吉野孝則

2018月　相続法　中江先生　　　吉野孝則

テーマ：相続と税

結論：物権変動理論、相続、税制を見直すことにより社会保障に大きく貢献する

はじめに

このレポートは16年01月20日分「相続と債権者」の続編に位置します。そのため、このレポートを読む際には16年01月20日分の相続法「相続と債権者」吉野孝則と18年01月18日分の法律学演習「過失とは何か」における証明責任の部分を読んでから読むことをお勧めします。

　「相続と債権者」で検討したように相続の判例間に論理的矛盾を発見することは出来ない。

しかし、だからといってそれが正義に適っているとは限らない。あのレポートを書いてから丸二年、漸く前に進むことが出来たため、民法、相続法の社会的妥当性について「94条2項っておかしくない？」「二重譲渡っておかしくない？」「取消と登記っておかしくない？」「相続法っておかしい」「相続税っておかしくない？」「相続と社会保障」の順番で検討する。

94条2項っておかしくない？

　A→B→C

94条2項で保護される第三者に善意しか求められていない理由として、多くの教科書では、虚偽の外観を作り出した本人と外観を信じて不動産を入手した第三者とのバランスを考えて善意のみを要求されると説明される。確かに一定の説得力があるが、長く法律を勉強しているとこれが当たり前になってしまうから恐ろしい。よくよく考えてみると不思議なことだらけである。なぜ第三者は無権利者から所有権を取得できるのだろうか。確かに�@外観の存在�A信頼�B帰責性という要件のもとで所有権を得られると説明されるが、何千万円も、時には何億円もする不動産を無権利者から取得できる説明にはなっていない。虚偽表示により外観を作り出した本人には虚偽の外観を作り出した帰責性があるとしても、Bに裏切られて不動産を売られてしまった被害者でもあるのではないだろうか。その本人の所有権を犠牲にしてでも第三者が所有権を取得できるのは明らかにおかしい。思うに意思主義と不完全物権変動説に依拠すると考えられるが、不完全物権変動説は登記を得ないと確定的な所有権を取得できないとするわけであり、登記さえ備えれば所有権を取得できるとするわけでない。虚偽表示における第三者は登記を備えただけであり所有権を得たわけではない。その第三者を保護するというのは、結局、公信力のない登記を得れば所有権を取得できることになり意思主義と公示の原則の論理破綻だといえる。

虚偽表示を禁止する理由として、税金逃れや取引の安全が挙げられるが、税金に焦点を絞れば、税金逃れをしたペナルティは税金の課徴として扱えばよく所有権を失うほどではないし、ましてや第三者が本人の犠牲のうえに所有権を得られるのは本人へのペナルティの転嫁ともいえる。取引の安全の保護は、Bを基準に考えれば他人物売買でありCはBに契約責任を追及するか、AとBによる共同不法行為として不法行為責任を追及すれば取引の安全は保護できるのではないだろうか。さらに言えば、数千万円にも及ぶ自己の不動産を失うほどのペナルティは刑法にも規定がない。インサイダー取引や相場操縦への責任ですら1000万円程度である。いずれにせよ虚偽表示という行為が社会的に不適当だとしても不動産を失うほどとは到底考えられない。

AとBには虚偽の外観を作り出した帰責性があり、それを信じた第三者と比較すれば第三者の保護の要請があるのは確かであるところから、百歩譲ってこの制度を認めるとしても、なお疑問が残るのは94条2項の類推適用である。本人が、妻や愛人が登記をうつした事を知っていたうえで放置していたというのが典型例だが、本人の帰責性と外観を信じた第三者の保護とのバランスを考えて、第三者には善意無過失を要求するというのが多くの学説だが判例は善意のみしか要求していない。確かに虚偽表示との比較、類推適用での本人と第三者のバランスを考えれば善意無過失まで要求すべきとする学説には賛同したい。しかし第三者が善意無過失だったとしても、本人は登記を放置していただけであり、不動産を失うほどの帰責性があるとは到底考えられない。

ところで、表見代理で保護される第三者には善意無過失が求められているが虚偽表示とのバランスを考えると虚偽表示で保護される第三者が善意のみしか要求されないことへの違和感が鮮明になる。代理を考えてみると、1000円のお使いのような「軽い」代理から不動産の購入のような数千万円する「重い」代理まで様々である。代理の重さを考えれば表見代理こそ、低額のお使いような軽い代理には善意のみ、不動産の購入のような重い代理には善意無過失と分けても良さそうなものであるところ、表見代理は全てにおいて善意無過失を要求している。一方、動産の取得には即時取得が働くため、虚偽表示は不動産のみと考えられる。すると、不動産の売買のような「重い」場合でも善意しか求めていないのはアンバランスである。表見代理では本人の責任が重いことから第三者の保護が要請されるのに対して、94条2項の類推適用の事例においては、本人と第三者の帰責性を比較したときに、本人の犠牲のうえで第三者を保護する必要性に乏しいのは前述したとおりであり、それでもなお第三者を保護するならば、善意無過失＋「保護する必要性」などを加味するのはどうであろうか。たとえば、善意無過失で不動産を取得したうえで、以前住んでいた家も売却してすでに当不動産に住んでいる状態で、ローンがあり、契約を解除し原状回復した際の第三者の損害が甚大な場合のように、基本は本人に所有権が戻るとしたうえで「保護する必要」がある場合のみに第三者を保護するのが有益と考える。

　これまでの議論を考慮して94条における証明責任を考える。表見代理において、第三者の悪意・有過失の証明責任が本人にあることを踏まえつつ、法律要件分類説に則って94条1項・2項を読めば証明責任は本人側にあると読める。しかし前述したように本人の犠牲の

うえに第三者が所有権を取得することを考えれば、証明責任は第三者にあるべきと考えられる。一定の修正ともいえるし、証明責任の転換ともいえるかもしれない。しかし善意への事実上の推定があるという学者が多く、なお問題が残るように思われる。そこで、思うに、虚偽表示の場合は本人の帰責性と、公信の原則の制度趣旨から本人に第三者の悪意を証明させ、類推適用の場合には本人の帰責性が少ないこと、第三者は本人の犠牲の上に所有権を得られることを考慮して、条文から、且つ、外観の存在より善意の推定が働いたうえで、第三者には第三者の無過失を証明させるのが有用と考える。やはり、信じたことのみで所有権を得られるのはおかしい。私の案は一見、本人と第三者、制度趣旨のバランスを考えただけのように見えるが、善意の推定があったとしても登記だけでなく現地調査、価格、前の持ち主などを調べなければ過失が認定されるであろうことから、結局本人の保護となる。仮に第三者が無過失を証明した際には、本人が第三者の悪意を証明することにより善意の推定がくずれることになる。94条2項の類推適用のような離れ業は乱発するものではなく、本当に善意無過失で保護する必要のある者だけ保護するべきである。

二重譲渡っておかしくない？

A←B→Ａ

　法律を始めてからずっと疑問だった二重譲渡。なぜ「売ります」「買います」という意思の合致があった後に別の人に同じものを売ることができるのか本当に疑問だった。意思主義と不完全物権変動説を理解した時は本当に嬉しかった。そして将来の飯のタネであることから長い間言わないようにしてきたが、敢えて書かせてもらう。二重譲渡はやはりおかしい。意思主義と公示の原則を貫くあまり技巧的になり過ぎている。確かに経済的要請から二重譲渡を認めるとする説明には説得力があるが、これが不完全物権変動説と合わさると、とても一般人には理解できない。そして登記という公信力のないもので物権の得喪を分けることにも疑問である。さらにBは刑法の背任罪に該当しCは背任罪の共犯に該当することからも民法が許す必要性を理解出来ない。そこで経済的要請を満たしつつ一般人にも受け入れられる案として、不動産物権変動の場合のみ形式主義として売買契約書と登記が揃った時に所有権が移転するとすることが有益である。そのことにより二重譲渡が不可能になり、第一譲受人に売った後に別の人に売りたい場合は他人物売買となる。契約の最中に第二譲受人に売りたい場合は契約締結上の過失により賠償したうえで第二譲受人に売れば良く、第二譲受人がどうしても欲しい場合は賠償分も多めに払ったうえで取得すれば経済的要請にも十分答えつつ、一般人の理解も得られるだろう。

　もう一つの案として、二重譲渡を認めつつ保護される第三者を善意無過失とする。背信的悪意者を信義則に反する悪意者というが何が信義則に反するのかは分かりづらい。そのうえ民訴における規範的要件の証明に際し、間接事実が弁論主義の適用を受けないことを考慮すればますます背信性を理解することは困難である。民177条における第三者には善意・悪意が問われていないが、悪意であれば第一譲受人との取引が解除に終わることを理解しており、これは手形法17条の「害意」の考え方の通説である河本フォーミュラによれば「害意」であり、背信性が認められないことには疑問が残る。そもそも第一譲受人の期待を裏切って第二譲受人に売ってしまうことは信義則には反しないのだろうか。これらから第三者には善意を要求するべきである。さらに善意のみでなく、第一譲受人とのバランスの上で無過失を要求するべきである。すると、結局、二重譲渡を封じたうえで保護される第三者の範囲は公信の原則と重なることになる。

	悪意	善意
過失なし	公信の原則→保護されない	公信の原則　善意無過失→保護される
過失あり	背信的悪意者→保護されない	公信の原則→保護されない

二重譲渡における背信的悪意者の背信性の証明責任は第一譲受人にあるとされるが、二重譲渡を正面から認める立場からの結果と考えられる。しかしながら前述したように二重譲渡の正当性を基礎づけることはできない。仮に二重譲渡を認めたとしても背信性や善意・無過失（要求した場合）の証明責任は第二譲受人にするべきである。

　

取消と登記っておかしくない？

取消前の第三者について教科書の多くは、動機→効果意思→表示としたうえで、騙されたとはいえ自分で決めたところに落ち度があるため第三者は善意のみ要求されると説明されている。しかし虚偽表示をした本人との帰責性を比較すれば、明らかに騙された人の方が帰責性は少ない。その意味でも詐欺取消の保護される第三者には善意無過失を要求するべきである。

取消後の第三者について、復帰的物権変動が二重譲渡類似の形となることから対抗関係となると説明されるが甚だ疑問である。そもそも取り消したら所有権は本人に戻ることから食うか食われるかの関係ではない。仮に登記を戻し忘れたとしても、所有権のない第三者が所有権を得られるのは、前述同様に登記を得れば所有権を得られることになり論理破綻と言える。こんな不安定な状態では安心して売買することが出来ない。そこで、取り消した際には所有権は確定的に本人に戻るとしたうえで、学説の多くがいう、取消後の第三者は94条2項の類推適用により保護されるとする意見を支持する。

証明責任については、前述で検討したように、本人の犠牲により所有権を得ることから第三者側に第三者の善意無過失の証明を課すべきと考える。これにより不安定だった所有権の帰属が明らかになり、安心した売買が保護され中古不動産市場に寄与すると考えられる。

相続っておかしい

　「相続と債権者」では民909条の第三者が強すぎるという印象はあったものの理解しきれずに微妙なレポートを書いてしまった。今回、証明責任という角度から検討した結果、民909条が明らかにおかしいと断言できるに至った。今まで検討してきた虚偽表示と二重譲渡と同じモノサシが遺産分割協議でも使われている。民909条で保護される第三者は遺産分割協議中に現れた第三者とされているが無過失どころか善意すら要求されていない。これは明らかにおかしい。判例は遺産分割協議後に差押登記がされたケースしかなく、遺産分割協議中に差押登記がされた場合に民909条をストレートに適用すると悪意有過失の第三者でも不動産を取得できることになる。以前は民909条には第三者の規定がなく、スピードが要求される経済的要請により後から付け加えられたのがこの規定である。確かにこの規定がないと、債権者代位権を使っても、遺産分割中に相続人皆が口裏を合わせて、債権者のある相続人のために相続財産を相続させない旨の相談などがあると、詐害行為取消権を行使しなければならなくなり面倒になるため、また相続が始まると公示されるために善意が要求されないとする説明には説得力がある。しかし、虚偽表示で帰責性がある場合ですら善意が要求されていることと比較すると、相続という全く帰責性の無い状態で横から入ってきた第三者が何も要求されないのは明らかに正義に反する。

遺産分割協議後について、移転主義を基に考えると民177条の第三者に善意無過失が要求されていないこととの親和性がある。確かに相続人と債権者は食うか食われるかの関係であり対抗関係とした判決の論理は流石とも思える反面、そもそも法定相続分通りに相続できるとは限らず、法定相続分すべてにおいて債権者が主張できるとする部分には疑問が残る。

公信の原則は本人の帰責性と第三者の信頼とのバランス、言い換えれば所有権と取引の安全を天秤にかけた原則である。それにも関わらず、第三者保護が規定されているのは不労所得に対するアンチテーゼのようなものを感じる。しかし、親は子に残したいものである。そして親が死に制度も分からない不安定な状態に乗じる債権者を保護する必要性が理解できない。むしろ、死や相続における不安定な状態を保護することこそ重要と考えるため、民909条の第三者保護を無くすべきと考える。この規定がなくとも債権者代位権で遺産分割協議に参加することは可能である。しかし前述したように必ずしも法定相続分を相続できるとは限らないため、債権者が債権者代位権を使った際には相続人の遺留分までしか主張できないとするのが私の意見であった。しかしよくよく考えてみると、遺留分について被相続人の私的自治と残される相続人の生活保護を考えた規定と説明されるところ、この遺留分について債権者代位権を行使できるとすること自体が正義に反するのではないかとの疑問が生じる。思うに、相続により所有権の帰属がはっきりしない間に債権者が出てこられることに問題がある。相続は残された財産の帰属の問題であり、民法に相続人の規定があることからも被相続人から相続人への所有権の移転が根源であった。そこに債権者という概念を無理やりねじ込もうとするから、移転主義や対抗関係にしなくてはならいと思われる。そこで、相続は相続人間の問題として、第三者の登場を許さないとするのが正義に適うと考える。

相続登記について現在の制度では期限もなく強制力もない。そのため、相続登記をせずに放置した結果、相続人が増えて事務量が膨大になってしまうケースが多い。所有権の帰属は不安定な期間を極力排し明確にすることが有用であり、不動産物権変動に形式主義を採用すべきとする立場からも、早い段階での登記が望ましい。さらに相続放棄については３ヶ月という期間が設けられていることからも、相続開始から相続登記までの期間に制限を設けるべきである。ただし、相続人が揃わないなどの理由から分割協議が進まないことも考えられる。そういった場合には「特段の理由」として仮の相続登記などを認めていくのが良いと考える。その期間を越えて登記をしない状態にあり、その外観を信じて購入してしまった人が現れた場合には94条2項の類推適用による保護が有益と考える。

上のような分割協議までの期間を設けるという結論に至ったが、被相続人の私的自治、相続人の生活保護などと土地利用という公共の福祉を天秤に掛けて公共の福祉の為に期間を設けるのは財産権や幸福追求権に潜在的に反するように思われる。とはいえ、820万個にのぼる空家へのアプローチを考えると仕方ないと思われる。

　

ところで、「相続させる旨の遺言」は単独行為、分割方法の指定ということから分割協議を経ることなく所有権が相続人に帰属するのに対し、「相続をさせる旨」と書かなかった遺言は遺贈として扱われ、契約であり民177条の適用があるとする。確かに身分行為は単独行為であり、贈与の規定を準用することから契約とする論理の整合性はあるが、とても一般人には理解できないだろう。遺言を残す意味は誰かへの財産の帰属・非帰属を望むものであり些細な書き方の違いで効果を分ける必要性に乏しいうえに、対抗問題とすることにメリットを見いだせない。よって分割方法の指定として統一が望ましいと考える。

　現在の制度では相続放棄してしまえばすべてに対抗できることになり、第三者との兼ね合いを考えて対抗問題にしたこととのバランスが悪い。そのことからも相続に第三者を登場させるべきではないと考える。

相続税っておかしくない？

　相続税について、富の再配分、不労所得、所得還元という理由から遺産取得課税方式により累進課税が認められている。その埋め合わせの為なのか、基礎控除が3000万円＋600万円×相続人数がある。確かに、上の目的達成の為に担税力に焦点を絞った回収方法は合理的と言えるし、基礎控除額が減ったことについても、消費課税、所得課税に比べて資産課税が少ないことからも相続税からの回収には意味があると言える。しかしながら、上の目的の為に個人の財産に掛かっていく、言い換えれば、私的自治・財産権VS公共の福祉といえる。さらに控除額に関して、相続人が一人と複数の場合を比較すると、明らかに税額がことなり、非嫡出子の最高裁判決が生まれながらにして変えることが出来ないことから違憲となったことを考えると、憲14条違反の可能性すら感じる（今まで税金関係で１つも違憲判決が出ていないとはいえ）。

　思うに目的と手段が合理的という理由だけで、相続財産を累進課税で取ってよい理由にはなっていない。確かに資産の固定は避けなくてはならないが、今の制度には次の問題がある。莫大な相続税、分割協議の煩雑さ、登記の諸費用、家がある場合の方が固定資産税が安い（分割中の税金は共有により等分されるから放置の方が楽）、相続登記に強制力がないことから長い間放置している間に相続人が増えて事務量が膨大になってしまい結局放置、土地がなかなか売れない。これらの問題が820万個にのぼる空家問題へと繋がっている。

　思うに、まずは相続税を安くすべきと考える。確かに贈与税に比べれば安くなるケースが多いとはいえ、上の代から受け継がれるものから税金を取ろうという発想が国民には受け入れられないというのがこの結果と言える。仮に莫大な土地を相続したとして、毎年の固定資産税を払い続ける為には運用が必要になる。すると相続税で無理矢理取らなくとも、運用に失敗すれば市場に出回るし、成功すれば所得税やキャピタルゲインなどの資産課税での回収が可能になる事を考えれば、相続税の必要性が乏しく思える。むしろ相続税は無しにして、第三者も介入しない状況で所有権を保護し、その後の売却・運用は相続人に任せた方が経済の循環が進むと考える。取ったとしても比例で少な目が望ましい。その代わり、前述したように分割協議終了までの期間を設けるべきと考える。

相続税の問題だけでなく譲渡所得税の問題も空家問題には大きい。

	所有期間	所得税	住民税
長期譲渡所得	5年超	15%	5%
短期譲渡所得	5年以下	30%	9%

投機目的の不動産取得防止のために5年以下は30%になっているが担税力だけに焦点を絞った的外れな政策としか考えられない。株の分離課税が一律20%なのとも整合性が取れず、あるところから取るというように哲学を全く感じない。さらに3%程度とはいえ、不動産を取得しても不動産取得税を取られるのもおかしい。不動産で登記だけでもお金がかかるのに、さらに売っても買っても税金を取られるのなら不動産市場が活性化しないのもうなずける。さらに相続の段階で売れるか分からないような土地を相続すれば、相続税を払い買い手を探して、税金を取られてまで売却を考えないだろう。動産のように簡単に売買ができる仕組みを不動産でも作る必要があると思われる。仮に投機目的であったとしても、バブルのような法外な値段にならないように法律で管理する方が税金での抑止より経済的にも有益であると考える。これらのことより、相続で所有権を保護し、流通しやすくなった中古不動産市場を使い相続財産を売り易くする仕組みが必要である。

相続と社会保障

　高齢者が社会保障費を捻出するのは大変である。唯一の財産が家屋敷のみというのもよくある話である。仮に家を売ろうとしても、前述した税金、不動産売買のシステムの壁から簡単に売却出来ないのが現状である。そこで注目されるのがreverse mortgageである。生前のうちから現金を調達できるし、要件の厳しさはあるが、売れない土地で相続や税金の問題を事前に解決できる手段として有益と考える。

　前述した全てのことを見直すことにより、所有権や個人の権利などを保護しつつ、不動産の利用価値を重視することにより中古不動産市場を活性化させることが出来る。それにより、福祉施設の建設費が抑えられ、莫大にかかる社会保障費に大きく貢献すると考えられる。

　以上のことより、物権変動理論、相続、税制を見直すことにより社会保障に大きく貢献する。

　

意見：気が付いていたのだが、長い間誰にも言わなかった言葉がある。不完全物権変動説のような難しい法理論を理解する喜び、それを使っていつか仕事する期待、飯のタネ、多くのことからこの言葉を伝えることが出来なかったが始めてれそれを言おうと思う。

ITの発展により便利な世の中になったが、「今の老人が使えないIT技術、例えばインターネットやATMにどれだけの価値があるのだろうか」と少し前に叫ばれたことがあった。そこから難しいC言語や一般人が使えないITから、誰しもが使える技術となり爆発的な成長を続けている。私は法律も同じようにあるべきだと思う。一般人が理解できない、使えない技術に価値はない。法律もインフラとして成長する時期に来ているのではないか。そして法律家たる我々は法律を知らない一般人にこそ寄り添い、世の中をよりよく変えていくべきと思う。

参考文献　自分の頭、中江先生のノート

嶋野加奈子

「相続と税」

　私は、今の不動産価値を考え直す必要があると考える。

1. はじめに

　人間は生まれたら必ず死ぬ。……初めてそう聞いたのは小学生の夏だった。死んだら自分の権利や義務、そして、集めた財産はすべて私のものではなくなる。では、一体誰のものになるだろうか。そこで出てくるワードが「相続」である。「相続」といっても、方法は様々である。何も意思を遺さずに民法のとおりに配分される相続もあれば、「死んだらあげるよ」と死ぬ前に誰かに譲り渡す死因贈与、そして、よく昼のドラマなどである「死んだら○○さんに○○円あげる」と遺言で愛人（愛人とは限らないが）などにあげてしまう遺贈……などなど。

　このような様々な相続の方法があれば、もちろん争いごとが起こるのは言うまでもない。相続とは一体何か。そして、私たちが生きていくうえで関わりが深いのが「税金」である。死んだら税金は取られない……はず!?その謎を考えてみたいと思う。

2. 相続とは

　まず税金は何かということを考える前に「相続」というものについて考えてみたいと思う。民法882条によれば「相続は、死亡によって開始する。」とあり、被相続人（相続される人）が死ぬことによって始まる（相続される人は「相続人」という）。自分が死ぬ前に財産を使い切る必要なく、家などの財産は家族や好きな人（遺言などで）に遺すことができる。しかし、相続が想定しているものは「遺族の生活保障」であり、それを侵せないのが遺留分制度である。民法900条には法定相続分が、同法1028条には遺留分規定がおかれている。

＜法定相続分及び代襲相続の可否＞代襲相続…被相続人の子が相続開始以前に死亡などによって相続権を失ったとき、その者の子が代襲して相続人となること（民法887条）。

		妻	遺留分	代襲
子	1/2	1/2	1/2	◎（何代でも可）
父母	1/3	2/3	1/3	×
兄弟	1/4	3/4	0	○ 一代のみ（民889条第3項）

　ちなみに、相続は必ずしなければならないものではない。放棄することもでき、これを相続放棄という（民法938条）。相続放棄をした場合、放棄をした者は最初からその相続に関して、初めから相続人とならなかったとみなされる（同法939条）。

　上記の相続分は法定相続であり、遺言（いごん）によって被相続人が相続分を決めることができる。ただし、民法1028条の遺留分規定を侵すことはできない。他にも「死んだらあげる」という死因贈与、遺言によってあげるという遺贈など方法は様々である。

　では、相続財産は何か。民法には「共有」という概念が存在する。主に出てくるのは相続財産、組合（民法667条）、入会権（同法263条：物権の中に出てくる権利で山に入ってたきぎをとる権利のことをいう）のところで出てくる。

	種類	持分権	分割請求権
相続財産	共有	〇	〇
組合	合有	〇	×
入会権	総有	×	×

共有は持分権、分割請求権がともにあり、合有は持分権はあるが、分割請求権がない。総有は山を地区の住民全体で持っていると考えれば自分の持ち分はないし、もちろん「〇％は私のものだ!」と請求する権利もない。一言で「共有」といっても、相続財産でいう共有と、同じ山をみんなで所有する共有（総有だが…）は違うということである。つまり、相続財産は一度、相続人間で共有のものとなり、遺産分割協議（民法906条）を経て、分けられるということである。一度、入り混じることにより、余計に複雑かつ、混沌としやすくなってしまう。「財産」というものであるからこそ、争いも避けては通れない。

＜相続に関する判例＞※「取消と登記」はベースのため、相続に関する判例ではないが載せておく。

	判例	備考
取消と登記	取消前⇒民法96条3項で第三者の勝ち 取消後⇒対抗関係（登記があるほうが勝つ）	取消後は民法177条「公示の原則」を採用。
相続させる旨の遺言と登記	遺贈による指定ではなく、相続方法の指定であるため、登記なしで対抗ができる（対抗問題とならない）。	相続方法の指定のため、遺産分割協議を経ずに所有権が移転する
共同相続と登記	持分については登記なくして勝てる。
遺産分割と登記	協議前⇒909条により登記なくして第三者に勝てる（遡及効あり）。 協議後⇒177条の対抗問題。	判例は移転主義（遺産分割協議により相続人へと所有権が移転する）を採用。
相続放棄と登記	第三者が負ける（対抗問題とならないため）	相続に登記不要。
遺贈と登記	対抗問題（登記があるほうが勝つ）

　相続財産は金銭以外にも、土地や家などの不動産であることも多い。そのために不動産である場合、所有権の所在を明らかにするために「登記」というものが必要である。「この家は私のものだ！！」と主張するには登記を必要とし（民法177条）、登記があることで所有権の所在を明確にすることを公示の原則という。日本ではまず、売買契約において「売ります」「買います」といった意思の合致で契約が成立し、この時点で所有権は移転しているといえる（意思主義ともいう、民法176条）。しかし、家などの高価なものの場合はきちんと証明をつけよう、ということで登記が家の所有権者を証明するものとなった。反対に、鉛筆などの動産では登記は必要ない。「売られた鉛筆は売り主のものである」ということを信じて買った場合はその人を保護する、といった取引の安全を考えた原則を公信の原則という。

　上記のようなことから考えていくと、家は登記による証明によって所有権を証明することになるのだろうか。しかし、世の中には「取消と登記」といったような場合も存在する。

A⇒B⇒C

�@AはBに脅されて家を売った。

�AAはこの売買を取消

�BBはCに家を売り、Cは登記

この場合、Cの出現時期によって結論が変わると判例では出されている。

＜Cの出現時期＞

�T.Cの出現がAの取消前⇒96条には脅迫の場合において、3項がないためAが勝つ

�U.Cの出現がAの取消後⇒177条の対抗問題により、登記のあるCが勝つ

納得がいくような、いかないような…(笑)上記の事例はAのところにも、Cのところにも所有権がある状態であるため、二重譲渡類似型ともよばれる（実際、二重譲渡ではないが…）。そしてもうひとつ、学説では94条2項類推適用説というものがある。えっ、96条の話なのに94条2項類推適用!?その謎について検討していきたい。

3. 94条2項類推適用は便利?

　そもそも94条2項類推適用とは何か。その前に、94条2項とは何か。民法94条では意思表示のなかの「虚偽表示」について規定している。1項では「相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。」とあり、続いて2項に「前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」と規定している。94条2項は「虚偽表示で無効であったとしても、善意の第三者が出てきた場合は、虚偽表示によって移した家などを善意の第三者から取り戻すことができない」ということをいっている。ここでいう「善意の第三者」とは、前の契約が虚偽表示であり無効であったということを「知らなかった（＝善意）」第三者のことである。逆にその事情を知っている人のことを悪意の第三者という。ちなみに、94条は登記が絡んでくるため、不動産の取引においてのみ使われる（by 吉野孝則氏）。

　そして、この94条2項の例ではないが、94条2項に状況が似てない!?ということで使ってしまおうというのが94条2項類推適用という方法である。先ほどの事例で考えてみると……。

A⇒B⇒C

�@AはBに脅されて家を売った。

�AAはこの売買を取消

�BBはCに家を売り、Cは登記

この場合、94条2項類推適用を使うと以下のような結論になると考えられる。

�T.Cがいつ買っても善意ならば⇒Cの勝ち

�U.Cがいつ買っても悪意ならば⇒Aの勝ち

たしかに、この方がすっきりとしていて、いつ買ったかによって分ける必要がないのでわかりやすい。しかし、「善意」と「悪意」はあくまでもCの主観にすぎない。それに、類推適用は「似ているから使ってしまう」という、ある意味裏技のような方法だからこそ、濫用すべきではないと思う。

　このように、単独で物権を考えても難しいのに、相続が絡まるともっと難しくなるのは言うまでもない。また、実際の取引や相続が起こった場合、私たちには「税金」というものが課せられる。今度は税金という面から物権や相続を考えていきたいと思う。

4. 死んでも税金!?

　死んだらそもそもの権利や義務はすべて抹消されるものである。そのため、義務であるはずの「納税」は死んだら負わなくてもいいはずである。しかし、死んだ人間は負わなくても良いが、相続をする人間は相続することと同時に相続税を払わなくてはならない。相続税だけでない。相続のほかにも税金を払わなくてはならない箇所がたくさんある。相続税の対策として、生前贈与をする方法もあるが、果たして、どうしたら税金を払う額は少なくて済むだろうか。

＜相続、遺贈、生前贈与、死因贈与の税金＞※ここでは対象物を家や土地などの不動産であることを前提としている。

	税	贈与税	相続税	登録免許税	譲渡所得税	不動産取得税
相続	安い		〇	△
遺贈	中		〇	△	〇	〇
生前贈与	高い	〇	〇	〇	〇	〇
死因贈与	中		〇	〇	〇	〇

　売買契約の場合、不動産を売る方も買う方も税金を払うことになる。売り手が払う税金を譲渡所得税、買い手側が払う税金を不動産取得税という。これらがかかる分、物権変動を伴うと税金も高くなりやすい。相続税の対策として、生前贈与を行うというのは税金を多く払う方法でもあるということだ。しかも、生前贈与を行う場合は相続税も払わなくてはならないため、生前贈与は税金を徴収する側にはいい方法であるが、払う側にしてみたら高くなってしまう方法のため、オススメはできない。

　相続税は累進課税である。この理由も吉野孝則氏によれば「資産を3代で使い切るため」だという。資産が偏らないようにするためだ、といわれても納得がいく。しかし、被相続人が金持ち＝相続人も豊かになるというのは少々違うような気もする。何かを行う機会が平等であるならば、多少の資産の偏りはある意味仕方のないことなのかもしれないが、相続税はそれを許さない。

5. 家を担保にreverse mortgage

　家を担保にして介護等の費用を拠出する方法をreverse mortgageという。メリットとしては、自分の家を売却することなく、住み続けたまま融資を受けられることがメリットである方法ではあるが、融資を受けられる物件の制限があったり、推定相続人のreverse mortgageへの同意が必要だったり、といったデメリットも存在する。実は、この推定相続人への同意を取ることを必要とする点において、相続の根幹的な問題点があるように思う。

　相続で家などの不動産を取得した場合、相続登記をする必要がある。しかし、この相続登記は強制力もなければ、必須ではないために放置されてしまうといった問題点がある。また、代が変われば相続人も変化し、人数にも変化が出てくる。そうなると、最初に相続登記を放置してしまった人から探し出さなければならず、家ひとつを中古不動産市場に出し、動かすために膨大な作業量が必要となってしまう。中江章浩氏によれば、家が建っていると固定資産税が安くなるといった理由もふまえた上で、これらの相続による原因を相まって中古不動産市場は活性化しないと指摘する。中古不動産市場を活性化させ、お金を動かすためにも、相続登記は強制であり、必須とすべきであると考える。

　なお、私の考えでは、reverse mortgageにより投資された不動産が増えると、さらに中古不動産市場は活性化しないのではないかと考える。投資された家を業者が受け取ったとしても、家ばかりが増えてしまい、結果として820万戸の空き家は増え、お金に換えることもできずに、不動産と金銭の動きが滞ってしまうのではないだろうか。不動産という価値のある「物」は融資する側としては手に入るが、土地の価値の変動が激しいこの日本では、融資に対して、不安定な対価であるだろう。それはあまりにも平等な借金とはいえないように感じる。高齢になったらお金もない（人によるかもしれないが…）、だが介護や医療でお金は必要となる。このような融資やお金の動き方では、国だけでなく、民間企業も破綻するのは時間の問題である。

6. まとめ

　したがって、現在の不動産価値を見直す必要があり、相続登記も相続したときから強制とすべきである。

【参考文献など】

・民法�T�W　内田貴著　東京大学出版

・リバースモーゲージとは？（http://www.joyobank.co.jp/woman/column/201612_03.html）

・相続法　授業ノート

スペシャルサンクス⇒中江章浩先生、吉野孝則氏　相続法で意見を発言してくださった方々

伏見拓海

「相続と税」

私は人が亡くなった際の相続問題、未来を進むために税金の仕組みについて理解しなくてはならないと感じた。

　1.はじめに

　私は相続に関して、どの様な問題が起こるか、人が亡くなった時に発生する税金や手続き等に関心がありませんでした。人が亡くなった際に発生する税金や配分について。また、今後私自身が将来家やマンション等を購入する際に起こる問題等についても考えていきます。キーワードに沿って私が注目する部分を私なりに考えてみます。

　2.相続について

　相続とは、人が死亡した場合、被相続人がもっていた財産を、相続人が引き継ぐことです。被相続人の財産は、その時点で当然に相続人が承継しています。これを法定相続といいます。遺産分割は、この法定相続の割合を、相続人で変更することです。

　相続人とは、配偶者や子など被相続人と一定の身分関係にある者をいいます。その順序や取り分は、法律で定められています。亡くなった人の奥さんに胎児がいた場合も相続人になります。

　相続されるのは、不動産・現金といったプラス財産だけではありません。借金・ローンなどのマイナス財産も含めた財産が対象となります。しかし、相続人はその意思に反してまで、相続を強制されません。明らかに負債が多いときは、相続放棄をすることができます。借金はあるが、プラス財産で支払って財産が残る場合であれば、限定承認することもできます。借金の負担が相続人にくるのは少し悲しいことです。この手続きは必ず行う事。亡くなった人の残した財産が、プラスの財産が多くても相続せず、マイナスの財産が多くても債務の負担をしないことで、相続放棄するとその法定相続人は初めから相続人でなかったことになります。相続放棄は各相続人が、「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」に、家庭裁判所に対して「相続放棄申述書」を提出しなければならず、家庭裁判所に認められれば、「相続放棄申述受理通知書」が交付されます。

　この期間内に申述しなかった場合は、単純承認したものとみなされます。これは相続する際のお金のトラブルや相続人問題に巻き込まれないようにということでしょうか。私は家庭が出来た際には必ず何か大きな財産を残したいと考えます。それが私の購入した家でも形に残る財産があるといいですね。

　相続について財産が相続人に引き継ぐことを説明しました。ここで人が亡くなった時に発生するのが相続税といいます。亡くなった人の財産をもらったときにかかる税金のことをいいます。

　まず財産とは、家や貯金、株式など、お金とお金に換算できるすべてのものです。ここで相続税に関して私は調べていくうちに疑問を感じました。所得税を払っているのになぜさらに相続税を払わないといけないのか。次の例を挙げて説明します。同じ稼ぎをしているAとBがいることにします。Aは稼いだお金を好きに使えます。一方で、Bは稼いだお金を全部家に入れています。これでは不公平があります。したがってAの方から相続税という形でお金を取り、財産が集中しないようにする。「働かないで手に入る所得には税金をかけましょう。」また、「一部のお金持ちに財産が集中することはやめましょう。」という考え方により、日本では相続税がかかるのです。

これを見て私は税金によって貧富の差が大きくならないようになっているのではないかと考えます。財産が固まってしまわないようにという考えもあります。

　3.遺言と相続について

　相続に関して起こる問題として遺言があります。遺言よって与えられる財産として「遺贈」があります。これは自分の財産を無償であげること。一般に、遺言書で「遺贈する。」と書いておきます。そうすると、相続が開始したときに遺贈の対象財産があれば、その財産をもらう人に贈与の手続きができます。

　遺贈は遺言者の意思で自由に決めてもよい。

　この遺言では次のような例を挙げて説明します。亡くなった夫が遺言で「子供ではなく愛人に全額渡して欲しい。」との遺言がある場合。子供は相続できないのか。いいえ、そんなことはないのです。愛人にすべて財産が行ってしまった場合遺族の子供は生活が難しくなる。遺言者はお互いを愛している。そこで遺留分を使うことでお互いのためになると私は考える。

　仮に亡くなった夫が1億円の財産があるとする。遺言通りになれば愛人に入ることになる。しかし困ってしまうのは家族である子供は法律上で相続人になる。ここで遺留分の登場ということです。民法第1028条によると、兄弟姉妹以外の相続人は遺留分として財産がもらえると規定がされている。

【1】 直系尊属のみが相続人である場合は被相続人財産の3分の1

【2】前号に掲げる場合以外の場合は被相続人財産の2分の1

　

この様にあります。つまりお互いに5000万の財産が行くことになります。これにより遺言者の意思も反映される。調べている際に感じた事として、この様な海外ドラマを見たことあるなと感じました。

　4.不動産、土地について

　不動産を相続した際に必要な登記についてです。授業内でこれが裏のテーマであるとのことで、これも重要な部分であると感じます。相続登記とは、被相続人が亡くなり、相続が発生したときに被相続人が所有していた建物や土地などの、不動産の名義変更手続きのことをいいます。

　ではなぜ名義変更をしなければならないのか。土地を例にします。このとき必要なのが、この土地が確かに土地を売ろうとしている人（＝売主）のものであるのかを証明しなければなりません。これを証明するのが土地の登記簿謄本です。たとえ、土地を相続したのが確かであっても、所有者であることを公的に証明するには、所有権移転登記をして、相続人の名義に変更しておかなくてはなりません。この登録変更、つまり相続登記をしてはじめて土地を売ることができます。民法では、不動産の登記について罰則や義務の定めは一切なく、全て所有者の自己判断に任せられています。この相続登記の手続きを怠った場合様々なトラブルが発生することになる。

【1】そもそも、名義変更していないと不動産の所有者として売却ができない。

【2】長期間そのままにしておくと相続人が変わったり、増えたりして名義変更がむずかしくなります。

【3】遺産分割協議によって合意したにもかかわらず、そのままにしておくと、一度は納得して遺産分割に同意したけれど、後で不満が生じて同意を撤回した場合は、分割した不動産を自由に売却することができなくなります。

相続登記から連想する問題についてです。次に不動産の登記に対する信頼の保障についてです。まず、A、B、Cの人物がいるとする。権利者AではなくBの名義になっている場合に、第三者Cがそのような登記を信頼して登記名義人Ｂと取引したとしても、Cは権利を取得できないのが原則である。真実の権利関係と異なる外形（公示方法）が存在する場合に、その外形を信頼して取引した者は外形どおりの権利を取得できるという効力を公信力と言うが、不動産の登記にはこの公信力がないからである。

そこで、真実の権利関係と異なる登記に対する信頼を保護するための理論として判例によって展開されたのが、民法94条２項類推適用の法理です。

同条項は虚偽表示によって作出された外観を信頼した第三者を保護するための規定であるが、この規定を相手方との通謀や虚偽の意思表示が存在しない場合にまで類推することによって、不実登記に対する信頼の保護を図ることがなされている。このように、94条２項類推適用は、登記に公信力がないことを不完全ながら補うことによって取引の安全を図るという重要な機能を果たす。

次に土地や建物、株式等を売る際に税金は発生します。不動産を例にあげます。不動産の売却によって売却益が出た場合、「譲渡所得税」という税金を納付する必要があることです。譲渡所得税とは、不動産の売却により生じた所得に対してかかる税金のことを言います。譲渡所得税の納付は、確定申告の手続きを行うことになります。

不動産の売却の利益が出た際にも譲渡所得税という形でとられている。某フリマアプリも似たように売り上げから手数料としていくらか引かれている。そんなイメージを感じました。

　5.物権取引について

物権取引の安全を図るために、公示の原則と公信の原則の二つの基本原則が存在する。まず公示の原則とは、権利の変動それ自体は目に見えないから、第三者にその存在を知らせるためには、外部から認識することができる形式をともなわなければならない。もし、権利の変動を外部から認識できなければ、権利を喪失した者を依然として権利者であると信じて取引をする第三者が現れるおそれがある。とりわけ物権は排他的効力を有するので、第三者に不測の損害を与えるおそれが大きい。物権の変動を外部から認識できる状態に置くことを、「物権変動の公示」といい、公示のために用いる手段を「公示方法」という。物権には排他性があることから、物権の変動には公示が要求され、公示のない物権変動の効力は多かれ少なかれ否定される。これを公示の原則という。

次に公信の原則とは、物権変動の公示は、必ずしも真実の権利関係を正しく反映しているとは限らない。公示によって権利を有するとされている者が、実際には、権利者でない場合も存在しうる。そのような場合に、公示を信頼して取引をした者が、相手方が実は無権利者であるから権利を取得できないとなると、取引の安全を著しく害することになる。そこで近代法は、物権変動の公示を信頼して取引した者は、たとえ公示が真実の権利関係と一致しなくても、公示どおりの権利を取得することを基本原則とした。これを公信の原則という。

公示の原則の下では公示のない物権変動はその効力が否定されるが、効力否定の程度については、二つの立法例がある意思主義・対抗要件主義と形式主義があります。日本民法は意思主義、対抗要件主義の立場である。これは、物権変動は当事者の意思表示のみで有効に成立するが、公示がなければ第三者に対抗することができないとする立法例。

公示を信頼して取引した者は、譲渡人の権利の有無にかかわらず、公示通りの権利を取得する。私の見解として、公示がなければ、物権変動を第三者に対抗できないということになると考えます。

6.老後について

老後に関して誰もが不安を感じていると思います。特に今後、少子高齢化が進むことで経済の縮小が見られます。最低でも3000万が老後に必要とあります。消費税率や社会保険の負担で足りないかもしれない。そこで、reverse mortgageといった方法があります。reverse mortgageとは、家を担保に金融機関に借りる仕組みです。借りたお金は、死亡した後、相続人が「自宅を売却するか」「残債を支払うか」で精算します。ここで住宅ローンとの違いでは、住宅ローンが住宅購入のために借りたお金を毎月返済していくのに対して、reverse mortgageは老後資金を借り、死亡後に住宅の売却で一括返済。住宅ローンとは真逆といったやり方になります。これは相続人の同意が必要です。自宅の処分をめぐるトラブルを避けるために、ほとんどの金融機関では、あらかじめ推定相続人の同意が必要となっています。

次にメリット、デメリットについてです。

　・メリット

自宅を売却することなく、老後資金を得られることです。引っ越しが無く一定の生活費を得ることが可能です。契約者が死亡した後も、配偶者に契約を引き継ぐことができる商品も多数あり、そのような商品を選べば、配偶者が自宅を失ってしまう心配もありません。高齢者でも融資を受けられる場合もあります。

　・デメリット

長生きのリスク「融資限度額」までお金を借りると、当然のことながら、それ以上はお金を借りられません。何歳生きるかが問題です。例えば、融資限度額が1500万円の場合

・10年なら月12.5万円（= 1500万円 ÷ 120ヶ月）

・25年なら月5万円（= 1500万円 ÷ 300ヶ月）

と、月々の生活費に差がでてくることになります。私からしたらかなり大きな差だと感じます。融資限度額を超えてしまった場合は融資がストップとなり担保割れが発生します。金利や不動産価値の下落などもあります。現在は、歴史的な超低金利時代ですので、利息の支払いが少なくて済みますが、reverse mortgageは、長期間契約をする商品です。今後、20年、30年と利用していく中で、国の政策や社会情勢などで金利が大幅上昇にして、負担が大きくなることも十分にありえます。そうなれば、毎月の支払い利息が多くなり、融資上限額までの到達が早まることで、想定より何年も早く融資がストップすることが十分あります。自宅の担保評価額は、1〜3年に1回のペースで見直しが行われますが、このとき、担保評価額が下がれば、融資限度額も同様に引き下げられます。自宅を売却した場合と違い、reverse mortgageは、常に地価の変動に影響されると思った方が良い。経済の動きによって融資限度に大きな差が生まれる商品だと感じます。

reverse mortgageは、リスク回避として商品選び、老後の資金計画といったことがあげられます。私はreverse mortgageより、住宅ローンを選びます。人は将来何が起こるかわかりません。未来を予測できればいいのですが、それは現在できません。メリットよりもデメリットの方が強い気がします。冒頭部分でも私は少子高齢化等で、日本経済は縮小していくと考えます。国の制作によって税金などが上がったりすることで、金利に影響が出てくる場合もあります。先に融資してもらうシステムよりも老後を考えた今の取り組みや、行動が大事だと考えます。

7.所有権について

　まず、共有は「所有権」を複数の人で持ち合っている状態です。複数の人が持ち合っているものが「所有権以外の権利」の場合には、共有と区別して「準共有」と呼ばれています。準共有の対象となる権利としては、用益物権、担保物権、賃借権、著作権、特許権、鉱業権などがあります。共有以外にも、モノを所有する形があります。「合有」と「総有」です。合有の例としては組合財産が、総有の例としては一般に入会権、権利能力のない社団があげられます。取り扱いの際に、共有とは異なった特徴を持っています。

　合有では、各共同所有者が持分を潜在的には有しているものの、持分の処分の自由が否定されていますし、目的物の分割請求の自由も認められていません。具体的にいうと、組合員は組合財産に対して持分を持っていますが、それを処分したとしても、組合や組合と取引した第三者に対抗することができません。

また、総有では、各共同所有者は潜在的にも持分を持っておらず、目的物に対して使用・収益権を有するのみです。持分がなく、共同目的達成の場合団体的結合ができる。個々の目的が強いため分割請求がない。脱退時のみ払い戻しができる。

　財産や借金もメンバー全員のモノであるため、個々の責任感も重要であると考えます。

8.中古不動産市場、空き家問題について

　これに関して、私も現在空き家だった場所に住んでいることから、中古不動産市場に関して興味があります。私は住んでいて悪くはないと感じます。

日本では、年々空き家が増加していることが現状として見られます。総務省が2014年7月に発表した「住宅・土地統計調査」によれば、2013年10月1日における日本の総住宅数は6063万戸で、このうち空き家は820万戸となっています。訳7〜8軒に1軒が空き家といった現状です。原因として新築住宅の供給過剰や、少子化の進行で住宅を相続する子供が減ったことがあげられます。日本では欧米のような中古市場に対する価値を見出していないため、新築志向が強すぎるということも原因と考えられています。日本市場では圧倒的に新築住宅が多く約8割強が新築住宅といった状態です。欧米では真逆で、中古販売の方が活発です。つまり、欧米では中古住宅の価値が認められているのに対して、日本では中古住宅の価値が非常に低くなっている。住宅用地については税負担を軽減する目的から課税標準の特例措置が設けられています。小規模住宅用地の場合の固定資産税の特例措置では、価格×6分の1となっています。

なお、空き地の場合は、住宅用地以外の土地とみなされますので、この固定資産税の特例措置の対象とはなりません。

　そこで、空き家の増加が深刻化する中で、政府主導による空き家対策特別措置法が2015年5

月から始まりました。「倒壊の恐れがある」「衛生面で有害」「著しく景観を損なっている」などに該当する「特定空き家」に認定されると、固定資産税の特例措置が適用されなくなると同時に、市町村が撤去を命じることが可能になるというものです。一般的な空き家はこの特定空き家に認定されることはほとんどなく、明らかに近隣に迷惑や危険を生じさせる空き家に対してのみ適用されることになります。中古不動産市場では、最近低価格な中古住宅を積極的に買おうという人が増えてきています。今後、この流れが定着して一定の中古住宅が確立されることが予想されます。

　バブル崩壊以降長らく低迷していた不動産市況も回復傾向にあります。2015年9月に国土交通省が発表した基準地価でも、東京や大阪などの大都市圏を中心に地価の回復傾向が鮮明になっています。また、2020年に東京オリンピックが開催され、円安の傾向にあります。外国人による日本の不動産購入が活発化していることも地価上昇に拍車をかけています。この状況は東京オリンピックまで続くとされています。

　しかし、今後消費税の増税問題といったことを噂されます。今後増税が起きた場合、一気に需要が落ち込むというパターンが繰り返されてきました。私自身も増税はあまり嬉しいニュースではありません。日本政府が今後増税を考えている際にどのような取り組みを行う方針なのかという部分から私も経済政策により視野を持つようにしなければならないと感じました。

9.感想

　今回相続と税に関してレポートを作成するにあたって、調べる内容が多く私がどれだけ相続に関しての知識が浅いのかと感じました。相続や税は、自分の未来のためにより深く学んでいく必要があると感じています。将来家庭持った際に家を買う時にどの様な選択から購入するのか。相続に関して、テレビやネットからトラブルが多い事を聞きます。様々場面から自分が相続に関する知識、不動産市場の流れを知っておくことにより社会にでるための準備にもなります。また、中古不動産市場は今後大きく拡大していくと感じます。2020年の東京オリンピックもあり、外国人観光客が年々増えています。日本の文化や四季、電機や水道、ガスといった面で安定しており、優れている国だと私は思います。治安もよいと評価されています。その面をアピールしていくことで中古不動産市場は活発的になると考えます。

参考文献、引用文献

・相続の基礎知識　「相続とは」

http://sozokutetuduki.com/index.html

・相続税・贈与税・遺言の部屋　相続税とは、遺言とは

http://123s.zei.ac/souzoku/donnnasouzoku.html

・遺産相続の手続き＆相続放棄ガイド相続放棄とは

https://www.a-souzoku.net/2007/07/post_8.html

・ゼミホームページ　第9回民法例題　嶋野加奈子さん、遺言について

http://amazonia.bakufu.org/

・公正証書遺言＠安心サポート船橋遺贈とは？

http://www.nokosu.biz/14115468704859

・遺産相続、相続登記とは

http://www.tt110.net/05isan/F2-souzoku-touki.htm

・民法まとめ

https://www.minpou-matome.com/民法総則/意思表示/民法94条%EF%BC%92項の類推適用/

https://www.minpou-matome.com/物権/物権法総論/公示の原則と公信の原則/

・フクフネ不動産、reverse mortgage

https://fukumane.jp/reverse-mortgage/

・日本の不動産中古物件市場の現状と今後の動向

https://keni-review.info/準備編/現状と今後の動向/

・共有不動産の所有権

http://gentosha-go.com/articles/-/11702

三島崇史

相続法　

テーマ：〜過失とはなにか〜相続と税

キーワード：相続税・譲渡所得税・中古不動産市場・reverse mortgage・相続登記・公示の原則・合有・遺贈・相続放棄・94条2項の類推適用

結論：相続法は様々なトラブル回避のために必要で、国民すべてに周知徹底すべきである。

根拠となる判例

熟慮期間は、原則として、相続人が前記の各事実を知つた時から起算すべきものであるが、相続人において相続開始の原因となる事実及びこれにより自己が法律上相続人となつた事実を知つた時から３か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかつたのが、相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、このように信ずるについて相当な理由がある場合には、民法９１５条１項所定の期間は、相続人が相続財産の全部若しくは一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべかりし時から起算するのが相当である。　　　　　　　　　　　　【最高裁昭和５９年４月２７日判決】

1．はじめに

　人が亡くなったとき様々な問題が噴出する。それを問題とみなすか否かは個人によるが、その時”問題”として取らないようになれば苦労しないと考える。相続と税はその”問題”の主となり得るだろう。私は、相続と税を考察するうえで法の抜け道を考える癖があり、その法の抜け道に対する賞賛と批判について論じたい。今回、漫画『ナニワ金融道』の登場人物と事件を一部引用して考察した。

2.相続・相続税とはなにか

　人は死亡により、相続人がいる場合、相続が可能となる。死亡には失踪宣告や認定死亡も含まれる（民法882条）。死亡した人を被相続人、遺産を受け取る人を相続人と呼ぶ。家族などは法定相続人であり、遺言による法定相続人以外の者にモノを譲る場合は相続ではなく、遺贈と呼ぶ。

　相続・遺贈にはプラスになることとマイナスになることがあるため注意が必要である。

　例えば、相続・遺贈されるものが土地と借金であった場合、土地の価格が1000万円で借金が2000万円だとすると相続・遺贈人は得をしない。このため相続を放棄することができる。これを相続放棄と呼ぶ。仮に借金より土地のほうが高ければ、相続・遺贈人は得をするため、相続・遺贈を承認する。このようにプラスの財産とマイナスの財産の両方を承認し受けることを単純承認と呼ぶ。　　 　　

しかし、相続・遺贈を受ける財産が果たしてプラスに転じるのか、マイナスに転じるのかわからない場合がある。その場合、債務の支払い責任をプラス財産の範囲内にとどめる相続・遺贈がある。これを限定承認と呼ぶ。相続・遺贈は原則、死亡から3ヶ月以内に行わなければならないため、時間の猶予が短く、死亡した人がいくらのプラスマイナス財産を所持しているかわからない。この場合、「財産がいくらあるかわからないから、限定承認をとりあえずしておいて、プラスならもらって、マイナスなら放棄しよう…。」と一見思いがちである。今日、限定承認はほとんど用いられていない。

なぜなら、限定承認は相続人が複数人いる場合、全員で行わなければ限定承認ができないこと。また、譲渡所得税がかかる場合があることである。単純承認した場合、被相続人が家や土地などを取得した状態をそのまま相続人が引き継ぐことができるが、限定承認した場合、古い土地など、時価が高騰していたとき、自宅不動産に対して譲渡所得税が発生するのである。そのため、限定承認をしたことでマイナスに転じることもある。限定承認を行うメリットがある人は、土地などが高騰していなくて自宅を守りたい人、また被相続人が不動産を所持していても、それを超える多額の借金が存在しうる可能性がある場合である。

　このように、相続(遺贈)には3つの種類が存在する。相続を放棄する場合には税金は相続税はかからないが、単純承認、限定承認をした場合、相続税がかかる。

　自分の家の財産を受け取る際になぜ税金がかかるのだろうか。その理由の1つに富の再配分というものがある。

　相続税は法定相続人の数によって基礎控除額が変動する。そのため、相続人の誰か一人のみに財産が集中してしまわないように、高額な財産を相続する相続人に対して相続税を課している。こうすることで、相続人1人のみが”お金持ち”になるのを防ぎ、格差社会を減らすことが相続税が課税されている理由である。

　また、相続財産は不労所得に該当し、他の税と比べ高い税率を課税されている。

　一般的に人は得をしたい。このように、一口に相続・遺贈で受け取る際も相続の有無、方法、相続税、譲渡所得税を考慮し、相続人になったら慎重かつスピーディーに3ヶ月以内(原則)に行動しなければならない。また、トラブルを回避するために、不動産相続が進むと、相続登記を行う必要がある。相続登記は必ずしも行わなくても罰せられることはない。ただ、その不動産を売却したり担保にする際、相続登記がなされていなければ手続きを進むことができない。

　相続と税に関して、得をしたいということだけでなくトラブルを回避することにも考慮することが重要である。

3.不動産の活用と所有者の保護

　不動産を活用し生活を送る方法としてreverse mortgage（リバースモーゲージ）が存在する。

reverse mortgageとは持家を担保に生活資金を融資し、所有者の死亡時に融資元が売り、一括返済する仕組みのことである。(ただし、売らないでそのまま住む方法もある。）

　持家を所有するが収入が少ない高齢者等が生活資金を確保する仕組みとして工夫されたもので、欧米で発達した。reverse mortgageの先進国であるアメリカでは、日本の中古不動産市場の10倍以上の規模があると言われ、制度普及に大きく貢献している。

　ではなぜ、日本ではこの制度が進んでいかないのか。それには中古不動産市場の流動性の違いがあげれる。

　流動性の高い市場（中古住宅が良く売れる）が存在することで、reverse mortgageの契約終了後、その担保となっていた不動産に、早い段階で買い手が見つかる。その結果、資金を融資していた銀行などは、流動性が低い場合に比べると、資金の回収がスムーズに行え、なおかつ利息によりプラスになる。

　それに対し、日本の中古不動産市場はマーケット規模が小さくまたそれを裏付ける調査結果も出ている。

　内閣世論調査(2004)によると、住宅を購入するとしたら「新築の一戸建住宅がよい」、「新築のマンションがよい」と答えた者（1,266人）に，新築の住宅がよいと思う理由を聞いたところ，「間取りやデザインが自由に選べるから」を挙げた者の割合が66.5％，「すべてが新しくて気持ちいいから」を挙げた者の割合が60.9％と高く，以下，「人が住んでいた後には住みたくないから」（21.4％），「中古住宅は，耐震性や断熱性など品質に不安があるから」（17.5％）などの順となっている。

　今後、我々若者が手にできる年金は少なると予想されている。そのとき、親から受け継いだ”家”を担保に住みながら生活資金を得られたら素晴らしいと思う。

　日本の中古不動産市場が活性化すれば、アメリカのようにreverse mortgageの普及という面をみると、それを後押しすることはできるが問題はそれだけではない。

　この制度は住宅だけではなく、土地に重きを置いて担保としている。アメリカと違い、住宅の耐久年数が日本は短く、中古住宅を嫌う傾向にある。そして、reverse mortgage制度では不動産の評価額が低くみられ、融資額は評価額の概ね50パーセント前後と低く設定されている。そのため、すべての人々が死までの生活資金の確保になりえないのである。

　よって、これから住宅の購入を考えている人は、土地の価格が下がるリスクが低いところを購入することで将来的にreverse mortgageの恩恵を受ける可能性が高まる。

　一度根付いた”新築文化”という価値観を緩めることが、空き家対策にもつながる。行政を中心として中古不動産市場の活性化を推し進めるとともに、reverse mortgageを利用する側への制度の認知を深めることが中古不動産市場の活性化につながるのではないか。

4.責任・債務の所在について

　私の父が、農業組合に属している。これは農業を行い米を作って売るという共同の目的の達成のために、団結的結合を作ることである。米を作った収益は、その家ごとになるが、組合の管理権は家ごとではなく団体にある。また、農業組合には作業用の小屋（財産）や農機具（財産）がある。しかしこの財産について家ごとに分割して請求することはできない。このようなものを合有という。

　仮にこの組合で分裂が起きた際、一人が農機具などの財産の分割を請求されると、組合は農業ができなくなる。総有などのサークル活動と違い、農業などの大規模なものはこのように組合組織で運営することが適正であると考える。

　各共有者は、持分を潜在的には有する持分の処分の自由が否定、目的物の分割請求の自由も否定される。（民法676条2項）

5.漫画『新ナニワ金融道』からみる不動産相続と登記のカラクリ

　

主な登場人物

孫野手建設会社　　 父…倒産　土地を担保にお金を日没ローンから融資を受けていた。

　娘…父が担保にしている土地を売りたくない

日没ローン…孫野手建設に融資していたが、帝国金融に借用書と担保である土地（1番抵当権）を売った。

帝国金融…日没ローンから債権を買い取り、孫野手建設に借金の取り立てに行く

土壺金融…のちに孫野手建設の土地に2番抵当を打つ

　孫野手建設が日没ローンから融資を受けた。その際、土地の一番抵当権を担保にした。その後、日没ローンは債権を帝国金融に売り、帝国金融はその債権回収のため孫野手建設に取り立てにいった。帝国金融は父と娘に対し土地を売ることを進めたが、娘が土地を売りたくないといった。借金は一週間以内に返すとし、帝国金融に待ってもらった。その間に、娘はお金を工面するため土壺金融に借金をした。その際の担保は土地に二番抵当権をうつことであった。債権を回収することよりも土地が”おいしい”ため、土壺金融は倒産した孫野手建設の債権を買取り、物権変動が起き、一番抵当までのしあがった。結末は、娘が土壺金融に借金を完済しようとしても受領拒否したことを帝国金融が指摘して、その感謝から帝国金融に土地の権利証を渡し売らせた、というものである。

　この漫画では頻繁に金融屋による不動産の抵当権など物権変動が行われている。そもそも、孫野手建設の父は法務局へ土地の登記を行っている。抵当権の物権変動は当事者の意思表示のみで生じることができるが（民法176条）、金融屋が担保として取る不動産は取引の安全を考えると、抵当権や所有権が移ったかどうかということを第三者からも分かるようにしておきたいのである。公示の原則により、今回の場合、不動産を登記してあることでその抵当権の権利が守られ、金融屋も安心して取引を行えるわけである。

　仮（金融屋ではあり得ないが…）に孫野手建設が土地を売る意思がなく、土壺金融が土地を買う意思がないのに、相談のうえで仮装の土地売買契約を締結し、土地の所有名義を孫野手建設から土壺金融に移したという場合には、両者間ではこの土地売買契約は無効である。従って孫野手建設は、この土地の所有名義を土壺金融から孫野手建設へ戻すように、土壺金融に対していつでも主張することができる。

　しかし、上記の例で土地の所有名義を孫野手建設から土壺金融に移した間に、土壺金融が所有名義が自社にあることを利用してこの土地を事情を知らない第三者帝国金融に売却してしまった場合には、この善意の第三者帝国金融は保護されるべきである。よって、民法94条2項の類推適用により、こうした善意の第三者を保護する規定を置いている。

6.まとめと感想

　今回、相続と税、不動産についてまとめた。弱き者を助けるものが法律だと信じていたが、法律を理解していないと対処もできないときがある。特に相続に関しては、誰かが亡くなって初めてその問題に直面する。相続に関して被相続人が生前から相続人が熟考することは「恥」のように感じていたが、今回勉強を経てそれは将来設計であって、自分自身に降りかかることだと認識した。亡くなる前に対処することで、死後あたふたすることもなく、それが供養にもつながるかもしれない。

7.参考文献

・『ポケット六法　平成29年度版』　編集代表山口厚、山下友信　有斐閣　2016年

・福岡相続サポートセンター　http://www.e-souzok.com/report/archives/84

・不動産情報サイト　athome 不動産用語集 https://www.athome.co.jp/contents/words/

・民法まとめ　https://www.minpou-matome.com/%E7%89%A9%E6%A8%A9/%E7%89%A9%E6%A8%A9%E6%B3%95%E7%B7%8F%E8%AB%96/%E5%85%AC%E7%A4%BA%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%89%87%E3%81%A8%E5%85%AC%E4%BF%A1%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%89%87/

・新ナニワ金融道と法律論　http://kenjitanaka.hatenablog.com/entry/2015/01/25/115127

・『新ナニワ金融道』　青木雄二プロダクション　扶桑社 　全巻

・弁護士ドットコム　遺産相続　https://www.bengo4.com/c_4/c_1051/c_1544/bbs/%E7%9B%B8%E7%B6%9A%E6%94%BE%E6%A3%84+%E6%8A%B5%E5%BD%93%E6%A8%A9/

・公益社団法人　全日本不動産協会　http://www.zennichi.or.jp/law_faq/%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E3%81%AE%E7%99%BB%E8%A8%98%E3%81%AB%E3%81%AF%E5%85%AC%E7%A4%BA%E5%8A%9B%E3%81%AF%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%82%E3%80%81%E5%85%AC%E4%BF%A1%E5%8A%9B%E3%81%8C%E3%81%AA/

米澤侑弥

相続と税について

結論　相続税は必要ではないと考える。

(1) 相続とは

人の死によって死者に属していたものが包括的に一定の者に承継されることをいう。

近代法では相続は私有財産制と結びつき、

1　被相続人の所有権の自由

2　遺族の生活保障の必要

3　被相続人と取引関係にあった者の保障を根拠とする

例えば1の結果、遺言自由の原則が認められる一方、遺留分制度により2に対する考慮が払われている。また、相続放棄や限定承認の制度は3を犠牲にしたうえで2を重視する。

また、遺産を共有する合有などもある。数人の者が同一の物を共同で所有する形態の一つ。

共同所有の形態としては、合有のほかに、共有と総有と呼ばれるものがある。このうち、共有は、単独所有にもっとも近い形態で各人が持分権を有し、いつでも分割請求できる。これに対して、合有は、各人が持分権を有するものの、共同の目的のために複数の人が結合しているので、団体的な制約を受ける。その結果、共有とは異なり、分割請求および持分権の処分が制限される。ゲルマン社会では、家長が死ぬと子はその遺産を分割せず共同相続し、全員で権利主体となることから、ギールケという学者が合有という概念を提唱した。日本でも、民法上、組合財産は共有とされているが、多くの学説は合有であると解している。というのも、組合員は、組合財産の持分を処分することができず、また、生産前に組合財産の分割を求めることもできないからである。このほか、共同相続人の相続財産も合有であるとする学説もあるが、民法は、これを共有であると規定し、持分の処分や分割が認められるため、判例と学説も、合有という概念を用いる必要はないと解している。

相続税について

相続税法に基づき、相続または遺贈により財産を取得した者がその取得財産に対して課される国税である。だが、必ずしも相続税がかかるわけではない。課せられるほうが珍しい。しかし、平成27年１月から実施された税改正により、相続税の基礎控除額が下がってしまったために、過去と比べると相続税負担者が増える結果になった。

課税される理由の一つに富みの再分配がある。高額な財産を相続する際に、高額な相続税から逃れようと考えると、自然と他の相続人に対しても財産が分配されていく。こうすることで、相続人一人のみが資産的に潤うようなことがなくなり、資産格差のない社会が実現可能というのが課税される理由の一つである。

さらに、相続遺産というものは、自分が苦労することなく利益を得られることから不労所得に該当するといえる。何もせずに多額の財産を得てしまうと、より一層の資産格差が生じてしまうことから、国が不労所得に対して課税を徴収しているという考えである。

実際には所得税法に不労所得といった区分はない。そのため、相続税という制度を設け、労することなく利益を得ることができてしまう相続財産を課税対象として、一部にのみ財産が集中してしまうことを避けている。

また、相続税が課税されてしまうということは、被相続人は生前に多額の財産を保有していたことになる。この財産を生前に所有したまま亡くなってしまったために所得税を払っていない、つまり相続税の課税は所得還元だとする考え方もある。

生前に多額の税金を支払っていなかったら、財産の保有を維持できていた。だからその分の税金は財産を相続した相続人に代わりに納めてもらおうという考えである。

相続税が改正し納税者にとって影響の大きい点として、

�@　相続税の基礎控除額が40％減少

�A　最高税率が50％から55％にアップ

�B　不動産所有者の相続税対策の必要性が増加、の三つがある。

まず、�@は相続税の課税対象者が1.5倍になる。法定相続人の人数によって影響の大きさは違うが、基礎控除の金額が40％も減少したことで、課税対象となる人は大幅に増える。

�Aは主に富裕層の税負担が増加する。相続税の税率は、法定相続分に応じて取得した遺産の金額によって異なる。そのため、50％だったのが55％になることで、富裕層に属する人たちの負担が大きくなったのである。�Bは不動産所有者の課税対象になる可能性が高くなる。日本では相続遺産として残される財産は不動産が最も多く、相続資産の全体のおよそ四割を占めている。これらはとても他人事ではないと考えた方がいい。

また、もう一つ課されるかもしれない譲渡所得税についても説明しなければならない。この二つを二重課税だと考えるかもしれないがそれは違う。譲渡所得税は値上がり益に対して課税するものなので、相続財産でも亡くなった人が取得したその時の金額を引き継いでくるため、売却するという場合に、実現した値上がり益分に対して課税されるものである。これが二重課税ではないという理由である。

(2)          公示の原則

一定の法律関係や事実関係の存否については、常に外部から認識しうるなんらかの外形、

たとえば相続登記、登録、占有などを伴うことを必要とし、もしこれを欠くときは、このような法律関係や事実関係の存否を第三者に対して主張できないとする原則。すなわち、実体的には権利があるにもかかわらず、公示がないために、その権利の存在は否定される。

公示の不存在の効果として、このような法律関係ないし事実関係の存立がすべて否定される場合と、当事者間では有効に存立するものとして取り扱われるが、第三者に対する関係では存立が否定されうる場合とがある。これは94条2項を類推適用している。

つまり、物権の変動を外部から認識できる状態に置くことを、物権変動の公示といい、公示のために用いる手段を公示方法という。物権には排他性があることから、物権の変動には公示が要求され、公示のない物権変動の効力は多かれ少なかれ否定される。これが公示の原則である。

(3)          reverse mortgageについて

reverse mortgageリバースモーゲージ(ローン)とは、自宅を担保にして、そこに住み続けながら金融機関から融資を受けられる主に高齢者向けの融資制度である。

リバースモーゲージの特徴は、

・高齢者世帯向けのローンであり、年齢制限で住宅ローンやカードローン等の借り入れができない人も利用可能。

・持ち家を担保にいれ、その持ち家の資産価値の範囲内で借り入れが可能。

・さまざまな使い道に利用できる。

・存命中は毎月の現金返済がなく、ローン契約者が死亡した際に貸してが担保である持ち家を売却するなどして返済。

だが、リバースモーゲージにはメリットもあればデメリットもある。

まずメリットとしては、

・自宅を売却することなく融資が受けられる

これがもっとも重要なメリットであると考える。持ち家があっても、年金収入が少なく手元資金が少ない場合などは、リバースモーゲージの活用が有効である。融資額は住宅に応じて決められるが、一括で受け取る場合と毎月受け取る場合と二つある。

・生活資金以外に利用できる

資金使途については、自由型と限定型があり金融機関によち異なる。自由型であれば、生活資金に限らず旅行費用やリフォーム資金などに使うことも可能。老人ホームなどの入居一時金に充てる人もいる。

・利用時の収入要件等が比較的穏やか

利用できる年齢は金融機関により異なるものの、利用時の収入要件等は住宅ローンなどと比べ、さほど厳しくない。

次に、デメリット

・対象となる住宅に制限がある　

対象となる住宅は基本的に一戸建てで、マンションは対象外のところが多く、地域によっても制限がある場合もある。

・推定相続人の同意が必要

利用にあたり推定相続人全員の同意が必要になる。相続人である子どもが拒否する場合などは利用できないこともある。

・長生き、金利上昇、不動産価格下落　などのリスクがある

長生きすればするほど融資額が大きくなるので、将来の返済額も大きくなる。長生きして生存中に融資枠を使い切ってしまうことも考えられる。また、リバースモーゲージの融資の適用金利は基本的に変動金利の場合が多く、将来金利が膨らむ可能性がある。

だが、昨今では中古不動産市場が活性化しているため、中古物件が多く出回っている。

そのために中古でマンションなどを買う人が増えてくると、リバースモーゲージが適用できなくなる。とてもいい制度であるがためにそれはとてももったいない。

(4)          自分の意見

今回このテーマを調べてみて、ただ遺産を相続すれば終わりというのではなく、そこには様々な税がかかることを知った。

相続税は資産格差をなくすためにはいい法だとは思うが、わたしは別に必要ないと思う。

税が課せられない人には全く関係のない話だが、課せられる人にとってはとても損であり、そこに関しては不平等だと思う。課せられる人と課せられない人が生まれるのは良くないないのではないかとわたしは感じた。税がかかるのであるなら全員かかるべき。いくら不労所得といわいえ、それは亡くなった人が生きているひとに残した大切な財産。そこに税をかけてしまうのは違うと思う。相続税の有無についてはっきりといらないと言えるように勉強してもっと色々なことを知らなきゃいけないと思った。

その点リバースモーゲージはとてもいいと思う。今の日本は少子高齢化が進んでおり、高齢化社会になりつつある。そんななかで高齢者がよりよい環境で生活していくには、こういった高齢者向け制度はとても良いことだと思う。メリット、デメリットあるが、メリットが大きい分あまり気にしなくていいのではないかと思う。今後の課題としてはこのデメリットを少しずつ減らしていくことだと私は思う。とても難しいことだと思うが、高齢者にとって住みやすい環境をつくるためにはもっと考えなければならないと思う。

まだまだここには書いていないが、自分が知らなかったことがたくさんあった。こういった社会の状況、制度、をたくさん学んでいき、将来役に立たせたい。必ずこういう場面はおとずれると思うので、その時に知らなかったではなく、その場にいる人にも説明できるように知識をつけたいと思う。

(5)          参考文書

・ウィキペディア

・中江ゼミ優秀答案

・https://kotobank.jp/word/%E5%90%88%E6%9C%89-63288　コトバンク

・http://www.joyobank.co.jp/woman/column/201612_03.html　常陽銀行

・https://support-sozoku.com/souzokuzei/

・https://www.minpou-matome.com/

村井吾朗

15e215018 経済学部経営学科

村井吾朗

相続と税

亡くなった人から各相続人等が相続や遺贈などにより取得した財産の価額の合計額が基礎控除額を超える場合、相続税の課税対象となる。

1　相続税と譲渡所得税

まず、初めに相続税について説明する。相続税とは、人の死亡によって財産が移転する機会に、その財産に対して課される税であり、流通税の性格も有するが、今日では財産税の一種と考えられている。相続税は、財産相続の名義書換のときに登記所が徴収した手数料に始まるとされ、それがしだいに印紙税や登録税の性質を帯びるようになり、相続税と言われるようになった。相続税の課税最低限である基礎控除額は[5000万円+1000万円×法定相続人数]。亡くなった人の配偶者が相続、遺贈、死因贈与などで財産をもらった場合、その後の生活を保障するため相続税が軽減される。

　相続にはお金だけではなく、亡くなった方の不動産などの譲渡も考えなければならない。

不動産を売却する場合、その不動産を所有する期間が長いほど税率が低くなる。
　所有期間が譲渡した年の１月１日時点で５年より短い場合は短期譲渡所得とされ、所有期間が譲渡した年の１月１日時点で５年を超える場合は長期譲渡所得とされる。
　税率は長期譲渡所得の場合１５％＋住民税５％ととなり、これに更に平成４９年までは復興特別所得税２.１％がかかる。短期譲渡所得の場合は３０％＋住民税９％ととなり長期譲渡所得と同様に復興特別所得税が2.1%更にかかる。

	所有期間	所得税	住民税
長期譲渡所得	５年を超える	１５％	５％
短期譲渡所得	５年以下	３０％	９％

	復興特別所得税
長期譲渡所得	上記の１５％の所得税率で計算した額の２.１％
短期譲渡所得	上記の３０％の所得税率で計算した額の２.１％

　実際に納税する額はこの譲渡所得税の税率をもとに以下の計算方法で計算する。

譲渡した価格（売却価格）からその不動産を取得した時にようする費用（買い取った時の価格）と譲渡費用（売却にかかった費用）を引いた金額が課税譲渡所得金額となる。
　この課税譲渡所得金額に先ほどの短期譲渡所得税率又は長期譲渡所得の税率で計算すると納税する譲渡所得の金額が出る。

	計算方法
１課税譲渡所得金の額	譲渡価格―（取得費＋譲渡費用）＝課税譲渡所得金額 ＊更に特別控除に該当する場合もある。
２譲渡所得税の納付額	課税譲渡所得金×（１５％＋５％（又は３０％＋９％））＝納付額 ＊更に復興特別所得税として課税譲渡所得金×１５％（又は３０％）＝の２.１％の金額がかかる。

表の１、２の順で計算する。

　具体的な例で説明すると、長期譲渡所得の場合、５０００万円で購入した土地があり、売却価格が６５００万円で譲渡費用に５００万円かかった場合のケースだと、

１　６５００万円−（５０００万円＋５００万円）＝１０００万円（課税譲渡所得金）

２　１０００万円×（１５％＋５％）＝２００万円が譲渡所得税の納税額（住民税を含む）となり、復興特別所得税として別に

１０００万円×１５％＝１５０万円×２.１％＝３万１５００円が加算される。

2　不動産・土地売却

　さっき、不動産売却という言葉が出てきたが、この章ではもう少し詳しく説明していこうと思う。

　家は、新築から20年など経ってくると、どんなに綺麗に使っていたとしても建物の評価はゼロになってしまう現状がある。これでは、住宅を売ろうとしている人は納得しない。それは、住宅投資が資産形成に結び付いていないからである。住宅投資額の累計が約890兆円であるのに対し、住宅ストックの評価額は2013年時点で約350兆円だ。資産額は投資額を約540兆円も下回っている計算だ。

　同じことを家計レベルで考えてみると、新築時に仮に5000万円を住宅に投じたとする。土地代と建物代を同じ2500万と仮定し、およそ20年経って建物の評価がゼロになってしまうということは、その時点での資産額は地価の上昇を見込まなければ2500万円にすぎない。建物代に相当する2500万円分はまるまる失われてしまう計算だ。今後、中古不動産市場はいまより、売却しやすいようになっていくと考えられている。

　そのために注目されているのが、reverse mortgage〈リバースモーゲージ〉だ。

　リバースモーゲージとは高齢者が保有している不動産を担保として、担保価格の一定範囲内で年金を融資する高齢者だけの融資制度だ。主に55歳以上でなければ申し込むことが出来ない商品がほとんどだが、メリットとして

1. 現金の収入が入る。

　基本的に高齢者は融資を受けることができないが、年金担保貸付でお金を借りたとしても、返済分の金額は年金からは差し引かれてしまう。
借入には毎月の返済が不可欠であるため、収入が年金だけの高齢者はお金を借りることが難しい。
ところがリバースモーゲージであれば高齢者でも借入で現金を入手することが出来る。それだけではなく、リバースモーゲージは元金の毎月返済がないため、年金も減らされるようなこともない。現金収入が貴重な高齢者にとってリバースモーゲージの活用は老後を安心に暮らせる手段の1つとしてとらえることができる。

1. 元金の決算が不要

リバースモーゲージの返済は借主が亡くなったあとに担保となっている不動産を売却する方法が基本だ。このため、毎月の返済が発生しないため、少ない年金しか収入がないという高齢者でも毎月の生活費を圧迫することなく融資を受けることができる。

1. 家族に借金が残らない可能性が大きい

　　リバースモーゲージの基本的な返済は借主が亡くなった後に、担保物件を売却する方法だ。このため亡くなった後に家族に借金が残らないという点もリバースモーゲージのメリットと考えることが出来る。子どもが遠くにいるような場合には、親が亡くなった後に残された子供は親の家の管理や維持に困るというケースが近年急増しているので、借金が残らないどころか子供に迷惑をかける心配がなくなるという点もメリットである。

その持ち主がなくなってしまった場合にする手続きとして大事なもととして、存続登記がある。存続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人（亡くなった方）から相続人へ名義の変更を行なうことをいう。すなわち、被相続人名義の不動産を、相続人が相続（取得）した場合に、被相続人から相続人に名義変更する手続きだ。そして、相続登記は法律上の期限を決められているわけではない。よって、相続登記をせずに放置していてもなんの罰もありません。ただし、問題は別にある。相続が発生して不動産を取得した場合は、その権利を登記によって確定しておかないと将来的に相続人同士でモメてしまう可能性があり、そうした事態を避けるために不動産の相続登記を行なう。

　しかし、名義の変動それ自体は第三者の目に見えない。その存在を知らせるためには、外部から認識することができる形式をともなわなければならない。もし、権利の変動を外部から認識できなければ、権利を喪失した者を依然として権利者であると信じて取引をする第三者が現れるおそれがある。とりわけ物権は排他的効力を有するので、第三者に不測の損害を与えるおそれが大きい。物権には排他性があることから、物権の変動には工事が要求され、公示のない物権変動の効力は多少否定されることを公示の原則という。

また、本人も相手方も土地の売買契約を締結するつもりがまったくないのに、お互いに相談のうえで、土地の売買契約を締結したかのように見せかける場合が、虚偽表示と言うものが出来る。それと同時に、民法第94条第2項の類推適用では、このような虚偽表示にもとづく法律行為の無効は、第三者に対しては主張することができないものとされている。このように、相手方との通謀でなされた虚偽の意思表示は原則として無効であるが、実際には相手方との「通謀」が存在するとはいえないような事例も多く見られる。判例では、このような通謀性に欠けるケースであっても、できるだけ94条第２項の類推適用し、第三者を保護しようとしている。

3　財産

　いままで、土地や不動産をメインに説明してきたが、最後に財産などをメインに説明をしていこうと思う。

　複数の人が団体として一つの財産を共同で所有する場合の一形態で、共有と総有の中間に位置するものとして合有がある。合有においては、共有と同様に各人がその財産に対して持分を有しているが、各人の間の団体的な結合のもとで持分の単独・自由な譲渡や分割請求が制限され、原則として団体からの脱退や解散などの際に払い戻しを受けることができる。詳しく説明すると、合有は、ある財産が団体の所有となっているが、その団体による拘束が弱い状態であることをいう。具体的には、組合の財産は構成員の合有とされている。ある団体の財産が合有であるときは、各構成員はその団体財産に対して持分分割請求をすることができない。しかし、各構成員が団体から脱退する際には、各構成員は持分の払い戻しを受けることができる。また、団体の債務については団体財産だけでなく、個々の構成員の個人財産からも弁済を行なわなければならない。

　次は個人の財産に関係して相続放棄と言うものが出来る。放棄と言っても財産を放棄するという意味ではなく、法定相続人となった場合に、被相続人の残した財産が、プラスの財産が多くても相続せず、マイナスの財産が多くても債務の負担をしないことで、相続放棄するとその法定相続人は初めから相続人でなかったことになる。詳しく説明をすると、被相続人（親）が莫大な借金を残して亡くなった場合に、その法定相続人（妻や子供など）にその借金を負担させてしまえば、残された家族の生活が成り立たなくなることもある場合、この相続放棄という手続きをすることが出来る。主に、相続放棄をする場合として、

1. マイナス財政が明らかに多い場合＝借金だらけの場合

2. 相続争いに巻き込まれたくないとき

などにされる。

　

遺言書を書くことによって、遺贈と言って相続財産を法的に定められた相続人以外にも残すことが出来る。例えば、夫が亡くなった場合、遺産はその妻（配偶者）や子などの親族に相続されるが、誰が相続人となるのか、財産の何割を相続するのかは法律によって決まっている。ただし、遺言書を作成することで、遺産を受け取る人は、法定相続人以外でも可能になる。遺贈をすることで、お世話になった誰かに残すこともできるようになる。

ここで、遺贈と相続をまとめてみると、

遺贈は、遺言によって遺言者の財産を与えることを指す。「遺言」を残すには、一般に遺言書を作成する。

相続は、誰かが亡くなると法律で決まった関係者に対して発生する。例えば、夫が亡くなった場合、その配偶者が相続人となる。
法定相続人以外の人に財産を送る場合は、遺言を残し、遺贈するとなる。

感想

　今回のレポートで存続などを考えて、また、知ることが出来て非常に良かったと思っている。人生で一回は誰でも相続については体験することだと思う。私の場合、両親は不動産などの物件は持っていないので関わることはないと思うが、財産についてはすでに父の方が遺言書を書いてあると言っていたのでそれに従いたいと思っている。今回、学んでみて思ったことは、相続や遺贈のように似たような意味でも中身は全然違う意味だったりしていたので、学んでみて勉強になったし、面白いと感じることが出来た。非常にためにな　るレポートだったと思っている。私は、経済学部でちょっと外れた分野だったが1年間学んでこの分野の面白さを感じることが出来た。

　1年間ありがとうございました。将来役に立つことがあると思うので、その時にはしっかりと学んだことを生かしていきたいと思っています。

参考文献：https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/05_4.htm

国税庁ホームページ

http://gentosha-go.com/articles/-/4985

今後中古不動産市場の活性化が見込まれる理由

https://www.athome.co.jp/contents/words/term_1040/

アットホーム公式サイト

吉崎晋太郎

14Ｊ117012　法学部法律学科４年　吉崎晋太郎

水曜・４限　相続法　期末レポート課題

＜相続と税＞

結論　相続税は富の集中を抑制する為や税金を支払っていなかった人から税金を取る為に必要である。

1. 不動産の相続について

不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人（亡くなった方）から相続人へ名義の変更を行なうことを相続登記という。 すなわち、被相続人名義の不動産を、相続人が相続（取得）した場合に、被相続人から相続人に名義変更する手続きです。 そして、相続登記は法律上の期限を決められていない。

その後、不動産を売却した場合に生じた所得に対してかかる税金のことを譲渡所得税という。

また、reverse　mortgage（以下リバースモーゲージ）先進国であるアメリカでは、日本の中古不動産市場の12倍の規模があると言われている。

リバースモーゲージローンとは、持ち家を担保としたローンの一つで持ち家という資産を保有する高齢者世帯が、持ち家を手放すことなく、その資産価値を活かしてお金を借りる為の手段である。存命中の返済がいらないがローン契約者が亡くなった際、銀行が担保である持ち家を売却して返済するという制度が注目されている。

1. 遺産相続について

所有者がなくなった不動産を相続する時、遺贈（遺言によって財産を他人に無償で譲り渡すこと）により所得した人に相続財産に対してかかる税金を相続税という。

相続できる被相続人の残した財産がプラスの財産が多くても相続せず、マイナスの財産が多くても債務の負担をしないことで、相続放棄するとその法定相続人は初めから相続人でなかったことになる。

また、合有という共同所有の一形態がある。数人の者が財産を所有し，各人が持分権をもつ点で民法上の共有と類以するが，民法上の共有が純個人主義的な関係であって各所有者間になんらの人的なつながりがなく，したがって各人の持分の譲渡は自由であり，またいつでも分割を請求しうるのに反し，合有においては所有者間にある程度の人的なつながりがあり，したがって持分の譲渡や分割の請求は制限される。

1. 民法94条2項の類推適用と公示の原則について

１不実登記に対する信頼保護

不動産の登記がなんらかの事情で真実の権利者ＡではなくＢの名義になっている場合に、第三者Ｃがそのような登記を信頼して登記名義人Ｂと取引したとしても、Ｃは権利を取得できないのが原則である。真実の権利関係と異なる外形（公示方法）が存在する場合に、その外形を信頼して取引した者は外形どおりの権利を取得できるという効力を公信力と言うが、不動産の登記にはこの公信力がないからである。（動産の占有には公信力がある。192条）

公示の原則 … 物権の排他性から、物権の変動には公示が要求され、公示のない物権変動の効力は否定される。

→対抗要件主義…物権変動は、公示がなければ第三者に対抗することができない

２．公信の原則 … 公示を信頼した者に公示どおりの権利取得を認める（公示信頼の保護）。

そこで、真実の権利関係と異なる登記（不実登記）に対する信頼を保護するための理論として判例によって展開されたのが、民法94条２項類推適用の法理である。同条項は虚偽表示によって作出された外観を信頼した第三者を保護するための規定であるが、この規定を相手方との通謀や虚偽の意思表示が存在しない場合にまで類推することによって、不実登記に対する信頼の保護を図ることがなされている。このように、94条２項類推適用は、登記に公信力がないことを不完全ながら補うことによって取引の安全を図るという重要な機能を果たす。

２　民法94条２項と権利外観法理

民法94条２項類推適用は、いわゆる権利外観法理を背景にもつ規定であると考えられている。権利外観法理（表見法理）とは、真実の権利関係と異なる外観が存在する場合において、真実の権利者に虚偽の外観作出についての帰責性があるときには、真実の権利者の権利を犠牲にしてその外観を信頼した第三者を保護しようという考え方である。不動産取引の安全を図る必要がある場面で94条２項が（類推）適用されるのは、実質的にはこの権利外観法理を適用することを意図している。

94条２項が権利外観法理の現れであるとすると、その類推適用にあたっては、�@虚偽の外観の存在、�A外観作出についての権利者の帰責性、�B第三者の外観に対する信頼という三つの要件を具体的に検討しなければならない。後述するように、これらの要件は、94条２項が類推適用されるすべての場合について同じであるわけではない。

判例

権利者に外観に対応した意思が存在している意思外形対応型と、権利者に外観に対応する意思がない意思外形非対応型とに分けることができる。そして、両類型における権利者の帰責性の程度には差があり、その差に応じて第三者に要求される主観的要件も異なったものとなっている。

(1)　意思外形対応型の判例

不実登記の外観に対して、真実の権利者にその外観に対応する意思が存在する場合が意思外形対応型の類型である。この類型は、虚偽の外観全体が権利者の意思にもとづいて作出されているか、または権利者の承認があるという点において権利者の帰責性が大きい。それに対応して、第三者が保護されるための主観的要件も善意だけでよく、過失がなかったことまでは要求されない。

�@　最判昭29.8.20

民法94条２項の類推適用を最初に認めた判例である。不実の所有権取得登記が不動産の買主Ａの意思にもとづいてなされた場合には、同条項を類推して、Ａは登記名義人が実体上所有権を取得しなかったことをもって、善意の第三者に対抗することができないと判示した。

�A　最判昭45.7.24

登記名義人の承諾の有無は、第三者の保護の程度に影響しないとした判例である。不動産の買主Ａがその子Ｂの名義で移転登記をしたが、その後、Ｂがその不動産を第三者に売却したという事案において、不実登記について登記名義人の承諾がない場合においても、不実の登記の存在が真実の所有者の意思にもとづくものである以上、94条２項を類推適用すべきであると判示した。

�B　最判昭45.9.22

不動産の所有者ＡはＢが勝手に自己名義に登記を移転した事実をその直後に知ったが、その後Ｂと結婚して不実の登記を抹消することなく年月を経過し、また、Ａは銀行との間で貸付契約を締結した際、Ｂ名義のままで根抵当権設定登記をした。Ｂが第三者Ｃに不動産を売却して移転登記をすませた後に、ＡがＣに対して移転登記の抹消を請求した。本判決は、不実の所有権移転登記の経由が所有者の不知のあいだに他人の専断によってされた場合でも、所有者が不実の登記を知りながらこれを存続せしめることを明示または黙示に承認していたときは、94条２項を類推適用し、所有者は善意の第三者に対して登記名義人が所有権を取得していないことをもって対抗することをえないと判示した。

(2)　意思外形非対応型の判例

真実の権利者自身が不実登記の外観作出に関与してはいるが、他人の背信的行為によって権利者の意図したものとは異なる外観が作り出された場合が、意思外形非対応型の類型である。この場合、権利者の意思と虚偽の外観とは対応していないのであるから、意思外形対応型の場合とは権利者の帰責性が異なり、同じ論理で第三者を保護することはできない。判例は、民法94条２項と110条を併用することによって第三者を保護する。（権利者の意図しない外観が他人の背信的行為によって作り出された点が、本人が与えた権限を逸脱して代理行為がなされた場合と類似している。）そして、第三者が満たすべき主観的要件として、意思外形対応型のように善意だけでは十分とせず、無過失であることまで要求する。

�@　最判昭43.10.17

不動産の所有者ＡがＢに取引上の信用を得させるために売買予約を仮装して所有権移転請求権保全の仮登記手続きをしたが、ＢがＡの印鑑を偽造して仮登記を本登記に替えて第三者Ｃに不動産を譲渡してしまったという事案において、仮登記の外観を仮装した者（Ａ）がその外観にもとづいてされた本登記を信頼した善意無過失の第三者（Ｃ）に対して責に任ずべきことは、民法94条２項、110条の法意に照らし、外観尊重および取引保護の要請というべきと判示した。

�A　最判昭45.11.19

Ａから土地を買い受けたＢが、所有権保全の仮登記手続をすべきところ、（登記手続を委任した司法書士が）抵当権設定登記および所有権移転請求権保全の仮登記をした後に、Ａから第三者Ｃへ当該不動産の所有権移転登記がなされた。その後、ＣはＡの債務の弁済供託をしてＢに対して登記の抹消を請求したという事案。本判決は、�@の判例の趣旨からみて、真実の所有者Ｂは、善意無過失の第三者に対し、登記が実体上の権利関係と相違していることを主張しえないと判示した。

1. 問題提起　私見　

（１）リバースモーゲージのメリット・デメリットについて

リバースモーゲージのメリットに関しては上記に記載した通り、自宅を売却することなく融資が受けられることや生活資金以外にお金を使えるといったのがメリットでデメリットをあげるとマンションは対象外で基本的に対象となるのは一軒家のみとなっている、また推定相続人全員の同意が必要で相続人が拒否する場合は利用できないのがデメリットである。

長生きすればするほど融資額が多くなり、返済額も多くなる為

長生きして生きている間に融資枠を使い切ってしまう可能性もある

またリバースモーゲージの融資の適用金利は基本的に変動金利の場合が多いため、金利が上がると返済額が増えるリスクもある。

私見

銀行等のホームページに記載されているリバースモーゲージの説明を読むとほとんどの銀行がメリットばかりを挙げているように感じられた。自宅を売却することなく融資が受けられる点については確かに貯蓄のない家庭からしたら魅力的なものだろう。

融資額は評価額の50％を受けるのが一般的らしいが、長生きして評価額を超える融資をうけてしまった場合推定相続人が返済しなくてはならない状態になる可能性もある為残された方の事を考えるとあまりいいものではないのではと思ってしまう。

　またこの制度は基本的には戸建てのみ対象としている点についてですが、日本の都心はマンションが多いのでマンションを購入した人が使えないというのが日本でリバースモーゲージが広まらない原因になっているのではと思いました。

（２）なぜ財産を親から相続する為に税金を払わなくてはいけないのか？

私見

私の友人の親が祖父の遺産を相続する時に所有していた山を３億かけて更地にして２億でその土地を売って持っていた財産を合わせて相続税を払ったという話を聞いた時、なぜ親の財産を引き継ぐだけなのに国に税金を納めなくてはいけないのだろうと思いました。

　調べてみると理由の１つ目が富の再分配というのが出てきました、相続人一人のみが資産的に潤うことがなくなり、資産格差のない社会の実現を目標としていると書いてあった。

２つ目に相続財産は自分が苦労せずに得られた利益のため、不労所得に該当する為税金を課している考え方と書いてありました。

3つ目は財産を生前に所有されたまま亡くなってしまったに所得税を払っていない、つまり相続税の課税は所得還元だとする考え方である

1つ目の理由にはなんとなくですが納得できました、ですが2つ目の不労所得に該当しているのでという点に関して疑問を感じました。

まず理由を挙げると、お金という形で財産が残っていた場合親は所得税などを払っていたのにまた苦労せずに受け取ったから課税されるのはおかしいなと思いました。

3つ目の理由は、払わなくてはいけない税金を払わずに持っていたお金なのでこの考え方はいいなと思いました。

｛参考文献・出典｝

講義ノート

明鏡国語辞典第二版

弁護士費用保険の教科書http://bengoshihoken-mikata.jp/archives/2402

常陽銀行ホームページhttp://www.joyobank.co.jp/woman/column/201612_03.html

民法まとめ　https://www.minpou-matome.com/

Windows メール から送信

鈴木湧也

水曜4限　相続法　レポート

16j106010　鈴木　湧也

相続と税

はじめに

本レポートでは、相続に関する法律、挙げられる大きな問題点とそれに対する解決策について考察いていく。相続とは何か。また相続するにあたって避けられない問題である相続税との関係性についても考察していく。

今日の日本において問題視されているのが、高齢化社会である。高齢化社会の現在、相続が増加し、またそれに関する問題も増加している。相続は誰にでも起こりうるが、いつ発生するかの予測は極めて困難である。相続については様々な問題点が挙げられるが、相続に関してよく挙げられる「税」について、また、相続をする上で考えられる問題点や、その解決策、自分の感想や意見を述べようと思う。

相続税とは相続税法に基づいて個人に課せられる国税のことである。これは、権利能力を有しない社団法人、財団法人、公益法人に対して課せられることもある。課税象となる産財産は、亡くした者から相続や遺贈によって取得した財産、死亡退職金など相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産、被相続人から死亡前の 3年以内の贈与により取得した財産、相続時精算課税の適用を受ける贈与財産など。税額は、遺産の総額から基礎控除額を差し引いた残額を、各相続人が相続分に応じて案分し、それに所定の税率を乗じて得た額から、配偶者控除、未成年者控除、障害者控除などを差し引いた金額となる。納期限は，被相続人が死亡したことを知った日の翌日から 10ヵ月以内。納期限内に現金で全額を納付することが困難なときは，延納という最長 20年の分割納付制度が利用でき，延納期間中は利子税の納付が必要となる。延納による納付が困難なときは，物納への変更が認められている。

相続税についての簡単な説明をした上で、以下のように本レポートを進めていく。

1. 相続と譲渡所得の関係性

まず、譲渡所得についての説明をしていこうと思う。譲渡所得とは、所得税法によって定められた資産の譲渡によって得る所得のことである。対象となる資産には、土地や建物、借地権、取引慣行のある借家権、特定の有価証券などがある。資産の譲渡とは、有償無償を問わず所有する資産を移転させる一切の行為のことである。売買や交換、競売、公売、代物弁済、財産分与、収用のほか、法人に対する贈与や現物出資、借地権・地役権の設定などによる権利金、収用に対する補償金も含まれる。

　この譲渡所得には譲渡するために税金を納める必要がある。それが、譲渡所得税である。これは租税のうちのひとつであり、これらのうち財産税は、土地を所有することに対して，その土地の市場価格に一定率を乗じた額を課税するものであり、土地所有者はこの税がかけられると税負担に耐えるために土地を手放すか、あるいはみずから土地の有効な利用を進めなければならなくなるため、いずれにしても土地市場における供給促進の効果が期待できる。

２．相続が不動産市場にもたらす影響とreverse mortgage

この場合、相続によって中古不動産市場に与えられる影響はどのようなものであるか。

日本では不動産税制により、生前に不動産を売却するよりも、相続後に不動産を売却した方が利益が大きいとされている。そのため、経済主体は相続に関する。

物件や土地などの不動産を相続する場合に、相続人が複数いる場合、土地や物件を分割、合有することは極めて困難であることから、不動産を売却することで、その不動産の価値を複数の相続人で分割する必要がある。

税制の影響を受け、その結果、相続は不動産取引を増加、あるいは減少させる必要があるとされる。上記で説明したとおり、相続後に不動産を売却する方が利益を挙げられるため、相続後の不動産売却に工夫を凝らすことで、大きな利益を得られる制度がある。それが、reverse mortgageである。これは自宅や土地などの不動産を担保とした金融制度のひとつであり、自宅を所有しているが、現金収入が少ない高齢者世帯が住居を手放すことなく収入を得られる手段である。自宅に住みながら自治体や金融機関から年金型の生活資金融資を受け、死亡時や契約終了時においてその不動産を売却して現金返済に当てる制度のことである。

このreverse mortgageには相続人全員の承認を得る必要がある、というのは契約条件の1つとして多くの金融機関が設定している。これは一体なぜなのか。reverse mortgageと相続及び法定相続人の関係性について紐解いてみる。

reverse mortgageでは、相続人とのトラブルが多いと連想されがちであるように、様々な問題点が挙げられる。今回は二つの事由を紹介する。

まず一つは、土地や建物を相続人が相続するつもりだったが、リバースモーゲージの担保対象となり相続することができないケースがある

そして二つ目は、債務者死亡後に相続人が相続する場合に、担保物件の評価額が低下し相　　続人が借金を背負うケースがある、というものである。

この二つのように、reverse mortgageには残された家族にも影響を及ぼすため、相続人全員の承認が必要とされている。

reverse mortgageは契約者死亡後に担保物件を金融機関に明け渡す必要があるが、その際に融資額とその時の物件の評価額を算出した結果、返済額が上回ってしまうケースがある。これによって相続人は不足する金額を金融機関に返済する必要が出てくる。その際には相続放棄をすることで、返済義務を免れることが可能である。相続放棄とは、相続人が被相続人から相続できる財産を放棄することを指している。reverse mortgageのリスクにより融資額が返済額を上回り、かつそれ以外の財産を相続しても返済額が上回る場合に相続放棄を検討する流れとなる。

３．相続登記と相続税

不動産を相続した時には、名義の変更などのために相続登記をする必要がある。相続登記をするのには、登録免許税と言われる税金を納付する必要がある。これは、相続登記をする不動産の価値により変動し、固定資産税評価額の0.4％と決まっている。相続登記をしなければ、第三者に対して、その不動産が「自分のもの」と主張することができないということになる。

権利の変動を第三者にその存在を知らせるため、外部から認識することができる形式をともなわなければならない。権利の変動を第三者にその存在を知らせるため、外部から認識することができる形式をともなわなければならない。

もし、権利の変動を外部から認識できなければ、権利がなくなった者を依然権利者と信じて取引をする第三者が現れるおそれがある。

そこで、物権の変動を外部から認識できる状態に置くことを、物権変動の公示という。

物権には排他性があることから、物権の変動には公示が要求されこれを公示の原則と言う。

仮にこの相続登記が不実登記によって他の者の名義になっていた場合には、その信頼の保護のために、9４条２項の類推適用が法理として展開されている。本人が相手方と通じて、虚偽の意思表示をすることを虚偽表示といい。民法では虚偽表示にもとづく法律行為を原則として無効としている。
それと同時に、民法第94条第2項では、このような虚偽表示にもとづく法律行為の無効は、善意の第三者に対しては主張することができないものとされている。

このように、相手方との通謀でなされた虚偽の意思表示は原則として無効であるが、実際には相手方との通謀が存在するとはいえないような事例も多く見られる。判例では、このような通謀性に欠けるケースであっても、できるだけ94条を類推適用し、善意かつ無過失の第三者を保護しようとしている。

４．同一視されがちな相続と遺贈の違い

同一視されやすいのが、「相続」と「遺贈」である。この二つの違いを説明していこうと思う。まず相続とは、特定の遺産を、特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言があった場合、原則として、遺産分割方法の指定とされるため、相続開始と同時に遺産分割を要せず、当然にその財産を取得するものとされている。

ただし、「相続させる」相手は、法定相続人に限られ、相続人以外の者に「相続させる」旨、遺言することは不可能であるとされている。

　遺贈とは、遺言で、財産の全部または一部を、相続人又は相続人以外の人に無償で贈与（譲渡）することをいい、遺贈の効力は、遺言者が死亡した時に発生し、所有権移転の効果が生ずるとされている。ただし、遺贈の効果を、第三者に主張するためには、所有権移転登記等の対抗要件が必要になるため注意が必要である。

　遺言で法定相続人以外の者に財産を取得させるには、遺言書を作成して、「遺

贈」する方法しかない。 また、遺贈する場合には、他の相続人の「遺留分」に配慮することを忘れてはいけない。遺留分権利者から減殺請求を受けると、侵害した部分については財産を返還しなければならない。また、受遺者が、相続人と同じ「相続欠格事由」に該当する行為を行ったときには、遺贈を受けることはできなくなる。

受遺者が、遺言者より先に死亡したときは遺贈の効力は生じないとされる。停止条件つきにした遺贈であっても、条件成就前に受遺者が死亡していたときには、遺贈の効力は発生しない。受遺者の相続人も遺贈を受けることは認められていない。相続人以外の第三者が受遺者であっても、相続人の場合と同様に代襲して遺贈を受けることは

できない。　放棄した遺贈の目的財産は相続人に帰属することになり、相続人が複数いる

場合には遺産分割の対象となる。

５．終わりに

本レポートでは、現在の日本が悩まされている高齢化社会において、増加している相続と、それに関する税の問題や、相続人間のトラブルでよく挙げられる問題点について他方的な観点からの考察をした。人間の死は絶対に訪れるものでありながら、それがいつ訪れるかはわからない。そんな中でも法律的視点からの問題点を深く、また新しい解決策を学ぶことができ、また、生きていくうえでは避けられない問題について自分で調べ、また理解できたことを嬉しく思う。本レポートで述べたことはほんの一部である。私が考察したところで、社会にはびこる問題の解決につながるとは思えないが、こういった社会への関心から、また少しでも日本が今置かれている現状を再確認し、私が後に社会に出たときには大学在学中に学んだことが少しでも社会のためになることを切に願い、本レポートを終わりとする。

引用：https://kotobank.jp/word/%E7%9B%B8%E7%B6%9A%E6%B3%95-168009

http://chester-fudosan.jp/case/40.html

https://www.athome.co.jp/contents/words/term_1040/

小野大地

相続法　

水曜４限定　法学部　法律学科　１４ｊ１１７００３　小野大地　　期末レポート

テーマ

相続と税

「相続と税とは単に遺産が移転されその時に税が発生するだけではなく物件などの登記やその他の税などにも影響し、時代により形態は変わるものである」

　相続とは誰かがなくなった後になくなった人の不動産を被相続人(なくなった人)に財産などを引き継ぐことである。まず相続をするためには相続登記が必要である。不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人（亡くなった方）から相続人へ名義の変更を行なうことをいい。すなわち、被相続人名義の不動産を、相続人が相続（取得）した場合に、被相続人から相続人に名義変更する手続きである。遺産を受け取ることができたりするので良いことが多いが遺産相続をしないで相続放棄をしたほうがいい場合もある。例えば亡くなった人（被相続人）が、誰かの保証人になっているかもしれない場合、生前、亡くなった人（被相続人）との交流がなく、生活ぶりがわからない場合（あとから借金がでてくるかもしれない）無用な相続争いに巻き込まれたくない、亡くなった人（被相続人）に借金はないが、財産が資産価値のない山林や崖地などばかりで売却が難しく、維持費用ももったいないなどの場合は相続をしないほうが良い。また遺産相続の際遺産である土地を売却する場合、遺産分割協議をしてから売却します。しかし、この遺産分割をしていない状態でも自分の法定相続分のみなら売却ができるとする共有説や遺産分割をする前に個々の所有権を処分することができないとする合有説があり現在は共有説が使われている。相続をする際の優先順位は遺書や血縁により相続をする財産や優先順位が決める。遺書に規定がない限り血縁関係の近いものから優先される。遺贈とは、遺言で、財産の全部または一部を、相続人又は相続人以外の人に無償で贈与（譲渡）することをいい法定相続人(配偶者（法律上の夫または妻、子、父母、兄弟姉妹)以外の者に財産を取得させるには、遺言書を作成して、「遺贈」する方法しかない。また被相続人の財産を相続人が引き継ぐときには税がかかる。その税のことを相続税と言い引き継いだ財産が基礎控除額を超える場合に、その超えた部分に対して課税される。また相続したから必ずしも相続税がかかるとは限らない。また相続税を相続してから3年１０ヶ月以内なら「相続税が取得費に加算される特例」という制度がある。相続税を払うには、当然お金がいる。相続税を払うためのお金を用意するため、相続によってもらった土地を売ることがよくある。土地を売り、売ったことで儲かったお金(譲渡益)に対して、税金がかかり、この税金のことを譲渡所得税（所得税）と呼ぶ。相続によってもらった土地は、すでに相続税を払っている。相続税を納めた上に、また土地を売ったからといって税金を払うことになると、税金の負担が大きい。だから税金の負担を減らすためにこの制度がある。またこれにともないreverse mortgageを利用した際に問題が発生する。reverse mortgageとは高齢者が居住をする住宅や土地などの不動産を担保として、一括、または年金の形で不定期に融資を受取、受けた融資に関しては、利用者の死亡や転居、また相続などによって契約が終了した場合には、担保となっている不動産を売却することにより、元利一括返済をする融資形態である。利用をする高齢者にはメリットが大きく、例えば不動産を持っていても現金収入が少ない高齢者が将来の不安や、不測の事態に対応するために、預貯金を崩すことなく利用することができる。しかし、債務の弁済において金融資産や保険金でできない場合には担保となっている不動産を処分して返済を行いますが、このときに譲渡所得が発生し、被相続人による売却でないために3,000万円の控除枠を使うことはできず、この場合、単純継承による譲渡所得が発生する可能性があり、税負担の持ちだしにつながる場合がある。現在アメリカがreverse mortgageの先進国である。アメリカでは日本の中古不動産市場の１２倍の規模があるといわれリバースモーゲージ制度は普及していると言える。リバースモーゲージ制度で対象となる不動産はそのほとんどが「土地」である。モーゲージを利用する側への制度の認知を高めることによる、市場の活性化が予想できる。リバースモーゲージ利用範囲の拡大、制度の認知を高めることで評価となる「土地」を基準に住宅を購入する層の拡大、注文住宅で耐用年数の長い住宅を設計する意向の拡大、それによる中古住宅市場の拡大を計ることができるのではないか。また不動産取引には様々な問題が発生する。例えば車を持っているのが本当はAなのにBの名義になっていた場合第三者Cがそのような登記を信頼して登記名義人Bと取引したとしても、Ｃは権利を取得できない公示の原則と呼ばれるものがある。　公示の原則とは物件の排他性から物件の排他性から物件の変動には公示が要求され公示のない物件変動は効力が否定される。また真実の権利関係と異なる外形（公示）が存在する場合に、その外形を信頼して取引した者は外形どおりの権利を取得できるという効力を公信力と言うが、不動産の登記にはこの公信力がないからである。（動産の占有には公信力がある。192条）公示がないなどの不当登記に対する信頼保護は

真実の権利関係と異なる登記（不実登記）に対する信頼を保護するための理論として判例によって展開されたのが、民法94条２項類推適用の法理である。同条項は虚偽表示によって作出された外観を信頼した第三者を保護するための規定であるが、この規定を相手方との通謀や虚偽の意思表示が存在しない場合にまで類推することによって、不実登記に対する信頼の保護を図ることがなされている。このように、94条２項類推適用は、登記に公信力がないことを不完全ながら補うことによって取引の安全を図るという重要な機能を果たす。また94条２項は、いわゆる権利外観法理を背景にもつ規定であると考えられている。権利外観法理（表見法理）とは、真実の権利関係と異なる外観が存在する場合において、真実の権利者に虚偽の外観作出についての帰責性があるときには、真実の権利者の権利を犠牲にしてその外観を信頼した第三者を保護しようという考え方である。不動産取引の安全を図る必要がある場面で94条２項が（類推）適用されるのは、実質的にはこの権利外観法理を適用することを意図している。

94条２項が権利外観法理の現れであるとすると、その類推適用にあたっては、�@虚偽の外観の存在、

�A外観作出についての権利者の帰責性、

�B第三者の外観に対する信頼という三つの要件を具体的に検討しなければならない。後述するように、これらの要件は、94条２項が類推適用されるすべての場合について同じであるわけではない

不実登記の外観作出に対する権利者の関与のしかたはさまざまであるが、大別すると、権利者に外観に対応した意思が存在している意思外形対応型と、権利者に外観に対応する意思がない意思外形非対応型とに分けることができる。そして、両類型における権利者の帰責性の程度には差があり、その差に応じて第三者に要求される主観的要件も異なったものとなっている。

(1)　意思外形対応型の判例

不実登記の外観に対して、真実の権利者にその外観に対応する意思が存在する場合が意思外形対応型の類型である。この類型は、虚偽の外観全体が権利者の意思にもとづいて作出されているか、または権利者の承認があるという点において権利者の帰責性が大きい。それに対応して、第三者が保護されるための主観的要件も善意だけでよく、過失がなかったことまでは要求されない。

1. 　最判昭29.8.20

民法94条２項の類推適用を最初に認めた判例である。不実の所有権取得登記が不動産の買主Ａの意思にもとづいてなされた場合には、同条項を類推して、Ａは登記名義人が実体上所有権を取得しなかったことをもって、善意の第三者に対抗することができないと判示した。

�A　最判昭45.7.24

登記名義人の承諾の有無は、第三者の保護の程度に影響しないとした判例である。不動産の買主Ａがその子Ｂの名義で移転登記をしたが、その後、Ｂがその不動産を第三者に売却したという事案において、不実登記について登記名義人の承諾がない場合においても、不実の登記の存在が真実の所有者の意思にもとづくものである以上、94条２項を類推適用すべきであると判示した。

�B　最判昭45.9.22

不動産の所有者ＡはＢが勝手に自己名義に登記を移転した事実をその直後に知ったが、その後Ｂと結婚して不実の登記を抹消することなく年月を経過し、また、Ａは銀行との間で貸付契約を締結した際、Ｂ名義のままで根抵当権設定登記をした。Ｂが第三者Ｃに不動産を売却して移転登記をすませた後に、ＡがＣに対して移転登記の抹消を請求した。本判決は、不実の所有権移転登記の経由が所有者の不知のあいだに他人の専断によってされた場合でも、所有者が不実の登記を知りながらこれを存続せしめることを明示または黙示に承認していたときは、94条２項を類推適用し、所有者は善意の第三者に対して登記名義人が所有権を取得していないことをもって対抗することをえないと判示した。

(2)　意思外形非対応型の判例

真実の権利者身が不実登記の外観作出に関与してはいるが、他人の背信的行為によって権利者の意図したものとは異なる外観が作り出された場合が、意思外形非対応型の類型である。この場合、権利者の意思と虚偽の外観とは対応していないのであるから、意思外形対応型の場合とは権利者の帰責性が異なり、同じ論理で第三者を保護することはできない。判例は、民法94条２項と110条を併用することによって第三者を保護する。（権利者の意図しない外観が他人の背信的行為によって作り出された点が、本人が与えた権限を逸脱して代理行為がなされた場合と類似している。）そして、第三者が満たすべき主観的要件として、意思外形対応型のように善意だけでは十分とせず、無過失であることまで要求する。

�@　最判昭43.10.17

不動産の所有者ＡがＢに取引上の信用を得させるために売買予約を仮装して所有権移転請求権保全の仮登記手続きをしたが、ＢがＡの印鑑を偽造して仮登記を本登記に替えて第三者Ｃに不動産を譲渡してしまったという事案において、仮登記の外観を仮装した者（Ａ）がその外観にもとづいてされた本登記を信頼した善意無過失の第三者（Ｃ）に対して責に任ずべきことは、民法94条２項、110条の法意に照らし、外観尊重および取引保護の要請というべきと判示した。

�A　最判昭45.11.19

Ａから土地を買い受けたＢが、所有権保全の仮登記手続をすべきところ、（登記手続を委任した司法書士が）抵当権設定登記および所有権移転請求権保全の仮登記をした後に、Ａから第三者Ｃへ当該不動産の所有権移転登記がなされた。その後、ＣはＡの債務の弁済供託をしてＢに対して登記の抹消を請求したという事案。本判決は、�@の判例の趣旨からみて、真実の所有者Ｂは、善意無過失の第三者に対し、登記が実体上の権利関係と相違していることを主張しえないと判示した。

　　

　私見　

１　現在は共有説が正しいと言われている。なぜ合有説ではいけないのか

　私は合有説でもよいのではないかと考える。まず共有説は協議が必要ではないため、スムーズに債券の取り立てができ財産の取引が円滑に進む。また所分権も認められ遺産分割がうまく言ってなくても、財産権を行使することができる。そして他人の権利を侵害しない。しかし私は相続人達で誰が相続をするかの協議が必要であると考え合有説も支持する。例えば登記に関する権利を持っている登記名義人の第三者に登記に関しての変更などを請求することができる。などの登記がなく弱いものを救済できるなど合有説は時間をかけ協議することで正確になるのではないか。また遺産の分割前には個人の持っている権利を処分できないことなど、共有説には様々な決まりがあり細かいところまで設定されている。私は遺産などの相続や登記にあたってはまず協議することが大切だと考えています。血縁や遺書など相続・登記にあたって考慮されるもの様々であり遺産相続の正解というものはないと思うがより故人の意思に近づけるために請求をしたりされたりすることが必要だと思う。スムーズにでき他人を侵害しない共有説も良いと思うが合有説を支持する。

２　相続と税

　相続と税とは単に遺産が移転されその時に税が発生するだけではなく物件などの登記やその他の税などにも影響し、法学の様々な知識を使うものであると思った。そして時代により形態は変わるものだと思う。また時代の変化に対して適用していかなければならない。現在の日本では高齢化が進んでいる。それに伴い順応していく必要がある。寿命がのびたが年々高齢者は増え相続をする機会はとても増えている。少しでもスムーズにするために遺産に関しては共有説が使われ、不動産を担保として融資を受け取り死亡・相続した際に返済するリバースモーゲージ制度が使われてきている。これは年金で安心できる生活ができなくなって、税が払えない人が増えたのでリバースモーゲージが増えたと考えた。また現在も遺産相続などに関して高齢化で見直され民法改正されようとしている。例えば遺言を法務局で保管できるようにし、死亡した人(被相続人)の遺産分割で配偶者の優遇を図るように改正しようとしている。高齢化で相続が増え日本の従来の制度は機能しなくなっている。これからの相続法の在り方は遺言の効果を出しやすく、書く機会を増やし相続の話をスムーズにする必要がある。またお金の関係などで税や相続をできないような人に対しての対策が必要である。

　

３　私は以前山などを持っている人が相続をする際に税などでほとんどひかれ相続をしてもあまり資産を相続することができず、山などの資産を持ってなければ良かった。相続税がなければよかったと言っていたのを聞いたことがある。

　私は固定資産税が高すぎて維持するのが大変で相続が高すぎることが原因だと思う。田舎などでは大丈夫だか都会では固定資産税評価額が高く相続税がとても高くなる。また山などの場合は整地をする必要があり相続税を払うことができなくなるので手放すことになる。また相続税は必要不可欠だと思う。相続税は日本の財源に必要なものであり制度としてある。相続をする課税は所得考えや一人の人に財産が集中しないようにするためにあったりする役割もあるので必要だと思う。現在は物納制度や延納制度があるが経済不況があり、もう少し制度が充実することが必要であると思う。誰もが親が死んだ後の最後の贈り物に税をかけるのはおかしいと思うが日本には相続税は必要だと思う。

４

　相続法は時代により変わっていかなければならないものである。また相続は親族間などで起きるトラブルなので遺書などの根拠はしっかり必要だと思う。日本の時代背景などに合わせ変わっていくことが難しい個人間を円滑に解決できると思う。

参考文献

節税の森(http://setsuzeinoki.com/)

中野相続手続きセンター(http://www.tokyo-intl.com/)

相続情報ラボ(https://so-labo.com/)

岩手遺言相続相談センター(http://www.tamura-souzoku-go.com/article/13498450.html)

相続税・贈与税・遺言の部屋(http://123s.zei.ac/)

リバースモーゲージの基礎知識(http://aoki335.com/)

期待されるリバースモーゲージの普及

http://www.reversemortgage.jp/cat4/index.html)

民法まとめ(https://www.minpou-matome.com/)

登記ノート

美濃島総合事務所（美濃島事務所）のある機関誌に掲載されている記事（その後に修正している）(http://toukinote.blogspot.jp/2013/10/blog-post_21.html)

東京新聞

Windows メール から送信

鈴木佑佳

＜相続と税＞

16J104007 鈴木佑佳

結論：日本が抱える相続と税に関する問題を突き詰めて根底から直すべきだ。

1. 相続について

日本では、私有財産が認められているが、所有者が亡くなったらその財産を所有する人がいなくなってしまうため、誰かがそれを受け継ぐ必要がある。所有者が死亡した財産をすべて国有化することができないのは明らかであるし、死亡した本人が借金をしていることもある。そうした場合、債権者が誰にも請求できなくなるのも不合理だ。そこで、これらの相続財産を次の世代に受け継がせることによって、私有財産を維持し、取引の安全をはかることができる。つまり、相続とは、人の遺産を次の世代に受け継がせることである。

相続は社会で生きていくために重要な制度であるが、時にトラブルの元となることもある。そうならないために相続をする前に大切なポイント�@何が相続財産になるのか、�A誰が受け継ぐのか、�B分配の割合、�C相続税を払えるのかを押さえるべきだ。

1. 相続財産とは、相続の対象になる遺産のことである。一般的には、現金や預貯金、不動産などと思われているが、それ以外にも借金などの負債や権利なども対象となる。反対に、相続されると思われるが、実は相続財産にならない財産や権利もある。

2. 遺産を誰が受け継ぐのかも大事である。もともと相続人とは異なる人に遺産を渡したいケースもあり、その場合には遺言書が必要になる。

3. 遺産の分配割合は、民法によって定められている。民法では、各ケースに応じて、法定相続人と法定相続分が定められているので、相続が起こった場合には、その割合に応じて遺産を分配する。

4. 近年相続税の基礎控除が大きく引き下げられたことにより、相続税を支払わなければならない家庭が増えている。

以上の４つのポイントを踏まえながら、事例と照らし合わせながら見ていくとともに相続について考えていこうと思う。

1. 事例から見た相続

それでは事例をいくつかあげていこう。

　⑴　AとBの間には婚姻関係があるが、Bには愛人C、Dがいた。Bには6,000万円の遺産があり、Bの死亡の2年前にBは「私が死んだら4,000万円を与える」と愛人Cと約束する。次にBの死亡の1年前にBは「私が死んだら2,000万円を与える」と愛人Dに遺言を書いた。

　　　このとき、本妻であるAはいくら貰えるのか。

　　私の意見は、Aには婚姻関係があるため遺族として、遺産を貰えるはずであると考える。しかし、Cは約束であり効果はなく、Dには遺言を残してあるため、Dにも遺言通りの2,000万円が与えられ、それを引いた分がAに相続されるのではないか。

　ここで出てきた、遺言により人に遺言者の財産を無償で譲ることを遺贈という。遺贈は、法律行為における単独行為であり、契約である死因贈与とは異なる。つまり、BとCの間には死因贈与の関係があり、BとDの間には遺贈の関係があることがわかる。

　この事例の最高裁の考え方によると、「遺贈・死因贈与とも発生したのは借りる前でも効力発生は相続開始時（死亡時）であるから遺留分減殺請求（遺留分を侵害されている相続人が、遺留分を侵害している受遺者や受贈者に対してその侵害額を請求すること）の対象になる。また、遺贈と死因贈与が競合した場合でも条文通り遺贈から減殺する。」以上のことから、Aは3,000万円が貰えて、Cは0円、Dは3,000万円貰えることになる。

⑵　Aの所有する家をBに売った。しかし、BはAを騙して家を買った。その後にBは、更にCに家を売った。

　　　この場合、Aは家を取り返すことができるのか。

　　私の意見は、Bは悪意のある行為であるため、AとBの契約は無効になると考える。それによって、Cとの契約も無効になるため、Aは家を取り返すことができるのではないだろうか。

まず、この事例を整理すると、AはBに騙された（＝詐欺）。民法96条からこの行為による取り消しをすることができる。しかし、BとCの契約は、CがB買ったのがAの取り消し前か後で変わる。取り消し前ならば、Cが善意ならCが勝つ（民法96条3項）。取り消し後ならば、どちらに登記があるかで決めることになる（117条）。ここでいうAとBの関係は当事者関係といわれ、利害を調整するためにはAが直接Bに対して話さなければならない。一方で、AとCの関係は対抗関係といわれ、この際の利害調整は善意・悪意問わず登記のような誰もが見えるもので決める（公示の原則）。

事例のように、相続において不動産の取引が問題になることも多い。例えば、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名簿を被相続人（亡くなった人）から相続人へ名義の変更を行うことをいう相続登記がある。このように相続と登記したことについて、対抗関係または当事者関係のどちらの関係にあるのか原則を洞察すること、第三者の出現時期が協議の前なのか後なのか、原権利者の本来の権利は元来の相続分か話し合いによるものなのか、3つの考え方を見る必要がある。

⑶　AはBに脅されて家を売った。Aはこの売買を取り消したが、BはCに家を売りCは登記を示した。

　　　この場合は、誰に家が与えられるか。

　　私の意見は、この結果はAの取り消しが前か後かで変わってくると考える。Aの取り消し前の場合、家の権利はAのままであるが、取り消し後になると家の権利はCが登記を示しているためCの物となる。

取り消しと登記した場合の事例の考え方は、CがAの取り消し前に買った場合は、民法96条によりAに家が与えられる。しかし、CがAの取り消し後に買った場合は、民法177条と二重譲渡類似からCの物になる。またこの考え方の他に94条2項の類推適用により結果が変わってくる。この94条2項の類推適用とは、94条2項が当事者間に虚偽の意思表示があったことを前提としている。これが必要になる場合理由は、不動産には動産とは異なり即時取得（192条）の規定がないからである。すなわち、動産には取引の安全を確保するため、192条によって、権利の外観を信頼した者には、取引行為によって所有権を有効に取得させるという規定が置かれている。これと同様の保護を不動産の場合にも与える必要から、94条2項の類推適用する法理が生まれた。ただし、ここで保護される「第三者」と認められるためには、第三者が善意であることや、第三者が無過失であるべきという説などある。以上のことから考えると、Cがいつ買っても善意ならばCの物になるし、悪意ならばAの物になる。また、対抗問題に適用させながらこの事例を相続と登記の視点で見たとする。まず、遺贈と登記した視点から見た場合は対抗問題が適用され、Cが勝つ。しかし、相続させる旨の遺言を登記した場合と、相続放棄（一切の遺産相続をせずにすべて放棄してしまうこと）と登記した場合については対抗問題が適用されずAが勝つことになる。

　⑷　AとBは組合を作って事業を開始した。Bは家を現物出資して、Aは現金を出資した。BはCにこの家を売り、Cは登記をした。

　　　このとき、Aは返してくれといえるのか。

私の意見は、AとBは組合を作って事業を開始したわけであるから、そこには法的なつながりがあると考える。しかし、Aが欲しいといっても組合を組んでいる以上、Bの物でもあるわけだから家の権利は半分半分になるのではないだろうか。

この事例のポイントは組合を作っているという事。このような共同所有には3種類の共有がある。その中でも組合という共有は合有と呼ばれている。合有とは、各共有者の持ち分を潜在的に有する持ち分の処分の自由が否定されていて、目的物の分割請求の自由も否定されている（民法676条2項）。以上のことから見るとこの場合は、AとBのどちらにも持ち分は存在するが、家の分割請求権は認められないとして、家の相続分はAとBで半分ずつになることがわかる。

1. 日本の問題点

事例と照らし合わせて相続について考えてきたが、次は税金の観点から相続を見ていこうと思う。

日本の税制の特徴は、�@得産課税の割合が小さいが事業承継についての配慮がない、�A家族について背産保護を重視しない割には所有権絶対の理論を貫く、�B不動産の利益価値を重視しないので820万戸の空き家が出る一方で福祉施設の建設量が社会給付量の中で大きいという特徴を持つ。この日本の税制の特徴を見ていくと問題が出てくるのだ。その一つは、中古不動産市場が活性化しないことで空き家が増えていき、その分の余分な税金がかかってしまうことだ。では、なぜ活性化していかないのか。

中古不動産市場が活性化しない理由は、�@家が建っているが固定資産税が安い、高い譲渡所得税（不動産取引においての売り手の立場）など税制に不備があること、�A相続登記の視点から見ると強制力がないため放置される…そうすることで、時間が経っていくと相続人の数が増えて税を支払う量が膨大してしまう、�B不明確であるため安心して相続する前の人の家を売り払えないなどの物権変動論があるためである。

数字で見ても、日本の中古不動産市場が15％なのに対して、アメリカは80％と大きな違いが見える。

この問題の根底にあるのがリバースモゲージ(Reverse mortgage) ではないだろうか。自宅などの不動産を担保にして、そこに住みながら自治体や金融機関から年金型の生活資金融資を受けて、死亡時や契約終了時においてその不動産を売却して現金返済に充てる制度があることで日本人はこれに頼ってしまい、現在、日本は1,000兆円の借金を抱えることになってしまっている。

1. 最後に

ここまで、相続について事例をもとに知っていき、またそこから見える相続と税の問題点について学んできた。現在の日本が抱える問題を見ていくとその根底には老後のお金の問題などがあるのではないかと考える。Reverse mortgageに頼ってしまっているのも、老後の資金のためや、介護をする際の担保として家をそのままにしていたりなど先の将来の金銭面を考えた時の安全策として頼ってしまっているのではないだろうか。授業で何度も、私たちの将来の年金は貰えないかもしれないと聞いた。そうなるとこのような考えになるのもわからなくないだろう。今の抱える問題の根底を突き詰めてそこから直していく必要があるのではないかと感じた。

【参考文献】

・授業ノート

・相続のすべて（https://www.souzokuhiroba.com/souzoku/souzoku.html）

吉田利成

相続と税

16J106022　吉田　利成

・結論：様々な土地・建物のなかで中古不動産市場は流動性を高めていく中、空き家が増加

・国を挙げて「中古住宅市場」の活性化を促進している

一般的に所有する不動産を売却しようとするのは、中古市場が活性化に向けてテコ入れされようとしているからではないと思います。不動産市況はまだ好調さを見せているためいつか売却するなら今だとタイミングを見計らっての判断かもしれませんし、何らかの理由で資金需要が発生し、その結果、泣く泣く手放さざるを得ないという事情があるかもしれません。それでもあえて、このテーマを言及する理由は中古市場の活性化には、既存建物の資産性を高めていこうという狙いがあるからです。

つまり、新築時から一定の年数が経った古いものであるというだけで不当に安くしか評価されない建物を、適切に評価していこうという流れがあるのです。古いものは安いというのは真理で、希少性の高い一部の中古品はむしろ新品の時より高く評価されることがありますが、一般的には使用済みの中古品は安くなるものです。ところが、同じ中古品でも戸建て住宅だけは特異で、新築から20年も経つと建物の価値はゼロとみなされるなど、建物の評価では明確な根拠のないまま不当な扱いを受けているのです。

・不動産の相続と税金のかかわり

　ここで不動産の相続と税金のかかわりについてまとめておこうと思います。まず、家や土地、マンションなど不動産の相続で支払う税金は「登録免許税」と「相続税」の2種類です。登録免許税とは土地や建物の所在地、面積、所有者の情報などを登記簿に登録することを「登記」と言います。相続した土地などの不動産は、所有者が変わるため「所有権移転登録」をする必要があります。この登記をするのにかかる税金が登録免許税です。そして、死去した人が所有していた財産を、その家族などが引き継ぐことを「遺産相続」といいます。この遺産が一定の額を超えると相続税の支払い対象となります。この一定の額とは、遺産の総額から相続税法で決められている「基礎控除額」を差し引いた金額に相続税が課税されます。

相続で支払う税金は２種類ですが、不動産を売った時にかかる税金もあります。それが「譲渡所得税」というものです。土地、建物を売ったときの売却益である譲渡所得は他の所得とは分離して課税されます。売ったときの税金である譲渡所得税を求めるには、「課税譲渡所得金額」が明確に分かっている必要があります。土地や建物の売却代金である「譲渡価格」から、資産を買った時の価格にその後に設備を増加させた費用や改良のために支払った費用を加えた「取得費」、「譲渡費用」「特別控除額」を経費として引いたものが課税譲渡所得金額です。不動産には同じものがないという特徴があり、個別に税金の計算をする必要があります。自分の持っている不動産を売った場合、または相続した場合どのくらい税金がかかるかを把握するのも不動産売買において大切なことです。

・不動産の名義変更である相続登記について

　まず、相続登記とは不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人(亡くなった方)から相続人への名義の変更を行うことを言います。すなわち、被相続人名義の不動産を、相続人が相続(取得)した場合に、被相続人から相続人に名義変更する手続きです。そして、相続登記は法律上の期限を決められているわけではありません。よって、相続登記をせずに放置しておくことが可能です。ただし、問題は別にあります。相続が発生して不動産を取得した場合は、その権利を登記によって確定しておかないと将来的に相続人同士で争いになる可能性があり、そのような事態を避けるために不動産の相続登記を行うのです。

また、不動産登記がないと相続後に家を売りたいとなった場合に、自由に売却することができないという問題も発生します。厳密にいうと売却できないのではなく、相続登記をしないと相続人全員で所有している状態になるため、1人の意志では売却できず全員の同意と署名が必要になります。そのほかにも登記しておかないとほかの相続人に登記されてしまったりするのでトラブル防止のためにも、不動産を相続した際には相続登記するべきだと思います。

・物権変動

　相続に限ったことではないですが、物権変動はとても重要なカギとなっています。日本の民法は意思主義を採用しているため、当事者の意思表示(合意)によって物権変動は生じる。この意思によって生じた目に見えない物権変動について、外界から認識できるような方法で公示をしなければならないという考え方を公示の原則といいます。そもそも物権とは物の排他的な支配を可能にする強力な権利であり、物に生じた権利の変動を外界からでも認識できるように公示しないと、取引などに入る第三者にとって不都合となるからです。

不動産の物権変動があったことを公示するには登記(１７７条)を、動産の物権変動があったことを公示するためには引渡しをすることで成り立ちます。日本の民法は意思主義をとりながらも公示の原則の要請も満たすべく公示を促進するために、公示の対抗力を付与した「対抗要件主義」を取り入れています。

このように登記や引渡しなどの公示は、第三者に対しての状態を示すものであるから、第三者は公示どおりの物権変動があったのだろうと期待します。こういった第三者への公示への期待・信頼を保護するために、たとえ公示が実際の権利状況と異なる場合でも、公示どおりの物権変動があったことにしようという考え方を公信の原則といい、公信の原則が適用されるような公示には「公信力がある」ともいわれます。

不動産の物権変動における「登記」には公信力がありません。したがって虚実の登記を信頼した者は原則的には保護されることはありませんが第三者が善意(無過失)で虚実の登記を信頼した場合は、通謀虚偽表示に関する９４条２項の類推適用を用いて保護される場合があります。(権利外観法理)

・「相続させる」と「遺贈する」では大きな違いが

　「不動産を妻に相続させる」や「不動産を息子の嫁に遺贈する」など、「相続させる」や「遺贈する」という文言は遺言の中でよく見かけます。どちらも遺言者が死亡した場合に特定の者が財産を取得することになっているという意味においては似ているのですが、そこには大きな違いがあります。

人が亡くなると、その人が生前有していた財産上の権利・義務等はその人の法定相続人に移転します。この法定相続人に財産を移転させることを「相続させる」と呼ぶのです。従って、法定相続人以外に対して「相続させる」とは書くことはできません。

一方、「遺贈」とは遺言によって財産を無償で譲ることを言います。譲る相手(受遺者)には特に制限はなく、法定相続人に対してもその他の人や団体に対しても「遺贈する」と書くことができます。

不動産の手続きでは「遺贈する」と遺言に書いた場合は、遺贈を受ける者は他の法定相続人と共同で所有権移転の登記申請をしなければなりません。このため、法定相続人全員の印鑑証明書などが必要となってくるため、かなりの時間と手間がかかる場合があります。また、相続人の間で相続争いが起きた場合は、他の相続人から協力が得られず登記手続きが進まない可能性もあります。一方、「相続させる」遺言の場合は、指定された相続人が単独で所有権移転の登記申請をすることができますので、手続きが簡単でかつスピーディーにできます。また、「遺贈する」と書いた遺言では登記しなければ債権者に対して自分の権利を主張することができませんが、「相続する」と書いた遺言の場合では登記がなくても債権者に自分の権利を主張することができます。

・不動産の様々な選択肢

　まず不動産を相続する際に亡くなった方の資産も負債も相続しないという制度を相続放棄といいます。相続人は「自己のために相続の怪死があったことを知った時」から３か月尾内に決める必要があります。

相続放棄のメリットは、何より借金や債務、負債を負いたくないのであれば家庭裁判所に申したてるだけで、被相続人の資産も負債(借金、債務)は、次順位の相続人で単独承認した人が承継することになり、相続放棄した人は何もするいつ用がないというところです。また、もし相続人全員が放棄すると、資産と負債は、家裁から選任された相続財産管理人が管理することになり、管理人において資金を換金して負債の返済に充てます。自宅不動産を含む財産も処分して債権者への配当に供します。残りがあれば国庫に納めます。つまり、相続放棄は、家裁に申し立てるだけで何もしなくてもよく、簡便な手続きで借金や債務、負債を免れる手続きと言えます。

相続放棄のデメリットは、簡便に負債を免れますが、自宅不動産を確保したいと考えた倍に限度があることです。この点、限定承認を選択し、自分で換価手続きをして自宅不動産を守るという選択肢もあります。また、負債の金額が不明の場合、博打、賭けをするのと同じでリスクがあるということです。

　次に信託不動産についてです。信託とは財産管理手法の１つで、資産保有者(委託者)が遺言または契約によって、信頼できる相手(受託者)に対して不動資産等を移転し、一定の目的(信託目的)に従って、特定の人(受益者)のためにその資産を管理・処分する法律関係を言います。そこで合有という言葉を聞いますが、これは共有と同じく複数の持ち主で持分を定めることはできても分割して扱うことができないというものです。２つの会社で持っていてその持っている自分の会社の分を勝手に売るなんてことができないということです。

　最後にreverse mortgageについてです。reverse mortgageとは、自宅(持ち家)を担保にして、そこに住み続けながら金融機関から融資を受けられる主にシニア層向けの融資制度です。死亡後は自宅を売却して、その代金を融資に一括返済に充てるというものです。メリットは、自宅を売却することなく融資を受けられること、資金使途については、自由型と限定型があり、自由型なら生活資金以外に利用することが可能だということ、住宅ローンに比べ利用時の収入要件が比較的緩やかなことがあります。デメリットは、長生き、金利上昇、不動産価格下落などリスクがあることです。

・今後の不動産と意見

　これまでに挙げたように不動産の売買には様々な手段があり相続の方法もたくさんあるということがわかりました。

現在、中古建物のままでは新築に比べて市場性に欠ける面があることから、建物に手を加えて価格を高めるリフォームやリノベーションなどの事業に乗り出す民間企業も出てきているそうです。また、新潟や北海道などでは空き家が年々増加し、国や自治体の多くが、空き家対策に税制優遇策や助成金などの経済支援、空き家バンクとまで言われ充実を図っているものの現状焼け石に水である。その空き家を富裕層の中国人が爆買いをし、いつか中国人に支配されてしまうのではないかと少し恐ろしい面もある。今後の対策に期待したいとおもいます。

参考文献：http://www.tokyo-intl.com/category/1597982.html

http://gentosha-go.com/articles/-/4985

http://www.joyobank.co.jp/woman/column/201612_03.html

http://souzokuhouki-with.com/sozokuhoki_merit_demerit/

http://www.e-souzok.com/report/archives/84

授業のノート等

矢崎愛

水曜４限　相続法　期末レポート課題　　

〈相続と税〉

相続における制度の内容にもっと目を向け、現在の社会にあった整備をしていくべきであると考える。

a) 相続による物権変動

相続による不動産の物権変動において、第三者への対抗として挙げられるものに公示の原則と公信の原則がある。日本の民法は意思主義を採用しており、当事者間の意思表示によって物権変動は生じるため、この意思表示によって生じた目に見えない物権変動について、外界から認識できるような方法で公示しなければならないという考え方を公示の原則という。この原則は、不動産と動産は比較しても不動産の方が高価であり、これを失うと権利者にとって大きな不利益を被ることになるという点と、高価という理由から取引が頻繁に行われるわけでもないため、取引関係に入るものが動産と比較しても少ないという点から、不動産では公示の原則が採用されている。しかしながら、物権変動の公示は必ずしも真実の権利関係を正しく反映しているとは限らない。公示によって権利を有するとされている者が、実際には、権利者でない場合も存在しうるからである。そのような場合に、公示を信頼して取引をした者（善意）が、相手方が実は無権利者であるから権利を取得できないとなると、取引の安全を著しく害することになってしまう。そのため、実際には存在しない権利が外形的には存在するようにみえ、その外形を信頼して取引した者を保護するというのが公信の原則である。不動産については公信の原則は認められていないが、民法９４条２項の類推適用をすることで、取引の安全を図り第三者の権利保護を行うことができる場合も存在する。

私は、動産の場合は受け渡しなどが不動産よりも容易であると思うので本来権利者の保護を優先させることが厳しいと感じている。そのため、動産には公信の原則が適用され不動産には適用されないことについては仕方がないと考える。

b) 相続とお金

亡くなった人の財産を受け取るときに、支払わなくてはならない税金を相続税といい、親子や夫婦、兄弟などの血縁者による相続や遺贈、死因贈与契約によって支払い義務が発生する。相続した家や土地を売却する場合、遺産分割協議をしてから売却をすることになるが、この遺産分割をしていない状態でも自分の法定相続分のみなら売却ができる。この見解は、相続財産の共有説と合有説の対立における共有説にたった立場である。このような家や土地の売却時にも譲渡所得税という税金がかかる。ではなぜ、こういった相続時にかかる税金は必要であるのか。その大きな理由として、富の再分配があげられる。富の再分配とは、貧富の差を緩和させ、階層の固定化とそれに伴う社会の硬直化を阻止して、社会的な公平と活力をもたらすための経済政策の一つである。つまりは、「金持ちの家はずっと金持ち」「貧乏人の家はずっと貧乏人」といった、社会での階層が固定化しやすくなってしまうのを、再分配を行うことによって、貧富や生活水準の格差を是正していこうという政策なのだ。このあたりが相続税のメリットと見られているが、やはりデメリットも存在する。1つめに、相続税は所得税から取ったお金の残りに税金をかけているので、二重課税の疑いが指摘されてきたこと。2つめに相続税や譲与税を重くするとお金持ちが海外に逃げていき、再分配できる税金が減ってしまうこと。3つめに、中小企業の事業継承に支障をきたすということ。が挙げられている。

どちらかというと、私は富の再分配に賛成である。確かに、努力もせず貯金もせず遊び暮らした人よりも、勉学に励み仕事に励み堅実に生きてきた人に多くの税金が課せられて自分の子供にその全てを渡すことができないというのもどうかとは思う。しかし、だからといって「これは努力の差なのだから致し方がない」と放置してもよいのだろうか。能力のある人はその報酬を正しく得るべきであるとは考えるが、歪んだ税制度で金持ちを固定化してしまうことは、能力とは何の関係もない。今お金があるというだけでうまく生かしていない人からはどんどんと取り上げて再分配し、中流、あるいは所得の低い人から現れる才能のある人に機会を与えた方がずっと国のためになるのではないかと感じている。

c) 相続と土地

相続によって生じる土地の問題として、「所有者不明の土地」や「空き家」が一番にあげられる。個人の相続と、土地の「所有者不明化」。一見関係ないように見えるが、実はその間には土地の権利と管理をどのように次世代に引き継いでいくのか、という大きな課題が横たわっているのである。

まず、土地所有者の所在や生死のゆくえがわからなくなる大きな要因に、相続未登記の問題が挙げられる。一般に、土地や家の所有者が死亡すると、新たな所有者となった相続人は相続登記を行い、不動産登記簿の名義を先代から自分へ書き換える手続きを行う。ただし、相続登記は義務ではなく、名義変更の手続きを行うかどうかなどは、相続人の判断にゆだねられている。そのため、もし相続登記が行われなければ、不動産登記簿上の名義は死亡者のまま、実際には相続人の誰かがその土地を利用している、という状態になり、その後、時間の経過とともに世代交代が進めば、法定相続人はねずみ算式に増え、登記簿情報と実態とがかけ離れていってしまうのだ。こうした状態自体は違法ではない。しかしながら、土地とは、私たちの暮らしの基盤であり、代替性のない唯一無二のものである。30年、50年以上前のままの登記記録が、いま各地で土地利用の妨げとなっているように、土地制度の課題についての無自覚や解決の先送りは、子や孫の世代に負の資産を残すことになるのではないか。相続人に相続登記を申請する意欲はあっても、手続きの困難さや複雑さのせいで相続登記をあきらめてしまうのなら、土地が長年放置されることがないようにするために、実態に即した、より簡便な制度を作ることが必要だと私は考える。

次に、空き家をつくってしまう原因として相続放棄が挙げられる。空き家、空き地の増加が目立つ中、所有者が所有し続けることが負担になっており、いっそ所有権を放棄したいとの要求が強まっているからだろう。民法239条には、「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」という規定があるが、仮に、所有権の放棄が認められれば、国の所有に移ることになる。不動産の所有権の放棄に関しては、一般論としては、動産で放棄ができるのならば、不動産でも明確に禁じる規定がない以上、放棄はできるとの説が多い。しかし、(1)それはどのような条件の下でできるのか、(2)その手続きはどのようなものかという点について見解が分かれている。順番が前後するが、まず、(2)の手続きについては、「物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる」（民法176条）とあるので、意思表示だけでできるとする見解もある。しかし、第三者に対抗するために行う登記については、現状では所有権放棄の手続きは存在しない。(1)の条件については、放棄できるにしても、例えば危険な不動産の場合、専らその管理責任から逃れる目的で放棄するようなことは公序良俗に反し、認められないとの見解がある。「負財」という概念を用い、国が所有することについて同意できないような負の価値を持つ不動産については、放棄できないとの説もある。この場合、放棄できるのは、国が持つことについて何らかの価値を見出せるもの、あるいは少なくとも持っていてもリスクを負うようなものではないものに限られる。前者の場合、寄付を受け付ける場合の条件に近く、後者を含めれば、それよりは広げた範囲において放棄を認め、国が引き取ってもよいという考え方になる。しかし、現状では国は基本的に寄付すら受け付けておらず、より広い範囲で国が引き取らなければならないとなると、国の負担は増す一方である。相続放棄は不要な不動産のみを選択的に行うことはできず、遺産すべてを放棄しなければならないが、相続人全員が相続放棄して相続人不存在となった場合、自治体などによって選任された相続財産管理人が換価して残余があれば、国庫に納付される。しかし、相続財産管理人の選任には費用がかかるため、相続放棄後、こうした手続きが行われることは稀である。また、最後に相続放棄した人は、相続財産管理人が選任されるまのでの間、管理責任は残るが、その責任も現状では徹底されているわけではない。相続放棄された不動産が危険な状態となり、そのまま放置されていることも少なくない。前述のように、相続放棄は選択的に行うことができないため、現状ではそれが相続放棄に踏み切るハードルになっているが、今後、空き家のほかにはめぼしい遺産がないといったケースが増えていけば、相続放棄が増え、管理責任も果たされず、最終的に公費で取り壊さざるを得ない事案が増えていく可能性がある。また、必要な財産を遺言書で遺贈したり、生前贈与したりしておけば、必要な財産を確保したうえ、最後に不要な不動産のみを相続放棄して手放すといったこともできないわけではない。

このように、土地の問題は個人の相続と密接に関係し、一人一人が「自分のこと」として考えていく必要があるにもかかわらず、自分の暮らしと結び付けて理解することが難しく、解決を先送りにしてしまったり、相続自体を放棄してしまうのが現状である。土地を次の世代へ適切に引き継いでいくために、人口減少時代に適した土地制度の整備が必要だといえる。

まとめ

相続に関係する土地や税金の問題は、今後の日本社会においてより多発するだろうと私は考えている。なぜなら、日本はこれから今よりもひどい少子高齢化社会へと突入するからだ。高齢者が増える以上、いかに医療技術が進歩しようと亡くなる人の数はどんどん増え、亡くなる人が増えるということは、おそらく遺産相続に触れる機会も同時に増えるということだ。社会保障関連の事業やシステムが大幅な進展を見せる中、新たに相続に関わる部分で出来たシステムがReverse mortgageである。Reverse mortgageとは自宅を担保にした年金制度の一種で、自宅を所有しているが現金収入が少ないという高齢者世帯が、住居を手放すことなく収入を確保するための手段である。自宅を担保にして銀行などの金融機関から借金をし、その借金を毎月の年金という形で受け取ることができる。年月と共に借入残高は増えていき、残高に対する利息も未払いのまま残高に加算される。契約満期または死亡時のどちらか早い時期に一括返済しなければならない。現金で返済できない場合は、金融機関は抵当権を行使して担保物件を競売にかけて返済に充当する。契約者が死亡した場合の返済義務は、契約者の相続人が承継する。しかし、日本では中古不動産市場が活発でない故に根付いているシステムとは言い難い。だが、このようにいくつかのデメリットも抱えているこのシステムも、少子高齢化社会に向けた法的システムを作り出すための一歩としては、とても大きなものだと私は考えている。

相続は、税金や土地の観点からみても、刻々と変わりゆく日本の社会状況にあわせてその制度の内容も柔軟に変わっていくべきであり、国民の生活をよりよくサポートするために整備をしていかねばならない。

＜参考文献＞

・http://amazonia.bakufu.org/zidai.htm

・https://kotobank.jp/word/公信の原則

・1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-4210.html

・johoseiri.net/entry/sozokuzei2017

・https://tt-office.biz/houki/iranaihudousan

・http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/201612/2016-12-1.html

・http://toukinote.blogspot.jp/2013/10/blog-post_21.html

・人口減少時代の土地問題　　吉原祥子　（中央公論新社）

荻子果歩

相続税を下げ、遺言や遺贈による相続を多くさせるべきである。

１． 現在の日本の相続の現状

現在の日本の空き家は平成25年度の統計で13.5％であり、過去最高の件数となっている。空き家が多い原因のひとつとして、相続税や譲渡所得税が高く、地方の家や叔父叔母が住んでいた家を相続放棄する人が多くいるとされている。そもそも遺贈とは遺言で、財産の全部または一部を、相続人又は相続人以外の人に無償で贈与（譲渡）することをいい、遺贈の効力は、遺言者が死亡した時に発生し、所有権移転の効果が生ずるとされている。また相続をするためには相続登記が必要となる。相続登記とは不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人（亡くなった方）から相続人へ名義の変更を行なうことをいう。すなわち、被相続人名義の不動産を、相続人が相続（取得）した場合に、被相続人から相続人に名義変更する手続きである。相続登記に期限はなく、放置していても問題はない。しかし相続によって発生した不動産の登記の権利で、もめてしまうことがあるので相続登記をしておく必要があるとされている。相続人は子供や妻、祖父母などはなれるものの、愛人が相続人になることはできない。このような多くの問題があるために空き家の件数が増えていると考える。

２． 日本の判例

まずは、相続と遺贈の違いについて。相続とは実行行為であり、相続開始と同時に遺産分割を要せず、当然 にその財産を取得するものとされている。ただし、「相続させる」相手は、法定相続人に限られ、相続人以外の者に「相続させる」ことを、遺言することはできない。一方、遺贈とは、法律行為の中の単独行為とされており、遺言で、財産の全部または一部を、相続人又は相続人以外の人に無償で贈与（譲渡）することをいい、遺贈の効力は、遺言者が死亡した時に発生 し、所有権移転の効果が生ずるとされている。ただし、遺贈の効果を、第三者 に主張するためには、所有権移転登記等の対抗要件が必要になりますので注意が必要である。遺贈する場合には、他の相続人の「遺留分」に配慮することを忘れてはいけない。 遺留分権利者から減殺請求を受けると、侵害した部分については財産を返還しなければいけなくなる。贈与の効力は1年間であり、1年前以上も前に契約しているものは効力を持たない。例えば愛人に相続させると遺言を死亡する1年以上も前にしていれば無効となり、相続することができなくなる。しかし1年以内に作成された遺言であれば効力をもち、相続することができる。ただし遺留分の減殺がある、と最高裁判決で判事されている。次に多くの人数で組合を作り事業を展開している場合。相続財産は共有とされ持分権と分割請求権は可能である。組合は合有とされ、持分権はあるものの分割請求権は認められない。入会権は総有とされ持分権も分割請求権も認められないとされている。組合は、構成員の個性が重視される。例えば、鹿島建設・大京建設・間組が建築共同企業体を形成して工事を受注・施工しているときに、鹿島建設が自分の持分権を得体の知れぬ団体に譲渡したりすると、今後工事を続行していく上で相互の信頼関係が築けなくなってしまう。また、工事を施工している最中に組合財産の分割を請求されても、やはり今後の資金繰りに大きな影響を及ぼすことになる。こうしたことから、組合財産の場合は、民法上の共有とは異なり、持分の処分は許されず、かつ、分割請求権も認めなれないとなる。民法909条の解釈より、遺産分割には遡及効があり、当事者の死亡時から所有権の移転があるとする宣言主義。第三者の権利を害することはできない。当事者の死亡時ではなく遺産分割協議時から相続人が持分を得ることができるとする移転主義の2つがある。移転主義には遡及効がないとし、日本の判例は移転主義の立場をとっている。民法９０９条但書は、遺産分割前の第三者についての規定であり、遺産分割後の第三者については、適用されないと考えられる。裁判例には、「不動産に対する相続人の共有持分の遺産分割による得喪変更については、民法１７７条の適用があり、分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は、その旨の登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利の取得を対抗することができないものと解するのが相当である。」旨を判示したものがある。したがって、遺産分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は、遺産分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利の取得を対抗するためには、登記が必要であると考えられる。それから公示の原則というのがある。公示の原則とは物権の排他性から、物権の変動には公示が要求され、公示のない物権変動の効力は否定されるものであり、対抗要件主義として物権変動は、公示がなければ第三者に対抗することができないとしている。権利の変動それ自体は目に見えないから、第三者にその存在を知らせるためには、外部から認識することができる形式をともなわなければならない。もし、権利の変動を外部から認識できなければ、権利を喪失した者を依然として権利者であると信じて取引をする第三者が現れるおそれがある。とりわけ物権は排他的効力を有するので、第三者に不測の損害を与えるおそれが大きい。物権の変動を外部から認識できる状態に置くことを、物権変動の公示といい、公示のために用いる手段を公示方法という 。物権には排他性があることから、物権の変動には公示が要求され、公示のない物権変動の効力は多かれ少なかれ否定される。これを公示の原則という。公示の原則における対抗要件とは、一つは、物権変動は当事者の意思表示のみで有効に成立するが、公示がなければ第三者に対抗することができないとする立法例である。フランス民法の立法主義であり、これを意思主義・対抗要件主義と呼ぶ。日本民法もこの立場である（176条・177条・178条参照）。もう一つは、物権変動には常に公示を必要とし、公示がなければ物権変動が成立しないとする立法例である。ドイツ民法の立法主義であり、これを形式主義と呼ぶ。これらふたつを公示の原則における対抗要件としている。また公示の原則とは別に公信の原則がある。物権変動の公示は、必ずしも真実の権利関係を正しく反映しているとは限らない。公示によって権利を有するとされている者が、実際には、権利者でない場合も存在しうる。そのような場合に、公示を信頼して取引をした者が、相手方が実は無権利者であるから権利を取得できないとなると、取引の安全を著しく害することになる。 そこで近代法は、物権変動の公示を信頼して取引した者は、たとえ公示が真実の権利関係と一致しなくても、公示どおりの権利を取得することを基本原則としたことを、公信の原則という。不動産の物権変動における「登記」には公信力はない。したがって、虚実の登記を信頼した者は原則的には保護されないことになる。ただし、第三者が善意(無過失)で虚偽の登記を信頼した場合は、通謀虚偽表示に関する９４条２項を類推適用して保護される可能性もある（権利外観法理）としている。94条2項類推適用とは真実の権利関係と異なる登記（不実登記）に対する信頼を保護するための理論として判例によって展開されたものである。同条項は虚偽表示によって作出された外観を信頼した第三者を保護するための規定であるが、この規定を相手方との通謀や虚偽の意思表示が存在しない場合にまで類推することによって、不実登記に対する信頼の保護を図ることがなされている。このように、94条２項類推適用は、登記に公信力がないことを不完全ながら補うことによって取引の安全を図るという重要な機能を果たすとされている。94条２項が権利外観法理の現れであるとすると、その類推適用にあたっては、�@虚偽の外観の存在、�A外観作出についての権利者の帰責性、�B第三者の外観に対する信頼という三つの要件を具体的に検討しなければならない。

３． 今後の展望

今後日本は不動産の相続を見直していかなければならない。相続放棄をしていて、愛人に不動産を譲るというような遺言があるとするならば、愛人だから相続できないではなく、当事者の意思を尊重するべきである。また、中古不動産市場をもっと進めていくべきだと考える。中古不動産だから空き家にするのではなく、中古不動産だからこその魅力を伝え、年々上昇しつつある空き家件数を減らしていく必要がある。また今は親族で介護をしてくれる人がいないためにReverse mortgageといったことも増えている。Reverse mortgageとは、自宅を担保にして、金融機関等からお金を借りる仕組みである。Reverse mortgageは、契約者が死亡した後も、配偶者に契約を引き継ぐことができる商品も多数ある。これによって相続をする人も出てくる。登記を持っているものを保護する必要がある判例に納得はするものの、登記を持っているだけで、そこに住む意思がないもの、また、そもそもその不動産を相続する気のないものなどがいる以上空き家がへることはない。そこで登記は必要であるが、まずその物件を使用する意思があるのか、ないのなら中古不動産としてだれが家主なのかわからなくなる前に売りに出すなどの方法をとる必要がると考える。そうすることによって中古不動産市場があがり、現在日本で問題とされている空き家の件数が減り、ホームレスの方が減り、日本のお金も今後の私たちの年金などにつかえるくらいになるのではないかと考える。そのほかに、相続税や譲渡所得税などの税金を減らし、親族などが相続しやすい環境にすることによって、相続放棄などの問題も減少していくのではないだろうか。現在の日本の相続法をきちんと見直し、どのような法律にすれば登記の問題や相続の問題が減るかを考えていく必要がある。

山口尚泰

相続と税

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　学籍番号：16J120005

氏　名：山口尚泰

１．結論

　私は、現行の相続と税の仕組みを改善すべきだと考える。

２．相続税とは

不動産を相続すると、まずかかってくるのが「相続税」である。基礎控除額（相続税がかからない金額）があり、算出方法は、「3,000万円＋600万円×法定相続人の人数」となっている。被相続人（亡くなった方）が、不動産などの財産を持っていて、

上記の財産−控除額を計算してもまだプラス金額になる場合、越えた部分に関して相続税がかかってくる。被相続人の不動産や生命保険、車、ゴルフの会員権、株券や金融資産など、資産が多く、相続人が少ないほど相続税がかかることになる。

（１）相続税を支払うために、不動産を売るとどうなるのか

よくあるパターンであるが、親が亡くなり、土地や建物など不動産を沢山相続することになった子供。でも、相続税がかかってしまうことになった。親が遺した現金では全然足りないので、その相続税を支払う為に、親から相続した土地と建物を売らないといけません。そこで、一部の土地と建物を売却しよう、ということを思いついたのだろうが、相続税を払うためでも、土地を売却した場合には、譲渡所得税と住民税（合わせて譲渡税とも言います）が課税される。「え、相続税を払う為に売却するのに、そこで所得税がかかるなんて、二重課税じゃないの？」と思われるところですが、税務署や国税庁ではそういう判断にはなっていない。なぜなのか。

（２）相続税と譲渡所得税の考え方とは

ア．相続税の考え方

　「財産を相続した」ということによる税金。

イ．譲渡所得税の考え方

　「譲渡所得税は値上がり益（含み益）に対して課税する」というもので、相続財産でも亡くなった人が取得したその時の金額を引き継いでくるため、いざ売却となった場合には、その時に「実現した値上がり益分」に対して課税される。

以上のア、イのような理屈で、二重課税ではない、という見解になっている。

３．中古不動産市場とreverse mortgage

Reverse mortgage（以下リバースモーゲージと記す）制度の普及のための柱の一つに、中古不動産市場の流動性が高いことが挙げられる。リバースモーゲージ先進国であるアメリカでは、日本の中古不動産市場の12倍の規模があるといわれ、リバースモーゲージ制度の普及に寄与していると考えられている。流動性の高い市場が存在することで、リバースモーゲージの契約終了後、その担保となっていた不動産に、早い段階で買い手が見つかるわけですから、資金を融資していた側にすれば流動性が低い場合に比べると、ロスやコストが軽減できるのは容易に想像がつくだろう。

我が国の中古不動産市場が活性化すれば、アメリカの例でも明らかなようにリバースモーゲージ制度の普及を後押しすると考えられますが、残念ながら現状はそうではありません。

では、ここからは今後の中古不動産市場活性化とリバースモーゲージを考えてみたいと思う。

まず、現行の公的機関によるリバースモーゲージ制度では、その担保となる不動産はほとんど「土地」となっている。つまり、住宅に関しては担保となるケースがほとんどなく、仮に担保不動産と認められた場合でも、それに対する評価額は低く抑えられている。直接融資制を採用している武蔵野市ではマンションなどもリバースモーゲージの対象不動産としているが、それに対する融資の評価額は50％ となっていて、例えば一軒家(といってもほとんどが土地)の場合の70％よりも低く設定されている。

背景には、日本の住宅耐用年数が平均25〜26年であること、中古不動産市場の低い流動性などが挙げられるだろう。ここで重要なポイントは。新築住宅を購入しても中古住宅を購入しても、リバースモーゲージ制度で対象となる不動産はそのほとんどが「土地」だということだ。例えば、住み替え型のリバースモーゲージなどを利用する場合には、(高齢者世帯が世帯人員の減少や住宅環境の改善などの理由でセカンドハウスを選び そのセカンドハウスを担保とする場合)、土地評価額を基準に選ぶことが大切になってくるということである。また、これから住宅を購入することを考えている人は、住宅は中古でも土地評価額のより高い地域を選択すれば、将来的にリバースモーゲージで相対的に高い融資額を期待できる可能性がある。

強く言いたいことは行政を中心とした中古不動産市場の活性化はもちろんだが、リバースモーゲージを利用する側への制度の認知を進めることによる、中古不動産市場の活性化だ。リバースモーゲージ利用範囲の拡大、制度の認知を進めることで、その評価と なる「土地」を基準に住宅を購入する層の拡大、注文住宅で耐用年数の長い住宅を設計する意向の拡大、それによる中古不動産市場の拡大を計ろうということである。小さなことでも中古不動産市場の活性化の一翼を担うことになるというわけである。今後の中古不動産市場の活性化に期待することが出来るのではないだろうか。

４．公示の原則と公信の原則

（１）公示の原則

物権の排他性から、物権の変動には公示が要求され、公示のない物権変動の効力は否定される。権利の変動それ自体は目に見えないから、第三者にその存在を知らせるためには、外部から認識することができる形式をともなわなければならない。もし、権利の変動を外部から認識できなければ、権利を喪失した者を依然として権利者であると信じて取引をする第三者が現れるおそれがある。とりわけ物権は排他的効力を有するので、第三者に不測の損害を与えるおそれが大きい。物権の変動を外部から認識できる状態に置くことを、物権変動の公示といい、公示のために用いる手段を公示方法という。物権には排他性があることから、物権の変動には公示が要求され、公示のない物権変動の効力は多かれ少なかれ否定される。

（２）対抗要件主義

対抗要件主義において物権変動は、公示がなければ第三者に対抗することができないとしている。公示の原則の下では公示のない物権変動はその効力が否定されるが、効力否定の程度については、二つの立法例がある。

ア．意思主義・対抗要件主義

一つは、物権変動は当事者の意思表示のみで有効に成立するが、公示がなければ第三者に対抗することができないとする立法例である。フランス民法の立法主義であり、これを意思主義・対抗要件主義と呼ぶ。日本民法もこの立場である（176条・177条・178条参照）。

イ．形式主義

もう一つは、物権変動には常に公示を必要とし、公示がなければ物権変動が成立しないとする立法例である。ドイツ民法の立法主義であり、これを形式主義と呼ぶ。

（３）公信の原則

公示を信頼した者に公示どおりの権利取得を認める（公示信頼の保護）。物権変動の公示は、必ずしも真実の権利関係を正しく反映しているとは限らない。公示によって権利を有するとされている者が、実際には、権利者でない場合も存在しうる。そのような場合に、公示を信頼して取引をした者が、相手方が実は無権利者であるから権利を取得できないとなると、取引の安全を著しく害することになる。

そこで近代法は、物権変動の公示を信頼して取引した者は、たとえ公示が真実の権利関係と一致しなくても、公示どおりの権利を取得することを基本原則とした。なお、公示のこのような効力を公信力と呼ぶ。

ア．動産占有には公信力がある民法192条が、登記にはない

イ．不実登記に対する信頼保護のため、民法94条2項の類推適用規定が無い不備を補う

５．相続放棄の人がいる相続登記

　亡くなった人の不動産を相続する時、法定相続人が１人というケースもあるが、数人いるケースもある。法定相続人とは、まず配偶者（夫や妻）はかならず法定相続人になり、亡くなった人に子供がいれば、子供も法定相続人となる。亡くなった人に子供がいなければ、生存している両親、そして、両親や祖父母も亡くなっていれば、兄弟や姉妹が法定相続人となる。法定相続人が１人であれば、家庭裁判所での相続放棄の手続きをしない限り、その人が相続人になるのだ。もし、法定相続人が複数人いる場合は、全員が法定相続持分どおりの相続人になるケースを除いて、普通は、遺産分割の話し合いをすることになる。例えば、亡くなった人に子供が３人いるような場合、その内の１人が不動産を相続して、他の２人は、亡くなった人の銀行預金は相続するけど、不動産は放棄するといったこともよくあることだろう。しかし、亡くなった人の遺産が、負の遺産、つまり、借金の方が多い時もある。遺産に不動産があったとしても、同時に借金もあるような場合は、すべて相続放棄したいといった法定相続人もいれば、借金も含めて、不動産も相続したいという法定相続人もいるだろう。そういった場合、すべて相続放棄したいという人は、遺産分割協議書という形ではなく、家庭裁判所の相続放棄の手続きをした方が良いのではないだろうか。家庭裁判所の相続放棄の手続きをすれば、最初から相続人ではなかったことになり、第三者への対抗もできるからと考える。第三者への対抗とは、借金を取り立てに来る人に対して、公的に、相続人ではないことを主張でき、取り立てられることもなくなるのだ。逆に、家庭裁判所の相続放棄の手続きをしていなければ、たとえ相続放棄する内容の記載が遺産分割協議書にあったとしても、あくまでそれは相続人同士の決めごとの範囲内となるのだ。つまり、相続人同士では、相続放棄したことが認められるが、借金取りなどの第三者に対しては、家庭裁判所の相続放棄の手続きをしていない限り、公的に対抗することができないのだ。また、家庭裁判所の相続放棄をしている人がいれば、相続登記の手続きを行う時には、その人の相続放棄申述受理証明書も一緒に法務局に提出することになるのだ。相続放棄申述受理証明書は、相続放棄手続きをした家庭裁判所で、本人が取得できる証明書である。いずれにしても、家庭裁判所の相続放棄の手続きは、亡くなってから３ヶ月以内、もしくは、亡くなったことを知ってから３ヶ月以内、という期限があるので、放棄する、しないの判断はその期限までにしなければならないのだ。そのような大きな決断を３ヶ月という短期間で決めなければならないというのは少し難しいのではないだろうか。

６．財産を引き継ぐ２つの方法〜「遺贈」と「相続」〜

　被相続人の財産が相続人、または特定の第三者に引き継がれる方法として「遺贈」と「相続」の2つがある。これらは引き継ぐと言う点では同じだが、細かい法律上の違いがある。

（１）法定相続人が包括的に引き継ぐ「相続」

相続とは、被相続人の財産を包括的に、法定相続人が引き継ぐことだ。包括的にというのは、現預金や株式、建物・土地などのプラスの財産から、借金、未払いの料金などマイナスの財産まですべて含めて引き継ぐことをいう。また、財産を引き継ぐことができるのは民法で定められている法定相続人だ。法定相続人でない人は相続することができないのだ。財産の分け方について、遺言があれば基本的には遺言の指定に従い（指定分割）、遺言がなければ、相続人全員で協議して（協議分割）分ける。財産に借金があり相続したくない人は、相続があったことを知った日から３ヶ月以内に家庭裁判所に申請して相続放棄の手続きをしなければならないのだ。

（２）遺言によって財産が引き継がれる「遺贈」

遺贈とは、被相続人の財産を「遺言」によって特定の人物に無償で与えることをいう。「無償で与える」と記したが、贈与とは異なるのだ。「贈与」とは、与える人／もらう人の両者が合意のうえで行う契約のことだが、遺贈は、被相続人の一方的な意思で財産を与えたい人に与えることができるのだ。遺贈として財産を受け取った場合に、相続財産全体が基礎控除額を上回れば、相続税を支払う必要がある。「贈与税」と勘違いをする人もいるが、遺贈は贈与ではなく、どちらかというと相続に近い性質のものですので、相続税がかかるのである。

７．共同所有の形態

（１）共有

数人がそれぞれ共同所有の割合としての持ち分を有して、1つの物を所有する。

ア．各共有者はその持ち分につき処分の自由を有する。

イ．各共有者は共有物につき持分に応じた分割請求の自由（民法256条1項本文）を有する。

（２）合有

各共有者は、持分を潜在的には有する持分の処分の自由が否定、目的物の分割請求の自由も否定されている（民法676条2項）。

例：組合財産に対する組合員の共有の形態がこれに当たる

（３）総有

各共同所有者は目的物に対して利用・収益権を有するのみで、管理権は慣習や取引による代表者が行使する形態で、持分請求はない。

例：入会権、権利能力なき社団（設立登記前の会社や町内会、サークルなど）

【キーワード】

相続税、譲渡所得税、中古不動産市場、reverse mortgage、相続登記、公示の原則、合有、遺贈、相続放棄、94条2項の類推適用

【参考文献】

・親族法板書ノート

・ポケット六法（有斐閣、平成28年度版）

・http://不動産の売却.com/inheritance/inheritance-12/（2018年1月15日アクセス）

・http://www.reversemortgage.jp/2005/12/post_25.html（2018年1月16日アクセス）

・https://www.minpou-matome.com/%E7%89%A9%E6%A8%A9/%E7%89%A9%E6%A8%A9%E6%B3%95%E7%B7%8F%E8%AB%96/%E5%85%AC%E7%A4%BA%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%89%87%E3%81%A8%E5%85%AC%E4%BF%A1%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%89%87/（2018年1月16日アクセス）

・http://souzokutoukioffice.com/newpage26.html（2018年1月16日アクセス）

・https://www.happy-souzoku.jp/souzoku-11820.html（2018年1月17日アクセス）

・https://www.c21-motibun.jp/knowledge/1695.html（2018年1月17日アクセス）

剱持純之介

テーマ：相続と税

結　論：未来の日本のために相続について見直すべきだ。

1.現在の課税対象と見直しについて

相続税とは相続や遺言で遺産を受け継いだ際に相続財産の金額が大きいとかかる税金のことであり、相続人が1人の場合は3600万円を超えると、2人の場合は4200万円を超えると税がかかるという具合である。通常は、不動産を持っていないと3600万円を超える遺産がある相続はなかなかないらしい。死亡者の10％程しか相続税がかからないという。実際、例えば電車の中・バスの中で周囲を見回してもほとんどの人に相続税はかからないのだ。しかも、非課税財産がありそれは課税遺産総額に含まれないのだ。非課税財産は以下の通りである。

・墓所、墓石、仏壇、香典など

・国や地方公共団体、特定の公益法人に寄付した財産

・死亡退職金、生命保険のうち500万円×法定相続人の数

私が思うに特に3つ目の基準を変えるべきであると思う。私の様な年代の人が大人になり退職し年金受給者になったときに本当に年金が貰えるのか。もしかしたら70代になってから受給開始されるかもしれない。私よりも下の年代はもっと苦しい状況になっているかっもしれない。つまり今のままでは改善どころか悪化の一途をたどることになるだろう。では、せめて悪化を防ぐためにも500万円を半分の250万円にするとその分国に税金が多く入ることになる。そもそも1人の場合3600万円ではなくもっと金額を下げて税金を取っていけば年金に限らず社会保障を補っていけるだろう。

2.相続放棄をすると

一般に相続放棄すると、初めから相続人ではなかったことになり、死亡者に両親や兄弟などがいる場合はその人達に順番に相続権が移っていく。そして、相続人が誰もいなくなったら、借金の有無、財産を分け与える人がいないかを調べた上でなおもプラスになったお金は国の財産になるのだ。相続人であるＡが相続放棄した場合次はＢへと相続権が移るのだがそこを改善するべきだと考える。Ａが放棄した場合Ｂに相続権が移るのではなくすぐに国の財産にできるという様に変えるべきだ。なぜなら、日本は今も借金が増え続けている。私たちがぼーっとしていても勝手にどんどん増えていくのだ。非常に危ない状況であるからこそ少しずつ変化をもたらして行かないとこの国は終わってしまう。例えば相続放棄税というのを作り放棄をした場合、税金として放棄者が相続する全額を国に支払うことにできると良い。

3.不動産と相続、税

相続登記は法律上の期限が定められていない為、不動産の所有者が死亡した場合でも相続人へ名義変更、つまり相続登記をしない人もいる。まず、相続登記の期限を定めないのが私的には納得できない。期限を設けないからいつまでもだらだらとそのままにしているのだ。結果、いざという時に苦労するのは相続人なのだ。その為、期限を設け、期限以内に相続登記をしなければ中古不動産として容赦なく処理をするべきだ。おそらく期限を設けても相続登記をしない人は少なからずいるだろう。それを中古市場へ出す。宮崎泰彦氏によると中古不動産市場は今後活性化が見込まれるという。この活性化に更に登記が遅れた不動産もプラスすることにより更に活性化する。それは日本の経済の活性化にもつながってくると私は考えている。期限を定め、改善していくことで相続が中古不動産市場に貢献し、日本の経済に貢献することになるのだ。ここまでは、改善して税金を徴収し社会保障の役に立てようという意見を述べたが相続登記の期限を定めることで税金ではなく経済の役に立つのだ。上述した改善策をいっぺんに行うのは困難だが、仮にできたとする。そのときに国民は「税金ばかり取る改善策ばかり出して」と怒りを表す可能性がある。しかしそこで税金でなく日本を支えられるこの案を出すことにより国民は、一概に悪いという評価をすることは無くならないとは言わないが軽くなるであろう。多面的にみてこの策を盛り込むことは得策であるだろう。そしてこれを行うメリットがまだある。一般に不動産を売る場合に不動産譲渡所得税という譲渡所得税がかかる。それもかなりの額だそうだ。売るのにも税金がかかりそう簡単に売れないという状況にある人もいるだろう。そんな時に相続と不動産市場が出てくると便利かもしれない。相続した不動産に限りあえて相続登記をせずに中古不動産市場で処理をしてもらうことができる。そして譲渡所得税の義務から逃れ、なおかつ売りたい不動産を市場に出せる。この様な改善策でかなりの負担になる譲渡所得税から逃れ、売り手はウィン、中古不動産市場に出て経済が潤い国もウィン。売り手、つまり国民と国、つまり政府両方がウィンウィンなのだ。ここまででただただ改善策を述べてきたが述べるのは簡単だ。実行に移すのが難しい。しかし、こうでない改善策であれとにかく改善をしないことには日本は破滅に向かって一直線になってしまう。であるから、とにもかくにも今すぐに改善をしていく必要があると私は考えるのである。

4.相続と家

所有者が死亡した場合など物権が変動する。しかし公示が無いとその物権変動の効力は否定されるのだ。なぜそんなめんどくさい決まりを作ったのか。それは、権利の変動自体は目に見えないので第三者にそれを知らしめる為には外部から認識することができる形式を伴わなければならないのだ。それが公示の原則である。これは、私は原則ではなくて義務にするべきだと考える。相続登記も公示の原則も期限も無ければ義務でもないから国民は大して重要視しなくなってしまう。そして期限を過ぎたら、義務に反したら違反として税金をどんどん徴収していくべきなのだ。それと同時に94条2項の類推適用に関しても言えることがある。そもそも虚偽表示をしたら無効というのは分かるが甘いような感じがする。虚偽の表示をしているというのは道徳的に正しいとは言えない。虚偽をする人はは法律以前に道徳的に、人間的にどうかしていると感じる。それはおそらく虚偽をしている人もそれは分かっているであろう。分かっていてやるのだからそれなりの罰を与えるべきだ。それを税金として徴収し国を潤していければ良いと思う。私は相続登記、公示の原則、94条2項の類推適用については特に厳しくしていくべきであると思う。

2018年1月18日法制審議会相続部会は自宅に住み続けられる権利を新設しようと通常国会に民法改正案を提出する。その他にも相続の権利がない親族が介護などに尽力した場合相続人に金銭を請求できる制度の新設なども盛り込まれた。こうして着々と相続も新しい方向に進んで行く上述したものが全て実現できるとも思わないが、でもこうして改善していってほしい。

共有、総有とともに複数の者が1つの物を共同で所有する形態の1つで合有がある。共有の各人が持分権を有する店が同じで総有とは異なる。しかし共有で共有者は持分権の処分や分割請求が原則として自由だが合有では各人の間に団体的な結合がある。そして目的によって各人の持分権の処分や分割請求が制限もしくは禁止される点でより団体的な色彩の強い共同所有の形態である。このことから、合有は共有と総有の中間に位置するといっても過言では無いそうだ。これは団体色が強いということで各人がそれぞれ意識が強くなり様々な点において曖昧にしてしまうとういことがなくなると私は考える。その為、いっそのこと共有、総有ではなく日本は合有のみにしてみると国民の意識が高くなっていくと考える。

5.遺贈、reverse mortgageという強み

ここまで、改善策などをつらつらと述べてきたが、今のままでいいと思うものもある。それが遺贈である。この改善策がなされたとしたら結果国民の為としていてもかなりの負担が国民にのしかかってくることになる。遺言により遺言者の財産を無償で譲れるのだ。「遺言」としっかりとしたステップを踏むことになるが生前にするべきことをきちんとした人にはこれくらいの救いがあってもいいと思う。そして、強みはもうひとつある。それがreverse mortgageである。今や日本の年金制度は当てにできない。しかし、高齢者は今まで社会に貢献してきたのだ。彼らは定年退職し収入に困っている人もいることだろう。そんな人の助けになるのがこのreverse mortgageである。自宅を担保にした融資制度の一種で自宅を所有しているが現金収入が少ないという高齢者が住居を手放さずに収入が確保できるのだ。この2つは改善する必要はないと考えているしこのままで有り続け、時代の変化と共に変わっていってほしいと思っている。

6.まとめ

今、日本は他にないほどの危機に立たされているのだ。この危機から脱出できるのは1つひとつの問題を改善していく必要があるのだ。相続の際にかかる税の対象のレベルを見直す、曖昧な部分を明確に記し直し、違反した場合にも新たに税として徴収していくのが1番の近道だと思う。相続以外にも見直すべき点は様々あることだろうが、相続がかなり力になれると考えた。今、述べた様に例えば非課税財産と言われているものの基準を見直す。例えば、相続登記と中古不動産市場の関係性を考えていく。例えば公示の原則、94条2項の類推適用の曖昧さを厳密にしていく。素人の私でもこれくらい考えられる。素人だからこそこんなことを言うのかもしれない。しかし、国と国民が真剣に今の日本、未来の日本のことを考えてアクションを起こしていく必要がある。そうしないとこの国は本当に恐ろしいことになり、若い年代の年金がどうのこうのという問題がちっぽけになってしまう。この問題がちっぽけになるほどの恐ろしい事態になってしまうのだ。今後、改善策を実現していく為に、国の人間、国会議員などがしっかりと国民の意見に耳を傾けられる様な機会を作って行くべきだ。今は、そんな機会もないに等しい。改善策の実現には国民の意見が本当によく通るような場面を作る為に改善をしていく必要があると私は考える。

資料出典：6件

・中野相続手続センター　「相続税(相続にかかる税金)とは」

http://www.tokyo-intl.com/category/1602283.html

・相続弁護士ナビ　「相続放棄にはタイムリミットがある｜手続き方法と7つの注意点まとめ」

https://souzoku-pro.info/columns/24/

・中野相続手続センター　「相続登記(不動産の名義変更)とは？登記はいつまで？」

http://www.tokyo-intl.com/category/1397982

・幻冬舎GOLD ONLINE　「今後「中古不動産市場」の活性化が見込まれる理由」

http://gentosha-go.com/.articles/-/4985

・民法まとめ　「公示の原則公信の原則」

https://www.minpou-matome.com/

・朝日新聞(日刊)　「1/17(水)1面、2面　相続配偶者を優遇」

折笠智紀

相続に繋がる税金面、法律の改正が必要だと考える。

まず第一に相続税の面です。税率の引き下げが必要と考える理由として海外との差が挙げられる。先進国であるアメリカ、ドイツ、イギリス、フランスなどでは、相続税における最大税率は40パーセントである。しかし日本に至っては、最大55%の税金が発生してしまう。これは先に述べた先進国の中で最も高い税率である。それと同時にイギリスやフランスでは、相続税廃止の動きも見られてきている。日本は、法定相続分課税方式(遺産取得課税方式と遺産課税方式を併用する併用方式の一つです。法定相続分課税方式は、遺産取得課税方式の欠点を補うために作られた課税方式です。具体的な計算方式等は割愛しますが、遺産分割の方法による相続額の差が出ないようにしています。この方式を採用すると、遺産分割による相続税額に差が出にくくなります。これにより租税の公平性・公正性が担保できています。しかし、制度が複雑で、手続きが煩雑になる欠点が生じています。)を導入して、公正公平が取れているとしても他国と比べた結果税率の改正は、必要なのではと考える。

上記の面では、譲渡所得税でも同じ事が言えます。譲渡所得税の場合日本では、年収1000万円までの人の譲渡所得税は先進国の中でも低い水準と言えますが、逆に年収1000万円以上の人の税率は高くなります。これは相続の場合を回避して活用したり出来るものだと僕個人的に感じるので公正公平な税率を取った方が良いのでないかと考える。その面においては相続税と同じように、税率の引き下げが必要であると考える。

遺贈の面でも上記のことは言える。遺贈（いぞう）とは、遺言により人（自然人、法人を問わない）に遺言者の財産を無償（法律上の無償の意。一定の負担を要求できるが対価性があってはならない）で譲ることである。遺贈は単独行為である点で、契約である死因贈与と異なる。遺贈でも相続税は同じことなので、税率の引き上げは同じように必要だと考える。

相続税の他からの面で時たまニュースを見ていても話題に上がるのが、相続放棄です。相続放棄とは、相続放棄とは、一切の遺産相続をせずにすべてを放棄してしまうことです。

人が亡くなって相続が開始したら、法定相続人が法定相続分に従って遺産を相続することが基本です。遺産としては、現金や預貯金、不動産などのプラスの資産を思い浮かべるかもしれませんが、被相続人（亡くなった人）が借金を残して死亡するケースもあります。相続財産の中から借金を支払えない場合には、相続人が自分の財産から被相続人の借金を支払わないといけません。そこで、このように借金を支払いたくない場合において、相続放棄を利用します。相続放棄をすると、その人は初めから相続人ではなかったことになるので、借金も相続せず、その支払をしなくても良くなります。この時には、相続税はかかりません。これは僕自身おかしな話だと思っていて、皆平等の税金だからこそ、課すべきだと考えます。

次に引き下げが必要だと考える点として、空き家数が非常に多いことにある。更にこの理由として挙げられるのが相続登記における問題である。相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人（亡くなった方）から相続人へ名義の変更を行なうことをいいます。すなわち、被相続人名義の不動産を、相続人が相続（取得）した場合に、被相続人から相続人に名義変更する手続きです。そして、相続登記は法律上の期限を決められているわけではありません。よって、相続登記をせずに放置していてもなんの罰もありません。ただし、問題は別にあるのです。相続が発生して不動産を取得した場合は、その権利を登記によって確定しておかないと将来的に相続人同士でモメてしまう可能性があり、そうした事態を避けるために不動産の相続登記を行なうのです。この相続登記は法律上行わなくても良いという部分が原因です。先に述べた「権利を登記によって確定しておかないと将来的に相続人同士でモメてしまう可能性があり」ということから遺産である戸建が空き家として放置されているのです。

さらに公示の原則という事も空き家が多いことに関当事者間では有効に存立するものとして取り扱われるが，第三者に対する関係では存立が否定されうる場合とがある。前者の場合に，公示は，法律関係ないし事実関係の成立ないし有効要件となり，後者の場合は対抗要件となるといわれる。ということになります。この説明文からも分かる通り、前者の場合には法律関係ないひ事実関係のせいりつないし有効要件となるのです。

もう一つの原因が、中古不動産市場が小さいことが挙げられる。国土交通省によれば、2012年の国内での「新築住宅着工戸数」が88.3万戸だったのに対して、中古住宅の供給量を示す「既存住宅流通戸数」の推計値（FRK発表）は50.3万戸であり、全体の住宅供給量のうち中古住宅が占める割合は36.7％に留まる、という結果が出ました。この数値は世界的に見ても圧倒的に低いものです。同じ時期の先進各国の既存住宅流通シェアを見てみると、フランスで66.4％、アメリカで77.6％、そしてイギリスでは88.8％という結果が出ています。同じ先進国の中でも、日本だけ中古住宅事情は大きく異なっており、「中古住宅後進国」と言われても仕方のない状況にあると言えます。

以上の相続登記の抜け目が見えること、公示の原則、中古不動産市場が小さいことから、空き家が増えていると考える。

不動産面で言えば、94条第2項の類推適用からも中古不動産市場の小さい原因があるかもしれない。94条2項とは、通謀虚偽表示の無効は善意の第三者には対抗できないと規定する。したがって、94条1項の意思表示は、当事者間及び第三者との関係では無効だが、善意の第三者との関係では有効であるとみなされることになる。たとえば、AとBが通謀してA所有の不動産をBに売却し、所有権移転登記も済ませたとする。この売買契約はAB間では無効である（94条1項）。しかし、Bが事情を知らないCにこの不動産をさらに転売した場合、Aは、AB間の売買契約が無効であることをCに対して主張できない。これをCの側から見ると、AB間では無効であるはずの売買契約が、善意のCにとっては有効であるとみなされ、A→B→Cという物権変動が生じることになる。（AもBも、Cに対してはA→Bの物権変動の無効を主張できない、というのが、94条2項の意味）そして、類推適用、94条2項は、当事者間に虚偽の意思表示があったことを前提とする。しかし、判例によって、当事者間に虚偽の意思表示がなかった場合にもこの条文を類推適用する判例法理が生まれている。94条2項の類推適用が必要になる理由は、不動産には動産と異なり即時取得（192条）の規定がないからである。すなわち、動産には取引の安全を確保するため、192条によって、権利の外観を信頼した者には、取引行為によって所有権を有効に取得させるという規定が置かれている。これと同様の保護を不動産の場合にも与える必要から、94条2項を類推適用する法理が生まれた。法理が生まれているが少なくとも中古不動産市場に影響が出ている可能性があることから、改正を視野に入れなければならないと考える。

空き家を少なくする為、中古不動産市場の活性化の為にも、やはり法律の改正が必要だと考えます。何故先進国の中で日本だけこれ程までに中古不動産市場が小さいのか。日本人の考え方、例えば家は新築が良いということなどがあるかと思います。しかし、根本的には法律というものが関係しているはずです。今回この現状に気づけたのは、ひとつのスキルになり且つこの様な部分はひとつのビジネスチャンスでもあると考える。私自身4月から新社会人として不動産関係の会社に行くので、このことを頭に入れつつ働いていきます。

ここまで悪い面ばかりを言ってきましたが、良い面も持っていることは事実です。

僕が考える1つは、合有です。これは、通常，組合財産の共有や共同相続人の遺産の共有などをさす(→総有 ) 。数人の者が財産を所有し，各人が持分権をもつ点で民法上の共有と類以するが，民法上の共有が純個人主義的な関係であって各所有者間になんらの人的なつながりがなく，したがって各人の持分の譲渡は自由であり，またいつでも分割を請求しうるのに反し，合有においては所有者間にある程度の人的なつながりがあり，したがって持分の譲渡や分割の請求は制限される。この制限されるということがひとつ大事になると考えていて、上記で書いた空き家が多くなる原因のひとつとして、相続登記の制限の無さを挙げましたが、ここではしっかり制限されています。これは僕の考えでは確実に正しいもので、法律は制限されるために整備されていると考えるので、良い面もあるということは事実になります。

そしてもう一つ、不動産における良い制度として、Reverse mortgageが挙げられます。リバースモーゲッジ（Reverse mortgage）とは、自宅を担保にした融資制度の一種。自宅を所有しているが現金収入が少ないという高齢者世帯が、住居を手放すことなく収入を確保するための手段。自宅を担保にして銀行などの金融機関から借金をし、その借金を毎月（或いは毎年）の年金という形で受け取る。契約時に一括一時金、或いは貸付限度額内で必要な時に必要額を引き出すプランもある。資金の使い道は事業性の目的を除き、生活費、レジャー、家屋の修理など利用者の自由である。年月と共に借入残高が増えていき、残高に対する利息も未払いのまま残高に複利的に加算される。契約満期時（例えば契約から20年後）または契約者死亡時のどちらか早い時期に一括返済しなければならない。契約者死亡の場合の返済義務は保証人または契約者の相続人が承継する。現金で返済できない場合は、金融機関は抵当権を行使して担保物件を競売にかけて返済に充当する。通常のモーゲッジ(＝抵当・担保)ローンでは年月と共に借入残高が減っていくが、この制度では増えていくのでリバース(逆)モーゲッジと呼ばれる。最終的に自宅を手放す(可能性が高い)ことはその家を売却することに似ているが、契約の期間中はその家に住み続けられることが特徴である。自宅不動産を所有しているが金融資産が乏しく、公的年金などでは生活費を賄えない高齢無職者（または低所得者）の生活費の原資として利用されることが多い。これは税金とは関係が無いかもしれませんが、不動産における良い制度であり、中古不動産にも繋がる一つだと僕は考えます。

以上のことから私は、 相続に繋がる税金面、法律の改正が必要だと考える。

今回このレポートを書いて、相続を身近に感じることが出来ました。僕個人では、相続税は無い方がありがたく良い話なので、今まで相続税は要らないと考えていました。しかし今回、中江先生の講義を聞いて日本全体のことを考えてみて、税率の引き上げ、法の改正は急務であると確信しました。中古不動産市場の面では、就職後なにか出来ることがあるならば、前向きに考え、提案し、一つなにか形にしたいと考えます。

もう一つこのレポートを書いて気づいたのは、自分本位でなく、日本全体を見て考えること。これが何かを考えるときには重要にであり、今回も今までとは別の角度から見ることができました。

この二つの考えを、これから大事にして生きていきます。

参考文献

https://www.happy-souzoku.jp/souzoku-11950.html

http://www.tokyo-intl.com/category/1597982.html

http://www.o-uccino.jp/chuko/sp/column013/

https://kotobank.jp/word/公示の原則-62207

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/遺贈

https://www.souzokuhiroba.com/souzoku/abandon-inheritance.html

https://ja.m.wikibooks.org/wiki/民法第94条

https://kotobank.jp/word/合有-63288

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/リバースモーゲッジ

提出させていただきます。半年間ありがとうございました。

今岡智彦

結論

日本の空き家問題、相続人がいない土地をなくすにはシンプルな方法であるが相続登記をきちんと行い、相続人の名義を変更しておくことである。私たち比較的若い世代が相続をしていく必要がある。日本は先進国の中でも少子高齢化が著しく、地方においては誰も住まなくなった空き家が数多く存在する。都心で働いている人の親や親戚が亡くなる前に相続しておくべきである。またオリンピックに向けて外国人観光客誘致のために、地方の昔ながらの古民家を改築したコテージや宿泊施設を設けることでツーリズムが活性化していくはずだ。ただ不動産投資には危険がある。優良な不動産屋をしっかりと見極め、本当にその投資が自分の身の丈にあっているか、その投資を行ううえで本当に損をしないかなどさまざまな面での検討が必要である。

· 私は授業で日本の空き家の数の多さ、中古の住宅物件があまり活用されてないことが気になった。相続法という授業の中でより中古住宅を活用できないか、と言う点について相続と税のテーマも含めて考えてみた。また初めて「相続法」というテーマに触れるので相続の流れやその方法なども振り返るきっかけとなった。

1. 相続の流れ

まず相続とはそもそも何か整理しておく。相続とは人が死亡したことによってのみ発生し、その死亡の時に同時に開始される。

ここでいう死亡には、「医学上の自然死亡」と「失踪宣告による擬制死亡」の二つがある。

失踪宣告とは、人の生死が一定期間明らかでない場合に、その者を一定の時点で死亡したものとみなす制度で擬制制度と呼ばれる。なお、所在不明の高齢者については戸籍実務上、行政による高齢者消除の手続があるが、これは戸籍の整理のための行政措置である。これによって相続の開始を認定することはできないため、この場合は、改めて戸籍に死亡の日又は失踪宣告により死亡とみなされる日が記載されることになる。この順序を踏むことによってはじめて相続が開始したと認定される。

相続が開始されると、相続人は、相続開始の時から被相続人（亡くなった方）

の財産の一切の権利義務を承継する。相続人となるものの範囲及び順位は次の通り定められている。

第一順に被相続人の子。この子とは実子・養子の区別はなく、子が死亡している場合はこの子、すなわち孫またはそれ以下に代襲して相続されることがある。二順目は被相続人の直系尊属で具体的に、被相続人の父母や祖父母を指す。これもまた実親・養親の区別はない。大三順は被相続人の兄弟姉妹で、甥と姪に限り代襲相続が認められている。

1. 相続の流れ

相続において遺言書がない場合とある場合どちらもかかる日数はだいたい１０か月前後だ。ない場合から流れを整理すると、被相続者が死亡し相続が発生してから３か月以内に相続放棄と限定承認を行い、相続人の調査・確定を行う。その後１ヶ月ほどで遺産分割協議を行う。協議ののち相続税の申告書の作成、申告・納付があり遺産の名義変更がされ相続登記が完了する。遺言書がある場合は相続放棄の後、所得税の申告・納付の後公正証書遺言書から遺言執行され遺産の名義変更がなされる。また遺贈は法定相続人以外の人物、団体にも相続することができる。法定相続人には「相続する」「遺贈する」両方書くことができるが、法定相続人以外には「遺贈する」しか書くことがない。

不動産の場合、夫婦で所有する場合、含有とよばれる共同保有する名義の形態がある。一方の名義人が亡くなった場合、もう一方に１００パーセント権利が移動する。

1. 日本の空き家問題について（Nippon.com　参照）

２０１３年時点での日本の空き家の数はおよそ８２０万戸と言われ、なんと１３.５パーセントと過去最高を記録した。２０３０年には３０パーセントを超えると言う予想もある。戦後の住宅不足、その後の高度経済成長期の人口増加に対応するために、日本では持ち家取得が奨励された。在宅金融公庫（現・住宅金融支援機構）が低利融資を行い住宅ローン減税の仕組みも設けられた。新築住宅は供給され続けられていたが地価は右肩上がりに上昇した。建物の価値はなくとも土地の価値は十分あるため人々にとって早期に住宅を獲得することが有利であった。こうして質の高くない住宅が供給され続けそれを２５—３０年程度の短期間で建て替えるなど使い捨てていくことが当たり前となった。これは住宅の供給業者にとっては都合がよかった。この結果日本は良い住宅を造って手入れをしながら長く使っていくと言う考え方が失われてしまった。

それに引き換え、欧米では中古不動産市場が盛んである。全住宅取引のうち、中古住宅の割合は７０−９０パーセントと言う割合だ。対する日本のその比率は１０パーセント半ばと言う極めて低い数字となっている。この日本人の新築思考は戦後の住宅政策の中から生まれてきたと考えるのが妥当である。このことに関しては授業で触れたが、私はこのことを逆手に取り上手く使えないかと考えた。

売却するにしても譲渡所得税がどれくらいになるか、ちゃんとした不動産屋に出会えるか、売却する際の手続きなどやることが多くある。若い世代だとめんどくさいと思うこと。それも空き家が多くなり要因の一つかもしれない。

その際には物件の権利の動きなどは排他性があるため公示の原則があるように権利がどこにあるかきちんと把握しなければならない。第三者だけではなく、私たち当事者も不足の損害を被りかねないからだ。

逆に新しく家を買うときはすでに建っている物件を購入し、自分たちが住みやすいように一部を作り変えるなどことを検討すべきだろう。売りに出されている不動産を購入したり、祖父や祖母が住んでいた家をそのまま住居にしたりするなど有効活用する方法もある。やはり家庭を持ってマイホームを新築で建てるというのは夢であるが、マイホームには変わらないし、価格も低くおさえられる。９４条２項の類推適用（真実の権利関係と異なる外観が存在する場合、その外観を信頼した第３者を保護する考え）によって不動産の安全性は守られているため、より中古不動産市場を発展させるべきだ。

1. 空き家の有効活用

私は神奈川の横須賀と新潟に父方母方の祖母がそれぞれ住んでいる。それぞれ８０歳を超えていて、一人暮らしと私の叔父、叔母の三人で暮らしていると言う状況だ。父方の祖母は一人暮らしではあるが私の家から近く頻繁に顔を出すことができる。

もし祖母が亡くなったら、、、そう考えたくはないがいずれその時はやってくる。祖母が住んでいる家は私の父親が生まれるころに新築で建てた家らしい。すでに建ってから60年近くになる。中学２、３年のころまで同居していたが小学５、６年次に外壁など軽くリフォームしたのを覚えている。

祖母が亡くなった場合、登録免許税とは違い相続税がかかる。３０００万プラス相続人の数掛ける６００万円までが基礎控除額として定められている。しかし日本だと相続人が見つからないなどで相続人が見つからないケースもある。その際空き家になるのがとてももったいないと感じる。

例えば、２０２０年の東京オリンピックが近いためもありますます訪日外国人が増えることが予想される。なので訪日外国人観光客をより多く取り入れるため、空き家を生かした宿などはどうか。現在もところどころ存在しているが、空き家となった古民家をリニューアルして日本の昔ながらの暮らしを体験できる、体験型ツーリングはどうだろう。おそらく外国から日本にやってくる訪日外国人観光客は「日本らしい文化を体験する」ことを目的に来ることが多いはずだ。

また空き家になった古民家をコテージのように改築することで都会暮らしをしている家族が宿泊すると言うことも可能だ。初めて見る囲炉裏や井戸など、夏休みの宿題に悩む小学生には新鮮な体験で宿題が捗るはずだ。

このように少子高齢化が進んだ現在、地方の空き家を有効活用しそこに新たなビジネスを取り入れるのも一つの手であろう。

1. 不動産を自分たちで管理

東京スター銀行の新型リバースモーゲージ（reverse mortgage）の商品で「充実人生」と言うものだ。マイホームを買った人の住宅ローン返済額を軽くするものであるが、利息も融資に使ったぶんだけや、５００万の少額のものから１億円まで幅が大きい。また何度も利用できると言う点も利用者から評価が高い。私は信用金庫から内定を頂いているが、都市銀行や地方銀行より地域社会の年配の方々と距離が近いぶん、このような商品を売ることでよりお客様からの信頼も高くなるであろう。

また保有する土地の不動産については、駐車場にするなどの工夫をするといいだろう。ただただ土地として保有しておくよりずっと効果的だ。空き地を保有している場合駐車場にすることによって定期にしろ時間ごとにしろ大きな収入源の一つになる。夫婦の年金のみで生活しているという家庭には不労所得の一つになる。住んでいた家からマンションに引っ越して、前住んでいた家はそのまま売却したりアパートにしたりなどの方法もある。ただ地方だと都心に比べてこの方法は難しいと考える。また委託した業者もきちんと見極めなければならない。ただアパートを建てるだけ建てさせて後は入居者がほとんど入らないアパートを放置、ということもある。そうならないためにも委託する際は気をつけなくてはならない。不動産屋など大手の不動産業のお店もあるが、ただ資金投資だけをさせてそのあとは放置というパターンも最近は多く耳にする。名前を挙げると、レオパレスがそうらしい。地方の空き地などの不動産を保有する高齢者家庭にアパート経営の話を持ちかけて、アパートを建てるだけ建てさせて入居者は集まらないが後の面倒は見ないで放置、という経営のずさんさを知ることができる。

使わなくなった不動産を用いて投資を行うことで新たな不労所得を獲得することができる。しかしその投資の危険性をきちんと見極めることが必要である。

大場真歩

相続法レポート課題

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　15L501019 大場真歩

　私は税の相続は誰もが知るべき大切なことだと考える。

　そもそも現代にはいろいろな税の種類があるが、その中でも相続税というのは普段なかなか意識しないので知られていないことが多い。相続税とは人の死亡が原因で一定金額以上の財産の移転に課される税のことを言う。ただ基礎控除額といって一律で差し引かれる金額のことを言うのだが、所得税で３８万、住民税で３３万かかるのだが、これを超えない限りは相続税の確定申告の必要はない。

　ところでなぜ相続に税がかかるのかというと、相続した人だけに富が集中しすぎているのを、再分配して他の相続できなかった人との均衡を図る必要があるからだ。もう一つの理由としては、所得税の補完で蓄積した財産を生産するといった意味があると言われている。もちろん相続放棄もできるが、そうすると自然と他の相続人に財産が分配される仕組みだ。

　これらの基本的なことを理解したうえで、次に亡くなった人が不動産の所有者の場合について説明する。不動産の場合はその所有者の登記名義を亡くなった人から相続人へと変更する必要がある。これを一般的に相続登記といい、この期限は特に決まってはいない。所有したくなければ、相続登記をせずに放置する手もある。そこに全く問題はないのだが、もし相続して不動産を取得する場合、その権利を確定しなければ、相続人同士でもめてしまう可能性があるのでしっかり決めておく必要がある。他にも一度名義を自分にしてからその不動産を売買することができる。これによって生じた所得にかかる税を譲渡所得税という。この税に関しては他の所得とは別に課せられる。もし譲渡所得がマイナスだった場合は税がかかることはない。なのでもし財産目当てで不動産を売るとしたら、かかる税金のことを考えるのを注意していかなければならない。場合によっては売却することで損失が出る場合もあるが、その時は特例が出るので最大三年間は他の所得税が安くなるといったメリットもある。なので引き継いだ不動産をどうするかはその人次第になってくるだろう。

　そして例えばの話相続した不動産が中古物件だった場合、新築よりも圧倒的に有利といえる。その理由は新築のほうが入居者がいなかったり、満室稼働できなかったりすることがあるからだ。なので新築の不動産を買うのは一種の賭けであると言える。中古の不動産だと稼働率のリスクが減らせるので、相続において中古不動産市場は大変人気であると言える。

　これまで不動産相続登記の話をしてきたが、次は高齢者の場合について考えていこうと思う。もし高齢者が自宅を所有していて手放したくはないけれど収入が少ない場合、reverse mortgage(住宅担保年金RAM)という融資制度がある。つまりその自宅を担保にしてしまい、将来に備えあらかじめ準備をしながら、そこに住み続け、自治体や金融機関などから年金型の月々の生活資金融資を受け、高齢者が死亡した時に、その担保不動産を売買して現金に換算する方法である。日本でこれが導入されたのが、１９９６年、建設省が「住生活ビジョン２１」、２１世紀に向けての住宅政策方針の中で早期導入された。アメリカなどでもこの方針が採用されている。なので今や働くことが困難な高齢者でも自宅を売買することを条件に生活支援を受けれるということだ。

　次に話は変わってもし相続の遺産が現金であって、なおかつ相続人が複数いた場合について考えていきたいと思う。そもそも遺産というのは大体は親族などの身内が受け取るものである。なので例えば夫が死んだとして、その相続者は妻と息子と娘になるであろう。誰が何割相続するのかは法律によってきめられている。ただもしこの夫が遺言などを残していて、親しい友人や会社の同僚などに受け渡すなどと記載していた際は、その通り財産を無償で譲ることになってしまう。これを遺贈といい、これは死んだ本人の単独行動であるため、契約である死因贈与とはまた異なる。ただそれを受け取るか否かは本人次第である。またこの人が親族以外の人であるならば、その人は通常法的相続人以外の人である。なのでもらうはずであった最低限の遺留分がもらえなくなってしまうので、親族などと揉めて問題が起きやすいのもまた事実である。最悪の場合裁判ごとになるのもしばしばある。　

　ちなみにこの遺贈には二種類があって、一つ目は包括遺贈という。これはもし遺産が現金と先ほど少し述べていた不動産といろんな種類のものがあったとき、これらを特定せずに一括で考え、その全体の何分の一を贈与するといった考えのことである。もちろんこれには遺産だけではなく借金も含まれる。そして二つ目は特定遺贈という。これは先ほどとは違い、特定の財産を譲ることだ。例えば土地を○○さんにあげて、株式を××さんにあげるといったような特定された贈与だ。この場合借金は指定がない限り引き継ぐ必要がないのが一つの利点である。

　このような相続にはトラブルがつきものであるので法律や決まりがしっかり決められている。いくつかあるのでそれを紹介していこうと思う。

　まず最初に公示の原則について説明する。これは物権変動があれば、これに対応する公示方法の変動を必要とすることを言う。物権変動とは、具体的に発生、変更、消滅がある。例えば発生は家を新築にして所有権が生まれる、変更は増築など行った場合の所有権の内容の変更、消滅は家が災害に合ったりした時家がなくなることなどが挙げられる。公示とは登記や占有などの行為が挙げられるが、もし公示されていないと第三者に主張できない。いわゆる権利があるにもかかわらず、公示がないので権利の存在を否定されているといえる。そのため効力も否定されているが、この否定の程度によって主義が変わってくる。まず意思主義、別名対抗要件主義ともいうが、これは物権変動は当事者の意思表示のみで有効に成立するが、公示がなければ第三者に対抗できないものだ。もう一つは形式主義といって、物権変動には常に公示を必要とし、公示がなければ物権変動が成立しないものである。つまり物権変動には公示というものが重要であるということだ。これに似ている原則で公信の原則というものもある。これは物権変動で公示したとしても必ずしもそれが真実のものであるかはわからない。公示を信頼して取引した者は、たとえ公示が真実の権利関係と一致しなくても、公示通りの権利を所有することができるといったものだ。またこのような効力のことを公信力と言われる。これで取引する者は、その公示を疑わずに取引できると考えられる。

　そして次に合有についてだ。これは簡単に言うと財産や遺産の相続を共有することを言う。これに似たような言葉で、共有と総有がある。それぞれは似ているが少し意味合いが違っている。共有は数人でそれぞれ共同所有の割合の持ち分を出し、一つのものを所有することである。これにはその持ち分の処分の自由と、持ち分に応じた分割請求の自由が法律によって決められている。次に合有は共有の処分の自由と分割請求の自由が否定されている。最後に総有がそれぞれの共同所有者は目的物に対して利益があるものとし、管理権は代表者が行うとして持ち分請求がないことを言う。具体的に言えば町内会やサークル活動などである。

　そして最後に民法の９４条２項の類推適用について説明する。これはまれにみるパターンなのだが、何らかの事情で不動産の登記が違う人の名義になってしまった場合、先ほど述べた公信力というものが不動産にはないので、その代わりとなる法律である。真実の利害関係とは異なる登記に不完全ではあるが、補うことによって取引の安全を図ろうといったものだ。

　これまでいろいろと説明してきたが最後に私が思うことについてまとめてみる。わたしはまず法学部ではなく、今まで法律を学んだことがほとんどなかったので、最初はわからないことだらけでした。でもこのレポート課題をやることで調べていき、自分には関係のないと思っていたことが意外と身近に感じたことに驚いた。ひょっとしたらこの先の未来であるかもしれないのに知ろうとしてなかったことがもったいなく思ったし、この機会に知れて本当の良かったなとも思った。もしたとえ相続などの機会がなかったとしても、自分が相続する側になるかもしれないし、いろいろ考えさせられたので知っといて損はないであろう。関係なくても誰でもこの相続に関する事柄は知っていてほしいと考える。特に関心したのは相続に関する法律が様々にあることだ。財産を分配するのも言い方の種類が一つではないし、もし失敗してしまったパターンまで考えているなんて、法律は素晴らしいと思った。あと遺贈はよくドラマや物語の中でよく聞くが、実際にそれがあり、細かい決まりまで決められていると、やはり物語の中だけでなくともトラブルは起きるものなのだなと感じました。私がもし両親の財産が他の見たことのない他人に引き渡されるのを想像して、確かに嫌だと思いました。あと税の種類といったら、アルバイトの１０３万を超えると扶養が外れることくらいしか本当に知らなかったので、相続税や譲渡所得税はこうやって起きるんだと仕組みが知れてよかった。いままで述べた相続税やら遺贈なんかは聞いたことあるので身近に感じたが、一つ全く聞いたことがなくて驚いたのがreverse mortgageである。これは本当に一番知れてよかったと思うし皆にも教えていきたいと考える。なぜなら自分が高齢者になったときに絶対に役に立つからだ。私は将来自分の家を持ちたいと思っているが、体力もそんなにないし、長くは働いていないと考える。そして自分と今の彼氏と結婚するとしたらそんなに二人とも稼ぎは良くないと考えているので、貯金も底を尽きるだろう。そんな時にこれを知っていれば担保にするだろうし、もし自分に何があっても安心だ。ただ本当は自分の子供や孫に引き渡せるような一軒家を買いたいと思っているので、この案は最終手段だろうなと考えた。そのためには今の稼ぎをよくするために今年就活生なのでしっかり就職活動を頑張ろうと思う。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【４１４３字】　　

岡田沙也

１、はじめに

レポートのテーマは、「相続と税」である。高齢社会において、誰しもが老後のことを考えなくてはならなく、自分の財産をどのように処分するかも同様である。そして、そこには、税金も絡んでくるために、その対応も今から考えておく必要があると思う。

私は、その際に、老後に、高齢者が自分の財産を生前に処分すべきか、また死んでから相続という形で公平に分配するべきなのかという選択があると考えた。法的な問題をふまえて、私は生きているうちに財産を処分することが望ましいと考える。

　以下で、生きているうちに財産を処分する場合の法律問題と相続の場合の法律問題を税をからめて、考察する。

２、生きているうちに財産を処分する場合

生きているうちに、財産を処分するということは、自分の財産を生きているうちに自分の財産を整理するということである。これは、生きているうちに自由に好きな人に財産を分け与えることができるので、一見、好ましく思える。

しかし、生きているうちに財産を処分すると譲渡所得税がかかり、財産が減縮されてしまう。そして、分配できるほどの財産がある場合は、少数の富裕層に限り、そもそも、財産自体がなかったり、なにより、高齢者自身が死ぬまでの生活のための資金も取っておかなくてはならないのである。

これについては、reverse mortgageという仕組みが最近注目されている。reverse mortgage（リバースモーゲッジ）とは、自宅を担保にした融資制度の一種である。自宅を所有しているが現金収入が少ないという高齢者世帯が、住居を手放すことなく収入を確保するための手段である。そして、契約の期間中はその家に住み続けられ、融資の対価として、最終的に自宅を手放す（可能性が高い）ことになる。つまり、担保として借りているので担保権を実行することで建物の所有権は銀行が有することになるのである。このしくみによれば、自分の財産を有効活用し、財産を使い切ることができる。

問題は、契約した高齢者が死亡した後、銀行からの融資が、自宅の売却価格を超える場合である。担保に応じて融資を受けられるが、現在、中古不動産市場では空き家が多く、中古市場は、そこまで値段が高くないとすると売却したとしても、お金は融資した額に満たないことがありうる。

そうなると、配偶者（相続人）が同居している場合、家を奪われてしまうことになるうえ、契約者死亡の場合の返済義務は保証人または、契約者の相続人が継承する。相続人等は、契約者の死亡後、早い時期に残額を一括返済しなければならなくなる。

さらにreverse mortgageのリスクについても考えなくてはならない。�@契約の期間が満期を超えてもなお長生きするということ、�A契約期間中に担保物件の評価価値が下落するということ、�B返済時に担保物件の借入残高を下回ってしまうということ(担保割れ)、�C契約者単身若しくは配偶者と二人だけの居住する単独若しくは配偶者と共同所有の持ち家（従って子と同居や共同所有などは不可）、�D契約時に契約者（及び同居配偶者の両方）が65歳以上、�E配偶者がいる場合は配偶者が連帯保証人が必要であること、�F他に抵当権や賃借権などの設定がないこと、�G推定相続人全員の事前承諾が必要であること、等もあり、ハードルは高い。

社会保障において、少子高齢化が進み、年金の支給額が減っている中、高齢者は老後の生活保障が不安定であり、それを解消すべく、こうした仕組みがあり、受け取る老後資金が所得ではなく「借入金」、すなわちマイナスの資産であるため、非課税となっており、自らの財産を有効に活用できる点、今後活用が見込まれよう。

３、相続の場合

死んでから相続をすると相続税が発生し、財産のうちの多くが課税対象となる。相続税の基礎控除額は、3,000万円＋600万円×法定相続人の数である。子どもの数が少ないなど、相続人が少ないと、その分だけ、税金は増えてしまう。

その際に、課税対象として大部分を占めるのが、土地・建物の不動産である。不動産の場合、土地の相続税評価額は、[1]路線価がある場合は路線価に基づいて算出（路線価方式）し、[2]路線価がない場合は固定資産税評価額に地域ごとに定められた倍率を乗じて算出（倍率方式）される。また、建物の場合は固定資産税が評価額となる。

そして、相続人が複数の場合、被想像人の死亡後は、合有という状態になり、共同相続人の遺産の共有という状態になる。遺産が合有状態なのは、一時的であって、遺産分割協議で、どの財産をどの相続人に分配するかを決めることになるが、場合によっては、難航することがある。そして、その協議が終わり、遺産分割協議書に署名捺印があったところで、ようやおく、相続登記をすることになる。

しかし、�@遺産分割の間に、相続人の一人が不動産を第三者に売却してしまった場合なども考えられる。また、�Areverse mortgageでも問題になったように、借金が多額の場合、相続放棄をすることになることが考えられるが、第三者が差押えをするような場合も考えられる。そして、�B遺言で、遺贈があった場合の問題もある。それぞれ、相続登記における第三者の権利と相続人の保護のバランスをどう取るかが問題となっている。

（１）遺産分割と登記

　これは、相続の通常の場合なので、前述したとおりの相続税が発生する。しかし、既に述べたような場合の問題が発生する。

まず遺産分割と登記である。この問題について、最高裁昭和46年１月26日判決（民集25・1・90、判事620・45）は「遺産分割は、相続関係の時に遡ってその効力を生ずるものではあるが、第三者に対する関係においては、相続人が相続人により、いったん取得した権利につき分割時に新たな変更を生ずるのと実質異ならないものであるから、不動産に対する相続人の共有持分の遺産分割による特喪変更については、民法177条の適用があり、分割による相続分と異なる権利を取得した相続人は、その旨の登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利取得を対抗することができない」としている。つまり、相続財産中の不動産につき、遺産分割により権利を取得した相続人は、登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、法定相続分をこえる権利の取得を対抗することができないのである。

（２）相続放棄と登記

　相続放棄の場合は、相続人がその財産を放棄するので、当然に相続税は発生しない。親名義の不動産が固定資産税滞納により差押えとなっている状況で所有者の親が他界した場合、土地は差し押さえられ競売されると、財産が移転する以上、そこで税金が発生するかのようにも見える。しかし、次の判例のように、それは認められない。

2つ目に相続放棄と登記の問題では、最高裁昭和42年1月20日判決(民集21・1・16)で、「民法939条1項（昭和37年法律第40号による改正前のもの）『放棄は、相続開始の時にさかのぼってその効果を生ずる。』の規定は，相続放棄者に対する関係では、右改正後の現行規定『相続の放棄をした者は，初から相続人とならなかったものとみなす。』と同趣旨と解すべきであり、民法が承認，放棄をなすべき期間（同法915条）定めたのは、相続人に権利義務を無条件に承継することを強制しないこととして，相続人の利益を保護しようとしたものであり，同条所定期間内に家庭裁判所に放棄の中途をすると（同法938条），相続人は相続開始時に遡ぼって相続開始がなかったと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で何人に対しても，登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである」として、代位による所有権保存登記は実体にあわない無効のものであり，その持分についてされた仮差押えおよびその登記も無効であるとして，原判決および第１審判決を破棄取り消し，上記仮差押登記の抹消手続を命ずる旨自判した。すなわち、相続人は、相続の放棄をした場合には相続開始時にさかのぼつて相続開始がなかつたと同じ地位に立ち、当該相続放棄の効力は、登記等の有無を問わず、何人に対してもその効力を生ずべきものと解すべきであつて、相続の放棄をした相続人の債権者が、相続の放棄後に、相続財産たる未登記の不動産について、右相続人も共同相続したものとして、代位による所有権保存登記をしたうえ、持分に対する仮差押登記を経由しても、その仮差押登記は無効であるとしている。

（３）遺贈と登記

　遺贈は、財産の処分の中でも、遺言で特定の財産を特定の者に相続させることをいうものであり、生前の贈与に贈与税がかかるのに対し、相続税の対象になる。したがって、贈与税よりは低い税額になる。もし、この遺贈された不動産につき、誰かが第三者に売却してしまったらどうなるのか。

3つ目には遺贈と登記がある。最高裁昭和39年3月6日判決(民集18・3・437)では、「不動産の所有者が右不動産を他人に贈与しても、その旨の登記手続をしない間は完全に排他性ある権利変動を生ぜず、所有者は全くの無権利者とはならないと解すべきところ、遺贈は遺言によつて受遺者に財産権を与える遺言者の意思表示にほかならず、遺言者の死亡を不確定期限とするものではあるが、意思表示によつて物権変動の効果を生ずる点においては贈与と異なるところはないのであるから、遺贈が効力を生じた場合においても、遺贈を原因とする所有権移転登記のなされない間は、完全に排他的な権利変動を生じないものと解すべきである。そして、民法177条が広く物権の得喪変更について登記をもつて対抗要件としているところから見れば、遺贈をもつてその例外とする理由はないから、遺贈の場合においても不動産の二重譲渡等における場合と同様、登記をもつて物権変動の対抗要件とするものと解すべきである。」としている。つまり、甲からその所有不動産の遺贈を受けた乙がその旨の所有権移転登記をしない間に、甲の相続人の一人である丙に対する債権者丁が、丙に代位して同人のために前記不動産につき相続による持分取得の登記をなし、ついでこれに対し強制競売の申立をなし、該申立が登記簿に記入された場合においては、丁は、民法第一七七条にいう第三者に該当するのであり、遺贈によって取得した不動産は、登記をしない場合、公示の原則によって第三者は対抗できない。

これらの判例のように、相続時における対抗問題において、裁判所は、一貫して公示の原則に基づき、登記の有無で、相続人と第三者のどちらを保護するかを判断している。たしかに、民法は第三者保護を重視してはいるが、相続財産の処分である以上、相続人を保護する必要もあると思われる。

　そこで、考えられる法理は、94条2項類推適用論である。真実の権利関係と異なる登記（不実登記）に対する信頼を保護するための理論として判例によって展開されたのが、民法94条２項類推適用の法理である。同条項は虚偽表示によって作出された外観を信頼した第三者を保護するための規定であるが、この規定を相手方との通謀や虚偽の意思表示が存在しない場合にまで類推することによって、不実登記に対する信頼の保護を図ることがなされている。このように、94条２項類推適用は、登記に公信力がないことを不完全ながら補うことによって取引の安全を図るという重要な機能を果たす。

民法94条2項を利用して取引安全を図る法理は、日本の状況の中で、非常に便利な理論であったことは否定できない。しかしひとつには民法176条や177条の存在によって物権変動を処理している民法典の体系と整合的な説明ができないこと、また一方では、この規定の適用がいわば信義則的に裁判官の広範な裁量を可能にする規定で、裁判官にとっては便利であるが故に適用規範としては危険で不安定な性質を持つことから、民法94条2項の拡大傾向は、無条件に肯定できるものではない。そしてこの二つの理由は、内在的には深く関連している。所有権は、善意無過失の第三者が現れたことによって、ただちに危うくなるほど弱い概念ではないはずであり、訴訟の場における善意無過失の立証過程における裁判の限界を考えれば、なおさらであるという批判もある。

５、まとめと意見

　まずリバースモーゲッジを利用して、生前に財産を使い切ってしまった方が良いように思える。しかし、この方法には建物や財産を全て使ってしまうことになるという問題がある。

　死んでから相続をするという方法も、後世に財産を残すことができるということがあるが、税金の問題や遺族同士の争い、今後は空き家問題で家を売ることが困難になるという問題がある。

　そこで専門家に処分を任せていることにもなるリバーシモーゲッジの方法を取っており、なおかつ税金も、ほとんどかからないシステムにあることから、生前に財産を使い切る方が良いと考える。

引用

https://www.minpou-matome.com/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%B7%8F%E5%89%87/%E6%84%8F%E6%80%9D%E8%A1%A8%E7%A4%BA/%E6%B0%91%E6%B3%9594%E6%9D%A1%EF%BC%92%E9%A0%85%E3%81%AE%E9%A1%9E%E6%8E%A8%E9%81%A9%E7%94%A8/

http://www.law.tohoku.ac.jp/~parenoir/souzokuzaisan.html

https://avenue-life.jp/blog/reverse-mortgage/tax/

山本誠也

相続と税

私の祖父が昨年の12月末に亡くなり、現在ちょうど相続の問題に直面している。幸い我が家のような貧しい家庭では相続する財産がなく、逆に負債を残していたので、相続を巡って争いが起こることもなく、相続税について考える必要もなく、相続放棄という選択肢しか残っていなかった。しかし、この相続放棄という行為は良い面と悪い面を含んでいる。

・高齢者への貸し付けが不良債権と化すことの予防法

被相続人が死亡した際、民法第915条1項にもとづいて、相続を放棄することができる。しかし、ほとんどの人間が資産が負債を上回っている場合に相続放棄という選択肢を選ぶことはしないであろう。つまり、相続が放棄される件数と貸し倒れられた債権の数は比例していると考えることができる。最高裁判所の司法統計年報を見てみる。すると、「相続の放棄の申述の受理」件数の推移を見ると、平成16年には14.1万件であったが10年後の平成26年には18.2万件に増加している。つまり、10年間で債権者が貸し倒れられる可能性が高くなっているということだ。では、相続放棄された債権者は、債権を回収することができないのか？答えは「いいえ」である。裁判所の記述として、

相続人の存在，不存在が明らかでないとき（相続人全員が相続放棄をして，結果として相続する者がいなくなった場合も含まれる。）には，家庭裁判所は，申立てにより，相続財産の管理人を選任します。

　相続財産管理人は，被相続人（亡くなった方）の債権者等に対して被相続人の債務を支払うなどして清算を行い，清算後残った財産を国庫に帰属させることになります。(1)

とある。つまり、債権者は、債務者が死亡し、相続が放棄された場合でも、裁判所に申し立てることによって、債権を回収することができるという仕組みになっている。私はここに疑問を抱いている。物であれお金であれ貸すということは返してもらうことを前提とした行為である。借りたものを返すのは当たり前の行為であるし、立場で言えば貸す人の方が強くあるべきであろう。しかし、この場合に面倒なことになるのは債権者側なのだ。

平成28年度における人口10万人に対して死亡した人数を見てみると、男性が65〜69歳が1315.3人、70〜74歳が2110.9人、75〜79歳が3354.2人、というように歳をとるごとに増加している。女性も同様に、75〜79歳が1550.8人、80〜84歳が3113.9人、85〜89歳が6326.3人というように増加している。これは40〜44歳の男性が120.2人、女性が73.0人という数値と比較してみるとかなり多いということがわかる(2)。40代の平均年収が約500万円、50代が約650万円、60代になると400万円となっている(3)。収入も低下し、残りの人生も短い高齢者が借りたお金を全て返済できる可能性は、若い人と比較すると低いだろう。死亡率も高く収入も低下する高齢者にお金を貸し、債務者が死亡し相続人が相続放棄をした場合、債権者本人が家庭裁判所に申立てをしなければならないということになる。そうなってしまうと、高齢者にお金を貸してくれる人は極めて少なくなってしまうであろう。しかし、高齢者もものを食べなければならないし、場合によっては老人ホームに入居したりやヘルパーさんを雇ったりしなければならない可能性もある。そのためには少なからずお金が必要である。しかし、お金を貸してくれる人がいないとなると「高齢者は早く死ね」と言っているようなものである。そこで、1981年に東京都武蔵野市がreverse mortgageという制度を始めた。これは日本の総出生率が人口を維持するために必要な2.1を下回り始めた1974年と殆ど重なっている。おそらく、将来高齢化が進み、家のような資産は持っているが、お金がないという高齢者が増加するということを見込んで作られた制度であろう。私はこのreverse mortgageという制度はとても良い制度であると感じたため、もっと周知されるべきだと思う。reverse mortgageの最大のメリットは、売却してお金に変えるというわけではないため、生きている間は持ち家に住み続けることができるという点である。その他にも、被相続人が死亡した際に家が相続財産ではなくなっているため、相続税や譲渡所得税が安く済む、相続登記をしないで済むため、手続きの簡易化が可能、中古不動産市場を活性化させることができると言ったメリットがある。もちろん、医療の技術が向上し、寿命も長くなっている近年では、行きている間に融資が可能な額を使い切ってしまうという問題が起こる可能性も大いにある。こうなってしまった場合は、自宅を失い、借金だけが残るという事態に陥ってしまう。

生きているものはすべていつか死ぬが、その時期はわからない。そのため、自分が死ぬまでにいくらお金が必要かという金額も概算でしか考えることができない。それならばreverse mortgageでお金を借り、長生きすることは考えず、子や孫に負債を残さないということだけを考えて生きていくということで、老後の人生を気楽で快適なものにすることが可能になるのではないかと考える。

・公示の原則から公信の原則へ

公示の原則というものがある。これは民法177条に規定されているものであり、簡単に言うと、不動産に関して登記をしていなければ、善意悪意に関わらず第三者に対抗することができないというものだ。しかし、私はこれに疑問を抱いている。まず第一に登記にかかるお金が高額であったり、手続きが大変であるということ、第二に登記がなければ自分のものだと主張することができないというのは実際の所有権者に対して厳しすぎるということだ。登記にはお金がかかり、手続きも大変となると、進んで登記をしようと考える人は少ないだろう。しかし、登記をしなければ自分が所有権者だと主張できない。これは大きな問題である。例えば、私(=A)がナイフや銃を持った人(=B)に「この家を売ってくれなきゃ殺す」と言われたとする。Bがナイフや銃を持っているということからも、自分の身に危険が迫っているということは当事者でなくてもわかる。その場合に一度Bに家を買って、その後民法96条の強迫にあたるから無効とすることができる。しかし、取り消しからAに所有権が移転したという旨の登記をする間に、Bが第三者(=C)にその家を売ってしまい、Cが登記をしてしまったとする。その場合には判例によると家の所有権は登記を備えているCのものになってしまうのだ。この場合はCが善意であろうが悪意であろうが同じである。もちろん、Bに損害賠償請求をすることはできるが、家はおにぎりやサンドイッチのようなものなどとは金額も違えば、選ぶのにかかる時間も思い入れも桁違いであろう。おにぎりやサンドイッチを食べている時に他人に取られたとしても、とても嫌な気持ちになるし、憤りを感じる。しかし、家は人生最大の買い物である。嫌な気持ちや憤りなどで収まるわけがない。ましてや、その第三者が悪意であったなら、それが原因で事件が起こってしまう可能性だって大いにある。確かに、不動産は動産と違って所有権者がわかりにくいということは確かだ。だから、動産は引き渡しが公示する方法となるが、不動産は登記が公示する方法となる。理屈はよくわかる。しかし、理屈や理論のみで回るほど世の中は簡単ではない。そこで、近年民法第94条2項の類推適用を用いて事実上登記の公信力を認めようという有力説がある。この学説に基づくと、取り消しのタイミングにより結果が決まるのではなく、Cが善意か悪意かによって結果が決まることになる。これにより、公示の原則では取り消しの前の第三者であるか取り消しの後の第三者であるかによってどちらが勝つかという結果が異なるという矛盾を解明できる。

94条2項を類推適用した場合に重要になるのは善意か悪意かである。善意か悪意かを証明することは、登記の有無を証明するよりも難易度が高く、そのため、事実と異なるものさしで結果を出してしまう可能性もあるというデメリットもある。しかし、真の権利者を保護することを目的とした法律の適用を目指すならば、94条2項を類推適用し、公信力を認めるという方向に今すぐシフトチェンジしていくことが必要である。

・遺贈と合有

私は大学に入って法律を学ぶまで、死んだ人が持っていた財産を相続するためには死んだ人が遺言を残していなければならないと思っていた。しかし、相続する方法には遺言によるものの他にも、被相続人との間柄が法定相続人という場合に相続できるというものもある。私が大学に入学する前に思っていた相続は正確に言うと「遺贈」にあたるということだ。

たとえば、被相続人が会社を経営していた場合、相続財産の中に会社が入っている可能性がある。この場合に会社という相続財産は合有となる。合有となった財産はそれぞれの被相続人が持分の処分の自由が否定され、分割請求の自由も否定されるのだ。これは会社に限ったことではなく、ある目的を達成するために共有者が集まって団体を作っていれば良いのである。この合有で有している財産は団体が継続している間は各自で処分することができないため、ある意味脆さを含んでいる。共有者それぞれに様々な事情があり、たとえば経済的に困窮している共有者がいた場合、その団体を継続していくよりも日々の生活を重要視している可能性が高い。その場合、団体の継続は共有者全員の協力が不可欠であるという点から相続財産においてはこの合有という形態はあまり好ましくないだろう。

相続という制度は、本来他人の所有物であったものを、親族というつながりや被相続人の優しさといったもので恩恵を預かることができるというものだ。それなのに、その相続で争いが起こるということは望ましくない。よって、私は相続という制度を廃止するという選択をすることが日本の平穏を保つための第一歩であると考える。

(1)http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_15/

(2)jinkou/geppo/nengai16/dl/gaikyou28.pdf

(3)https://kyuryobank.com/allage_salary