予防しようというのである。だが、この運動は理念こそ素晴らしいものであるが、実際は上手くいっていない。その原因の1つに医療保険制度が挙げられる。日本の医療制度は、国民皆保険・ほとんどの医療の値段を公定価格による保険診療とする公的な意味合いが強く、医療保険も軽微な医療は十分カバーされるのに、高額な治療の時は保険がきかないという現実がある。医療の世界は公定価格であり、医師の立場からすれば、コストを下げたところで見返りはないに等しいのだから、コストを下げる気にならないため、価格=コスト+利潤の状態が続き、財政状態が悪化するのである。そこで、混合診療という制度を取り入れるべきだと考える。これは、保険診療の枠を超えた高度 医療を行うときは、上乗せ分のみ自由診療として自己負担すればよいという制度で、多くの国で採用されているものである。さらに、薬価・診療報酬点数表の自由化をして公定価格制度も変えるべきである。政府が診療行為や薬の値段を決めてしまうこの制度があるために医療費が増大することになったのだ。だから、政府が独占するのではなく、民間の参入を認めて、国民が自分で選べるような医療保険制度にするべきなのである。

 

 ()アメリカ・中国・シンガポール・ラテンアメリカの社会保障

 アメリカでは、保険に入れないために医者にかかれない人が多数存在し、高い医療費のために庶民生活・会社経営も脅かされているという。確かに、医療の水準は高く高額で、病院を自由 に選べるわけでもないが、アメリカ人自身が国が独占する保険に国民を強制加入させることに不信感を抱いているのである。アメリカの医療の根本はHMO(Health Maintenance Organization)によって支えられていて、民間医療保険の保険者として患者と病院の両者を取り持つものだが、様々な批判を受けている。しかし、問題があるとはいえ、民間のNPOを中心とした制度は新しいものだと言える。

 中国では、2010年に社会保険法が制定され、社会保険を中心とする近代的な社会保障制度の枠組みが完成し、これを「五険一金」と言う。これは、基本養老保険・基本医療保険・失業保険・工傷保険・生育保険・住居公債金のことである。工傷保険と生育保険は、単位と呼ばれる企業のみが負担し、それ以外は

企業負担が個人負担よりも3倍ほど大きいものの基本的には労使双方の拠出で、個人口座に金を積み立てていき、それに社会統一基金から公的補助を加えるというものだ。将 来的には、シンガポールのCPFに近づけていこうとしている。

 シンガポールの社会保障は、すべての国民が給料の何割かを国のCPF(Central Provident Fund=中央積立基金)という強制積立貯金制度に積み立てることを中核にしていて、CPFには3つの口座がある。Medisave Accountは医療、Ordinary Accountは教育・住居、Special Accountは年金・災害である。Special Accountの最低必要額とMedisave Accountを残して全額引き出して自分自身のことに使える社会保障個人口座制度である。この制度の前提として、共通番号制があるが、これは、番号を配布して諸情報の連携や個人認証ができる健康情報上のメリットだけでなく、税・社会保障・登記・銀行口座・印鑑・パスポートなど、プライバシーの保護にも役立つものであり、諸国が採用するなか、日本は遅れをとっている。

 ラテンアメリカは、自由主義の失敗として取り上げられることが多かったが、資源価格が高騰したことにより資源国として復活し、平時における大借金の克服という大事業に成功した。この成功の理由は、単一のものではなく複数の価値体系の中で全員が勝ち組になりうる社会的仕組みを作り上げること、力による政治ではなく、 道しるべ型の政府を作ったこと、そして、情報革命と自由主義を大いに奨励して成長戦略をとりながら、その弊害を家族の力で緩和することだった。全員が勝ち組になりうる社会的仕組みとは、医療でいうところの命に関わる部分とアメニティーに関わるを分け、貧しい人は命に関わる部分だけを安く使える仕組みだ。また、病院ではなく、薬局が軽微医療を実質的に担当していて、医療マンパワーのピラミッド構造を排除して、薬剤師が英国の家庭医の役割を果たしている。これに比べて日本は、低所得者にまで高い保険料と3割の窓口負担を強制してきた。一方で、混合診療は認めず、高所得者と低所得者が同じ医療しか受けられないため収益を上げられなかった。今後はラテンアメリカのように混合診療を認め 、基盤整備をして弱者の保護をするべきだろう。さらに、社会保障個人口座制度を取り入れて、国ではなく国民一人一人が自己の医療費を管理すべきだろう。そのためには、共通番号制を導入し、不公平の是正・公務員の無駄を排除するべきではないだろうか。

 

 ()公務員の天下り

 日本の公務員数は、欧米諸国に比べて多くはないし、汚職事件も少ないほうである。にも関わらず、日本国民の公務員に対する不満は外国と比べて大きいのが特徴である。官僚機構は、薬害エイズ問題等から見ても分かるように、市場によるチェック機能が及ばない。だから、一度スキャンダルが出ると、評判が大幅に低下するのである。さらに、国民が強く反発するのは天下りである。政府も天下りはし てはならないというが、自分が所属する党や省から最初に天下りを排除するのは嫌がるのである。第二次大戦後の公務員には労働基本権が認められていたが、労働運動が激化したため、公務員について団体交渉権・争議行為を禁止した。その後、1966年の全逓東京中郵事件で、最高裁は、公共の福祉等を理由とした公務員の労働基本権規制は全面的に合憲であるという立場を変更し、労働基本権の保障は公務員にも基本的には及ぶものとし、労働基本権を制約する法規定は一定の考慮がなされてはじめて合憲であるとする合憲限定解釈をとった。さらに、全農林警職法事件で再び解釈を変更し、合憲限定解釈を否定して争議行為を一律に禁止する国家公務員法の規定を合憲とした。また、猿払事件において、公務員の政治的行為の禁止は合憲であるとした。

 天下りが容易であるとされる順番は、まず、日本年金機構等の独立行政法人であり、次いで税理士会等の公益法人、次いで労働組合等の中間法人、最後に株式会社等の営利法人である。裁量もこの順番ごとに小さくなっていき、独立行政法人が特別法を必要とするのに対し、営利法人は届出・登記をするだけである。

 会社による政治献金が適法であるかどうかについて争われた八幡製鉄事件では、最高裁は会社による政治資金の寄付は客観的・抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められる限りにおいては目的の範囲内の行為である。憲法上は公共の福祉に反しない限り、会社といえども政治資金の寄付の自由を有するとして、取締役の忠実義務違反が否定された。一方、南九州税理士会事件では、最高裁は税理士会が政党など政治資金規正法上の政治団体に金員の寄付をすることは、税理士法492項で定められた税理士会の目的の範囲外の行為であり、右寄付をするために会員から特別会費を徴収する旨の決議は無効であるとし、税理士会が税理士であれば強制的に参加する組織であることを理由に、税理士会による政治献金を目的の範囲外とした。

 このように、天下りや政治献金の問題などは世論のチェックを受けることがない。そこで、透明化をはかるために、公務員の人事を国民に向けて公開するべきではないだろうか。公務員が法令違反を犯してまで国益よりも役所の利益を優先してしまうような行動を止めるためには、人事公表を行い国民による チェックを受ける仕組みが必要だ。また、公務員には公務員にしかできない仕事のみをさせることも必要である。専門的知識を持つ公務員が、民間でもできるような仕事をするべきではないのである。民間でできることはそちらでやらせ、公務員は自分にしかできない仕事をすることで、作業効率も上がるし、給料の2割カットも実現できる。こうした改革を進めていかないと、国民の信頼が薄れ、税金をきちんと納める人が減少し、結局、財政赤字に陥って、素晴らしい理念である健康日本21に手がかけられなくなるのである。

 

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出典:http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h14/H14/html/E1C01000.html 人口転換理論-国土交通省

http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/top.html 健康日本21/厚生労働省

https://ja.wikipedia.org/wiki/ 八幡製鉄事件

https://ja.wikipedia.org/wiki/ 南九州税理士会事件

社会保障のイノベーション 中江章浩著 信山社

 

 

 

 

平林優奈

〜健康日本21の趣旨には賛成であるが日本には健康だけではなく様々な課題がある。〜

 

・まず、健康日本21とは。

健康日本21は、新世紀の道標となる健康施策、すなわち、21世紀において日本に住む一人ひとりの健康を実現するための、新しい考え方による国民健康づくり運動である。これは、自らの健康観に基づく一人ひとりの取り組みを社会の様々な健康関連グループが支援し、健康を実現することを理念としている。この理念に基づいて、疾病による死亡、罹患、生活習慣上の危険因子などの健康に関わる具体的な目標を設定し、十分な情報提供を行い、自己選択に基づいた生活習慣の改善および健康づくりに必要な環境整備を進めることにより、一人ひとりが稔り豊かで満足できる人生を全うできるようにし、併せて持続可能な社会の実現を図るものである。

 

・健康日本21を行おうとした背景

健康状態を示す包括的指標である「平均寿命」について見ると、我が国は先進諸国間で、戦後、最下位であったものが、その後、比較的短期間にすべての先進国を追い抜き、昭和59年(1984年)から今日まで、世界一の健康水準を示している。特に、女性の寿命は2位との差がますます開きつつあり、人類としての寿命の到達目標とさえ見なされている。この成果は、日本の高い教育・経済水準、保健・医療水準に支えられ、国民全体の努力によって成し遂げられたと考えられる。

 日本人の寿命が戦後急速に伸びた背景には、「感染症」などの急性期疾患が激減したことがあげられる。一方、がんや循環器病などの「生活習慣病」が増加し、疾病構造は大きく変化してきた。さらに最近では、「寝たきり」や「痴呆」のように、高齢化に伴う障害も増加している。これらの疾患は生命を奪うだけでなく、身体の機能や生活の質を低下させるものも多く、予防や治療においては、日常生活の質の維持も重要な課題の1つとなっている。こうした生活習慣病の予防、治療に当たっては、個人が継続的に生活習慣を改善し、病気を予防していくなど、積極的に健康を増進していくことが重要な課題となってきている。高齢化の進展によりますます病気や介護の負担は上昇し、これまでのような高い経済成長が望めないとするならば、病気を治すこと、あるいは介護のための社会的負担を減らすことが重要である。

日本は経済のみならず、世界一の平均寿命を持つ、健康においても世界の大国となった。しかし、今、日本は21世紀に向けて新しい挑戦、つまり人類が経験したことのない高齢社会に向け、高齢者が生き生きと暮らせる社会づくりを目指さねばならない。 21世紀の超高齢少子社会を持続可能なものにするためには、外国や日本での健康づくりの成果を活用し、将来の病気や社会の変化を考慮して人口転換の危機がある今だからこそ新しい健康政策を推進する必要がある。

 

・どうやって実現するか

健康を実現することは、元来、一人ひとりが主体的に取り組む課題である。自分の健康の意味とあり方を「発見」し、これを達成するための方法や資源を「選択」し、生涯を通じた健康づくりの「設計」を行い、これに基づいて自分の健康を「実現」するという過程が必要である。つまり、健康日本21の理念とは、個人の力と社会の力を合わせて、一人ひとりの健康を実現することである。健康日本21を成功させるためには、個人と健康関連グループが、健康日本21の展望、理念、目的及びそれぞれの役割をよく理解し、取り組むことが必要である。

国レベルでの健康日本21は、2000年(平成12年)331日の厚生省事務次官通知等により策定されたが、その後健康増進法により、都道府県、市町村においても策定が要請されている。現在、全都道府県で策定が完了したが、市町村版の策定は合併などの影響もありあまり進んでいない。なお、以下にあげられる目標値は、国レベルでの健康日本21におけるものである。

生活習慣病の予防を目的とし、その大きな原因である生活習慣を改善する運動である。早期発見、早期治療という二次予防でなく、疾病の発生を防ぐ一次予防に重点対策を置き、食生活・栄養、身体活動・運動、休養・心の健康づくり、タバコ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がんの九つの分野について、2010年(平成22年)をめどとする具体的な数値目標を設定し、目的達成のため、自己管理能力の向上、専門家等による支援と定期管理、保健所等による情報管理と普及啓発の推進の三つを柱とする対策をおこなっている。

健康寿命の延伸や健康格差の縮小をはじめ、生活習慣の改善や社会環境の整備などに関し、計53項目にわたる具体的な目標項目が設定された。これをもとに、平成34年度までの10年の期間で、地方自治体をはじめ、関係団体や企業などと連携しながら、取組を進めていくこととしている。特定健診・特定保健指導の実施率の向上を図りつつ、分析に基づく取組を実施していくことは、健康日本21(第二次)を着実に推進し、ひいては社会保障制度を持続可能なものとするために重要である。厚生労働省がライフステージに応じた、健康づくりの指針として推進している「健康日本21」。この第1期では、「健康づくりのための運動基準2006」をベースに様々な推進活動が行われてきましたが、2013年に第2期に突入し、新たに「健康づくりのための身体活動基準2013」に変わりました。つまり、運動だけでなく、日常の身体活動も含めた健康づくりを意識しましょう、という方向へ変わりつつあります。そんな動きのなか、METsMetabolic equivalents)と呼ばれる運動強度を示す単位がある。

 

 

・病気を予防する方法

疾病の自然史に基づいて病気を予防する方法には、三つの段階がある。まず、病気の原因をもとから絶つ1次予防には、個人の生活習慣や環境や医療の観点に基づいた三つの予防法がある。まず、第一には、個人の生活スタイルの改善を通した健康増進(Health Promotion)第二に、環境における危険因子の削減を目指す健康保護(Health Protection)第三に病気の発生の予防を目指す疾病予防(Disease Prevention)しかし、実際には健康の決定要因はそれぞれお互いに影響しあっており、この三つを純粋に分割することは難しい。

 次に病気の早期発見、早期治療である第二段階(2次予防)がある。2次予防は元来、疾病発見(case finding)とリスク発見(risk finding)に分けられる。前者では多数の対象者の中から少数の異常者を発見するため、効率と精度管理が重要であり、後者では、発見した対象のリスクを低減していかなければならないため、追跡管理システムが重要である。第三段階(3次予防)はリハビリテーションで、社会的不利の予防である。

そして身体運動をすることも大切である。身体活動(生活活動・運動)の内容は、血圧上昇が小さく、エネルギー消費量が大きく、かつ傷害や事故の危険性が低い有酸素性運動が望ましい。血糖、血圧を下げてHDLコレステロール(High-Density Lipoprotein)、一般にいわれる善玉コレステロールを増やします。ただし、生活習慣病患者等に対して、保健指導の一環として身体活動への取組を支援する場合、3 メッツ程度(散歩程度)で開始する。継続的に実施した結果、対象者本人が身体活動に慣れたとしても、安全性を重視して、支援の期間中は3メッツ以上6 メッツ未満の強度を維持することが望ましい。また、運動器の機能向上等を目的とする場合は、筋や骨により強い抵抗や刺激を与えるようなストレッチングや筋力トレーニング等を組み合わせることが望ましい。強度の決定には、メッツ値だけでなく、対象者本人にとっての「きつさ」の感覚、すなわち自覚的運動強度(Borg指数)また、Borg指数は年代別の脈拍数で定量化できるので、脈拍数の簡便な測り方も有用である。生活習慣病患者等には、「楽である」又は「ややきつい」と感じる程度の強さの身体活動が適切であり、「きつい」と感じるような身体活動は避けた方がよい。とともに対象者に予め解説しておくと有用である。ただし、年齢別の脈拍数には個人差があること、薬剤によって修飾を受ける可能性があることに留意する。

 

・日本の公務員制度とは。

国家公務員…国家公務員法により国家公務員制度の基本を定める。@ 国家公務員法は、国民に対し、公務の民主的かつ能率的な運営を保障することを目的とする。A 内閣は、法律の定める基準に従い、官吏に関する事務を掌理する(日本国憲法第73条)とされており、国家公務員法はこの基準を定めるものである。B 国家公務員法は、特別職(大臣、裁判官、国会職員、防衛庁職員等)には適用されず、一般職に適用される。

地方公務員…@ 地方公務員法は、地方公共団体の人事機関並びに地方公務員

の任用、職階制、給与、勤務時間その他の勤務条件、分限及び懲戒、服務、研修及び勤務成績の評定、福祉及び利益の保護並びに団体等人事行政に関する根本基準を確立することにより、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営並びに特定地方独立行政法人の事務及び事業の確実な実施を保障し、もって地方自治の本旨の実現に資することを目的とする。A 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める(日本国憲法第92条)とされており、地方公務員法はこのうち人事行政に関する根本基準を定めるものである。B 地方公務員法は、特別職(議会の議員、地方公共団体の長等)には、適用されず、一般職に適用される。

 

・公務員が起こした事件の例

合憲限定解釈された事件として、全農林警職法事件。合憲として認められた事件として猿払事件がある。

全農林警職法事件とは、公務員の労働基本権の制限が問題とされた日本の刑事事件。全農林労働組合(全農林)は、昭和33年に警察官職務執行法改正案が衆議院に上程された際、これに反対するとして、所属長の承認なしに正午出勤するなど労働争議のあおり(煽動)行為(時限ストライキ)を行なった。これが当時の国家公務員法第985項違反として、組合幹部が刑事責任を問われたものである。一審はあおり行為を合憲限定解釈して全員無罪としたが、二審は逆転して全員有罪となった。

猿払事件とは、1967年の衆議院議員選挙に際し、北海道宗谷郡猿払(さるふつ)村の郵便局に勤務する労働組合の事務長Aさんが、所属する労働組合の決定に従い、B党公認候補者の選挙ポスターを公営掲示場などに掲示したり配布したりした。この行為が、国家公務員法と人事院規則で定められた、禁止されている「政治的行為」に該当するとして、Aさんは起訴された事件。この猿払事件の場合、一審と二審は、精神的自由に関わる問題と見て、厳しい基準を適用し、違憲判決を出した。ところが、最高裁では経済的自由権と同じ緩い基準が使用された結果、Aさんの事例に国家公務員法と人事院規則を適用するのは別に違憲ではないとなった。

 

合憲限定解釈とは何か。

違憲判断回避の方法の一つで、法律適用の前提となる法律解釈が一義的に決定できない場合で、かつ、当該法律が違憲となる解釈が存在するような場合には、合憲的に解釈する解釈方法のことをいう合憲限定解釈を定義すると、「法令の条文をそのまま解釈すると違憲である可能性があるものについて、裁判所がその条文の意味を限定的に解釈することによって、その条文の合憲性を維持する解釈の方法」であると言える。また、合憲限定解釈への批判へもある。合憲限定解釈をおこなえば、法文の意味を不明確にしてしまい、どんな行為をしてはいけないのかが専門家にしか分からなくなってしまう。また、表現への規制については条文があることによって、表現活動自体を自粛してしまう可能性(委縮効果)があるので、そもそも合憲限定解釈をおこなうべきではなく、条文を廃止する必要がある。合憲限定解釈にはこのような批判に加えて、合憲限定解釈をおこなうことで本来の法の趣旨をねじまげてしまうおそれがあるとの批判もある。

 

・政治関係の事件の例

南九州税理士会事件、八幡製鉄事件がある。

南九州税理士会事件とは、南九州税理士会に所属していた税理士が、政治献金に使用する「特別会費」を納入しなかったことを理由として、役員の選挙権を与えられなかったという事件。最高裁判所は、税理士会が税理士であれば強制的に参加する組織であることを理由として、税理士会による政治献金を会の目的の範囲外とした。

八幡製鉄事件とは、会社による政治献金が適法であるかについて争われた訴訟で、最高裁判所が初めて判断を下した事件である。八幡製鐵株式會社(現・新日鐵住金)の株主であった老弁護士が会社による政治献金の是非を世に問うため提起した。「八幡製鉄所政治献金事件」ともいう。第一審では原告の請求を認容したが第二審では第一審判決を取り消し、株主の請求を棄却した。この事件は最高裁まで争われ、最終的には営利法人の政治活動、その一環としての会社による政治献金が認められた。一審の原告が勝訴したがでは原判決を取消し、最高裁判所は「税理士会が政党など規正法上の政治団体に金員の寄付をすることは、たとい税理士に係る法令の制定改廃に関する政治的要求を実現するためのものであっても、法四九条二項で定められた税理士会の目的の範囲外の行為であり、右寄付をするために会員から特別会費を徴収する旨の決議は無効であると解すべきである。」と判示し、原判決を破棄し、慰謝料の算定を審理するために福岡高等裁判所へ差し戻した。

 

こういったように今日本では、健康でだけでなく、公務員制度の疑問視など様々な問題を抱えている。

 

参考文献

https://ja.wikipedia.org/wiki/21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%9B%BD%E6%B0%91%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A%E9%81%8B%E5%8B%95

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpqt.pdf#search='%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%97%A5%E6%9C%AC%EF%BC%92%EF%BC%91+%E6%9C%89%E9%85%B8%E7%B4%A0%E9%81%8B%E5%8B%95'

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E8%BE%B2%E6%9E%97%E8%AD%A6%E8%81%B7%E6%B3%95%E4%BA%8B%E4%BB%B6

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%BF%E6%89%95%E4%BA%8B%E4%BB%B6

http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/s0.html

http://blog.goo.ne.jp/liveinpeace_925/e/d8300b657dddba42c56a083237033283

http://www.gyoukaku.go.jp/senmon/dai1/sankou3.pdf#search='%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E5%88%B6%E5%BA%A6'

 

 

 

 

五日市光

12E213017 五日市光

私は健康日本21という医療費削減の方法はとても有益なもので、ここで国のお金を抑えることができたのならば、公務員制度の充実などにお金をあてることができるので賛成である。

1、近年日本にみられる生活習慣病とは

厚生労働省の定義によれば、『生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群』となっており、具体的にこの定義に該当する病気として、男性では、糖尿病、肝障害、肥満、高血圧症、慢性萎縮性胃炎などが挙げられ、女性では糖尿病、肥満、慢性萎縮性胃炎、高コレステロール血症、高血圧症などが挙げられる。この生活習慣病の治療のために多大な国民医療費がかかっており、日本の経済損失として計上されている。その他にも日本の医療費を増幅させ、財源を圧迫させている要因が存在する。それが「高齢化」である。これも経済成長が引き起こした副作用の一つであると言える。経済成長に伴って人口が変化したことにより、健康転換が起こり、それが結果的に現在の 日本の少子高齢化を招いているのである。この「健康転換」とはどういうことかと言うと、経済成長に伴って、人口が多産多死となり(ベビーブームなどが例)、その後医療が発達すると、多産少死となる。やがて経済が安定し始めると、一人一人の子供に対してお金をかけて大切に育てようとするようになり、少産少死に至る。この過程を人口転換と言い、この人口転換に伴って、周産期疾患や結核などの感染症が主体の段階から、肥満、高血圧、糖尿病、がんなど非感染症が主要な段階へと転換することを疫学転換という。この人口構造の転換を基にして、時代とともに人口・疾病構造の変化、保健医療制度の変化、社会経済構造の変化が相互に影響しあいながら、ある国の健康問題が段階的、構造的に転換することを示すシステム概念のことを健康転換というのである。

2、メタボリックシンドロームについて

病気(がん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病)の発生そのものを防ぐ第1次予防を積極的に推進するために制定されたのが「健康増進法」である。

この法に基づいて、「受動喫煙の防止」「特定給食施設における栄養管理の義務化」「特定用途表示の義務化および栄養表示基準の設定」「国民健康・栄養調査等の実施」などが基本方針として掲げられた。さらに同法に基づいてメタボリックシンドロームの診断基準(メタボリックシンドロームとは、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上で、かつ、中性脂肪や空腹時血糖などに異常がみられる状態のことを言う。)がつくられ、特定健診及び特定保健指導が実施されるようになった。

この特定保健指導とは、糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病予防のために、40歳から74歳までを対象として実施される健診と保健指導のことである。またこの健康保険指導によって平成20年(20084月から健康保険組合や国民健康保険などに対し、40歳以上の保険加入者を対象に、メタボリックシンドロームに着目した健診及び保健指導の実施(メタボ検診と言われる)が義務づけられた。このメタボリックシンドロームの解消法として有効なのが、「有酸素運動」である。メタボリックシンドロームの主な原因である、大量の脂肪、その脂肪を有酸素運動によって酸素と結合させ、効率よく燃焼させることができるのである。しかし、ただ単に有酸素運動をすると言っても、正確な運動量の基準に基づいて運動しなければ、大きな効果は得られない。また年齢によっては過度な運動は逆に危険であることもあるので注意が必要だ。この適正な基準についてだが、以前は肥満等についてはすべてBMIでの測定が普通であったが、2006年に新たに定められた指標として「Metabolic equivalentsMETs)」という指標がある。これは「身体活動の強度を表す単位(運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍にあたるかを示す)であり、例としては【1METs=座って安静にしている状態】【3METs=通常歩行】となる。メタボリックシンドロームを解消するための運動量としては3METs以上の運動をすることが前提である。このようにメタボリックシンドロームにたいする対処法がしっかりと体系化してきたのも、健康日本21を筆頭とする政府の健康への取り組みの成果である。有酸素運動は脂肪をエネルギー源とするため、体脂肪を燃やし、HDLHigh-Density Lipoprotein)コレステロールを増やす働きがあります。

3、健康日本21

ではどうやったら医療費を抑制することができるのであろうか。答えはシンプルで、「患者を減らせばよい」のである。つまり医療を受けないで済む「健康な人々」の人口を増加させればよいのである。日本政府はすでに健康な国民を増加させる政策を打ち出して実行している。その代表とされる政策が「健康日本21」である。この健康日本21とは第三次国民健康づくり対策として、2000年から厚生省(当時)が行った一連の施策のことであり。またの名を「21世紀における国民健康づくり運動」ともいう。

4、過去の事件から見る社会保障制度

八幡製鉄所事件、八幡製鉄(現在の新日本製鉄)の代表取締役は、
同社名にて昭和35年3月14日、自民党に対して、政治資金350万円寄付しました。

そこで、同社の株主が、この代表取締役の政治資金寄付行為は、同社定款に定める、所定事業目的の範囲「外」の行為であり、その他商法違反として会社が被った損害に対する取締役としての責任追及のための訴え起こすよう、会社に求めました。しかし、会社は訴えを起こさなかったため、自ら会社に代位して、寄付行為をした取締役に対して寄付金分の350万円と遅延損害金を会社に支払うよう、訴えを提起しました。本判決は、法人の人権享有主体性を認めた初めての判決です。根拠としては、現代社会にとって法人とは、欠くことのできない重要な存在となっています。社会的実体として非常に重要な活動を行っている法人の人権を認めることは、社会的実益は十分にあると考えていきます。し かしながら、人権の基本的主体はあくまで自然人です。法人は、言うまでもなく自然人とは違うわけですから、その点において自然人とは違う、一定の制約を受けることになります。その意味で「性質上可能な限り」、法人の人権享有主体性を認めるということになります。法人は自然人の人権を侵害する可能性もあります。まさに「南九州税理士会政治献金事件」がそうでした。強制加入の公益法人「南九州税理士会」が、税理士法改正が業界に
有利に動くように、南九州各県税理士政治連盟への政治工作資金として
特別会費5千円を徴収する旨を決定しました。しかし、この決議に反対した税理士が、会費納入を拒否。そこで、当該税理士会は、当該会員税理士を、会則で定められた会員滞納者に対する役員の選挙権及び被選挙権停止条項を行使します。当該会員税理士は、会費納入義務の不存在確認及び損害賠償請求訴訟を提起しました。最高裁判所は「税理士会が政党など規正法上の政治団体に金員の寄付をすることは、たとい税理士に係る法令の制定改廃に関する政治的要求を実現するためのものであっても、法四九条二項で定められた税理士会の目的の範囲外の行為であり、右寄付をするために会員から特別会費を徴収する旨の決議は無効であると解すべきである。」と判示し、原判決を破棄し、慰謝料の算定 を審理するために福岡高等裁判所へ差し戻した。

5、過去の事件から見る公務員制度

猿払事件、公務員の政治活動の自由が争点。全農林警職法事件、公務員の労働基本権の制限が争点となっております。猿払事件について、被告人は、鬼志別郵便局に勤務する郵政事務官で、猿払地区労働組合協議会事務局長を勤めていたものであるが、昭和四二年一月八日告示の第三一回衆議院議員選挙に際し、右地区労協での決定に従い日本社会党を支持する目的をもつて、勤務時間外に、同党公認候補者の選挙用ポスター六枚を宗谷郡猿払村字鬼志別市街に設置された6箇所の公営掲示場に掲示し、また、他の場所に掲示してもらうために、選挙用ポスター計約184枚を数人に郵送配布した。「第一審判決及び原判決は、また、本件政治的行為によって生じる弊害が軽微であると断定し、そのことをもつてその禁止を違憲と判断する重要な根拠としている。しかしながら、本件における被告人の行為は、衆議院議員選挙に際して、特定の政党を支持する政治的目的を有する文書を掲示し又は配布したものであつて、その行為は、具体的な選挙における特定政党のためにする直接かつ積極的な支援活動であり、政治的偏向の強い典型的な行為というほかなく、このような行為を放任することによる弊害は、軽微なものであるとはいえない。」そして、「政治的行為の中でも党派的偏向の強い行動類型に属するものであり、公務員の政治的中立性を損うおそれが大きく、この ような違法性の強い行為に対して国公法の定める程度の刑罰を法定したとしても、決して不合理とはいえず、したがつて、右の罰則が憲法三一条に違反するものということはできない。」として、憲法21条、31条違反の疑いを完全に否定した上で、主文の通りの判決をしたのである。全農林警職法事件とは、全農林労働組合(全農林)は、昭和33警察官職務執行法改正案が衆議院に上程された際、これに反対するとして、所属長の承認なしに正午出勤するなど労働争議のあおり(煽動)行為(時限ストライキ)を行なった。これが当時の国家公務員法985項違反として、組合幹部が刑事責任を問われたものである。一審(東京地判昭和38419日)はあおり行為を合憲限定解釈して全員無罪としたが、二審(東京高判昭和43930日)は逆転して全員有罪。被告人が上告。最高裁判所大法廷は、被告人の上告を棄却した。その理由は、労働基本権の保障は公務員にも及ぶが、それを制限する国家公務員法の争議行為の一律禁止規定は、憲法1828に違反しないというものである。なお、本判決には石田・村上・藤林・岡原・下田・岸・天野の各裁判官の補足意見、岸・天野両裁判官の追加補足意見、岩田・田中・大隅・関根・小川・坂本の各裁判官の意見、色川幸太郎裁判官の反対意見が出るなど、実質的には87の僅差であった、違憲判断回避の方法の一つで、法律適用の前提となる法律解釈が一義的に決定できない場合で、かつ、当該法律が違憲となる解釈が存在するような場合には、合憲的に解釈する解釈方法のことを合憲限定解釈という。裁判官裁判においてを適用するには法律解釈が前提となるが、この法律は立法府の作成したものである。日本国憲法上、立法府(国会)は国権の最高機関であり、唯一の立法機関である。つまり、日本国憲法上の統治機構において、第一次的に民主的正当性を持つのは国会のみであり、このような国会が成立させた法律を、民主的正当性の乏しい司法府が違憲として排斥することは可及的に避けなければならないという考えが、合憲限定解釈の基礎にある。裏返せば、当該法律に複数の解釈の余地があって、そのうちの一つの解釈が合憲である場合は、客観的な立法者意思の推定として、合憲的な解釈を元より企図していたものと理解することができることも背景にある。

 

参考文献

・一般社団法人「日本生活習慣病予防協会」

 http://mhlab.jp/malab_calendar/2012/06/007819.php

・厚生労働省HP

  http://www.mhlw.go.jp/

中国ビジネスブログ「中国、生活習慣病が急増、経済成長につれ

  http://blog.livedoor.jp/john1984jpn/archives/51245939.html

生活習慣病の原因を絶つ

  http://neeeed.com/seikatsusyukanbyo/gennin.html

健康増進法の概要

  http://www.pref.aichi.jp/0000013539.html

・日本国憲法の基礎知識

  http://kenpou-jp.norio-de.com/zeirisikai-jiken

 

 

 

 

田島恵輔

『健康日本21と公務員制度』

                                  外国語学部外国語学科 4年2組

                                       12G102019  田島恵輔

 

 

 

【結論】健康日本21は考えとしては良いが、公務員の都合のいい道具となっている可能性が高いので廃止すべきだ。

 

【近年における日本の人口と健康】

近年、日本の平均寿命は世界でも最高の水準に達している。しかしながら、人口の急速な高齢化が進む中で、疾病構造が変化し、がん、循環器病(心臓病、脳卒中)、糖尿病、歯周病などの生活習慣病の増加や、これに伴う要介護状態になる者の増加等が深刻な社会問題となっている。

人口動態の変化は、経済社会の発展に伴い、多産多死から多産少死を経て、やがて少産少死に至る過程を示す。このような3段階からなる人口変動のパターンは、人口転換理論と呼ばれている。

その第1段階は、出生率も死亡率も高水準にある低発展段階である。伝統的農業社会では死亡率が高く、また飢饉、疫病、戦争等のために人口の動向は不安定である。この状態で農業社会を支えていくためには、大家族を必要とし高い出生率が維持される。また、宗教や社会制度などによって高出生率が維持されることもある。その結果、近代化前の社会では、変動する高死亡率と普遍的な高水準の出生率により、人口増加の変動は大きいものの、平均的には人口増加率は低い状態にある。

第2段階は、出生率は依然として高水準にあるが死亡率が急速に低下する段階である。都市化・工業化が進展し、さらに公衆衛生及び医療水準も発展することによって、高い死亡率が徐々に低下を始める。しかし、出生率は、死亡率と違って、外的変化によって直ちに反応するメカニズムを持っていないため、高水準のまま維持され、死亡率低下に伴って、それまで経験したことのない人口増加がもたらされる。

第3段階に入ると、出生率も死亡率を追随して急速に低下し、出生率、死亡率とも低水準に達して安定化する。出生率が低下する理由として、乳幼児死亡率の低下により出生数を減らしても家族・社会の存続が可能となること、子供の養育コストの増大、女性の自立化などが挙げられる。

近年の日本は、少子高齢化、人口減少、つまり少産少死の第3段階にあると考えられる。

厚生労働省では、このような状況にかんがみ、平成12年より、第3次の国民健康づくり対策にあたる「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を推進している。健康日本21では、がん、循環器病、糖尿病等の生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善に関する課題を選定し、それらの課題について2010年を目途とした具体的な目標の設定を行った。健康日本21の推進にあたっては、都道府県や市町村が、地域の特色を生かし、かつ地域の実情に応じた目標設定型の健康づくり計画(地方計画)を策定し、推進していくことが重要である。地方計画の目標が達成されることによって、国レベルにおける目標が達成され、「壮年期死亡の減少・健康寿命の延伸・生活の質の向上」という健康日本21の目的が実現されることを目指している。厚生労働省では、これまで、「健康日本21実践の手引き」の作成・公表や市町村セミナーの開催等を通じ地方計画策定の支援を行ってきた。都道府県計画については、着実に策定が進められた一方、市町村計画については、既に策定済みの市町村もみられるが、都道府県計画の策定終了後に着手するといった市町村が多く、今後の推進が期待されている。

 

【日常生活と健康】

我が国における高齢化の進展や疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が増大しており、健康づくりや疾病予防を積極的に推進するための環境整備が要請されている。このような中、2000年3月31日に厚生省事務次官通知等により、国民健康づくり運動として開始されたのが、健康日本21である。

蓄積した内臓脂肪というのは、ある一定量を超えると、健康に対し多大な影響を及ぼす。内臓脂肪が増えると、血液中の中性脂肪の増加とHigh-Density Lipoproteinコレステロール(HDLコレステロール)の減少を招き、動脈硬化を起こす。low density lipoproteinコレステロール(LDLコレステロール)は内臓脂肪の蓄積との関係は弱いが、LDLコレステロールが高値になるとさらに動脈硬化が促進される。コレステロールは、細胞膜やホルモンをつくるもととなる成分であり、主に悪玉と呼ばれるLDLコレステロール、善玉と呼ばれるHDLコレステロールの二種類がある。

血液中の脂肪値が高い状態を脂質異常症(高脂血症)と呼ぶ。血液中の脂肪分である血清脂質のうち、脂質異常症にかかわる成分は、コレステロールと中性脂肪である。メタボリックシンドロームの診断基準による脂質の項目では、HDLコレステロール値が40mg/dl未満、中性脂肪値が150mg/dl以上となっている。内臓脂肪に蓄積される脂質は中性脂肪であり、その影響を受けて中性脂肪は高値に、HDLコレステロールは低値になりやすくなる。LDLコレステロールは内臓脂肪の蓄積とはあまり関係していない。

しかしLDLコレステロールはメタボリックシンドロームに関係なく単独で強力に動脈硬化を進行させるため、メタボリックシンドロームとは別に、LDLコレステロールの値にも注意する必要がある。

肝臓でつくられたコレステロールは、脂肪分と結合したたんぱく質であるLDL(低比重リポたんぱく)に包まれて血液中に運ばれる。逆に全身の細胞や組織から出た余分なコレステロールは、HDL(高比重リポたんぱく)に包まれ血液を通じて肝臓に戻される。血液中でLDLの量が多くなると余分なコレステロールが血管壁に付着するが、これが動脈硬化の大きな原因である。

一方で中性脂肪は身体のエネルギー源として利用されるが、残った中性脂肪は全身の脂肪細胞や肝臓に蓄積される。脂肪細胞中の中性脂肪から分離した遊離脂肪酸が脂肪細胞から血液中に放出されると、インスリンの正常な分泌が妨げられます。また、肝臓に蓄積されると脂肪肝になる。血液中に増加すると、HDLコレステロールを減らしてLDLコレステロールを増やし、動脈硬化を促進させる。

LDLコレステロールの高値の原因として、食事中の飽和脂肪酸のとり過ぎがあげられる。飽和脂肪酸は、肉の脂身(赤身ではなく白い部分)・バターやラード・生クリームなどに多く含まれる。また食事中のコレステロールもLDLコレステロールを高くし、主にタマゴの黄身や魚卵から摂取される。LDLコレステロールが高い人の多くは、これらを食べるのを控えることで、比較的容易にLDLコレステロールを下げることができる。

中性脂肪の高値の原因としては、カロリーのとりすぎ、特に甘いものや酒・油もの・炭水化物のとり過ぎがあげられる。砂糖の入ったソフトドリンクを飲む習慣のある人に多い傾向がある。これらを改めて運動や減量を行うことで、中性脂肪を下げることができる。また背の青い魚には、中性脂肪を下げる働きがある。

HDLコレステロールの低値の原因は、肥満や喫煙・運動不足である。運動や減量・禁煙によりHDLコレステロールの上昇が見込まれる。また日本酒換算で1日に1合程度の飲酒は、HDLコレステロールを高くする働きがありますが、飲めない人は無理に飲むべきではない。飲酒は1合からでも高血圧や肝障害を悪化させますので、これらの病気を指摘されている人にHDLコレステロールを上昇させるための飲酒を勧めることはできない。

LDL悪玉コレステロール値が高くなりHDLコレステロール値が低くなると、生活習慣病といわれる脂質異常症、高血圧、糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームといった病気を引き起こすもとになる。

このように、腹部の余分な脂肪は健康に悪影響を与えるため、減らすことが望ましい。余分な脂肪を減らすことが、生活習慣病などの予防につながるのである。疾病に一度罹患すると、国民医療費が増加するばかりではなく、自身も辛いものである。つまり、病気に罹患しないことが一番大切なのである。日々の生活を少し変えるだけで、健康を保つことは可能である。暴飲暴食を避け、適度な運動をすることなどである。ジョギングなどの有酸素運動は脂肪を燃焼するのに有効である。Metabolic Equivalentsを目安にしながら運動することも効果的である。

自分の生活習慣を振り返り、課題となる部分を自分で見つけ、実践可能な目標を自分で計画し、取り組むことができるように、専門家から助言を受ける特定保健指導もあります。生活状況などから、外食する機会が多い方であれば、同じ麺類でも野菜がより多く入るちゃんぽんを選ぶなどの方法を紹介される場合もあれば、同じ豚肉でも部位(バラやロースヒレ)や調理方法(揚げる・炒める蒸す)を選んで注文する方法など、自分に合った実践方法を具体的に提案される場合もあります。

 

【公務員の政治献金事件】

戦後日本の三大疑獄事件として名高い昭電疑獄事件、造船疑獄事件、ロッキード事件のみならず、近年のリクルート事件、共和事件、佐川事件、金丸巨額脱税事件、ゼネコン汚職事件、KSD事件など、大企業、労働組合、各種業者団体等の行う特定政党・政治団体への多額の政治献金が、利権等と結びつくことによって、政治腐敗や汚職の原因となっていることに対して、厳しい批判がつとに指摘されてきた。こうしたいわば「構造汚職」とも称される政治腐敗や汚職を一掃すべく、その原因となっている企業・団体献金の廃止等に向けた政治資金規正法の改正が数次にわたって試みられたが、いまだその実効性があがっているとはいいがたいのが今日の実情である。
こうした状況のなかにあって、最高裁判所は、一九九六年三月、税理士会による政治献金目的の特別会費の徴収が当該構成員の思想の自由を侵害しないか、が問題となった南九州税理士会政治献金事件において、政党等の政治団体への政治献金が税理士会の目的の範囲外の行為であって、この寄附を目的とする本件決議も無効であるとする注目すべき判断を行った。この最高裁判決の憲法判例上の意義について、本稿筆者が、ある雑誌の誌上で「本判決が、政治団体への政治献金につき、これを『選挙における投票の自由と表裏を成すもの』と捉えている点はきわめて重要である。政党その他政治団体への金員の寄付を含むもろもろの政治活動は、本来的に主権者たる個人が自主的に決定すべき事柄であり、これこそが民主主義の大原則であるからである。本判決のこのような論旨を推し進めれば、『会社は自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有する』との観点から、企業に無限定な政治献金の自由を肯定していた八幡製鉄事件最高裁判決は、いずれその全面的な見直しを求められることになるであろう」と批評したところ、幸いにして、一部の論者からの明示的な賛同を含む肯定的な評価を得ることができた。八幡製鉄政治献金事件にせよ、税理士会政治献金事件にせよ、これらの団体・法人の政治献金にかかる問題を憲法論という観点から考えた場合、ひとつの疑問として浮かびあがってくるのは、そうした問題が何ゆえに民法四三条の「目的の範囲」条項の枠組みのなかで取り扱われるのか、ということである。全農林労働組合(全農林)は、昭和33年に警察官職務執行法改正案が衆議院に上程された際、これに反対するとして、所属長の承認なしに正午出勤するなど労働争議のあおり(煽動)行為(時限ストライキ)を行なった。これが当時の国家公務員法985項違反として、組合幹部が刑事責任を問われたものである。一審(東京地判昭和38419日)はあおり行為を合憲限定解釈して全員無罪としたが、二審(東京高判昭和43930日)は逆転して全員有罪。被告人が上告。これが全農林警職法事件である。公務員の労働基本権の制限が争点であるのに対し、公務員の政治活動の自由が争点なのが猿払事件である。このように公務員は数多くの献金事件をおこしてきた。公務員には献金事件だけでな事柄であり、これこそが民主主義の大原則であるからである。本判決のこのような論旨を推し進めれば、『会社は自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有する』との観点から、企業に無限定な政治献金の自由を肯定していた八幡製鉄事件最高裁判決は、いずれその全面的な見直しを求められることになるであろう」と批評したところ、幸いにして、一部の論者からの明示的な賛同を含む肯定的な評価を得ることができた。八幡製鉄政治献金事件にせよ、税理士会政治献金事件にせよ、これらの団体・法人の政治献金にかかる問題を憲法論という観点から考えた場合、ひとつの疑問として浮かびあがってくるのは、そうした問題が何ゆえに民法四三条の「目的の範囲」条項の枠組みのなかで取り扱われるのか、ということである。全農林労働組合(全農林)は、昭和33年に警察官職務執行法改正案が衆議院に上程された際、これに反対するとして、所属長の承認なしに正午出勤するなど労働争議のあおり(煽動)行為(時限ストライキ)を行なった。これが当時の国家公務員法985項違反として、組合幹部が刑事責任を問われたものである。一審(東京地判昭和38419日)はあおり行為を合憲限定解釈して全員無罪としたが、二審(東京高判昭和43930日)は逆転して全員有罪。被告人が上告。これが全農林警職法事件である。公務員の労働基本権の制限が争点であるのに対し、公務員の政治活動の自由が争点なのが猿払事件である。このように公務員は数多くの献金事件をおこしてきた。公務員く汚職や天下りも現在はびこっている状況だ。

【健康日本21で得をする人たち】

「健康増進法」はこの「健康日本21」という厚労省が音頭を取って進めている運動を法律的にバックアップするものだ。これで予算措置が取りやすくなった。「栄養改善法」から「健康増進法」にバージョン・アップあされた際、「健康増進事業実施者」なるものを作って傘下の団体を扱いやすくしたり、「登録試験機関」を増やしたり、立ち入り検査条項を追加したりして法律を「強化」したが、これらは厚労省の権限拡大につながっている。権限が拡大すれば、予算も取れるし、天下り先も増える。例えば、立ち入り検査で悪いところを指摘し、それでも改善されなければ販売を中止させるというのが立ち入り検査の目的だが、どこをどのように検査するかは法律には書かれていない。厚労省の胸のうちで検査が行われるわけで、うまく検査を通そうと思ったら、胸のうちが分かっている人を社内に迎え入れれば楽になる。これが天下りの始まりだ。厚労省の「ファミリー企業」になってしまえば立ち入り検査でお咎めを受けることはなくなる。そのコストが、厚労省を退職し迎え入れた人たちに払う人件費ということになる。この人件費は商品価格に転嫁され、購入者が負担することになる。こんな背景でできた法律だから、申し訳程度に「受動喫煙」の条項が入っているだけのこと。話題の中心をそらす煙幕の役目だ。マスコミがちゃんと騒いで「健康増進法」は禁煙場所を増やす法律だと宣伝してくれた。「健康日本21」などという耳障りのいい運動には決まってマスコミも参加する。こういう健康とか生命に関する運動に反対の立場を取るのは難しい。非協力的だと厚労省の記者クラブからもコケになるはず。だから、この運動を非難するマスコミの記事はい。こういうからくりを直さないと日本人は永遠に個人として幸せになれないだろう。

【出典】

 

1、厚生労働省「健康日本21」

http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/top.html

2、「健康日本21」

http://www.kenkounippon21.gr.jp/

3、国土交通省「人口転換理論」

http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h14/H14/html/E1C01000.html

4、ファイザー「生活習慣病オンライン」

http://www.sageru.jp/lsd/02_01.html

5、公益社団法人 日本薬学会「高密度リポタンパク質」

http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E9%AB%98%E5%AF%86%E5%BA%A6%E3%83%AA%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA

6、東京実業健康保険組合「特定健診・特定健康指導とは?」

http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h14/H14/html/E1C01000.html

7、FC2ケータイホームページ「代謝当量とは(METs)」

http://k.fc2.com/cgi-bin/hp.cgi/rigakurigaku/?pnum=237_247

8、おか調剤薬局「有酸素運動と無酸素運動」

http://www.pharm.co.jp/today-diet/sports.htm

9、日本国憲法の基礎知識「八幡製鉄事件」

http://kenpou-jp.norio-de.com/yahataseitetu-jiken/

10、日本国憲法の基礎知識「南九州税理士会事件」

http://kenpou-jp.norio-de.com/zeirisikai-jiken/

11、日本国憲法の基礎知識「猿払事件」

http://kenpou-jp.norio-de.com/sarufutu-jiken/

12、日本国憲法の基礎知識「全農林警職法事件」

http://kenpou-jp.norio-de.com/zennourin-jiken/

13、弁護士ドットコム「合憲限定解釈」

http://www.bengo4.com/other/1146/1288/d_234/

14、e-ヘルスネット「脂質異常症」

http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-004.html

 

 

 

 

 

 

本間早稀

【テーマ】 健康日本21と公務員制度

 

結論 

 

生活習慣病という身近な習慣が体を冒してしまうという危機感と知識を今からでももっておくべきということと、また公務員にはその仕事の重要性から、労働三権は必ずしも保障されていないがそれは然るべき制度であるということ。

 

 

  1. 日本人の死因の多くはガンとされているが、ガンという大病のもとはいったい何であるのか、またはそのあまりの身近さと、それゆえの恐ろしさ。

 

 日本人の死因の1位を占めているがん。日本のがんによる死亡数は男女あわせて344,000人にものぼります。しかしさいきん生活習慣を改善すればがんの発症を減らせることができるというデータが取られました。「自分で治す力」を活用する「免疫療法」も日々医療界で進歩しています。 がん細胞は、正常な細胞の遺伝子に傷がつくことにより発生します。これに対して、細胞増殖を停止させるブレーキとなる遺伝子が「がん抑制遺伝子」。ちょうど車のブレーキがそのスピードを制御するように、がん抑制遺伝子は細胞増殖サイクルのブレーキとして働きます。これらの遺伝子が正常に機能できないと、細胞増殖に異常が起こり、がん化が始まると考えられています。

 がんには絶対的な予防法はなく、誰にでもがんになるリスクはあり、恐ろしい病気であると同時にとても身近な存在でもあります。しかし、これまでに行われた大規模調査などから、多くのがんの発症には生活習慣が深く関わっており、生活習慣を改善すればがんになる確率を下げられることが分かってきたのです。

 

  1. 生活習慣病にたいして警鐘が鳴らされているなか、おもなその種類とは。

 

 糖尿病

血液中の血糖値が上昇し、尿に糖が出る病気。
原因として、高カロリーな食生活の継続、日頃の運動不足やストレスなどが挙げられる。

高脂血症

コレステロールや中性脂肪といった、血液中の脂質が過剰となった状態を高脂血症という。 原因として、遺伝、糖尿病、脂質の取りすぎなどがある。

高血圧症

血圧が高くなった状態。
原因として、遺伝や食事、肥満などのほか、腎臓の病気やホルモンの異常などで起こることもある。

肥満症

脂肪が多く、標準体重より体重が重くなった状態。
食事で摂取するカロリーが消費カロリーを上回ると、余剰エネルギーが脂肪となって蓄積され、肥満が起こりやすくなる。
わずかではあるが、ホルモンや脳の異常、遺伝性の病気が原因となる場合もある。

がん

遺伝が原因となる場合と生活習慣の偏りが原因となる場合がある。
喫煙は、肺がん、喉頭がん、食道がん、膀胱がんなど、多くのがんの原因となる。

脳卒中

脳出血やくも膜下出血のように脳の血管が破裂・出血したり、脳梗塞のように脳の血管が詰まった病気を脳卒中と言う。
高血圧、高脂血症、糖尿病、動脈硬化、不整脈などが主な原因となる。

動脈硬化

動脈壁にコレステロールなどの脂肪がたまり、壁の膜が厚く、かたくなる状態を動脈硬化と言う。
動脈硬化になると、血液の流れが悪くなり、脳や心臓にいろいろな病気を引き起こす原因になる。
動脈硬化の主な原因は、喫煙、運動不足、肥満、高血圧、高脂血症、ストレスなどが挙げられる。

 

このような何気ない普段の生活習慣から死に至る病気に発展するというのはとても恐ろしいことです。少子化が続くこの日本でこれだけ身近に病の恐怖があるということは人口転換につながった要因でもあると考えられます。人口転換とは、社会の近代化にともない、人口の自然増加の形態が多産多死型から多産少死型へ、さらに少産少死型へと変化することです。日本人が減り続けないためにも、早い対策が必要なのです。

 

 

  1. その病に冒されたとき、対処法として知られているもの。またそれを組織として呼びかけている団体の存在。

 

 いろいろな不調をもたらす元凶の肥満に焦点を当てるとします。脂肪を効率よく燃焼させるのが、ウォーキング、アクアサイズ(水中運動)、軽めのジョギング、エアロバイク(固定式の自転車こぎ)などの有酸素運動です。high-Density-Lipoproteinという善玉コレステロールの増加を促すのも効果的です。

また特定保健指導といってそんな国民の健康を見守る団体があります。目的は、対象者が自分の健康状態を自覚し、生活習慣の改善のための自主的な取り組みを継続的に行うことができるようにすること。対象者が健康的な生活に自ら改善できるよう、さまざまな働きかけやアドバイスを行います。metabolic equivalents(代謝相当量)をみて判断するのも特徴の一つです。

 

 

  1. 公務員制度の概要、その制度への違和感

 

 2014411日、各省庁の幹部公務員を一元管理する内閣人事局の新設などを盛り込んだ国家公務員制度改革関連法案が参議院本会議で自民・公明・民主3党などの賛成多数で可決、成立しました。国民の関心は、アベノミクスや集団的自衛権にそそがれがちで公務員制度は当時あまり知られていなかったそうです。ところが、今回の改革法は、政治主導の名の下に恣意的な人事を容易にする可能性を含んだものであったのです。霞ヶ関は不祥事などで常に批判されていますが、公務員をたたけば事態が改善するわけではなく、改革は国家の問題として考えなければならないでしょう。

 

 

  1. 公務員に政治活動の自由は与えられるのか、またその議題が注目されるきっかけとなった猿払事件について。

 

 事の起こりは、1967年の衆議院議員選挙に際し、北海道宗谷郡猿払(さるふつ)村の郵便局に勤務する労働組合の事務長Aさんが、所属する労働組合の決定に従い、B党公認候補者の選挙ポスターを公営掲示場などに掲示したり配布したりしたということでした。この行為が、国家公務員法と人事院規則で定められた、禁止されている「政治的行為」に該当するとして、Aさんは起訴されました。

 しかし、第一審の判決ではAさんは無罪となりました。たしかに、Aさんの行為は人事院規則で定められていることに該当するものの、Aさんは管理職ではない現業公務員であり、勤務時間外にその職務を利用することなくおこなった行為に対する制裁としては合理的にして必要最小限の域を超えるものであり、憲法21条、31条に違反するとの理由で、Aさんを無罪としました。つまり、国家公務員法1021項それ自体は合理性があるものの、これをこのAさんの場合に適用して罰則を課すというのは違憲だということです。
 検察は控訴しましたが、札幌高等裁判所もこの第一審の判決を支持しました。

ところが、上告審の1974年最高裁判所判決は、高裁判決を破棄し、Aさんを有罪としました。最高裁判決では、表現の自由は「民主主義国家の政治的基盤をなし、国民の基本的人権のうちでもとりわけ重要なものである」と言いながらも、「公務員の政治的中立性を損うおそれのある公務員の政治的行為を禁止することは、それが合理的で必要やむをえない限度にとどまるものである限り、憲法の許容するところであるといわなければならない」とし、争点となった国家公務員法と人事院規則の適用は合憲であるとしました。

 この最高裁判決は、たいへん大きな問題をはらんでいます。
 基本的人権を制約する行政行為や立法があれば、それが憲法かどうかが問題になります。
 経済的自由の制限に関わる場合は、明らかに違憲であるとまでは断定できない行為については合憲とされます。つまり、政治的な判断で経済的自由を制約するのは基本的にありで、どう見ても違憲だという場合だけ裁判所は違憲判決を出すということです。

 しかし、精神的自由権の制約に関わる場合は、厳格な審査基準が適用されます。つまり、精神的自由権のひとつである政治的行為の制約については、その目的が真にやむを得ないものであり、その手段が目的を達成するのに必要最小限度のものでなければなりません。その目的を達成するためにより制限的でない他の選びうる手段があれば、違憲となります。

 この猿払事件の場合、一審と二審は、精神的自由に関わる問題と見て、厳しい基準を適用し、違憲判決を出しました。ところが、最高裁では経済的自由権と同じ緩い基準が使用された結果、Aさんの事例に国家公務員法と人事院規則を適用するのは別に違憲ではないとなったのです。

 しかしながら、この最高裁判決においても、公務員には政治活動をする権利はないのだとか、公務員の政治的行為をいくらでも制限できるとか、どんなに重い罰を課してもいいのだとは言っていません。あくまで「合理的で必要やむをえない限度にとどまるものである限り」規制は合憲だと言っているのです。結局Aさんは罰金を支払うことになりました。

 

 

  1. 公務員の争議行為を全面禁止にするという現在の風潮。それが浸透した事件、全農林警職法事件の概要。

 

 このころ、国民が労働環境の改善を求めて全国でストライキを決行していました。昭和33年、岸信介首相は労働争議を取り締まりやすくするための警職法改正法案を提出。

これに対しさらに全国で反対運動が勃発、国家公務員の農林省職員の労働組合員らも争議を起こしました。そこで国側である検察が原告となり、国家公務員法を禁じる争議行為をあおる行為にあたると、全農林労働組合幹部らを起訴しました。全農林組合幹部らは反発しましたが、結果的に、『公務員の争議行為は一律全面禁止にする』として国側が認められました。

 

 

  1. 政治献金について、許された事例である八幡製鉄事件の概要とその理由。

 

 1960年、八幡製鉄株式会社は自民党に政治献金として350万円を寄附しました。会社名義のカネだったため、株主は激怒。政治献金は会社の事業目的範囲外の行為にあたるとして、取締役らを起訴し、損害賠償を請求します。しかし、結果は敗訴。『政治献金寄附行為は法人に保障される政治的行為の自由の一環である』とされたのです。最高裁判所は株式会社にも政治献金の自由は政治活動の自由として保障され、法人であることを理由に特別の制限はない、としたのでした。

 

 

  1. 逆に許されなかった事例である南九州税理士会事件の概要とその理由。そして2つの事件の判決が異なった理由とは。

 

 南九州税理士会事件とは、税理士会が税理士法を業界で有利な方向へ導くための法改正の政治資金として、特別会費を徴収する決議をしたことがことの発端でした。

南九州税理士会は政治工作資金として、会員にたいし特別会費5000円の徴収を行いました。また、逆らって払わない者にはペナルティも与えるとも決定しました。それに対し、原告の税理士が、税理士会は強制的に加入が義務付けられているのに会員の思想まで強制するなんて不法行為だと税理士会を訴えます。結果、税理士会は強制加入団体であり、脱退は現実的に不可能である、そのような団体が構成員に政治活動の協力を義務付けるようなことはできないと、原告の勝訴としました。この裁判のキモであったのは、南九州税理士会事件では、会員にとって強制加入団体である税理士会は現実的に脱退の自由が不可能であるため、そのような決議は無効であること、また税理士会の政治献金は、税理士会のもつ政治信条とは異なる政治信条をもつ会員の政治信条を害するものであって許されない、としたところです。

一見同じようで結果のことなった八幡製鉄事件南九州税理士会事件、この2つの違い、それは南九州税理士会事件の場合、会員は現実的に脱退することが不可能なこと、それに対して八幡製鉄事件の場合、法人(株式会社)のすることが気に入らなければ、株を譲渡するなりして株主を辞めれば良いではないか、という考えから、このような判決に至ったのでした。この八幡製鉄事件は、法人の人権と個人の人権との調整という視点がおろそかになっているのではないか、という批判も多い判例です。

 

 

  1. 裁判が法令について定めている一見似ているようで違う2つの違憲制度について。

また、合憲限定違憲解釈と適用違憲との決定的な違い。

 

 まず合憲限定違憲解釈とは、違憲判断回避の方法の一つで、法律適用の前提となる法律解釈が一義的に決定できない場合で、かつ、当該法律が違憲となる解釈が存在するような場合には、合憲的に解釈する解釈方法のことをいいます。すこし似た解釈方法で、適用違憲というのも存在します。適用違憲とは、法令自体は合憲であるが、その法令を当該事件の当事者に適用する限りにおいて違憲とするもの、というものです。並べると似ているような気もしますが、適用違憲=裁判所が違憲審査をするに当たって、法令の文面上は合憲ですが

『当該事件への適用について違憲』と判断するテクニックのことです。それに対して、

合憲限定解釈=法令について『違憲の疑いがかけられている時に』裁判所がその疑いを除去するように法令の意味を解釈するテクニックという違いがあるのです。

 

 

 

〈参考資料〉

 

・憲法をわかりやすく 第2部 第5章 基本的人権の権利

・憲法をわかりやすく 第2部 第5章 基本的人権の限界

Yhoo! 知恵袋

Wikipedia

・弁護士ドットコム

DIAMOND online

・中江章浩 試験研究室

 

 

 

 

田井中遥

健康日本21と公務員制度

 

キーワード

人口転換生活習慣病High-Density Lipoprotein特定保健指導Metabolic Equivalents有酸素運動八幡製鉄事件南九州税理士会事件猿払事件全農林警職法事件合憲限定解釈

 

【結論】

健康日本21は、公務員制度によって機能していない。

 

【序論】

21世紀における国民健康づくり運動」、通称「健康日本21」とは、第3次、第4次の国民健康づくり運動として、当時の厚生省により2000年から行われた一連の施策のことである。具体的には、生活習慣病の発生を防ぐ一次予防に重点を置いており、原因となる生活習慣の改善を国民に促すことによって、壮年期での死亡を減らし、介護なしで生活できる健康寿命を延ばすとし、食生活・栄養、身体活動・運動、休養・心の健康づくり、タバコ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がんの九つの分野について具体的な目標を設定し、目的達成のため、自己管理能力の向上、専門家等による支援と定期管理、保健所等による情報管理と普及啓発の推進の三つの柱とする対策が行われている。そして、この健康日本21にのっとり、生活習慣病の一次予防を推進するために制定されたのが「健康増進法」である。また、2012年度末に終了した健康日本21を全改正し、2013年より適応される健康日本21(第二次)の基本方針には、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」、「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底」、「社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上」、「健康を支え、守るための社会環境の整備」、「栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善」が挙げられており、目標設定と評価や普及活動をすることが盛り込まれている。

 

【根拠】

T、公務員制度

・公務員と人権

 公務員の人権では、公務員の政治活動と労働基本権が制限されている。

岸信介首相によって労働争議を取り締まるために提出された警職法改正法案に対し全国で反対運動が起こったが、国家公務員の農林省職員の労働組合員らも争議を起こしたため、所属長の承認なしに正午出勤するなど労働争議の扇動行為を行ったとして、全農林労働組合幹部を国が起訴した。これを全農林警職法事件といい、一審では扇動行為を合憲限定解釈して全員無罪となったが、二審では逆転し、全員有罪となった。これによって現在も公務員の争議行為は一律に全面禁止という考え方が主流となっている。公務員がストライキを起こすことを認めると社会に大きな影響を与え人命にかかわるため、公務員の争議行為を禁止することは必要であるが、その代わりに、公務員がストライキの代わりとして行える意見や労働条件の交渉方法を整えるべきで、労働基本権を制限することは不当であると感じた。

 また、郵便職員が選挙活動に加担したということで処罰された猿払事件では、公務員の選挙活動が争点となった。第一審での適用違憲は合憲限定解釈が不可能とされ、結果、公務員の政治活動を制限することは合憲であるとされたが、公務員であるとはいえ選挙に大きな影響を与えるとは考え難い郵便職員が勤務時間外に行った行為であることを考えると、制限のしすぎであるように感じた。もちろん、勤務時間内や選挙に大きな影響を与える職種に就く公務員に対して選挙活動の制限を行うことは必要であると思われるが、一律に公務員の選挙活動を制限するということには問題があると考える。

・天下りのメカニズム

 天下りとは、主に高級官僚が、出身官庁の所轄する外郭団体、関連する民間企業や独立行政法人、国立大学法人、特殊法人、公社、公団、団体などに就職斡旋することを指す。天下りというだけで否定的な意見が多いが、退職者が所轄団体や関連企業などに再就職すること自体は問題がないと考える。もちろん官民の癒着や利権の温床化、天下り先の確保を目的とした税金の無駄遣いなどの点には早期是正が必要だと思われるが、公務員として得た経験を活かせる職への転職はむしろ推進すべきだと感じた。また、天下りが行われているのは早期勧奨退職慣行が原因であるという部分が大きいと考える。キャリア組が一律で昇進していく過程で上位ポストを得ることができなかった場合省庁にいることができなくなるという体制に問題があると感じる。現在、早期勧奨退職勧告をなくすことは、省庁の中でポストを用意することができないという理由により不可能であるというのならば、癒着した民間企業などに対する天下りではなく、省庁での経験を活かして働くことができる企業などに対しての再就職の支援に力を入れていくべきだと感じた。

 

U、法人制度

・法人の人権と政治献金

税理士会が税理士法を業界で有利な方向に導くための法改正の政治資金として、特別会費を徴収する決議を行い、それに対し税理士会に所属する会員が税理士法改正に反対だという理由で支払いを拒否したため、税理士会によって役員の選挙権を与えないというペナルティーが与えられた。これを南九州税理士会事件といい、最高裁判所によって、税理士会が税理士であれば強制的に参加する組織であることを理由とし、税理士会による政治献金を会の目的の範囲外とされた。確かに、強制加入の組織により政治献金が行われることは規制するべきだと考えるが、南九州税理士会事件のように税理士会が税理士法を業界で有利な方向に導くための法改正を行う目的で政治献金を行った場合、これを一概に制限することは少し問題があると感じた。

 しかし、八幡製鉄株式会社によって自民党に政治献金された際、同社の株主が政治献金は会社の事業目的範囲外の行為であるとして損害賠償を求める訴訟を行った八幡製鉄事件では、強制加入ではないという理由によって、政治献金寄付行為は法人に保障される政治的行為の自由の一環であるとされた。

 

V、社会保障のイノベーション

生活習慣病と高齢化

 多大な国民医療費を抑制するために健康日本21は行われているが、この多大な国民医療費の原因となっているのが、生活習慣病と高齢化である。生活習慣病と高齢化は共に経済成長によって引き起こされていると考えられており、生活習慣病については「食生活の変化」「飲酒と喫煙」「運動不足」「精神的ストレスの増大」が原因として挙げられている。また、経済成長に伴って人口が多産多死となり、その後医療の発達により、多産少死となる。その後、経済が安定したことによって、一人の子供に対してかけるお金を増やし大切に育てるようになり、少産少死へと変化していく。この過程を人口転換といい、日本もこの人口転換によって高齢化となっている。高齢化社会となっていく上で、問題となっている医療費の増加は、介護老人や寝たきりの人口が増加したということが大きな原因であると思われるため、これからはどれだけ質の高い生活をしているかというところに重点を置く必要があると考えられる。質の高い生活を考えるうえで重要なのは、生まれた年齢ではなく、身体の年齢を表す「活力年齢」であるが、この活力年齢は運動によって若返ることができる。運動の一番の効果は肥満の改善であり、そして、心臓や肺の筋肉の機能強化、さらに、血糖や血圧を下げることで、一般的に善玉コレステロールとよばれる、High-Density Lipoproteinを増やす。High-Density Lipoproteinには、血管内壁にへばりついて動脈硬化を引き起こすコレステロールを引き抜いて、肝臓まで運ぶ働きがあるため、平均活力年齢の引き下げには大きな効果が期待できる。しかし、High-Density Lipoproteinの値が高い程、心筋梗塞や脳卒中が起こりにくくなり、長生きする人が多くなっているため、国民医療費の抑制という面では逆効果であると思われる。

・政府とメタボリックシンドローム

 健康増進法に基づいて、メタボリックシンドロームの診断基準がつくられ、特定健診及び特定保健指導(一般的には「メタボ健診」)が実施された。腹囲、血糖、脂質、血圧の健診結果をもとに、高リスクの人は食事や運動などの特定保健指導を受けるというものだが、公正性が確保されているかという点において疑問が残る。また、受診率、保健指導実施率、目標到達度が基準を下回った場合、企業や自治体の人々が連帯責任を取らされるが、少ない予算でペナルティーを回避するため、基準をわずかに上回る人への保険指導が優先され、大幅に上回る人が放置される恐れがあることなどが問題であると考えられる。他にも、従来無償で受けられた健康診断が、制度変更後有償となった場合もあり、受診率の向上を目指している厚生労働省としては、制度の見直しが必要であると感じた。

 また、メタボリックシンドロームによって、日本の三大疾病と言われる、「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」の原因と言われている「動脈硬化」が引き起こされる可能性が高くなるが、このメタボリックシンドロームの解消法として挙げられるのが有酸素運動である。メタボリックシンドロームの主な原因である大量の脂肪を有酸素運動によって酸素と結合させ、High-Density Lipoproteinを増やすことで効率よく燃焼させることができるが、過度な運動はかえって危険なものとなるため、正確な運動量の基準に基づいて運動することが大切である。また、有酸素運動は脂肪燃焼効果の他に、心肺機能の強化、血液循環の改善、体力の向上、ストレス解消などの効果もあるため、活力年齢のみならず質の高い生活を送るために必要な様々な効果があると思われる。これまで、BMIでの測定に基づいた基準が使用されていたが、2006年以降、新たにMetabolic EquivalentsMETs)という指標が定められた。Metabolic Equivalentsとは、身体活動の強度を表す単位であり、例として「1METs=座って安静にしている状態」「3METs=通常歩行」となっている。メタボリックシンドロームの解消を目的とした運動は3METs以上が基準となっており、このようなメタボリックシンドロームに対する対処法がしっかりと体系化されてきたことや、メタボリックシンドロームを認知している国民の割合が増加したことは、健康日本21に対する政府の取り組みの成果と言えると思われる。特定保健指導のように問題点の残るものもあるが、上記で述べたようにメタボリックシンドロームは命にかかわる重大な疾病に繋がるため、健康日本21への政府の取り組みは国民の健康レベルの引き上げに関しては成果が出ていると考える。

 

W、健康日本21と公務員制度

 健康日本21では、タバコやアルコールが挙げられているが、酒類業界との癒着や、天下り先であるJTに対する財務省の圧力などによって、施策の実行が阻害されている。また、健康日本21の政策の中で約220もの天下りを中心とした健康団体ができており、膨大な国民医療費を抑える目的からずれてきているように感じた。現段階ではむしろ天下り先に対する税金の無駄遣いにより資金はよりかかるようになっているのではないかと思われた。そのため、天下りが蔓延している現在の公務員制度では、国民の健康レベルを引き上げることによって膨大な医療費を抑制するという目的で行われる健康日本21を実行することは難しいと考える。

 

出典

・厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/

・コトバンク

 https://kotobank.jp/

Wikipedia

 https://ja.wikipedia.org/

・健康日本21

 http://www.kenkounippon21.gr.jp/

 

 

 

 

齋藤未佳

13J108015 齋藤 未佳

 

社会保障法T テーマ 健康日本21と公務員制度

 

0.    結論

 健康日本21の実態が良くない理由の一つに現在の公務員制度があると言える。

 

1.    人口転換 

 日本の人口は明治維新以後の140年間で4倍に、昭和の初めからの75年間で2倍になった。人口規模は今がピークであり、今後100年で半減して昭和初期の水準まで戻ると予測される。これまでの日本では毎年の出生数が死亡数を上回っていたために人口が増えた。これからはその反対になる。死亡数の増加が高い確率で見通せるため、その影響を大きく受ける人口減少は避けようのない未来と言える。ある国の人口は、近代化・経済発展につれて、多産多死→多産少死→少産少死へと変化する(人口転換)。日本は1960年前後に少産少死の段階に進んだが、その後75年頃を境にもう一段出生率の低下が起こった(第二の人口転換)。日本における出生と死亡の変動は、大枠では先進国の経験を辿りつつも、そのスピードとレベルにおいて独特であった。結果、日本の人口は急速に高齢化しながら大幅に減少していく。現在の日本の少産少死の時代、最も多いとも言える死因は生活習慣病だ。そこで、健康日本21が生まれた。

 

2.健康日本21の理念

 2010年を目指した健康づくり運動として、21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)が2000年度から開始された。

健康日本21の基本理念は、「すべての国民が健康で明るく元気に生活できる社会の実現のため、壮年死亡と、健康に関連する生活の質の低下を軽減することを目指し、一人ひとりの取り組みを健康に関する機能をもった社会のさまざまな主体が、それぞれの特徴のある機能を生かして支援する環境をつくり、全体の健康づくりが総合的に推進されること」となっている。生命の延長だけでなく、生活の質(QOL)を重視すること、生涯にわたる健康づくりの視点を取り入れること、環境づくりの重視などを特徴としている。

 

2.健康日本21の内容

具体的な実施内容は、特定健康診断・特定保健指導だ。

特定健康診断とは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診で、身体測定や血圧・血糖値測定、血液検査などを行い、予め設定した基準を超えた場合は特定保健指導の対象となる。血液検査では、血液中にはHigh-Density-Lipoprotein CholesterolHDL・善玉コレステロール)とLow- Density-Lipoprotein CholesterolLDL・悪玉コレステロール)が流れているが、HDL数値に着目した検査が行われる。HDLはタンパク質分が脂質より多いリポ蛋白があり、血液中のコレステロールを自らが吸収し取り除いてくれる。特定健診の簡易化として、腹囲を測定し男性85センチメートル以上、女性90センチメートル以上である方は特定保健指導の対象になる。ここで疑問となるのが、一般的に女性より男性の方が身体は大きいはずだが、腹囲の基準は女性の方が大きい。男性の基準を厳しくして、特定保健指導が儲けようとしているのではないか、ということが考えられる。

特定保健指導とは、特定健康診査の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方に対して、生活習慣を見直すサポートをする。特定保健指導には、リスクの程度に応じて、動機付け支援と積極的支援がある(よりリスクが高い方が積極的支援)。具体的な指導内容として、特定保健指導が推奨するのは、Aerobicsつまり有酸素運動だ。これにより、Metabolic Equivalents(代謝相当量)を計算する。運動時の代謝を安静時の代謝で割って出た数字を自身のライフスタイル改善の目安にするということだ。

 

3.健康日本21の実態

健康日本21とは、栄養、運動、休養など9つの領域で、それぞれ達成されるべき健康のための目標値を掲げた健康増進計画であるが、この中で肥満、1日あたりの歩数などの計画中の目標値を達成できていないようだ。これは行政にその責任があるのだろうか。健康日本21は一般の行政計画とは異なる。一般に行政計画とは、何らかの目標がありそのために行政が資源を投入して現状に介入し改善を目指すという段階を経る。ところが、この計画では最終的な成果が「健康」である。これには資源で外部から直接介入をすることは不可能である。いくら行政が「もっとたくさん運動を」、「栄養の高い食品を」と言ったところで、一人一人の自主的な行動がなければ実現のしようがない。その成否は住民自身の行動が握っている。個々人の日常的行動をいかに変えることができるか。この時、行政が投入できる資源は直接的な介入ではなく、間接的、手段的なものであり自ずと行政の、成果目標への寄与可能性は限定されたものなのである。

では、行政には何の責任もないのかといえば、そうではない。まず、健康日本21では目標の構造がきちんと整理されていない。特に「喫煙率を0%に」「成人肥満者減少」など最終的な成果に関する目標が多すぎる。成果の達成には、個人の健康行動を支援する社会基盤(ソフト、ハード両面)の整備が不可欠であり、成果目標以前にその達成のための資源目標がなければならない。「目標見直し」も行われなければならないが、成果目標値を達成可能な妥当な線に下げることではなく、この政策構造を踏まえた目標構造をつくること、成果目標よりも資源目標を重んじる「見直し」でなければならない。資源整備は行政が担うことのできる役割である。住民が「健康になろうと思えばなれる」環境づくりが行政の第一義的責任であると思う。資源整備とは予算を投下して新しいもの作り上げるだけでなく、既存の資源をまとめる、即ち幅広い主体を巻き込み資源を整備するという意味でもある。ジム、プール、歩道整備だけではなく、地域のスポーツ団体、NPOなど既存の草の根資源も視野も含めて計画を策定しなくてはならない。資源整備には、計画策定の段階から広い市民参加を取り入れることが必要であろう。

 

4.公務員制度(天下りのメカニズム)

キャリア官僚の人事制度とは、国家公務員試験一種に合格して各省に就職するキャリア官僚は、課長ポストまでは、同期がほぼ一斉に昇進する。そこから先は、一人、二人と、肩たたきを受けて、早ければ四十代で退職していく。局長ポストまで上り詰めるのはせいぜい二人であり、そのうちのどちらかが事務次官に昇進すると、もう一人の同期は役所を退職する。事務次官は役所のトップであるが、そのトップと同期かあるいは上の年代の官僚が部下にいると、事務次官は仕事がやりにくくなる。事務次官が入省年次でも一番古ければ、文字通りのトップとして、業務の指揮がとりやすくなる。そこで、同期を少しずつ「間引いて」いって、最終的にはただ一人を残すシステムだ。しかしこのシステムを守る為には、まだ定年にはずっと間のある局次長や審議官、それに局長が役所を退職しなければならない。まだ若いのに、途中でやめてしまっては生活ができないため、そこでどこかに天下りをする。つまり、現行のキャリア官僚の人事制度を維持する上で、天下りが必要になっているのだ。このため、各省の大臣官房には、退職する幹部の再就職斡旋担当者がいて、関係団体や企業に声をかけている。自分の省の人事システムを維持する為に、天下り先の確保が大切になるのである。

天下りと、いわゆる「政官財の鉄のトライアングル」で結ばれるのは、政治献金に関する問題だ。「八幡製鉄事件」と「南九州税理士会事件」を比較してみると、判決は八幡製鉄事件では、会社も納税者であり自然人と同じく政治的行為の自由が認められる(献金もその一環)ため目的の範囲内の行為として有効であるとした。一方、南九州税理士会事件では、公益法人である税理士会については、税理士に実質的に脱退の自由が保障されていない強制加入団体であること、憲法19条の思想良心の自由の侵害行為にあたること等から税理士法改正のためであっても、税理士会が政治献金をすることは目的の範囲外の行為であり無効であるとした。判決結果だけをみると、営利法人である八幡製鉄所は献金が認められ、公益法人である税理士会には献金は認められなかったのか、矛盾が生じているように思う。

 

5.身分から職業へ

官僚の将来が確保されている理由の中には、公務員の労働基本権の制限がある。この制限の代償として身分、任免、給与等の周到詳密な法律の規定及び人事院勧告制度という十分な代替措置があるのだ。労働基本権の保障については、過去に判例変更があった。第二次世界大戦後の日本の無条件降伏を受けて昭和20年、連合軍総司令部GHQは公務員にも民間労働者と同様に労働基本権を保障したが、労働運動は激化を極め、約2年後には、一切の公務員について団体交渉権・争議行為を禁止した。その後、昭和41年の「全逓東京中郵事件」で、憲法第28条の労働基本権の保障については公務員にも基本的には及ぶものとし、労働基本権を制約する法規定は一定の考慮がなされてはじめて合憲であるとする合憲限定解釈をとり、立場を変更した。さらに、昭和48年の「全農林警職法事件」で再び解釈を変更し、争議行為を一律に禁止した。昭和49年の「猿払事件」では公務員による政治活動は全面禁止としている。これらの歴史と事件から、公務員労働基本権の制限には、政治的背景があると言えるだろう。今現在も公務員には労働基本権は制限されており、公務員制度の再身分化が怪訝される。

国民よりも役所の身分を守ろうとしているのではないか。上記2の特定健診の腹囲基準のところでも述べたが、役所の都合のいいように政策を進めている部分がある気がする。このように、表面上では国民の利益を第一に考え、政策を進めているが、その背景には自分たちに都合のいいように政策が進むようになっていては、理念は素晴らしい政策も実態が伴わない。公務員制度も「身分」から「職業」へ、「官」から「公」へ意識を変えなければならないと思う。

 

 

参考文献・出典

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info02_66.pdf

http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/monthly/pdf/0506_9.pdf

http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/s0.html#A31

http://health.goo.ne.jp/medical/lifestyle/0104

http://www.policyspace.com/2006/06/post_530.php

中江章浩『社会保障のイノベーション』信山社

池上彰『いまの日本 よくわからないまま社会人している人へ』海竜社

中江先生の授業ノート

 

 

 

 

関根悠介

社会保障法 提出レポートテーマ 「健康日本21と公務員制度」

13J110007 関根悠介

1,初めに

わたしは時代や環境によって変化する日本人の体を健康に保とうとする運動である健康日本21は必要だと思った。体の隅々の健康状態を指標によって数値化する。死に至るような重大な病気を体に異変が出る前に気付き対策することができる医療技術がる。まだまだ発展していく今の時代、国民全体の健康を守るこの運動は時代にも適応しながら国民一人一人に健康を保つ意識を持たせることがさらに必要になってくると思った。公務員制度は不平等な身分制度や、天下りなど世間の不満などがあるだろうが過去長く築いてきたこの制度を重大な欠点がない限り変えるのはリスクが大きすぎると思った。これらについて考えてみようと思う。

 

2、病、保健指導

 人口動態の変化は、経済社会の発展に伴い、多産多死から多産少死を経て、やがて少産少死に至る過程を示す。このような3段階からなる人口変動のパターンは、人口転換(demographic transition)理論と呼ばれている。その第1段階は、出生率も死亡率も高水準にある低発展段階である。伝統的農業社会では死亡率が高く、また飢饉、疫病、戦争等のために人口の動向は不安定である。この状態で農業社会を支えていくためには、大家族を必要とし高い出生率が維持される。また、宗教や社会制度などによって高出生率が維持されることもある。その結果、近代化前の社会では、変動する高死亡率と普遍的な高水準の出生率により、人口増加の変動は大きいものの、平均的には人口増加率は低い状態にある。第2段階は、出生率は依然として高水準にあるが死亡率が急速に低下する段階である。都市化・工業化が進展し、さらに公衆衛生及び医療水準も発展することによって、高い死亡率が徐々に低下を始める。しかし、出生率は、死亡率と違って、外的変化によって直ちに反応するメカニズムを持っていないため、高水準のまま維持され、死亡率低下に伴って、それまで経験したことのない人口増加がもたらされる。第3段階に入ると、出生率も死亡率を追随して急速に低下し、出生率、死亡率とも低水準に達して安定化する。出生率が低下する理由として、乳幼児死亡率の低下により出生数を減らしても家族・社会の存続が可能となること、子供の養育コストの増大、女性の自立化などが挙げられる。日本では、明治維新以前が多産多死、明治から昭和30年代半ばまでが多産少死、昭和30年代半ば以降が少産少死の段階であると考えられている。

生活習慣病は、今や健康長寿の最大の阻害要因となるだけでなく、国民医療費にも大きな影響を与えている。その多くは、不健全な生活の積み重ねによって内臓脂肪型肥満となり、これが原因となって引き起こされるものであるが、これは個人が日常生活の中での適度な運動、バランスの取れた食生活、禁煙を実践することによって予防することができる。

 High density lipoprotein(高密度リポタンパク質)は、血漿リポタンパク質の一つ。密度 1.0631.21 g/mL の血漿リポタンパク質を言う。アポリポタンパク質(A-IA-IICE)の含量が約50%と多い。1418%がコレステロールエステル、36%がトリグリセリド、2030%がリン脂質である。ほかのリポタンパク質に比べリン脂質が大きな割合を占める。主に肝臓と小腸で合成され、原始型HDL として分泌される。血液中でLCAT の作用によりコレステロールエステルを増していく。HDL には末梢組織から余剰のコレステロールを引き抜きこれを肝臓に転送する作用があり、コレステロール逆輸送経路と呼ばれている。HDL 中で増加したコレステロールエステルは、コレステロールエステル輸送タンパク質(CETP) の働きにより、血液中でVLDLIDL に移行し、LDL受容体によって処理され肝臓に取り込まれる。したがってコレステロール逆輸送経路はまあ小組織より肝臓へとコレステロールを運搬する機能を果たすため、抗動脈硬化作用があると考えられる。

 Metabolic Equivalentsはエネルギー代謝率が基礎代謝量を基準とするのに対して、運動あるいは作業時に安静時の何倍のエネルギーを消費するか、安静時を基準に定めたのが代謝当量である。これも一つの重要な指標になると思う。

40歳以上75歳未満(年度途中に75歳に達する人を含む)の被保険者および被扶養者を対象として、メタボリックシンドロームの予防・解消に重点をおいた、生活習慣病予防のための健診・保健指導が実施されています。これを「特定健康診査(特定健診)」・「特定保健指導」といい、当組合を含め、各医療保険者は実施が義務づけられている。目的はこれまでの健診・保健指導は「病気の早期発見・早期治療」を目的としていました。特定健診・特定保健指導では、内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)に着目し、その要因となっている生活習慣を改善するための保健指導を行い、糖尿病等の生活習慣病の有病者・予備群を減少させること(病気の予防)を目的としている。生活習慣病は自覚症状がないまま進行するため、健診は個人が生活習慣を振り返る絶好の機会と位置づけ、行動変容につながる保健指導を行う。

 有酸素運動とはウォーキングやジョギング、エアロビクス、サイクリングなど、運動の強度はあまり高くなくても、ある程度の時間行うことができる運動を「有酸素運動」といいます。これは運動中、筋肉を収縮させるためのエネルギー「アデノシン三燐酸(ATP)」を、呼吸によって体内に取り入れた酸素を使って作り出すことからそのように呼ばれている。有酸素運動では脂肪分解が進む皮下や内臓に蓄えられた脂肪は「リパーゼ」という酵素によって遊離脂肪酸に分解される。それが血液によって筋肉に運ばれると、エネルギーの生産工場である「ミトコンドリア」で十分な酸素によって燃焼され、ATPを作り出します。脂肪が1g燃焼すると9kcalのエネルギーを発生する。脂肪の備蓄はかなり多いため、痩せた人がマラソンをするとき以外はエネルギー源が枯渇してしまう心配がなく、長く運動を続けることができる。普通の状態では体内に少なくとも10kg以上の脂肪蓄積があるから、理論上9万キロカロリーものエネルギーを発生することができるわけで、長時間の運動の際のエネルギー補給源となるというわけである。ところで、脂肪を分解するリパーゼは体温が高くなると活性が高るので、運動によってからだが温まり、血液の流れが盛んになると、ますます脂肪が活発に燃焼するようになる。安静時にも脂肪は燃焼しているが、20分以上継続した運動では、脂肪分解がどんどん進んでいく。 生活習慣病予防に効果があり、有酸素運動は脂肪を燃焼させることから、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、糖尿病など肥満が原因となる生活習慣病予防に効果がある。また、善玉コレステロール(HDL)値が上昇したり、筋量の増加に伴って基礎代謝量が増加したり、ストレス解消など効果があることで注目されている。さらに、筋肉や脳の老化防止にも効果があるといわれている。

 

3、制度と判例 

法人の人権享有主体性において八幡製鉄事件は、政党の健全な発展に協力することは、会社に対しても、社会的実在としての当然の行為として期待されるところであり、(社会的実在としての)協力の一態様として政治資金の寄附についても例外ではないと思われる。会社による政治資金の寄附は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められるかぎりにおいては、会社の定款所定の目的の範囲内の行為であるとするに妨げない。

南九州税理会事件、事案は強制加入の公益法人「南九州税理士会」が、税理士法改正が業界に有利に動くように、南九州各県税理士政治連盟への政治工作資金として特別会費5千円を徴収する旨を決定した。

しかし、この決議に反対した税理士が、会費納入を拒否。そこで、当該税理士会は、当該会員税理士を、会則で定められた会員滞納者に対する役員の選挙権及び被選挙権停止条項を行使します。当該会員税理士は、 会費納入義務の不存在確認及び損害賠償請求訴訟を提起した。税理士会が強制加入団体であることです。税理士として生計を立てていくには、税理士会の加入が義務だってことであり、脱退することはイコール税理士としての仕事が出来ないということ。税理士会は、そういった性質の団体であるから、各会員に課す協力義務には場合によっては、人権侵害にあたることがあるとしている。八幡製鉄は、普通の民間企業である。その意味では、強制加入団体ではない。特に特定政党や政治団体への政治献金行為は、 各人の思想などにおいて各人で自主的に決定する類のものであり、選挙権における投票の自由を侵害しうるものであると判断している。そして、寄付のために会員から特別会費を徴収する旨の決議は無効と判断され、政治献金は目的の範囲外とした。

 猿払事件は、被告人は、北海道猿払村にある郵便局に勤務する郵便事務官で、 同地区の労働組合協議会事務局長をしており、昭和42年の衆議院選挙の際日本社会党を支持する目的を持って、同党公認候補者の選挙用ポスター6枚を勤務時間外に公営掲示場に掲示し、そのポスター184枚を他者に依頼し配布した。この行為が、国家公務員法102条及び人事院規則14-7 613号に違反するとして、国家公務員法110119号に基づいて稚内簡易裁判所より罰金5千円の略式命令を受け、正式裁判を請求した。公務員の政治活動には厳しく対処していかなければならないという姿勢は非常に共感できるが、「非管理職である現業公務員で、その職務内容が機械的労務の提供に止まる者が、勤務時間外に、国の施設を利用することなく、かつ職務を利用し、若しくはその公正を害する意図なし」だったわけであるから、この判決は厳しいと思われる。

全農林警職法事件は、公務員の労働基本権制約の代償措置として設けられているのが人事院であり、主に人事院勧告によりその補完をしているとされる(本判決でも重視された)。しかし、判例は、人事院勧告の実施が凍結されても、代償措置が機能していないとは言えないとする。

合法限定解釈は法律適用の前提となる法律解釈が一義的に決定できない場合で、かつ、当該法律が違憲となる解釈が存在するような場合には、合憲的に解釈する解釈方法のことをいう。違憲判断回避の手段として必要だと思った。

4、考察

これらにしたがってやはり、わたしは時代や環境によって変化する日本人の体を健康に保とうとする運動である健康日本21は必要だと思う。公務員制度は不平等な身分制度や、天下りなど世間の不満などがあるだろうが過去長く築いてきたこの制度を重大な欠点がない限り変えるのはリスクが大きすぎると思った。

 

 

 

参考文献、URL

http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h14/H14/html/E1C01000.html

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu/seikatusyuukan.html

http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E9%AB%98%E5%AF%86%E5%BA%A6%E3%83%AA%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA

http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000500/hpg000000448.htm

http://kenpou-jp.norio-de.com/zeirisikai-jiken/

http://www.weblio.jp/content/%E5%90%88%E6%86%B2%E9%99%90%E5%AE%9A%E8%A7%A3%E9%87%88

 

 

 

 

内山遼

テーマ:健康日本21と公務員制度

 

〈健康日本21〉

 これから少子高齢化が進んでいく中で、高齢者が重病者となり医療機関を利用し医師免許を持った者に診察をしてもらう前に、病気や痴呆を予防しなければ、高齢者の増加に医療は耐えられず破綻してしまうことが考えられる。私は、その問題を解決するために日本政府が掲げている健康日本21の取り組みに賛成である。更に私は、公務員志望であるので、地域からこの健康日本21の取り組みに参加していきたい。

 

1.     健康日本21とは

健康日本21は、21世紀の国民の健康を実現するための基本的方針である。

現在、日本では少子高齢化が他国に例をみないほどの速さで進んでいる。これは、衛生状態や医療技術の進歩により、国民の出生数と死亡数が少産少死型になったためと考えられる。かつては日本も現在のインドなどのように多産多死型だった。多産多死型は後発発展途上国に多く見られる。そのあと、経済的に安定し医療が発達すると多産少死型になり、それに合わせ少なく子供を産むようになり、少産少死型となる。よって少産少死型は先進国で見られ、その後変化することはないので一般に静止人口と言われている。このように人口が社会の変化に合わせて変化していくことを人口転換という。また、人口転換を基にして健康問題が段階的・構造的に転換することを健康転換という。

 このような人口転換の時期であるいま、日本では高齢者の健康の問題が深刻である。このまま少子高齢化が続けば高齢者の介護をする人員も不足し、財政的にも困難だろう。よって今まで重視していた二次予防ではなく、一次予防を充実させて病気の発生そのものを防いでいくことがこの問題を解決する手段となる。これは、従来の「健康は守るもの」という考え方から「健康は作るもの」という考え方に大きく転換している。そして健康日本21は国民の健康づくりを総合的に推進しているのだ。このように事前に病気を予防し、少子高齢化に負けず高齢者がいきいきと暮らせる国を作るのが大きな目標なのではないだろうか。

 

1.     生活習慣病の予防・改善

1.    生活習慣とは

現代の健康問題の中で最も大きな課題として生活習慣病が挙げられる。食の欧米化や家で買い物からなにから多くのことを済ませられるようになった今、栄養の偏り、運動不足などから生活習慣病はすべての国民にとって深刻な問題である。また現在、日本での死因トップ3を占めるのは、がん、心臓病、糖尿病であり、どれも生活習慣と深い繋がりがある。そこで健康日本21は、生活習慣病の予防によって健康寿命の延伸をはかることを目的のひとつとした。食生活の改善、運動習慣の定着、健康増進の要素となる喫煙・飲酒などに関する状況の改善、正しい知識の普及がおもに挙げられる。この一次予防は、子供のころから定着させるべきものと考えられ、学校教育などを利用した取り組みも行われている。そして、社会の変化に対応した政策を打ち出すためにも子供から高齢者までの広い世代のライフステージや性差、社会経済状況など相違点に着目し、ニーズ、問題点を把握していくことが行政の役割である。

1.     肥満対策

 生活習慣病のひとつである肥満は、低比重コレストロールが組織からコレステロールを拡散することによってなる。その真逆の動きをするのがHigh-Density Lipoprotein(高密度リポ蛋白質)である。これは組織からコレステロールを中心臓器に運び、動脈硬化を防いでくれることから善玉コレステロールと呼ばれている。よって、High-Density Lipoproteinを適切な量で保ち、低比重コレストロールを増加させないことが肥満を防ぐことに繋がる。健康日本21で掲げている目標としては、2040代成人の脂質エネルギー比率25%以下にすることである。

 この肥満、いわゆるメタボリックシンドロームの一次予防として予防・解消に重点を置いた保健指導や検診が行われている。これを特定保健指導という。被保険者や扶養者の40~75歳を対象に生活習慣の改善をはかり、生活習慣病の有病者・予備軍を減少させるのが大きな目的である。検診の後には、一人ひとりに合った情報を提供し、運動や食生活など生活習慣の改善を促している。保健指導としては、大きく分けて動機づけ支援と積極的支援の2つがある。動機づけ支援とは、生活改善を促す一回のみの支援であり、専門家による改善に向けた計画が提示され終了すれば評価がもらえる。この一回の指導が生活習慣を見直すきっかけとなるのが狙いである。そして積極的支援とは、3か月以上複数回継続して専門医の指導の下で支援を行うものだ。こうした制度を利用し、生活改善をしていけば多くの人のメタボリックシンドロームを回避できるだろう。

1.     運動による対策

 さらに、生活習慣を改善する方法が運動習慣である。健康日本21には、正常の人からメタボリックシンドロームの人までレベル別にその人にとって必要な運動量が記載されている。そしてその運動量の単位として使われているのがMetabolic equivalentsである。通称代謝当量(MET)と呼ばれる。これは、運動や作業時にどれだけエネルギーが消費されるのか基礎代謝を基準に定めたものである。(MET=労作代謝量/基礎代謝量)ほかにもあらゆる運動についてMETを使って表しており、適切で安全な運動の仕方も記載してある。メタボリックシンドロームの人に限らずすべての人、特に国民の運動指導に係る人は十分な理解が必要である。

 運動習慣の中でも健康日本21のなかで奨励されているのが有酸素運動である。有酸素運動とは継続的で比較的弱い力が筋肉にかかり続けることであり、20分以上続けることで脂肪燃焼が起こる。生活習慣病の大きな要因である運動不足を適切な有酸素運動によって解消し、脂肪を燃焼させることが可能である。

 

1.     まとめ

 これらの取り組みによって大幅な人口転換・健康転換を迎える21世紀においてもすべての人が行政サービスを利用するなどして各々がメタボリックシンドロームなどの様々な健康問題に取り組むことができる。健康寿命の延伸により高齢者が生き生きと活躍することができ、その結果介護者の負担も軽減され、多くの人が明るく元気に生活できるだろう。まずは健康日本21の目的・内容をすべて国民が理解し、当事者意識を持つことが第一歩となるだろう。

 

 

〈公務員制度〉

 公務員の仕事は国民の信頼上に成り立っており、そのために政治的に中立性が求められるのは当然のことであると考えられる。私が公務員となった際には、地域の縁の下の力持ちとして市民の期待を裏切らないような職員になりたいと改めて感じた。

 

1.     民間企業で起きた政治献金事件 

八幡製鉄事件

八幡製鉄所の代表取締役2名がこの社の名を使って自民党に献金したのが適法かどうか争われた事件である。結果として最高裁判所は原告の上告を棄却し、会社による政治献金を認めた。その理由として3つ挙げられる。1つ目は、政治献金は会社の権利能力の範囲であることだ。会社は定款所定の目的の範囲内において権利能力を有する、との前提があり、目的の範囲内の行為とは定款に明示された目的に限らず、その目的遂行のために直接または間接に必要な行為すべてを含む。政治献金は、政党政治の健全な発展に協力することであり、社会的実在たる会社にとっては当然の行為として期待されるだろう。2つ目は、政治献金は参政権を違反するものではないことである。会社は自然人と同様に政治的意思を表明することが当然に認められているし、国民に認められている権利義務は可能な限り法人にも認めていくべきであり、政治的行為も同様である。3つ目は、取締役の会社への忠実義務に違反しないことだ。合理的な範囲内を超え、会社規模からいって不相応な額の政治献金でもない限り、忠実義務違反とはならないのである。これら3点の理由からして会社による相当な金額の政治献金は認められるということができるだろう。

 

1.     特別法人による政治献金事件

南九州税理士会事件

この事件は、税理士が政治献金に使用する特別会費を納入しなかったことを理由として役員の選挙権が与えられなかったことが適法かどうか争われた事件である。主な争点としては2つ挙げられる。1つ目は、強制加入団体である税理士会による政党への献金は目的の範囲外であり無効ではないかということだ。2つ目は会員から政治献金のための金銭を徴収するのは公序良俗に反し無効ではないかという点だ。税理士は税理士会への加入が義務付けられているため、税理士として働くためには政治献金を払うことが要件となってしまう。よって公序良俗違反であり目的の範囲外の行為と考えてもよいだろう。最高裁判所は、以上の理由から政治献金を無効と判断した。これは政治献金徴収を有効と判断した八幡製鉄事件とは対照的である。なぜ結論が違うのかというと、それは、強制加入であり、脱退の自由が制限されていることに理由がある。

 

1.     公務員による政治献金事件・労働争議事件

猿払事件

 これは公務員の政治的行為とそれに対する刑罰が問題となった事件である。この事件の第一審は、合憲限定解釈をしない立場をとったにもかかわらず結局合憲限定解釈を行ったことで有名である。合憲限定解釈とは法令の条文をそのまま解釈すると違憲である可能性のあるものについて、裁判所がその条文の解釈を限定的に行うことでその条文の合憲性を維持する方法である。裁判所は本来違憲審査権行使に関しては消極的な立場なので違憲審査判断をできるだけ回避しようというものだ。しかし最高裁判所は以下の3点の理由から公務員の政治的行為を有罪とし、国家公務員法110条から罰金を取ることを認めた。1つ目は、行政の中立的運営と国民の信頼の確保という規制目的は正当であるということである。この根拠は、国家公務員法102条で、職員は政党又は政治的目的のために、寄付金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするにしても、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならないと定められている。2つ目は、その目的を達成するために政治的行為を禁止することには目的との間に合理的関連性があるということ。3つ目は、得られる利益と失う利益の間に均衡がとれていることである。

 

全農林警職法事件

 これは全農林の職員が所属長の承認なしに正午出勤するなど労働争議を行なったことに関して公務員の労働基本権の制限が問題となった事件である。最高裁は、公務員の従事する職務には公共性がある一方、法律によりその主要な勤務条件が定められ、身分が保障されているほか、適切な代償措置が講じられているのであるから、国公法985項がかかる公務員の争議行為およびそのあおり行為等を禁止するのは、勤労者をも含めた国民全体の共同利益の見地からするやむをえない制約というべきであって、憲法28条に違反するものではないと述べて、国家公務員法第98条5項違反であるとして有罪となった。上にあげた猿払事件と同様に公務員の公共性・中立性を重視した判例である。