椎名令
T.議 題
『薬害と社会保障』
U.結 論
我々の薬害に対する関心と、それを理解した上での日本の社会保障を見直し、改善していくことが重要だと考えた。
V薬害の理念と課題
薬害(やくがい)とは、医薬品の使用による医学的に有害な事象のうち社会問題となるまでに規模が拡大したもの、中でも特に不適切な医療行政の関与が疑われるものを指す。
副作用のなかで危険なものが見過ごされていて死傷者が多発した場合のほか、重大な薬物相互作用(飲み合わせ)、ウイルスなど感染源の混入などによるものがこれまで知られている。また発売時点では未知の病原体による感染が後に見つかることもある。
実際には、非臨床試験(動物実験など)および治験のデータの範囲内で有効性・安全性が認められれば製造販売承認が下り、より詳細な安全性情報は市販後調査(第IV相試験)と呼ばれる副作用データの蓄積によって評価されている。
医薬品が発売される時点では、その薬剤の安全性はいわば仮免許の状態であるため、実際の臨床現場での使用を経て、安全性情報を蓄積してゆくことが非常に重要となる。また、安全性の追求と患者の利便性は時に相反するため、患者の利便性を担保しつつ安全性を追求するためには、有害事象を確実に把握できる報告システムと、偶然を超えるレベルで有害事象が生じた場合に警告する体制の構築が必要である。
W社会保障の現状
自由主義の現代の日本では、国民1人ひとりが自らの責任と努力によって毎日の生活を営んでいる。しかしながら、病気やけが、老齢や障害、失業などにより、自分の努力だけでは解決できず、自立した生活を維持できなくなる場合も時として生じる。このように個人の責任や努力だけでは対応できないリスクに対して、相互に連帯して支え合い、それでもなお困窮する場合には必要な生活保障を行うのが、社会保障制度の役割である。社会保障制度は、国民の生活を守るセーフティネットの機能を持ち、生活を生涯に渡って支え、基本的な安心を与えている。
社会保障制度は、具体的には「社会保険」、「社会福祉」、「公的扶助」、「保健医療・公衆衛生」を総称したものである
平成26年4月より、消費税率が5%から8%へと増加した。また遅くとも来年度の内には、10%になろうとしている。その目的は社会保障を充実させることである。ただし、その使い道を詳しく見てみると、医療・介護のサービス提供体制整備に多く当てているため、
ますます医療技術・医療水準はさらに向上する。そのため死亡率は低くなり、消費税率増加による経済的問題で子供を産み育てにくくなる。よって、若者一人当たりが複数人の高齢者を支えなければいけない状況から抜け出すことができず、日本は更なる少産少死型へと人口転換していくだろう。
X薬害の歴史
薬害には、おもに2つの事件が有名である。
まず1つ目は、薬害エイズ事件である。薬害エイズ事件(やくがいエイズじけん)とは、1980年代に、主に血友病患者に対し、加熱などでウイルスを不活性化しなかった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用したことにより、多数のHIV感染者およびエイズ患者を生み出した事件である。非加熱製剤によるHIV感染の薬害被害は世界的に起こったが、日本では全血友病患者の約4割にあたる1800人がHIVに感染し、うち約600人以上がすでに死亡しているといわれる。
そして2つ目が、薬害肝炎事件である。薬害肝炎事件とはフィブリノゲン製剤、第\因子製剤(クリスマシン、PPSBニチヤクなど)という血液凝固因子製剤を投与され、多くの方がC型肝炎ウイルスに感染した。これらの血液凝固因子製剤は、2000人から2万人以上もの人の血漿をプールして作られており、十分な不活化処理(ウイルスを無害化する処理)がなされていなかったため、肝炎ウイルスに感染する危険性が高いものだった。
Y森鴎外と医療
森鴎外は陸軍軍医であり、かつエリートとして昇進を続け軍医総監(軍医中将に相当)にまで上りつめた。 当時軍事衛生上の大きな問題であった脚気の原因について細菌による感染症との説を主張し、のちに海軍軍医総監になる高木兼寛(及びイギリス医学)と対立した。
Z新しい日本の姿
我が国・日本の歴史を見るときに、1868年の明治維新から、ある法則に基づき繰り返していることが感じ取れる。それが「40年周期説」だ。
日本は、2028年頃にどん底に落ち込み、その後の40年間で、日本は今までとは全く違う「新しい日本」として復活するのではないかと考える。新しい日本は、今までに経験した「軍事大国」や「経済大国」などの外的欲求だけを満足させる国家ではなく、人間の「本心」の欲求を満足させる理想国家として復活するのではないかと考える。
おそらく、倫理、道徳、宗教などの精神面を尊重した「倫理大国」「道徳大国」として、世界の模範となる国家として現れるのではないだろうか。
[日本における問題点
昨今話題となっているワクチンのひとつに、「子宮頸がんワクチン」がある。テレビや新聞の情報を見ているだけでは、想像できないかもしれないが、このワクチンは、予備知識なしで、気軽に接種してよいものではない。しかし、一般には広く、「子宮頸がんを100%予防できるワクチン」のようなイメージで宣伝されている。すべてのワクチン接種には、死亡例を含む副反応がある。それは、この子宮頸がんワクチンにおいても、例外ではない。大げさに聞こえるかもしれないが、ワクチンは、もはや人類の存続問題としてみたほうがいいだろう。
そして診療報酬の面でも問題点が浮かび上がってくる。保険診療機関は実施した診療内容等にもとづき、診療報酬明細書(レセプト)を作成し公的医療保険を請求するが、明細書の各項目は金額ではなく点数化されている。診療報酬点数表は厚生労働省が告示する(健康保険法76条)。1点=10円。医療機関等で保険を使って診断・治療を受ける(保険診療)ときに用いられる医療費計算の体系となっている。診療報酬点数表には医科・歯科・調剤の3種類がある。急性期病院で用いる診断群分類点数 ((DPC点数表)もある。患者は診療報酬によって計算された一部(3割負担など)を医療機関窓口で支払う。中でも薬価差益に注目したい。
医療機関等で処方される医薬品の価格は、診療報酬の薬価として定められている。以前は、薬価が実際の医薬品の納入価格よりも高額であったために、医薬品をたくさん処方すればするだけ病院が利益を上げることができた。社会的な問題として「薬漬け医療」の元凶となっていた。その後厚生労働省の方針により、度重なる大幅な薬価引き下げが行われ、また医薬分業が導入されたことにより、薬価は病院経営と切り離された。現在の薬の納入価は先発医薬品といわれるものについて対薬価基準で88〜90%前後、特許切れ後の後発医薬品とよばれるものでも80〜85%前後である。消費税を含めるとそれぞれ 95%,85%である。薬剤の管理費用や借入金利などを考慮すれば、むしろ「薬価差損」が生じているという声もある。 基本効果を同じくする新薬が毎年の如く発売されるために、実際の治療に使われる薬価自体の低価格化が進まないことの方がより問題とする声がある。
\おわりに
現在の日本は高齢化によって社会保障関係の給付増加、少子化に伴う社会経済を支える労働力人口の減少は社会保障のこれからを考えるうえで難しい課題である。しかし人々が安心して生まれ、育ち、学び、働き、年齢を重ねていくためには、こういった課題に向き合って将来にわたって安定した制度に変えていくことが大切だと思った。これまでも様々な課題に直面しながら発展・継続を続けてきた。政府のみに任せるのではなく国民も協力をしながら社会保障制度をより安心して次の世代へと引き継げるようにしていくことが重要だと感じた。現在の日本の政策では、我々の世代は年金をもらえない。正確には雀の涙程しかもら うことができない。何故かというと、年金を先食いしている高齢者がたくさんいるからだ。これから私たちは、働きはじめ真面目に税金を納めるだろう。しかし、年金がもらえないとなると、今後の日本社会全体に関わってくる問題だ。年金問題だけでなく、さまざまな政府の政策は無駄しか感じられない。そもそもの政府、国会、国のあり方、方針を今一度考え直さなければ日本は崩壊するだろう。官僚のための政策ではなく、国民のための政策であることを前頭にこれからの日本を良くしていってもらいたいと思った。これからはまず例として個人の創意工夫により医療費が効率化できる仕組みを作るべきである。現在払っている医療と介護の社会保険料を、積立、保険、福祉分に分け、積立分については各個人 が節約すれば他の目的のため自由に使えるようにする。個人口座が完成すると個人単位で医療費の管理ができる。よってこれまでのような見えにくいものではなくすっきりクリアに管理することができる。ここまでの動作をするには自分で現状にあった制度を選択し保険や医療費についてもある程度の理解が要求されるため受身でいられなくなり積極的に動かなければいけなくなる。その1つ変化によって国 民一人一人の意識が変わり、様々な変化をもたらすと期待している。よって、今後の日本には国民一人一人による意識改革が必要であると考えた。そして「社会保障の充実」について、具体的には、@待機児童の解消のための子ども・子育て支援の充実、A在宅医療の充実などの医療・介護サービスの提供体制改革、B国民健康保険の低所得者に対する保険料の軽減などの医療・介護保険制度の改革、C低所得高齢者・障害者への福祉的給付などの年金制度の改善などに取り組んでいく。医療に関しては、安倍政権において、新たに「健康・医療戦略」を策定し、新しい医療技術の実用化、健康伸長産業の新規創出、国際医療協力の 推進などを進めている。また、再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするため、再生医療新法や薬事法改正を行い、安全性を確保しつつ、承認の早期化を図っていく。さらに、社会保障改革プログラム法案の工程表に基づき、医療法や介護保険法の改正にも今後取り組み、在宅医療・介護の充実強化や医療・介護の従事者の確保・処遇改善、地域包括ケアシステムの構築などを進めていく。増税して良いとこは社会保障制度が安定することや安定した税収を確保できるなどがあり、デメリットは国民の負担が増えることや国内の消費が減る、景気が悪化するなどがある。このように消費増税にはメリットもデメリットもある。今後どのように生活していけば良いのか、ということを真剣に考えなければな らないと思った。
<出典>
・Wikipedia
・「薬害」
・「薬害エイズ」
・「薬害肝炎」
・「森鴎外」
・「社会保障のイノベーション」/中江章浩
佐京楓
議題:「薬害と社会保障」
結論
日本での薬害は増加傾向にある。しかしそれに対する社会保障が追いついていないと思う。
*日本の医療機関について*
日本の医療制度は(1)国民皆保険(2)フリーアクセス(3)出来高払いを中心とした医療報酬点数制。この3つが日本の医療制度の特徴。
日本の医療保険制度は、職業の形態に着目して同一地域内において保険集団を形成する地域保険と同種の職業の同士で保険集団を形成する職域保険に分けられる。国民はいずれかの保険に加入する。職域保険は被用者保険と自営業者保険とに分けられ、被用者保険には大企業の被用者をカバーする組合管掌健康保険、中小企業の被用者をカバーする政府管掌健康保険、船員、共済組合がある。自営業者保険は、医師、弁護士、美容師、理容師等による国民健康保険組合がある。地域保健は、市町村による国民健康保険がある。安心かつ便利な制度だが、賦課方式のため人口構成の影響を受けたり、モラルハザード(風邪や軽症でも大きな病院へ駆け込み、医療機関が役割を分担できないこと。)や、無駄な
医療や投薬などを引き起こしやすいといったデメリットがあり、近年このようなデメリットが目立ち始めている。確かに最近、無駄に救急車を要請し、本当に重症の人のところに救急車の到着が遅れるといったニュースを目にする。日本の医療は国際的にみれば、供給面、財政面ともに良いかもしれないが、少子高齢化の進行、疾病構造の変化、国民の意識の変化、医療の技術進歩などの環境が変わる中制度とのひずみが大きくなっており、制度改革の必要性が高まってきている。
医療行為にはそれぞれの診療報酬点数表が決められており、1点=10円で診療報酬点数表を合計し、1点あたり単価10円乗じて医療費の総合を算出する。医療機関の薬剤購入価格と薬価基準に基づく薬剤費との差を薬価差益と呼び、薬価基準による公定価格と病院や薬局が実際に購入する価格との差額のことをいう。高齢化の進行のため、医療費の削減が重要になってくるため、ジェネリック医薬品がある。これは後発医薬品といわれ、薬の特許が切れたものを、別な製薬会社がほとんど同じ成分で作る薬。添加剤の違いやコーティングの違いなどで完全に同じ効果が出るとは限らないため、治験で生物学的同等性試験をする。治験とは厚生労働省が薬として承認を受けるために行う臨床試験のこと。
*40年周期説*
40年周期説とは、日本は近代化以降、40年周期で繁栄と没落・破滅を繰り返しているというものである。例として日本は、1867年の大政奉還からほぼ40年後の 1905年に日露戦争に勝利した。しかし、その40年後の 1945年には第二次世界大戦に敗れ全てを失った。戦後は驚異的な経済復興を成し遂げるが、戦後40年の1985年にプラザ合意があり、その影響でバブルが発生する。そして、1990年から92年バブル崩壊以降の日本の困難な状況は我々全ての知るところである。40年周期説をそのまま繰り返すならば、今はまだ没落・破滅過程の半分、ようやく20年が終わった所だ。起業家の稲盛和夫氏は数年前に「日本に残された時間は後20年しかない」と警鐘を鳴らし、日本人はものの考え方を根本から変えねば20年後最悪の結末を迎えるという危機感を説いている。人間の覚醒と努力によってはその流れは変えられるはずだといわれている。私はこの40周期説というものを知らなかった。そして今まさに下降期で不運であるということを知った。この40周期説は今すぐにでも壊さなければいけないのではないかと思った。そのために多くの国民に今の現状を伝え、早めの対策をしていかなければいけないのではと考えました。
*子宮頸がんとワクチン*
子宮頸がんは、子宮の入り口部分にできるがんのことで、若い女性に増加しているがんとして啓発されることが増えてきている病のこと。検査など行うことで、早期発見・早期治療ができるようにしようという声と同時に、ワクチンなどで予防することが大切だと言われている。ほかの子宮がんとは20〜30代の女性に多いというところが違いで、原因としてはHPV=ヒトパピローマウイルスである。皮膚や粘膜に感染するウイルスで、100種類以上の型があるが、そのうち、子宮頸がんを引き起こす高リスクと考えられているのは15種類程度。子宮頸がん以外のがんの発生にも関わっているとも言われている。感染経路はほぼすべてが性行為で、主に性器周辺の細胞に感染します。しかし、原因となるウイルスに感染すること自体のはごく普通のことです。普通の女性の8割が一生のうちに一度くらいは、どこかでハイリスク型のヒトパピローマウイルスに感染しています。子宮がん検診で子宮頸部の細胞に異常のない女性でも、10〜20%くらいの女性からハイリスク型ヒトパピローマウイルスが見つかるという報告もあります。特に若い女性からはヒトパピローマウイルスがよく見つかります。誰でも感染するごくありふれたウイルスといえる。
私は子宮頸がんのワクチンを接種しようと思って、1度だけ接種したのですが、ニュースなどで副作用のニュースを見てから数回接種しなければいけない予防接種を接種することをやめました。重大な病気にならないために予防接種をするのに、今後の人生が左右されるような病気になってしまうのでは予防接種の意味がないと考えたからです。このような
ことは絶対にあってはいけないことだと思います。人の人生に関わることなのでもっと実験などを繰り返し、絶対に安全と言いきれる薬を作ってほしいと思います。
*森鴎外と脚気*
脚気とは、ビタミンB1の不足によって起こる病気で、現在では重病ではないが、かつて日本では国民病といわれた。脚気にかかると、倦怠感や手足のしびれ、むくみなどから始まり、ひどくなると、末梢神経の麻痺や心臓衰弱で死にいたる恐ろしい病気でした。脚気は幕末〜明治の日本ではコレラ、結核と並ぶ深刻な病気でしたが、この時代の医学研究の風潮からいって、細菌説が唱えられたこと自体は自然なことであった。森鴎外は、軍医として陸軍に勤務したが、脚気の原因が栄養のバランスを欠いているせいだ、という説を頭から否定し、細菌説にこだわった結果、麦飯を奨励した海軍では、脚気による死者がほとんど出なかったのに対し、森鴎外の頑固な反対にあった陸軍では、白米しか食べさせず、数万人の死者を出してしまった。その後、主原因がビタミンB1(当時はオリザニンと呼ばれていた)であることが証明され、やっと陸軍も、脚気患者を減らすことができた。医者なのにも関わらず、自分の考えを貫き通した結果、病気を悪化させてしまっただけだと思う。しかし森鴎外が過去にいて、失敗した経験から今の社会保障があるのだと思う。存在しなかったらと考えると、とても恐ろしいなと思った。二度とこのようなことが起こらないために、社会保障が存在するのではないかと私は思いました。
*薬害エイズと薬害肝炎*
HIVとは、Human
Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)のことで、ヒトの体をさまざまな細菌、カビやウイルスなどの病原体から守るのに大変重要な細胞である、Tリンパ球やマクロファージなどに感染するウイルスのことである。HIVは大きく分けて、HIV1型とHIV2型がある。HIVに感染すると、HIVは血液、精液、膣分泌液、母乳などに多く分泌される。唾液、涙、尿などの体液では他のヒトに感染させるだけのウイルス量は分泌されていない。感染は、粘膜(腸管、膣、口腔内など)および血管に達するような皮膚の傷(針刺し事故等)からであり、傷のない皮膚からは感染しない。そのため、主な感染経路は性的感染、血液感染、母子感染となっている。HIVがTリンパ球やマクロファージなどに感染した結果、これらの細胞の中でHIVが増殖する。このため、免疫に大切なこれらの細胞が体の中から徐々に減っていき、普段は感染しない病原体にも感染する。この状態をエイズという。日本には約5000人の血友病患者がいる。血友病とは止血に必要な凝固因子が不足しているため、出血した場合に止まりにくい病気のことで、不足している凝固因子によって、血友病A(第8因子)、血友病B(第9因子)に分類される。出血した場合の治療として用いられるのが血液製剤である。1970年代末になると国産のクリオ製剤よりも簡便な濃縮凝固因子製剤が登場し、治療に使用されるようになった。しかしこれらの製剤にはウイルスを不活化するための加熱処理はされていなかった。そしてこの中にあのエイズ原因ウイルス(HIV)が混入していた。そのために感染者が増加した。
感染してからでは手遅れになってしまうので、感染前の予防はかなり重要なのではないかと思う。感染予防の方法などをもっと国民全体に伝えていくことが必要ではないかと考えた。
薬害肝炎は血液凝固因子製剤の投与によるC型肝炎の感染被害のことである。フィブリノゲン(非加熱血液製剤)という止血剤として使われるものだが、肝炎ウイルスに汚染されていた。潜伏期間が長く、放置すると肝硬変・肝がんになるといわれている。30万人の人が産科や外科で投与され、1万人以上がC型肝炎ウイルスに感染したといわれている。C型肝炎の原因となった製剤の「クリスマシン」は、旧ミドリ十字(現田辺三菱製薬)が1976年から1985年まで製造販売していた非加熱製剤である。薬害エイズの原因にもなった製剤であり、1985年にウイルス不活化処理がなされた加熱製剤に切り替えられたが、その後も非加熱製剤の自主回収が行われなかったことから、1988年頃まで臨床現場で使用されていたと言われている。薬によって悪化したり、ほかの新たな病気にかかるということは絶対にあってはいけないことだと思う。このことは日本だけでなく世界でも重要な課題であると思う。
このようなことから薬害に対する社会保障が追い付いていないと思った。さまざまなところを改善していかなければ、少子高齢化にすら対応できないのではないかと思った。
社会保障制度は様々な課題に直面している。その中でもとりわけ深刻な課題として、少子高齢化の進行があげられると思う。薬害に対する医療費などの社会保障を、効果的に改善するべきなのではないかと思った。それが国民の税金を上げるなどの負担があったとしても、今後の社会をよりよくするものなら仕方がないことだと思う。
社会が良いものになるのなら、税金を上げるのに私は賛成する。
*参考文献
http://se1byou.net/syurui/1202/
http://www.ashiken-p.jp/basic/01.html
http://www.inamori.kagoshima-u.ac.jp/yoshida/topics_tao_136.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E9%B4%8E%E5%A4%96
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1087204715
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E7%99%BA%E5%8C%BB%E8%96%AC%E5%93%81
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E5%AE%B3%E8%82%9D%E7%82%8E
http://kyushugodo.jp/case/incident/
社会保障のイノベーション 中江章浩 著
図解 薬害・副作用学 川西正祐・小野秀樹 著
田中渚
議題:「薬害と社会保障」
結論:薬害患者に対しての社会保障制度は充実していないと考える。
<薬害と現状>
薬害とは、患者が法律上の承認を受けた医学品を使用したが、健康問題が社会問題となるまで規模が拡大したもの。特に、不適切な医療行政の関与が疑われるもの。ここでは、
HIV と 薬害肝炎
について挙げる。まず
HIV について、日本で HIV
が見つかったときは、感染者のほとんどが輸入血液製剤で感染したものであった。輸入血液製剤が
HIV 感染の危険性があると世界中で問題になっているときに、日本では安全だとされ使用により、
HIV に感染した。日本で安全だと判断されなければ、 HIV がこんなに日本に拡大しなかったのではないかと思う。当時、感染した人は 2000
人にもおよび、その過半数以上が
17 歳以下の子供たちであった。少子高齢化が社会問題になっている現在、 HIV
が拡散しなければ、多くの子供たちの命は救われ、少しでも少子高齢化は進行を遅くすることができたのではないかと考える。現在の輸入血液製剤は加熱してから使用されているため、そこからの感染の心配はなくなったが、
HIV 感染者と性交渉を行うことで、患者数が増え続けているのが現状である。若い世代は特に性交渉が盛んにおこなわれると思うので、感染症にかからないためにも、避妊具の使用や若い世代に
HIV の知識・怖さを教え、今後さらに予防を推進していく必要がある。次に 薬害肝炎 について、 1969 年〜 1994
年までに、出産や手術の際に血液製剤が止血剤として頻繁に使われており、知らない間に
C 型肝炎に感染した人が多くいる。その被害者たちが国や製薬会社に裁判をおこし、 2008 年 薬害肝炎 被害者を全員救済するための法律が制定され、 2009
年には、肝炎対策基本法が制定された。肝炎を克服するための対策が法的に根拠に基づいて実施されることになった。しかし、現在も救済されていない被害者は多く取り残され、再発防止、治療体制もまだ不十分な環境である。医学的治療を受けたにも関わらず、薬害で感染症にかかってしまった人がたくさんいる現状を寂しく思う。医療は人命を助けるものなのに、逆に人命の危機にさらしていること、まだ医療が発展段階だったとはいえ、被害にあわれた方への体制づくりや、今後同じことが起きないように再発防止の体制づくりを今一度見直すべきだと考える。
< 子宮頸癌
と ワクチン >
子宮頸癌 とは、子宮頸部の上皮から発生するがんのこと。はじめは上皮の中にとどまっているが、次第に子宮の筋肉に浸潤。さらに膣や子宮の周りの組織に及び、骨盤内のリンパ節に転移する。さらに進行すると膀胱・直腸を侵し、肺・肝臓・骨などに転移する。 子宮頸癌 の ワクチン
は
2009 年 12 月に国内で販売開始されて、 2016 年 4
月末までに
339 万人が接種を受け、約 3000 人から副作用の報告がある。害はなく安全だと言われていたのに、副作用という被害がでてしまった。 ワクチン は感染症の予防接種に使用する薬液のことで、病原体の毒性を弱め、無毒化したもの。 ワクチン を接種することで実際に病気にかからなくてもその病気の免疫ができ、病原体が体内に侵入しても発症を予防し、症状を軽度で済ませることができる。このように、病気に対する抵抗をつけるのが ワクチン の役割なのに、 子宮頸癌
の ワクチン は違う病気を誘発させ、健康被害を生み出してしまった。この事実を受け止め、今後 ワクチン 接種による健康被害を出さないための努力をしなければいけないと考えた。 ワクチン 接種には国に定められたものしか受けられないとは思うので、国の判断基準の見直しが必要なのではないだろうか。また、 子宮頸癌 の ワクチン
を接種して副作用が出てしまった患者には、治療費や治療体制を整える必要があると思う。
<医療機関>
診療報酬とは、医者が患者を診察・診療をしたときに診療行為に対して支払われる報酬のことをさす。病院や医者の収入になる基で、点数制を採用していて
1 点= 10 円として計算をする。この診断報酬を表に表したものを、 診療報酬点数表 という。社会保険 診療報酬点数表
は
3 種類、医科、歯科、調剤の 3 つであり、合計で 4000 種類以上が設定されている。診療報酬の価格を決める制度を「診療報酬制度」といい、厚生労働大臣の中央社会保険医療協議会が
2 年に 1 回のペースで改定している。 診療報酬点数表
にそって薬価が定められている。薬価とは、薬の公定価格のことを表している。厚生労働省が価格を決定し、薬価基準という価格表に収載する。薬の値段は、病院や薬局は、薬の卸売りメーカーと交渉により購入価格を決定する。この交渉は、調剤薬局の経営者が主に行い、薬価改定の
2 年毎に行われる。 2012 年のデータでは、全国の 薬価差益 平均値は 8.5 %だったが、 1960
年代は
30 〜 40% も 薬価差益
があった。
50 年かけて少しずつ差がなくなってきた。以前は薬を出すほど儲かるという流れだったが、医薬分業化され、薬価も年々引き下げられ徹底して医療費の削減の対策がなされている。また、医療費の削減として、最近は 後発医薬品 が出回っているのが現状である。 後発医薬品 とはこれまでの有効性や安全性が実証されてきた新薬と同等に認められた低価格な薬のこと。新薬と 後発医薬品 は、成分、含量、効果、安全性は同じであり、添加物、性状などの工夫ができるのが 後発医薬品 である。 後発医薬品
が普及される背景には、超高齢社会を迎えたことである。つまり医療費が増え続けているため、国家財政を圧迫している。医療の質を落とさず、医療費を削減することは、国家財政の抑制だけでなく、自己負担額の軽減にもつながっている。だから、 後発医薬品 が今後も普及され続ければいいと思う。また、新しい薬を開発するためには、薬の候補物質について動物で効果や毒性を調べるだけでなく、人間での効き目や副作用を確認する必要がある。人での効き目や副作用を調べる試験を一般に「臨床試験」と呼び、厚生労働省から「薬」として承認を受けるために行う臨床試験のことを「 治験 」と呼んでいる。もちろん 後発医薬品
でも 治験 は行われ、厚生労働省が定めた基準に従って行われる。 治験 を行う患者には十分な説明をし、患者が理解したうえで本人の判断により 治験 に参加してもらう。インフォームドコンセントが重要になる。
< 森鴎外
と脚気>
脚気とは、ビタミンの欠乏症であり、ビタミン B1 の欠乏によって心不全と末梢神経障害をきたす疾患である。心不全によって下肢のむくみが、神経障害によって下肢のしびれが起きることから脚気と呼ばれている。明治時代に脚気は国家的な大問題となった。それは徴兵令の目玉として、当時なかなか食べることのできなかった白米が食べられるという特典があり、白米だけを食べる生活をしていたため、脚気が大日本帝国陸軍の職業病となった。この時日本の陸軍軍医総監を務めていたのが細菌説をとる 森鴎外 で、海軍軍医総監を務めていたのが栄養説をとる高木兼寛で 2
人は対立していた。あくまで 森鴎外 は脚気の原因はウイルスによるもので、日本人は白米を食べなければ力が出ない、その考えがあったため、食生活の見直しはされず、約
25 万人の脚気患者が発生し、約 2 万 7 千人が死亡する無残な事態を生んでしまった。近代になってから日本の医療は発展したため、昔は病気の原因が分からないものが多かった。今となっては脚気の原因がわかっているため、発症確率が低い病気であり、治すことができるが、昔はそうではなかった。戦争による死だけでなく、病死がこんなに多く、この時代に今の医療知識があればどれだけの人が助かっただろうか。そんなことを考えてしまう。しかし、そういう過去があるからこそ日本の医療は発展したのだとも考えられるため、昔の経験を無駄にしないためにも、さらなる医療の発展が必要になる。医療の発展には多少の犠牲が出るものだとは思うが、最小限に抑えるように、病気にかかってしまった人への金銭的援助や施設、設備を整える、社会
保障制度の新たな見直しが必要になるのではないだろうか。
< 40 年周期説 >
日本の過去から現在までの経済成長を見ていく中で、「 40 年周期説 」というある法則に基づき、繰り返し行われていることがわかる。そもそも「
40 年周期説
」とは、日本の国運が近代化以降、
40 年周期で栄枯盛衰を繰り返しているというものである。まず、明治維新から軍事大国になるまでの国運上昇の 40
年間(
1868~1905 )。この間に日本は、日清戦争、日露戦争に勝利し、軍事大国となった。続いて、軍事大国から敗戦までの軍事下降の 40
年間(
1905~1945 )。日露戦争の勝利後軍事大国として一気に頂上に上り詰めたが、その後の 40 年間で一気にどん底まで落ち込み、第二次世界大戦の敗戦により、軍事力は崩壊、日本国内は廃墟化した。次に、終戦から経済大国に至るまでの国運上昇の
40 年間( 1945~1988 )。終戦以降の 40 年間は、軍事力を捨てて経済中心の国家となった。それにより、高度経済成長を成し遂げ、経済大国になる。最後に、経済大国から経済崩壊までの国運下降の
40 年間( 1988~2028 )。 1988 年からの日本経済は、バブル経済の崩壊、リーマンショックなどによって下降した。さらに東日本大震災、熊本地震によっても大きな打撃を受け、脱原発などによる電気料金値上げや電力不足も不安要素として挙げられる。また、
40 年周期通りなら予想できる社会問題として、今後 10 年の間に、首都直下型地震が起こることや団塊世代が 75
歳以上の後期高齢者となって、要介護認定者が
800 万人増えることなどである。仮にこの問題が発生した場合、日本の経済に大きな影響を及ぼすことが予想されるため、最悪な事態を備えて今後対策を練っていく必要があると考える。
<まとめ>
私は薬害と社会保障について自分の生活とは離れているものだから、深く考えたことがなかった。レポートを通して勉強をし、国の定めた 子宮頸癌 の ワクチン
や 薬害肝炎 、 HIV 感染者などの薬害患者のほとんどは医療的治療を受けたのに感染してしまったので、医療体制の不十分さを実感するものとなった。薬害患者には医療費の減額が行われているがそれだけではなく、医療体制の整えるべきだと考える。医療は人の命を助けるものなので、医療の過ちが起こらないよう、そしてワクチンの副作用が起こらないように国の基準値を高めるなど、改善策や対策を今一度見直すべきだと考えた。
<出典・参考文献>
40 年周期説: http://blog.livedoor.jp/tamaichikoku/archives/50301088.html
HIV : https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E5%AE%B3%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6
診療報酬点数表: http://www.iryou.click/iryouhi/kihon.html
薬害肝炎: http://www.hcv.jp/
薬価差益: http://www.onenationworkingtogether.org/39995
森鴎外: http://matome.naver.jp/odai/2140488623917423701
治験: https://www.takeda.co.jp/ct/
後発医薬品
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/
伊藤祐太
薬害と社会保障について
15t504002 伊藤祐太
日本の薬は日々研究によって進化しています。一度有効性を認められれば会社に多くの利益が入りますが、販売を中止すれば損害も出ます。一人の命や健康と会社の莫大な利益どっちが大切かは言うまでもありません。国民の健康のために作られるものが国民の脅威になってはいけません。問題発生時の迅速な対応を国と製薬会社はする義務があります。
薬害事件
1970年代後半から1980年代にかけて、主に血友病患者に対し、加熱等でウイルスを不活化しなかった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用した事により、多数のHIV感染者およびエイズ患者を生み出してしまった事件、薬害エイズ事件が起きました。 原因は、HIVに感染したと推定される外国の供血者からの血液を原料に製造された血液凝固因子製剤を、加熱処理によってウイルスの不活化を行なわないまま治療に使用したことです。後にウイルスを加熱処理で不活性かした物を加熱製剤と呼ぶのに対し、従前の非加熱で薬害の原因となった物を非加熱製剤と呼びます。HIVに汚染された血液製剤が市場に流出し、それを投与された患者がHIV感染、エイズを発症し、それによる様々な病気で多数の死者を出しました。日本では、1983年に厚生省エイズ研究班が設置されましたが、当時はまだ世界的にもエイズの実態が十分に解明されておらず、エイズウィルスそのものも発見されて間もない頃だったので、ウィルスの効力無効化に対する認識の甘さが各国で見られました。しかし、問題になったのは、非加熱製剤が問題視され始め、加熱製剤への切り替えが急務とされる状態になりながらも、厚生省がそれを怠ったことです。薬害肝炎事件とはフィブリノゲン製剤、第\因子製剤という血液凝固因子製剤を投与され、多くの方がC型肝炎ウイルスに感染しました。これらの血液凝固因子製剤は、2000人から2万人以上もの人の血漿をプールして作られており、十分な不活化処理がなされていなかったため、肝炎ウイルスに感染する危険性が高いものでした。これは約10年前に起きた薬害エイズ事件と酷似しています。血液製剤の製造・販売は同じ旧ミドリ十字の手によるもので、この会社には厚労省より多くの人間が天下っています。薬害エイズが社会問題として大きく取り上げられている陰で、薬害C型肝炎の問題は目立ちませんでしたが、1987年に青森で起きたフィブリノゲンによるC型肝炎集団感染事件で、当時の厚生省は危険性について調査をしていることからも一定の認識はもっていたはずです。薬害は大きなメリットがある一方でデメリットも存在します。不活化処理がされていない血液製剤が肝炎ウイルスに汚染され、感染の危険性が高いことは当然のことです。常に最悪の事態を想定し厚労省や製薬会社は製造・販売さらには緊急時の早急な対策をしていく必要があります。歴史上では森鴎外も陸軍の軍医として脚気の原因であるといわれた和食を取りやめなかった結果、日露戦争でも陸軍では約25万人の脚気患者が発生し、約2万7千人が死亡するという無残なほどの事態を生み出し、戦死者の多くも脚気にかかっていたといいます。戦中戦後、鴎外を非難する声は陸軍内部にもあったのですが、けっきょく鴎外が責任を取ることはありませんでした。起きた結果に対して決定権を持つ人間が正当な判断をいつの時代でも求められます。
安全性と有効性
13年4月から子宮頸癌ワクチンの定期接種が小学6年生から高校1年生までの女子を対象にスタートしました。しかしこのワクチンの副作用と思われる症状の若者が続出しました。被害を訴える多くは中高校生で発症して健康な生活を送っていたのにある日突然、体中の痛みや吐き気など全身症状に襲われ、日常生活が困難になりました。始まってわずか2カ月後に厚労省は、積極的な接種推奨を中止。その後、ワクチンと健康被害の因果関係の調査実施を表明したが、解決しませんでした。この間に厚労省が公表した調査は、副作用の発生頻度について子宮頸癌ワクチンとほかの予防接種との比較にとどまるなど不十分でした。現在は、ワクチンを接種したグループと接種しないグループの症状の現れ方を比較する疫学調査を実施している。原因究明はもちろんだが、現実にいる被害者への早急な救済こそ必要が一番に行わなければならないことだと思います。新しい薬を使用するにあたっては治験を必ずおこないます。人での有効性や安全性を確認するためです。どんなに開発が大変だったとしても、費用がかかっているとしても、捨てるにしのびない有用性があったとしても、効かない薬と、患者の体を壊す薬には、撤退してもらうしかありません。製薬会社はその宿命として、せっかく苦労して作った金の卵がむだにならないよう、企業として最大限の努力をする。しかしそれが度を超すと、薬が人に投与されてその健康を左右するものだという根本を忘れた、非人道的対処となってしまいます。副作用への注意を促せば対処できるというレベルではないです。打ち続けて、被害者を増やすことの重さを自覚すべきです。国や厚生労働省や専門家には、投与された人たちを集団としてとらえる宿命があります。病気などを予防するためのワクチンが新たな被害を出してはいけません。治験によって証明された安全性や有効性を国民に信頼してもらうためもっと表に公開してく必要があると思います。
病院や薬局の利益
以前病院では薬を安く仕入れて高く売る薬価差益と言われるもので収入を得ていました。薬価差益は大きく、30%か40%の薬価差益率を誇っていたほどです。病院にとっては大きな収入源であり、薬を使えば使うほど利益が上がる仕組みになっていました。そのため、患者が薬漬けになると批判が出ていました。最近では薬価基準の切り下げで徐々に薬価差益は減っていきました。現在進められている医薬分業は、病院や診療所は治療に専念し、薬の提供は調剤薬局が行うことになっています。となると、自然と薬価差益は発生しなくなり、処方箋を書くことで発生する処方箋料だけが診療報酬として評価され、お金の受け取りに繋がるのです。医薬分業は、薬歴の管理や薬剤師からの丁寧な説明などのメリットだけでなく、薬価差益をなくして全体の国民医療費を削減するというメリットも持ち合わせています。また、病院や診療所から薬を処方されると、薬価差益を多く発生させるために、より高い薬をもっと多く販売することにも繋がりかねません。医薬分業は、そうした状況も防ぐことが可能です。診療報酬とは、医者が患者を診察・診療をしたときに診療行為に対して支払われる報酬の事を言います。病院や医者の収入になる基ということです。診療報酬は点数制を採用していて、金額に換算する場合は、1点=10円として計算します。これを診療報酬点数表といいます。実際に診療に要した費用が支払われるので、治療費の未収の心配がないというメリットがあります。その反面、医療サービスを増やせば増やすほど、支払いが増える仕組みでもあるため、過剰診療を招きやすいです。この過剰診療は以前病院が行っていた薬価差益と通ずるところがあり、治療を行う際は患者に正当な説明を行う必要があります。
ジェネリックはメリットだけではない
ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、これまで有効性や安全性が実証されてきた新薬と同等と認められた低価格な薬です。よく宣伝されているジェネリック医薬品は特許が切れた薬で同じ効果を得ることができるというのは正しいとは言い切れません。なぜなら、ジェネリック医薬品は完全に特許が切れたわけではないからです。特許が切れたのは物質特許であり、薬の本体です。つまり、有効成分そのものです。薬の特許には物質特許以外にも、例えば製剤特許が存在します。もし、製剤特許が切れていなければ、同じような添加物を加えることができません。添加物が変われば薬がどのように溶けていくか、どれくらいの速度で吸収されていくかが変わってしまいます。同様に、製剤特許が切れていなければ、同じ剤形を用いることができません。薬には錠剤、カプセル、粉状などさまざまな形があります。たとえ同じ錠剤だとしても、コーティングの仕方や内部構造などでそれぞれ異なってしまいます。薬の添加物や剤形が変わると薬の溶け出す速度が変化したり、有効成分が分解されやすくなったりします。それは、薬の効きすぎや効果が出にくいという結果になります。薬の効きすぎと言うことは、その分だけ副作用も出やすいということです。薬の効果が出にくいということは、薬を服用してもほとんど意味がないということです。このように意外と知られていないデメリットに対して購入者は知る権利があるし、販売する側も説明し納得させる義務があると思います。
40年周期説
我が国・日本の歴史を見るときに、1868年の明治維新から、ある法則に基づき繰り返していることが感じ取れます。それが40年周期説です。日本の国運を見てみると、1868年以降、約40年ごとに栄枯盛衰を繰り返しています。1868年の明治維新から約40年間は、国運が上昇し、この間の日本は、世界の大国を相手に戦争し、次々と勝利していきました。1895年には日清戦争、1905年には日露戦争に勝利し、日本は軍事大国となります。1905年の日露戦争勝利で軍事大国として一気に頂上に上り詰めた日本であったが、その後の40年間で一気にどん底まで落ち込むことになります。1945年、第2次大戦の敗北により軍事力は壊滅、日本国内は廃墟と化します。1945年の終戦以降の約40年間は、軍事力を捨て経済中心の国家として立ち直っていきます。日本は、朝鮮特需を契機に戦後40年間で高度経済成長を成し遂げ経済大国となります。1988年からの日本経済は、バブル経済の崩壊、リーマンショックなどにより下降線をたどることに、さらに昨年の3・11東日本大震災によって大きな打撃を受けました。日本経済は、未だに立ち直る気配はありません。この40年周期説から判断すれば、1988年頃をピークとすると、その40年後は2028年頃になる。2020年には東京オリンピックがあり日本の首都東京を世界に見せる機会となる。下り調子の日本を立て直しジンクスを崩すような輝かし日本を見せてほしいと思います。
参考文献
HIV・エイズガイド【症状・検査・治療法を解説】http://eizuhiv.com/outline/hiv.html
薬害肝炎事件http://kyushugodo.jp/case/incident/
社説[子宮頸がんワクチン]被害者への救済を急げhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160729-00000005-okinawat-oki
子宮頸がんワクチン - 副作用をどう見るべきかhttp://members3.jcom.home.ne.jp/mioworld/cervix.html
薬価差益とはhttp://activeimg.com/entry1.html
役に立つ薬の情報〜専門薬学http://kusuri-jouhou.com/nyuumon/generic.html
新しい日本http://blog.livedoor.jp/tamaichikoku/archives/50301088.html
鈴木勇斗
〜フィットネス概論レポート課題〜
テーマ:薬害と社会保障
15T507019 鈴木 勇斗
【結論】患者が社会を変革するエネルギーになると確信している。
1 始めに
薬害は、医薬品に関する情報が十分患者に伝わらずに、本来防ぐことができた健康被害であり、社会的要因によって引き起こされた人災とみることができる。
薬害エイズ被害は、1980年代初めにHIVが混入した輸入非加熱製剤を治療のために使用した血友病患者ら約5000人のうち1500人近くがHIV感染し、2005年現在、570人以上もの命が奪われたことをいう。日本において1980年代のHIV感染者のほとんどは血友病患者であった。
2 薬害訴訟
1987年に起きた、いわゆるエイズパニックから、国は社会防衛のためにエイズ予防法を制定し、血液製剤による感染者の救済的な医療を整備するどころかHIV感染者の人権を無視するような施策をとった。
そのためHIV感染した血友病患者2名が、厚生省と血液製剤を製造・販売した製薬会社5社を相手取り、損害賠償請求を1989年に大阪地方裁判所に提訴した。これが「大阪HIV薬害訴訟」の始まりである。この訴訟の目的には、「被害者救済」だけではなく、「HIV/AIDSに対する差別・偏見の撤廃」、「誤った血液行政の是正」も掲げていた。最初に提訴した赤瀬範保氏は、日本で初めて感染を公表した人であったが、あえて自分が名乗り出ることによって、他の感染被害者らを守ろうとした。
その後、東京でも提訴され、7年という長い歳月を経て1996年3月29日、この訴訟は「和解」という形で終了した。特に和解直前には、訴訟支援者、マスコミ、その他多くの人々の共感が得られ社会現象にもなった。
和解後、血液製剤に関わった厚生官僚、医師、製薬会社社長の違法性が明らかとなり、業務上過失致死容疑で刑事告訴された。これら3つの刑事事件では、現在3名の製薬会社社長の有罪が確定し、帝京大学医師(安部 英)は公判手続き中に死亡したため終了し、厚生官僚の事件が係争中である。
3 子宮頸癌
子宮頸癌について、子宮頸癌ワクチンのHANSは2006年に誕生した子宮頸癌に特化したワクチンである。
これは子宮頸癌を誘発すると言われている原因ウィルスHPVを撃退するワクチンとして知られており、これを発見したツアハウゼン博士はノーベル賞を受賞している。
しかし、HANSに限らず、子宮頸癌を予防できるとされているワクチンは副作用被害が相次いでいるという事例がある。これらの子宮頸癌ワクチンは、ウィルス感染する可能性が低い10代のうちに、予防として摂取する場合があるが、子宮頸癌ワクチンの一つであるサーバリックスというワクチンには重大な副作用が確認されており、ワクチン接種直後にしびれや腫れなどの症状が出たとされている。この症状は引くどころか、足や背中などにも広がり、入院を余儀なくされたケースも報告されている。
4 経済的側面
和解前、HIV感染被害患者の入院には過酷な状況があった。その一つが差額ベッド代(個室費用)といわれるものである。医療機関がAIDSを発症して苦しんでいる患者を個室に隔離した上、高額な個室入院費用を請求したというものである。この差額ベッド代の解消や、被害患者の配偶者や子どもなど、二次三次感染者の医療費無料化は被害患者の経済的負担を軽減した。
また、ある一定の条件を満たしたHIV感染者は全て身体障害者として認定する制度が1998年スタートした。それまで差別・偏見の対象であったHIV/AIDSを福祉の対象とする画期的なことであった。HIV感染を内部障害を持った障害と認定することで、各種福祉サービスや医療費助成が受けられるようになり、治療費の自己負担軽減につながっている。また障害者年金制度も利用可能となり、生活保障の一部になっている。
その他にも感染被害者には、医薬品副作用被害の救済対象として健康管理のための費用、AIDS発症者への手当などが受給可能となっている。
5 医療的側面
1997年、原告団との協議を経て、国は政策医療としてACCおよび8ブロック拠点病院を設置し、責任を持ってHIV感染者を診るという体制を整えた。その結果、ACC・ブロック拠点病院は、各地域の医療水準を高めると共に、最高かつ最善のHIV治療の提供、最先端の臨床研究の実施、院内外に対する研修の実施、情報発信といった機能を担うことになった。ようやく全国どこにおいても患者が安心して医療を受けられる体制が整えられたのである。
6 新薬の早期導入
1996年当時、欧米では数種類の抗HIV薬が使用可能であったが日本では2種類しか使えなかった。感染被害患者らの強い要望によりHIV治療薬の早期導入が図られ、治験対象者を増やすことで多くの患者が新しい薬剤を使えるようになった。しかしながら、治験による薬剤導入では企業側負担が大きくなりすぎ、新薬の早期導入が遅れるようになってしまった。
この状態を打開するため、海外治験データを使用して迅速に審査・承認する制度を導入することで、欧米での認可からわずかの時間で日本での認可が可能となった。さらにHAARTの普及により感染被害患者の死亡が激減した。
また、薬によって薬価差益に偏りがあれば、差益の多い薬ばかりが使われる危険性がある。
厚生労働省は薬の仕入れ値を調査して、その価格に一定幅の利益を上乗せして薬価を決める。
国は、医療費を削減する手段のひとつとして、薬価の安い後発医薬品の導入を積極的に進めている。
たとえば、処方せんの様式を変更して先発品をだしにくくしたり、後発品をだす薬局に割増料金を与えるなどして、後発医薬品の使用を強力に指導している。
しかしながら薬剤の迅速導入は、死亡する患者の激減させることができたが.、日本人の治験データがないことや、薬剤としての完成度が低いといった陰の部分があることを忘れてはならない。さらにHAART長期化による副作用など、いまだに不明なことが多く、患者は抗HIV薬のリスクと向き合いながら治療を選択していかなければならない。
7 HIV/HCV重複感染問題
HIV感染被害患者は、同じく血液製剤により、ほぼ全員がHCVに感染している。最近の研究ではHIV感染していることがC型慢性肝炎の進行を早めることが分かってきた。そのため感染から20年以上を経た今、AIDS発症による死亡者よりも20代30代という若年齢で肝硬変・肝ガンを発症して死亡する被害患者が増加している。
新しいインターフェロン療法や、インターフェロンの自己注射、生体肝移植などが、ようやく認可されるようになったものの、決定的な根治療法には至っていない。
8 法律的側面
HIV感染者を身体障害者として認定することで、就労環境が改善されるなど、HIV感染者に対する社会の差別偏見が徐々に減ってきているといえる。
1999年、社会防衛的側面のみを強調したエイズ予防法が廃止されると共に、性病予防法と伝染病予防法が廃止され、新たに「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」が施行された。
この感染症新法の制定にあたって、被害者らが関わって前文がもうけられることとなった。その一節には、「我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。」という一文が記載されることとなった。さらに「感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保する。」といった理念も示された。
言い換えれば、感染者の人権を無視してきた社会から、医療と人権を重視する社会を目指すことが明文化されたことになり、前文がもうけられたこと自体、他に例を見ない。これも被害当事者が参画し患者の視点から提唱し続けた成果であるといえる。
9 40年周期説
40年周期説とは、明治維新を起点に、日本の近代史は、ほぼ40年ごとのサイクルで回ってきたというものだ。この説は、夏目漱石や森鴎外などといった文化人が、文豪で活躍した時が40歳であったということも有名な話である。
その説によると、明治維新(1868)から日露戦争(1905)までの新興期、日露戦争から敗戦(1945)までの慢心期、敗戦からバブル初年(1986)までの復興期と、40年ごとに時代は大きく変遷してきたという。今は86年から2025年頃まで続く周期の中にいるわけだが、これはおそらく「衰退期」と呼べる性質のものなのではないかという人が多い。確かに経済も国際的地位も衰退の一方だ。
怠けた結果、衰退するのは問題だが、グローバル化で世界全体が豊かになっていく中で、今まで豊かだった日本が相対的に衰退するのはある意味で仕方ない。変化を恐れることを止めるだけで、今の問題はただの問題ではなく、新たな可能性でもあるということに気付くのではないだろうか。もしかすると、衰退期は今の価値観で捉えているから衰退期に見えるだけかも知れない。
10 誤った血液行政の是正
これまで日本には、血液製剤を含め献血ドナーから輸血を受ける患者まで、一貫して監視するような法律が存在しなかった。1956年(昭和31年)に制定された「採血及び供血あっせん業取締法」という採血業者を取り締まる法律しかなかったのである。つまり血液製剤や輸血を受ける患者の安全を保証するものはどこにもなく、このような血液行政の欠陥が、薬害エイズを引き起こした原因の一つにもなっていた。このような背景から、HIV訴訟の目的に「誤った血液行政の是正」を掲げたのである。
国との協議を重ねながら、ようやく血液基本法といえる「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」が2003年7月30日に施行された。この法律によって血液製剤の安全を監視する体制が構築されるようになった。
現在、国の薬事審議会の一つである血液事業部会に当団体からも花井十伍原告団代表が患者委員として参加し、血液事業の運営状況確認や安全性情報の評価などを行っている。血液製剤の消費者が、初めて血液行政へ積極的に参画できるようになったのである。
11 薬害再発防止を目指した被害者運動
日本では、サリドマイド、スモン、薬害エイズ、薬害ヤコブ、薬害肝炎など、被害の発生や拡大を防止できた薬による健康被害(=薬害)があとを絶たない。 「薬害の根絶」を実現するために、上記のような薬害被害者当事者らが集まり、全国薬害被害者団体連絡協議会(薬被連) を立ち上げた。当原告団代表が発足当初より薬被連代表世話人を担っており、薬害被害者の視点を教訓として具体的な制度に活かすことを目指している。特に、小・中・高の教育現場、さらには医療専門職の高等教育の場においても「薬害」を取り上げるよう文部科学省へ働きかけている。
2005年4月には、厚生労働相の諮問機関であり、我が国の保険診療制度の根幹に多大な影響を与える中央社会保険医療協議会に、薬害被害者が一般市民の声を代表する患者委員として初めて参加できるようになった。
また薬被連は、「誓いの碑」が建立した8月24日を「薬害根絶デー」と位置づけ、毎年厚生労働省・文部科学省との協議を行っている。2年ほど前から国は医療専門教育に薬害被害者の講義を取り入れるなど、着実に成果を上げてきている。 12 考察と感想 HIV訴訟の和解確認書に基づいた恒久対策の実現を通じて、HIV感染者を取り巻く環境の変遷を経済、医療、法律、運動の視点から整理した。これらのことから、患者自身が現状を認識し問題解決・社会変革のために活動することの重要性が明らかとなった。 その一方で、HIV感染被害患者の抱える医学的な問題、HAART長期化による副作用、HCVとの重複感染問題などが未解決のままである。また今後は、薬害被害者が今まで国との協議を重ねて獲得してきた制度を状況変化に応じながら絶えず監視・改善していく事が必要である。加えて被害者自身も最新情報の収集や社会との連携を進めていかなければならない。 日本への最初のエイズ上陸は、血液製剤によるHIV感染から始まった。HIV感染被害に対する国の責任は訴訟という手段でしか認めさせることができなかったが、患者が積極的に医療や行政を変革させることが可能となった。
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田嶋佑衣
はじめに
私は薬害をなくすには、薬価算定方式の見直しを行い 薬価差益 をへらすこと、薬に対しての情報収集・開示の強化を図ること、天下りの対策が重要だと考える。
現在の薬価決定方法
日本では、血液製剤が原因で HIV に感染した薬害エイズ問題を始め、 薬害肝炎 、薬害スモンなど何度も薬害を繰り返してきた。その原因の一つに現在の薬価決定方法があると考える。そこでまずその薬価決定方法について説明する。新しく開発され、発売することになった医療用医薬品の価格は、多くの場合、すでに使用されている効き目の似た医療用医薬品の価格と比較して決められる(類似薬効比較方式)。似たような効き目をもつ医療用医薬品と比べて高い有効性や新規性などが認められると、価格は上乗せされる(補正加算)。新規性の少ない医療用医薬品の場合には、過去数年間に販売されたくすりの中でもっとも低い価格に設定される。一方、似たような効き目の医療用医薬品がなく、比較ができない場合には、医療用医薬品の原材料費や製造費などの原価をもとに価格が決められ る(原価計算方式)。薬価は2年に一度診療報酬改定時に改定され、その時薬価調査を行い実勢価格に合わせるため、薬価は下げられる。しかし、厚生省の2012年度の調査では薬価差は8.4%のかい離があり、薬価と取引価格は差が出る。この差が 薬価差益 となるのである。 医療費総額に占める薬剤費の比率の国際比較(2007年度)を見ると、日本は20.1%でフランス16.5%,ドイツ 15.1%,イギリス12.2%,アメリカ 12.0%をかなり上回っており,また, 薬局調剤分を含めた日本の医科薬剤 費比率は 2007 年は 29.3%,2009 年
は33.2%と極めて高い比率になっている。この高い 薬価差益 がなぜ問題かというと、薬害エイズ事件は血液凝固因子製剤が、買血による安い輸入原料や海外製造の輸入製剤の現実コストの実際の価格と薬価収載の価格との差益が大きく、その差益が医療機関等の経営に大きく貢献し、そのため危険との指摘が報道されても経営優先に走り、患者がその犠牲になった。そして、被告となった企業は、差益を利用して危険な製剤を積極的に医療機関に売り込み多大な犠牲者を生んだのである。そのため、この薬価差益を減らすことが必要である。
薬価差益と後発医薬品
ここまで薬価差益に批判的な意見を述べてきたが、薬価差益をなくせと主張しているわけではない。この薬価差益は薬局の収入源となっているからである。そしてここに関わっているのが後発医薬品(ジェネリック医薬品)である。まず、後発医薬品についての説明をする。先ほど述べたように薬価は国が決める公定価格であり、その決め方には一定のルールがある。新しい効能をもつ新成分においては、研究開発費などのコストが考慮され、今までにない画期的なものであれば、そのぶん薬価は高くなる。このような新薬を、「先発医薬品」と呼ぶ。先発品は、一連の臨床試験を通じ有効性や安全性が確認されているため、その信頼性は高いといえる。これに対し、新薬(先発品)の開発からし十数年経ち、その特許が切れたあとに発売される同一成分の同効薬を「後発医薬品」、または「ジェネリック医薬品」という。後発品は、開発経費がかからないので、先発品に比べ薬価が安く経済的、また国全体としても医療費節約につながるのである。
ここで私が問題だと感じるのは、後発医薬品は薬価差益が大きいことである。元々の原価が安いため、取引価格との差が開きやすくなっている。そのため、薬局の収入源となり薬局が後発医薬品を勧める、また、患者が薬局で薬をもらうときには健康保険を利用するので医薬品代の一部は国が負担している。後発医薬品に変えると患者の負担が減るだけではなく、国の医療費負担分も減ることになるため国は積極的に勧めているのである。そのため私はこの後発医薬品の薬価差益をとくに抑えることを主張する。
医療費と財源
ここで薬価差益を減らすことで、問題が出てくる。先ほども述べたように薬価差益は薬局の収入源などになっているからである。日本の診療報酬点数表での計算方法は、先進国に比較して技術料も安く、その分を薬価差益で補って来たのである。この問題を解決するために診療報酬点数表の改正をするべきである。診療報酬とは保険診療の際に医療行為等の対価として計算される報酬を指す。「医師の報酬」ではなく、医療行為を行った医療機関・薬局の医業収入の総和を意味する。医業収入には、医師や看護師、その他の医療従事者の医療行為に対する対価である技術料、薬剤師の調剤行為に対する調剤技術料、処方された薬剤の薬剤費、使用された医療材料費、医療行為に伴って行われた検査費用などが含まれる。日本の保険診療の場合、診療報酬点数表に基づいて計算され点数で表現される。患者はこの一部を窓口で支払い(自己負担)、残りは公的医療保険で支払われる。保険を適用しない自由診療の場合の医療費は、診療報酬点数に規定されず、患者が全額を負担するという仕組みである。ここからわかるように、保険が適用される医療行為を受けた場合、患者が裕福であろうとなかろうと請求される料金は同じなのである。しかし、この仕組みを変えるとどうだろう。医療行為自体に差をつけてはいけないが、そのほかの部分でたとえばベッドや部屋の大きさなどで差をつけ裕福な人はそのぶんサービスを受けられる仕組みを、そのぶんお金を取れる仕組みを作り財源確保をするべきである。
また、これだけではなく国か らの財源も必要だが、日本の財政状況はかなり厳しい。現在、医療費だけで40兆円を超えている。少子高齢化が進むなかこのままでは社会保障の仕組みが崩壊してしまう。この現状では消費税を上げるだけでの改善は難しいだろう。ここで注目すべきはこの40兆円の医療費をいかに減らすかだと考える。高齢化が進むなかで健康寿命を伸ばし病院にいかなくてもすむ状態を作ることが大きな効果を与えるだろう。健康日本21の第2次が行われているが何を目標としているのか、何を改善するのかなどを知っている人は数少ないだろう。スポーツ庁もでき人々が健康志向になってきているなか、健康寿命について広く知ってもらえるような活動も必要である。
情報開示制度の構築
ここで私が主張しているもう一つの考えに話を戻す。薬に対しての情報開示である。たとえば冬になると多くの人が受けるインフルエンザのワクチンにも副作用はあるのである。接種を受けた人の10〜20%の人は、赤くなる、腫れる、硬くなるこたがあり、アナフィラキシー症状を起こすこともある。このような副作用について理解してから予防接種を受けている人はそう多くはいないだろう。現在問題になっている子宮頸癌ワクチンについても同じである。子宮頸がんはヒトパピローマウイルスに感染することによって発症すると考えられており、日本では、年間約10,000人が子宮頸がんを発症し、毎年約3000人の女性が亡くなっている。この癌はワクチンで防ぐことができるのである。ワクチンの副作用の件数が海外と比べてとりわけ高いというわけではなくWHO(世界保健機関)の安全性会議の最新の報告によると、ワクチンの累計約1億8千万回接種の分析から、重大な副作用(ギラン・バレー症候群など)はなく、ワクチンの安全性は極めて高いとある。現在日本では、積極的にこのワクチンを勧めていない。確かに、副作用があることなどはきちんと情報を伝えるべきであるが今はこのワクチンについて否定的なことばかりが伝えられ、10,000人が発症していること、子宮頸癌は癌のなかで2番目に多い癌であること、ワクチンで防げる癌であることなどこのワクチンの利点が伝えられずに国は接種を勧めなくなった。どんな薬も安全という考えが強く、薬がある限る副作用はなくならないことが理解されにくくなっている。
薬に対する情報を開示するのは製薬会社の責任であり、それを監視するのは国の責任である。治験を行い正しい情報を得ること、それを私たち国民に開示することこれが重要であると考える。しかし、日本は治験が長く新薬承認が遅いといわれている。安全な薬を提供することは必要だが、有効な薬が手に届かない状況が続くこともよくない。承認の仕組みについて議論するよりも、副作用が起きたときの原因解明、情報開示この対応に力をいれることが必要であるのではないだろうか。
天下りと薬害
薬害エイズ事件の原因のもう一つが天下りである。厚生労働省からの天下りがミドリ十字にいたためアメリカでのエイズ報道後も血液製剤を使いきりたいという考えがあり、薬害につながったかもしれない。アメリカでの報道後すぐに使用を禁止していればこのような大きな被害が出なかった可能性もある。官僚はたくさん仕事をしてきたから天下りくらいという考えもあるのかもしれないし、有能な元官僚を企業がほしいということもあるのかもしれないがこの流れを切らなければ薬害がなくなるのは難しいだろう。
おわりに
薬害は薬がある限りなくなるのは難しいのかもしれない。しかし、森鴎外のように外からの情報を信頼せず自分の考えに固執するのではなく、何が正しいのかを判断する必要がある。また、社会保障の面でも日本は課題が山積みである。少子高齢化が進み、年金がもらえるのかがわからないなか、景気回復、消費税増税を叫ぶだけで解決できるのだろうか。日本の歴史を振り返るとある法則があるという。それが40年周期説である。日本は近代化以降、40年周期で繁栄と没落・破滅を繰り 返しているというものである。1867年(慶応3年)の大政奉還からほぼ40年後の 1905年(明治38年)に日本は日露戦争に勝利した。だが、その40年後の 1945年(昭和20)には第二次世界大戦に敗れ全てを失い。戦後は驚異的 な経済復興を成し遂げるが、戦後40年の1985年(昭和60年)にプラザ合意があり、その影響でバブルが発生する。そして、1990年(平成2年)から92年 (平成4年)バブル崩壊そして2025年頃ピークを迎えるのである。2025年まであと9年、この流れを見ると本当に景気回復ができるのか疑問視してしまうが2025年を迎えるまでに、負の流れから脱し適切な社会保障対策がとれることを願う。
参考文献
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/92840/ 薬害を起こさないために
http://www.jpma.or.jp/medicine/med_qa/info_qa55/q41.html 医療用医薬品の価格について
http://www.pharmacy-investigation.info/tyozaiyakkyoku/yakkyoku-kottai/yakkasaeki.html 薬価差益問題とは
http://old.habatakifukushi.jp/yakugai_aids/yakugai_aids_topics/post_206.html 薬価差益/薬害エイズ
http://www.know-vpd.jp/news/1499.php 子宮頸がんワクチンについての考え方
www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/.../leaflet_h25_6_01.pdf 子宮頸がんワクチンを接種を受ける皆様へ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%BA%E7%99%82%E5%A0%B1%E9%85%AC 診療報酬
佐藤愛理
フィットネス概論レポート課題~薬害と社会保障〜
医療技術学部スポーツ医療学科健康スポーツコース1年
16T511005 佐藤愛理
私は、薬害をなくすためには医療情報のグローバル化をしていかなければならないと考えます。
1.日本の薬害
医療品等の使用において多数の利用者に副作用などの被害が発生する薬害。日本では日本では20以上の薬害が発生しており、薬害をくりかえしています。
帝京大学を舞台に巻き起こった薬害エイズ事件では、1972年から1985年にかけて、輸入・製剤を承認され販売された非加熱血液製剤が問題になりました。非加熱血液製剤によるHIV(HumanImmunodeficiencyVirus)感染の危険性については、関係企業・厚生労働省・一部の医者が早くから情報を得ていたのにもかかわらず、早期に使用中止されるなどの処置がとられず被害が拡大しました。これには、HIVの正体がよくわかっていなかった他に、製造から自主回収に至るまで、約20年もの期間があったことが問題です。
薬害肝炎では、血液製剤であるフェブリノゲン製剤と第Z因子製薬がC型肝炎ウイルス(HCV)に汚染されていたために生じました。推定使用者は28515人、推定発症率は3.7%で、感染者は10594人とされています。
また、私達の記憶にも新しい薬害に子宮頸がんワクチンがあります。子宮頸がんの発症には、90%がHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が認められています。HPVウイルスの感染は稀なものではなく、多くの場合は症状のないうちに排除されますが、排除されずに感染が続いた一部に子宮頸がんが発症します。そのHPVウイルス感染を予防するとして、小学校6年生から高校1年生の女子を対象としたワクチン接種に莫大なお金がかけられました。しかし結果として、身体のしびれや痙攣、頭痛を訴える被害者が続出しました。予防策として国から推奨された子宮頸がんワクチンですが、薬害が起こっただけでなく、ワクチンそのものが、すでに感染しているHPVウイルスを排除したり発症しているHPV関連の病変の進行を予防する効果はないことや、ワクチン対象年齢者から有効年齢層での子宮頸がん死者数がゼロであることなど、行ったことへの疑問が多々挙げられます。
2.日本の治験制度
私は日本の治験制度には2つの問題点があると思います。
まず1つ目は、緻密すぎる所がある点です。先に挙げた薬害をみてみると、日本の治験制度はどうなっているんだ、適当なんじゃないかと思うかもしれませんが、逆に日本の治験制度は日数がかかりすぎているという問題があります。具体的には、世界で一番売れている薬100種類について、世界のどこかの国で最初に診療で使える薬として発売されてから、それぞれの国で使えるようになるまでに何日かかったかのデータでは、米国は505日であったのに対して、日本は1,417日で、その間に2.5年ほどの差がありました。つまり米国より2.5年薬の承認が遅れていることになります。 このドラッグ・ラグが後発医薬品の普及の遅れを招いているのではないでしょうか。新薬と同じ有効成分や効き目をもちながら、開発費を抑えることができる後発医薬品は、患者個人の負担だけでなく、日本の莫大な医療費の削減にもなります。
2つ目は、ヒトを対象とした治験の対象者が少人数であるという点です。医薬品と承認のプロセスはとても緻密ですが、ヒトを対象とした有効性と安全性の評価を行う対象者が少人数であり、これが、ワクチンなどで何十万という人に適用された際に薬害を引き起こしている一つの原因だと思います。
その2つの問題を解決するためにも、未承認の医薬品の安全対策業務についてのさらなるグローバル化が必要だと思います。
3.医療情報のグローバル化
情報のグローバル化を受け、いまや、患者も海外での医薬品や医療情報を簡単に知ることが出来るようになりました。それをもっと、国全体で知れるようにし、医療情報を相互に提供し合える体制作りが必要だと思います。そうすれば、安全性の共有だけでなく、危険性の情報の共有もできるようになり、薬害エイズ事件のような、国民に危険があるという情報が伝わらないということもなくなり、より安全な医療体制ができると思います。
ドラッグ・ラグ問題の解決としては、治験を米国で承認されてから日本でやるから遅いのだという指摘です。そこで米国など世界各国での治験と同時にやればいいのではないかということになりました。このような臨床試験を国際共同試験、グローバル治験と呼び、日本も国際共同試験に積極的に参加しようという機運になりました。そうすれば、海外からあまり遅れずに日本での治験も終了し、診療で使えるようになることが期待されます。
これが進めば、国内未承認の医薬品が個人輸入されて使用されるなどの問題も少なくなり、薬害の拡大を防ぐことができます。
3.日本の診療報酬制度のしくみと課題
公的医療保険制度のもとで医療機関が行った医療サービスに対して、保険者から医療機関に支払われる報酬を「診療報酬」といいます。支払い対象となる医療サービスの範囲と報酬額は、健康保険法に基づいて診療報酬点数表として示されています。診療報酬点数表は、厚生労働大臣が中央社会医療協議会に諮問して告示します。この仕組みを診療報酬制度といいます。診療報酬点数表は、医科診療報酬点数表、歯科診療報酬点数表、調剤報酬点数表の3つに分かれています。これらでは、保険医療機関や保険薬局で行われる医療サービス(診療、検査、投薬、リハビリ、処置、手術、調剤、服薬指導、薬歴管理など)を数千項目にわたって細かく分類し、それぞれについて単価を定めています。
保険医療機関や保険薬局では実施した医療サービスの診療報酬点数を患者ごとに合算し、点数1点を10円として計算して計算した金額から患者負担分を差し引いた金額を審査支払い機関に請求します。請求を審査して問題のない場合、審査支払機関が診療報酬を支払います。
診療報酬と薬価基準は原則として2年ごとに改定されます。80年代、国民医療費が財政を圧迫していることから、国民医療費の抑制が基本政策となり、被用者保険の加入者本人の1割負担が導入されました。その後も負担割合の引き上げが続き、診療報酬も据え置き、または減額が繰り返されました。2000年代は、社会保障費を毎年2,200億円削減したほか、診療報酬もマイナス改定が続いたため、多くの医療機関の経営が悪化し、倒産や廃業が急増しました。
日本の診療報酬制度は、医療機関が実際に行ったサービスの項目と数量に応じて報酬が支払われる「出来高払い方式」を基本としてきました。実際に診療に要した費用が支払われるので、治療費の未収の心配がないというメリットがあります。その反面、医療サービスを増やせば増やすほど、支払いが増える仕組みでもあるため、過剰診療を招きやすいという批判もあります。
このような弊害を避けられるとされるのが、一連の医療サービスを一括りにして評価し、疾患ごとに定められた入院1日あたりの医療サービスの費用に基づいて、患者の入院日数に応じた診療報酬を医療機関に支払う「包括払い方式」です。
この方式では、定められた費用の範囲内で工夫して診療が行われ、無駄な投薬や検査が減ることが期待できます。しかし、医療機関は医療サービスを抑制すればするほど、その差額が利益となるため、本当に患者が必要とする検査や治療が受けられなくなり、医療の質が低下するのではないかという声も聞かれます。
3.脱却しなければならない薬価差依存体質
薬価差とは、医薬品の購入価格と保険者への請求価格の差です。薬価は薬価基準に記載されており、全国一律価格です。
薬価もまた、2年に一度診療報酬改定時に改定されます。その時薬価調査を行い実勢価格に合わせるのです。厚生省の2012年度の調査では薬価差は8.4%のかい離がありました。前回調査と同水準です。薬価と取引価格は差が出ます。それは薬局や医療機関の医薬品購入は自由価格です。しかし、薬価は先にも言ったように公定価格であり、全国同一サービスをするため差は付けられないからです。
もともと、医薬分離前に薬価差が問題となり、現在の形に移行しましたが、薬価差が生じていることはその問題が何ら解決されていないことを示します。かつて「薬漬け医療」といわれた薬価差による医療機関の大きな利益の温床と変わりありません。これは薬価差益問題が医療機関から調剤薬局に写っただけです。調剤薬局の購買力が増したためにこのような結果になっています。これは大きな問題です。薬価差の解消にはもう一つ問題があります。メーカーと卸業者間のアローアンス・リベートがあるため、実質価格は不透明なのです。この点の解消は薬価差解消に大きく影響しています。
しかし、自由経済でありながら公定価格が入り、そこには出口は決まっているが間は自由だよという社会の仕組みが有ります。これを統一する制度の確立は時間がかかります。もし薬価差がなくなったとすれば次の対策は調剤薬局では準備しておかなければなりません。医薬品の薬価差が問題となったように、調剤薬局が問題視されたときは、経営転換を余儀なくされるのです。
4.頑張りどきの日本
権威や別種の学問分野への敵対心から森鴎外は脚気で大きな失敗をすることになりました。権威をもつ上部の人間に左右されずに、問題を冷静に見つめ、根本から問題を改革していくことが必要だと思います。
我が国・日本の歴史を見るときに、1868年の明治維新から、ある法則に基づき繰り返していることが感じ取れます。それが「40年周期説」です。
日本の国運を見てみると、1868年以降、約40年ごとに栄枯盛衰を繰り返しています。このままいけば2028年ころまでどんどん落ちていくことになります。落ちている今だからこそみんなで頑張り日本社会の改革を行わなければなりません。
(引用)
子宮頸がんと予防ワクチンhttp://ganjoho.jp/public/pre_scr/prevention/cervix_uteri.html
診療報酬制度の仕組みと課題http://www.vision2014.org/medical_services.html
日本の治験が「冷視」される理由https://www.m3.com/open/clinical/news/article/271377/
日本における同時性「40年周期説」http://blog.livedoor.jp/tamaichikoku/archives/50301088.html
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吉澤幸村
私の結論は、社会保障の制度は薬害などの事件やその判決、認知度や考え方などどれを見てもまだまだ不十分であると考える。
まずテーマとしてあげたいのは「薬害の被害と対応」である。
まず初めに薬害とは「薬害(やくがい)とは、一般に医薬品の使用による医学的に有害な事象のうち社会問題となるまでに規模が拡大したもの、中でも特に不適切な医療行政の関与が疑われるものを指します。」となっていて、絶対的にあってはならないことだと思う。しかし残念ながら起きてしまった一例が薬害肝炎である。薬害肝炎問題として大きく問題となった。どのような問題かというと、「血液製剤の投与によるC型肝炎の感染被害の問題をいう。日本では血液凝固因子製剤が以前、手術後や出血しやすい病気の治療・予防薬として使われた。その血液製剤がC型肝炎ウイルスに汚染されていたため起きたC型肝炎が「薬害肝炎」とよばれている。問題の製剤は血液凝固第因子のフィブリノーゲン製剤と、血友病治療薬で「薬害エイズ」の原因にもなった第因子製剤である。
フィブリノーゲン製剤は旧ミドリ十字(現、田辺三菱製薬)が1964年(昭和39)から製造販売しているが、製造工程での添加物や加熱方法の違いで、おもに1985年夏から1987年まで発売の非加熱製剤、1987年以降1994年まで発売の加熱製剤が感染源になった。
第因子製剤は血友病B型治療用だが、第因子、第因子、第因子なども含んでいる。感染源としては、いずれも非加熱製剤である、旧ミドリ十字がアメリカの買血をもとに1976年から1985年まで製造(販売は1988年ごろまで)していた製剤と、日本製薬が国内買血をもとに1972年から1986年まで製造販売していた製剤が疑われている。
1986年9月から1987年4月まで青森県三沢市の産婦人科医院で非加熱のフィブリノーゲン製剤を打たれた産婦8人がC型肝炎に集団感染、厚生省(当時)の調査が報道された。1975年、東京地裁が産婦人科医は産婦の出血に血液製剤や輸血で対応すべしとの判決を下して以来、産科ではフィブリノーゲン製剤が広く使われていたことから社会問題になり、その後、第因子製剤にも飛び火した。
2002年(平成14)10月、患者ら16人が損害賠償を求めて東京地裁、大阪地裁に薬害肝炎訴訟を起こし、福岡、名古屋、仙台と広がった。フィブリノーゲン製剤では2006年6月の大阪地裁はじめ各判決とも一定時期について製薬企業と国の責任を認めた。また、第因子製剤では2007年3月の東京地裁からは企業責任を、2007年7月の名古屋地裁は国の責任も認めるなど判決は分かれた。2007年12月、福田康夫首相が被害者の一斉救済を決断、2008年1月、薬害肝炎の被害者救済法(正式名称は、特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法)が成立し、裁判所の認定で、肝硬変や肝癌(がん)の罹患(りかん)者、死亡者には4000万円、慢性肝炎の罹患者には2000万円などの一時金を企業と国が連帯して支払うことで決着した。
C型肝炎の多くは輸血や注射などの医療行為による医原病のうえ、免疫グロブリン製剤など他の血液製剤も原因とする指摘もあるが、これらは対象外になっている。」
と言った内容である。最終的な部分だけを見ても全員納得して解決したとは言い難い形で決着が付いているように感じる。そもそも判決が別れるなどおかしな話で全て国と企業両者に重い責任があり、また責任感を感じて欲しいところである。薬というのは安心して使っているものなので提供する側はもっとシビアに考えて欲しい。もうこのような悲惨ことが起きないように祈るばかりである。
また次にこの話の中で少し触れられている薬害エイズについても述べていく。
そもそもエイズとHIV(Human Immunodeficiency Virus)の違いについて「HIVとは、ヒト免疫不全ウイルス (Human Immunodeficiency Virus)の頭文字を取ったもので、ウイルスの名前です。
一方、エイズ
(AIDS) とは、後天性免疫不全症候群
(Acquired Immunodeficiency Syndrome) の略称で、HIVに感染した人が、免疫能の低下により表1に示す23の合併症のいずれかを発症した状態のことをいいます。
HIVに感染していても、この23疾患のいずれかを発症しない限りはエイズとは言いません。
つまりHIVはエイズの原因となるウイルスの名前で、エイズはHIVによって引き起こされる病気の総称です。」となっていて、HIV(Human Immunodeficiency Virus)かかっているのがエイズになる前提である。そのエイズで大きく問題になったのが薬害エイズ事件である。薬害エイズ事件とは「血液製剤により血友病の患者がHIVに感染した事件
1980年代、血友病の治療として使われていた非加熱血液製剤の中に、エイズを引き起こすHIVが混入していたため、世界各地で多くの感染が報告された。日本では、1800人以上がエイズ感染し、少なくとも500人が死亡したとされている。
血液製剤とは、人間の血液を原材料とする製剤のことだ。1985年以降は、採血した血液に熱を加えて細菌を消毒するようになったが、それまでは、加熱処理をしないままの血液製剤が使われていた。
そのため、海外から輸入された非加熱血液製剤の中には、HIVが混入したままになっているものがあり、その血液製剤を使われた患者の間で被害が発生した。
感染の危険性は、1982年ごろから指摘されていたが、当時の厚生省エイズ研究班などの対応が後手にまわり、被害を拡大させた面がある。そのため、事件の責任を問う形で、安部英・医師や製薬会社・旧ミドリ十字の社長などの刑事裁判が進められている。」
といった内容で、このように医療用のもののはずが逆に大きな被害を出してしまうというのは非常に残念な話であり、二度と起こしてはならないと思う。これらの話に対して社会保障がしっかりと機能しているのか疑問である。私は、これらの事件、被害に対してもっと積極的に手を打って良いと感じる。国や企業はやってしまったミスに対して下手したらそれ以上の償いをしなければならないと感じる。社会保障制度の中にもある社会保険は強制加入であるがその代わりに何か問題が発生したならばそれに見合う以上の見返りがあるべきだと感じる。
次に子宮頸がんについて述べていく。
子宮頸がんとは「婦人科のがんで最も多い子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあります。子宮体がんは子宮内膜がんともよばれ、胎児を育てる子宮体部の内側にある子宮内膜から発生します。
一方、子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部とよばれる部分から発生します。子宮の入り口付近に発生することが多いので、普通の婦人科の診察で観察や検査がしやすいため、発見されやすいがんです。また、早期に発見すれば比較的治療しやすく予後のよいがんですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要といえます。」となっており、早期発見が非常に重要だということが伝わった。またこの子宮頸がんにはワクチンがあるが、このワクチンについて最近ニュースがあった。「子宮頸(けい)がんワクチン接種後の健康被害を訴える15〜22歳の女性63人が27日、国と製薬会社2社に総額約9億4500万円の損害賠償を求める集団訴訟を東京、大阪、名古屋、福岡の4地裁に起こした。体の痛みや歩行困難、視覚障害といった症状を訴え、国と製薬会社はこうした被害を予見できたにもかかわらず回避措置を怠ったと主張している。
子宮頸がんワクチンの副作用をめぐる集団提訴は初めて。各地裁に提訴したのは、東京28人、名古屋6人、大阪16人、福岡13人。接種時期は2010年7月〜13年7月で、ほとんどが中高生時だった。
訴状では、グラクソ・スミスクライン(GSK)社のワクチン「サーバリックス」(09年国内承認)とMSD社の「ガーダシル」(11年同)について、日本に先行して承認した海外では、死亡例や重症例など多数の副作用が報告されていたと指摘。国は危険性を認識していたにもかかわらず安全性の調査をせず承認し、接種を推奨した責任がある、などと主張している。症状と接種の関係については、接種後に共通の症状が現れていることから「法的因果関係が認められる」とした。
厚生労働省によると、これまでに接種した人は推計で約340万人。今年4月末までに医療機関と製薬会社から報告された「副作用が疑われる例」は約2900件(うち重症は約1600件)に上る。接種は、政府が10年の閣議決定で緊急促進事業に位置づけ、接種費用が全国でほぼ無料になったことから接種者が急増。13年に定期接種にしたが、深刻な被害の訴えが相次ぎ、2カ月後に積極的推奨を中止した。」
このような事件があり、なぜいろいろ問題があることがわかっている上で積極的にそのワクチンを使用していくのか疑問を感じずにはいられない。「深刻な被害の訴えが相次ぎ、2カ月後に積極的推奨を中止した。」特にこの部分に関してなぜ2ヶ月なのか。本当ならば被害が広がらないうちに手を打つべき問題であるにもかかわらず使用中止ではなく積極的推奨をやめるだけでしかも2ヶ月という期間はとても少ないように感じる。人の命が関わっていることなのだからもっとシビアに物事を捉え慎重に物事を考えるべきだと感じる。
以上が「薬害の被害と対応」で感じたこと考えたことである。
次にテーマとしたいのが「保障と考え方」である。
まず治験について述べていく。
まず治験とは「新しい「薬」を開発するためには、「薬の候補物質」について動物で効果や毒性を調べるだけでなく、人での効き目(有効性)や副作用(安全性)を確認する必要があります。
人での有効性や安全性について調べる試験を一般に「臨床試験」と呼んでいます。
また、厚生労働省から「薬」として承認を受けるために行う臨床試験のことを「治験」と呼んでいます。
「治験」は厚生労働省が定めた基準(医薬品の臨床試験の実施の基準:GCP)に従って行われます。
治験を行う医師が患者さんに「治験」について十分ご説明し、患者さんがその内容をよく理解された上でご本人の自らの考え(判断)により「治験」に参加することに同意(インフォームド・コンセント)していただきます。
参加していただいた患者さんの人権及び安全は最大限に尊重され、秘密は守られます。」というもので、治験に関する保険などを調べてみたが企業側が基本的には保険に入って保証をするといった形になっているようだ。アルバイトという形も存在しているぐらい身近なものだと感じる。確かに新薬の効果を試すというのは非常に大切な事で、被験者側も高額のお金を受け取れるというので一概に悪い事とは言えないのでこれに関しては個人個人の考えが必要であると感じた。保証の関しても決して十分とは言えないが自らの意思で行っているのでその辺はこれからもっと一人一人が考えていくべきところだと感じた。
次に診療報酬点数表と薬価差益に関して述べていく。
これは非常に目に見えにくいもので、両方とも診察される側は理解していないことが多いと感じる。診療報酬点数表は点数を知らない人が多いため診察が終わった後に知るといった制度であり、診察を受ける側は自分がいくらお金を持っていけば良いのかいまいち把握できない状態だと思う。しかし、普通に買い物感覚で病院に行く人がいなければ診察内容やでる薬がわかる人もいない。なので、このような不透明さは仕方がないと考えることもできる。この不満を解消するためには一人一人が医学に対して少しでも考えを深め、変わっていく必要があると感じた。薬価差益に関しては、病院などの医療機関の大きな収入源になっているためこれも一概に悪い制度とは言い難い。利益に余裕があり、実際のところもう少し安くなるというのであれば是非そうして欲しいところだが小さい医療機関や田舎の方の医療機関などはそれで成り立っている部分もあると思うので難しい問題であると感じる。
病院の大きさや場所、患者の層によって値段、点数を変動させるというのは一つの考えとして有りだと思う。この薬価差益についてもっと周りが理解して一般的に議論がされるようになるべき問題であり、そうなった時にもっと考えるべき事柄である。
次に後発医薬品について述べていく。
後発医薬品とは簡単にまとめると新薬の後に作られるから安くて同じだけの効果を発揮するといったものである。私はこれを非常に良いものと感じる。薬雨を使う側としては、効果が同じで安く済むのだから、よほど上で述べたような薬害問題など起こらない限りは素晴らしいもののように感じる。唯一懸念すべきと感じることは、後発医薬品ばかり発展して売れてまた使用されて新薬が使われなくなっていった時、新薬の発展や新薬で来た時の価格の問題が発生するのではと感じる。しかしこれに関しても今はそこまで大きな問題になるとは考え難いため、今は後発医薬品に対して薬を使う人使わない人問わずに理解しておくというのが必要だと考える。
またこのテーマで述べた治験、診療報酬点数表、薬価差益、後発医薬品全てに言えることだがそれぞれの事柄に対して一人一人の考え方が大事になると述べてきたが、そもそも誰にでもわかるような保障、形でない時点でおかしい、不親切であると言わざるをえない。これらが一般的に知れわたり誰でもわかる、みんな知っている、そう言った状況になるべきだと思う。
最後のテーマとして「過去と現状とこれから」を述べていく。
まず40年周期説について述べていく。
これは日本の国運が40年ごとに上昇と下降を繰り返しているというような考え方だ。様々な出来事が重なりそのような見方ができるのは非常に興味深いと感じる。今は下降の時期らしい、しかしよく捉えればこれから伸び代があり、自分たちが生きている間に全盛期の日本を見ることができる、もしかしたら全盛期の日本を創るのに何らかの形で関わることができる。そう考えると非常に楽しみである。しばらくは現状からもしかしたら災害やその他よくないことが起こるのかもしれないがその後の日本は世界に大きな影響を与える国になっていてほしいと思う。
最後に森鴎外について述べていく。
私はこの薬害と社会保障について述べていくにあたって一番考えさせられることのように感じた。森鴎外という人物は今では考えられないような特殊な経歴を持っていてまた思想持っている。陸軍軍医として活躍していてトップにまで上り詰めていながら分筆活動も同時に行っていて数多くの作品を作り、それは現在にまで残っている。上で述べた40年周期説でいうならば森鴎外は国運上昇の40年に大きく携わっていただろう。そして私がこの森鴎外という人物を調べていて一番考えさせられたのが「高瀬舟」という作品だ。読んだわけではないが読んだ人の感想や要約を見るだけでも非常に考えさせられてしまった。内容はこういったものだ「 寛政(1789年-1800年)のころ、30歳程度の弟殺しの罪人・喜助が高瀬舟に乗り、護送役の町奉行所の庄兵衛が、喜助の楽しそうにしている顔が気になり、「喜助。お前何を思っているのか」と声を掛けました。
喜助が語るところによると、幼いころに両親を流行病で亡くした喜助と弟は、助け合って生きていました。2人で京都の西陣の織場で働いていたとき、弟が病で動けなくなりました。ある日、喜助が仕事から戻ると、弟がのどに剃刀を突き刺した状態で、血だらけになっていました。弟は「早く死んで少しでも兄きに楽がさせたいと思」い、のどを自分で切るも、失敗していました。剃刀を抜けば死ぬことができるので抜いてくれと弟から頼まれますが、喜助は、いったんは、医者を呼びに行こうとします。しかし、「医者がなんになる、ああ苦しい、早く抜いてくれ、頼む」と言われ、弟ののどから剃刀を抜きました。そのとき、近所のおばあさんが、家の中に入ってきました。おばあさんは、「あっ」と言ったきり、表へ出て行きました。
庄兵衛は、これまでの苦しい生活に比べれば、罪人とは言え、身も食事も保証される島流しのほうが楽だと喜ぶ喜助の姿を見て、俸給が右から左へ流れ、生活費が足りなくなると妻の実家の支援で補っている自分の現状をかえりみます。喜助をいつのまにか「喜助さん」と呼び、喜助の行為をはたして「弟殺し」と呼ぶのだろうかと疑問します。庄兵衛は、自分では判断することができず、権威に従うほかないという気持ちになりました。しかし、奉行の判断をそのまま自分の判断としようと思っても、どこかふに落ちないものがあり、「なんだかお奉行様に聞いて見たくてならなかった」。」この中で私が感じたことは社会保障の不十分さです。この中で起こったことはいくつもの出来事や背景が絡まっていて一つ一つ切り離して考えることのできないことのように思いますが、この話の中ではそれらを全部切り離し、殺人として扱われてしまっていることや普通に考えたら絶望するような判決(島流し)に対してむしろ喜ぶかのような顔をしていた、そうさせてしまった背景が大きな要因であるにもかかわらずこれは現在でもある話のように感じました。例えば犯罪者の再犯率が高いのはこのことと深く関係があるように思います。一度犯罪を犯せば社会復帰は難しく出所しても生きるということに苦労する中、刑務所の中では生きるということに関しては苦労しないためまた犯罪を犯してしまうといったこと。これは社会保障が刑務所の中と刑務所から出た後では刑務所の中の方が整っているからだと思う。殺人という判決に関しても、最初に裁判や判決について述べてきたが疑問を残すような判決というのは非常に多いと感じる。またなってしまった背景など見ても本当に良かれと思ってやっているのかそうでないのか疑問である。森鴎外という人物はこういうことを医者、軍人、そして作家として訴えていたのだと思うと非常に偉大な人であり、そして今でもそしてこれからもそれは考えなければいけないことだと感じた。時間を作って森鴎外の作品を読んでいこうと思う。
以上「薬害の被害と対応」「保障と考え方」「過去と現状とこれから」の3つから述べてきたが、それぞれを考えた結果として一番初めに述べた「社会保障の制度は薬害などの事件やその判決、考え方や社会的背景などどれを見てもまだまだ不十分であると考える。」という結論に至った。
参考文献
社会保障イノベーション
http://medicine-or-drug.jp/doc/yakugait.html
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http://blog.livedoor.jp/tamaichikoku/archives/50301088.html
http://laughy.jp/1408863998451146591
http://www5b.biglobe.ne.jp/~michimar/hon/089.html