池田 洋

親族法 期末レポート

家族と裁判

結論:家族に関する裁判には、子供の意思を尊重し救済する制度が必要であると考える。

 

 

目次

1、はじめに

2、離婚と訴訟

 (1)離婚とは?

 (2)離婚の訴訟

3、子が直接関わらない裁判

 (1)父子関係を争った判例

 (2)養子縁組の撤回について

 (3)代理母が子の引渡しを拒否した判例

4、子が直接関わる裁判

 (1)死後の認知とその否定

 (2)利益相反に関する判例

5、まとめ

 

1、はじめに

 これまで15回の授業の中で、いろいろな判例について学んできた。私は、その判例の判決に対し、「なぜ子供の意思を考慮しないのだろうか」「法律や学説に従って判断すれば、確かにその判決になるだろう。しかし、それでは子供があんまりだ。」という思いを抱いてきた。そのため、先に述べた結論に至った。

 これより、なぜ私がそう思ったのかについて、授業で習った判例を踏まえながら(判例を使うのは主に3,4だが)説明していく。

 

 2、離婚と訴訟

(1)離婚とは?

 まず、家族と裁判に関する典型例として、離婚がある。離婚とは、夫婦が婚姻関係をなくすことをいう。離婚の方法には、@夫と妻の合意によって成立する協議離婚、A協議離婚が成立しなかったら行う調停離婚、B調停離婚が不調に終わったら(成立しなかったら)行う裁判離婚の3つがある。

日本には調停前置主義というものがあり、調停(A)をせずに@からいきなりBにはいかない。また、Bは民法770条にある場合にのみできる。

 

(2)離婚の訴訟

訴訟に関する法律には民事訴訟、刑事訴訟、行政訴訟などがあるが、離婚訴訟はどれで行えばいいのだろうか。それについては、人事訴訟法2条にあるように人事訴訟を使えばよい。人事訴訟は民事訴訟の特例である。民事訴訟は@公開されるA効力が則判力B証明責任は分配C進め方が弁論主義であるのに対し、人事訴訟は@公開されないA効力が対世力B証明責任は分配C進め方が職権探知主義である。

人事訴訟では離婚以外に認知や養子に関する訴えも行われる。

 

  3、子が直接関わらない裁判

 (1)父子関係を争った判例

父が父子関係を否定できるかできるかどうかを争った判例を紹介する。

@     ABが婚姻してDが生まれる。

A     2年後にDNA鑑定した結果DBの元カレのCの子であるとわっかった。

B     ADとの父子関係を否定したい。

 この場合、Aは無効か取消のどちらかの方法で否定ができる。

無効とは、いつでも誰でもできるもので、その効果は遡及効(初めからなかったことになる)である。この事例の場合は「親子関係不存在確認の訴」がこれにあたる。

取消とは、当事者か代理人が5年以内(後述するが本件の場合は1年以内)にできるもので、効果は遡及効である。この事例の場合は、「嫡出否認の訴」が該当する。

772条にある期間に夫婦の間に生まれた子は夫の子であると推定される。これを嫡出の推定という。772条の場合、夫は子が嫡出であることを否認することができ(774条)、これを嫡出否認という。嫡出否認の訴えは夫が子の出生を知ったときから1年以内に行わねばならない(777条)。

 判例は、Dという子の法的安定性の重視、1年という期間を過ぎているという理由で「ADとの親子関係を否定できない。」とした。

 私はこの結論は間違っていないと思うが、Aが法的に父となっても、ADを自分の子だと認めるとは考えにくく、冷たい態度をとることが考えられる。最悪Dを虐待するかもしれない。また、ABと離婚する可能性もある。これらは「Dという子の法的安定性」を重視した結果考えられる未来であるが、果たしてDは「安定」したのだろうか?

 

(2)養子縁組の撤回について

 これは以下のような判例である

@     DCD間の子Fを産むが2年後、FDE間の子とわかる。

A     CFAB特別養子とするとし、Dも渋々賛成。

B     後にDは承認を撤回し、Fを取り戻すために提訴。

C     Dは経済的に安定しないとしてABが反訴。

 養子縁組とは、「実の親子関係にない人との間で、親子関係、またはそれを通じた親族関係を結ぶことを可能にする制度」のことである。養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組がある。

前者は養親になる者が20歳以上(792条)であればできるが、養子になる者が尊属又は年長者だとできない(793条)。また、協議によって離縁ができ(811条)、親子関係は実親、養親ともに存在する。

 後者は養親になる者の一方が25歳以上、もう一方が20歳以上(817条の4)であり、養子になる者が原則6歳未満であればできる(817条の5)。また、養親から虐待等があり、実親が相当の監護をできる場合のみ離縁ができ(817条の10)、実親との親子関係は終了する(817条の9)。

 ABが虐待などをしていないこと、CDが別居状態でDはなんとか自活しているが、精神的に少し不安定であることを理由に判例ではFABの下で育てさせることを決定した。

 ここでFのことを考えよう。F6歳未満という幼いときに自分の意思とは無関係に親をCDからABに変えられたのだ。

確かに、ABの方が裕福であり家庭環境も安定しているため、そのほうが幸せになるかもしれない。しかし、Fが成長しその事実を知りCDと親子でいたいと思ったとしても、その願いを叶える術はないのだ。それでいいのだろうか?

 

(3)代理母が子の引渡しを拒否した判例

 判例は次のようなものである。

@     Cは代理母としてABの子Eを産む(血縁はBCである)。

A     養育権はABにあるがCEの引渡しを拒否。

結果、Eの父はB、母はC、養育権はABCは面会権となった。母子関係は分娩のみという判断を下したのだ。

代理母とは、生殖補助医療の一種で、夫の精子と代理母の卵子を体外受精させ、その受精卵を代理母の子宮で育てるというものである。生殖補助医療には代理母以外に、借り腹・AIH・胚移植などがある。

この判決もEのことを考えているのか疑問に思う。Eの視点に立つとは父1人と母2人という状況になるだろう。ACEを欲しているのだから。このような環境でEは普通の、父母一人ずつの家庭の子と同じように育つのだろうか。Eのことを考えれば、ACどちらかとの縁を切ってしまったほうが良いのではないだろうか。

 

4、子が直接関わる裁判

 (1)死後の認知とその否定

ここでは判例を簡略化したものを紹介する。

  @     ABの死から2年後にBが自分の親であると訴え、容認。

  A  この訴えを知らなかったBの子Cがこれを否定する訴えを提起。

 この事例の@で行われたものを死後認知といい、父又は母の死亡から3年以内に行うことができる(778条)。この訴えは検察官を相手に行うものである。

 家族関係の早期安定、人事訴訟には行政訴訟法34条(第三者の再審の訴え)にあたるものがないことを理由としてCの訴えを否定しと。

 この結論で確かにAの家族関係は安定するかもしれないが、Cはどうであろうか。突然現れたAがいきなり家族になったというのだ。私がCだったら「安定」したとは思わないだろう。しかし、判決によって死後認知の訴えを否定できないとされたので、これ以上どうしようもない。本当にそれでいいのだろうか。

 

(2)利益相反に関する判例

判例に入る前にいくつかの言葉の説明を行う。

826条に利益相反行為について規定されている。これは、「親権者の得になって子供にとって損になる行為や、複数の子供がいる場合にそのうちの一人が得をしてもう一方の子供が損をしてしまうような行為をすることを言います。(中略)親権者の権利濫用から子供の利益を守るための条文」である。判例では多数のケースを迅速に処理しなければならないため利益相反については外形説に立っている。

親権者とは、20歳未満の子の父母、養親のことをいう(818条)。これは、子の出生時に開始し、監護と教育(820条)・住居の指定(821条)・職業の許可(823条)・財産管理(824条)などを行える。また、注意義務については自己と同一の注意でよい(827条)。

この親権者がいない場合などには、後見人がこれらを行う。後見人には、未成年後見人・成年後見人・任意後見人がある。開始時期はそれぞれ親の死亡・裁判・契約であり、注意義務についてはすべて善良な管理者の注意である(869条)。

権利濫用とは、「権利の行使に当たってその正当な範囲を逸脱し,正当な権利の行使とは認められない状態をい」い 、権利の濫用は禁止されている(1条)。

これらを踏まえて3つの判例を見ていく

判例ア

@     Aに子BCがいるが、ACが死亡し、BCの子EFが相続。

A     すべての財産をBに相続させるためにCの妻(EFの母)DEFを代理して相続放棄。

B     Eが成人後、利益相反として相続放棄が無効と提訴。

結果、子EFの相続放棄によって母Dが得る利益はないとしてEFが敗訴した。

 

判例イ

@     Aが死亡して前妻と後妻の子BCDEが相続。

A     Cが後見人となりDEの相続放棄をし、自分も放棄(Bがすべて相続)。

B     Bが急死しBの妻Fが相続。

C     DE利益相反を理由として相続放棄が無効と提訴

結果、CDEの間に利益相反はないとしてDEが敗訴した。

 

判例ウ

@     Bが死亡し、子Dは家を相続。

A     ADを代理してBの弟Cの借金の担保としてこの家に抵当権設定。

B     Dは成人後、利益相反として抵当権の抹消を提訴。

結果、外形説に立つと利益相反は成立しない(Aは抵当権設定で得をしていない)、代理

権濫用も成立しないとして(親権には広い裁量権がある)Dが敗訴した。

 

アとウは親と子の利益が相反しているかどうかを争ったもので、イは子と子の利益が相反しているかを争ったものである。

ア、イ、ウはどれも未成年だった時に自分の意思とは関係なく、ある意味勝手に親などが行った行為を否定したくて、子が提訴している。しかし、すべて子が負けている。自分の意思とは無関係になされ行為によって、確実に損をしているにも関わらず。

外形説ではなく実質説に立って判断する、子の権利を強化するなどをして彼らを救うべきではないだろうか?

 

5、まとめ

3の判例はどれも、子供の意思が関わっていない。大人の事情のみでの判断か、「こうしたほうが良いだろう」という大人の考えのみで判断されている。それでは将来、子が不満を持つことが考えられる。現に4の事例の多くは、自分の意思とは関係なく行われた行為に不満を持った子が提訴したというものなのだ。

幼いから、意思能力がないからといってその者たちのことを完全に無視することで新たな問題が生まれるのだ。

ゆえに、子の意思を完全に無視するのではなく、ある程度子が大きくなってからその意思を反映するような仕組みを作ることが必要であると考える。

4の事例はどれも、子供にとって容認しがたいものである。過去に自分の意思とは関係なく行われた行為、突然なされた自分の意思とは関係なくなされた判決を容認できないのは当然のことだと言えるだろう。

しかし、現在の法律や学説では彼らを救うことができない。そのため、新たな法律を作る、新な学説に立つ、考え方を変えるなどにより彼らを救済すべきであると考える。

以上

https://best-legal.jp/adopoin-of-child-5520

https://ameblo.jp/sami0914/entry-11371052422.html

https://kotobank.jp/word/権利濫用-61170

 

 

 

 

郡司悠人

家族と裁判

 私は家族に関する裁判について、親族全体が納得のいくような判決に導くことができる法律を作ってもらいたいと思いました。

 

1    離婚の現状

 

現代の日本では3組に1組が離婚しているという統計も出ています。3分の1という離婚率は、ある1年間に離婚に至った夫婦の数から、その1年間で結婚したカップルの数を除すことによって導かれています。分母となる既に結婚している夫婦の数が大きくなれば大きくなるほど離婚率は低くなるから、ある1年間に結婚した夫婦の数のみを分母として離婚率を計算した場合、離婚率が高くなるのは当然といえます。例えば、平成10年に結婚したカップルが平成30年までにどれくらい離婚しているのかといった統計をとれば正確な離婚率というものが分かるかもしれませんが、そのような統計方法は現在とり行われていません。したがって、3分の1という離婚率は、実際の離婚の実態を反映してるとは言えず、本当の離婚率はもっと低くなると思われます。私の考えとして、年々離婚率は確実に上がっている傾向にあると考えていましたが、統計方法がとり行われてない以上、明確には判断できないと思いました。

 

2 協議上、裁判上の離婚の流れ

 

 年間で離婚における相談件数はおよそ25万人もあり、そのうちの90%が協議離婚で行われており、裁判離婚は100件のみであり、残りが調停離婚という形で行われています。最初に協議離婚とは、夫婦の合意によってする離婚であり、民法763条以下により定められています。最も自分の中では協議離婚で離婚が成立してしまうのであれば、法に触れなくても普通に離婚すればいいのになぁと思いました。次に裁判離婚とは、協議離婚の話し合いでもまとまらず、家庭裁判所の調停・審判でも離婚成立に至らなかった場合、家庭裁判所に離婚の訴えを起こして、その裁判に勝利して離婚を認める判決を得なければならない裁判であり、この場合、婚姻を継続し難い重大は理由が必要です。民法は例として不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、強度の不治の精神病などを挙げているが、離婚原因があっても直ちに認められるわけではありません。裁判官は諸々の事情を考慮して判断し、判例で認められた離婚原因は、暴行・虐待、重大な侮辱、性的異常、配偶者の両親との不和、性格の不一致、愛情の喪失、怠惰・浪費、犯罪・服役、狂信的宗教活動、交通事故による身体障害などがあります。なお、裁判離婚で最高裁までに至った場合は、15人で判決を下す大法廷で行わることが多いです。また、子どもがいる夫婦の間には親権争いが問題となっていますが、親にとって子どもはかけがえのない宝物のような存在でもあります。共に愛情こめて育ててきた自分の子を手離すことは、親にとって大きなダメージになるのではないかと自分は考えました。お互いに親権を譲り合うことなく裁判を起こすのが多々あります。親権者になるためには夫婦間の話し合いで行うのは一番ですが、どちらも親権を主張し、話の折り合いがつかない場合は調停での話し合いになります。調停離婚と同じく、調停でも話の折り合いがつかない場合は審判にて決定されますが、不服申し立てをして訴訟という運びになるのがほとんどです。裁判離婚とは違い、婚姻を継続できない事由=親権者として不適合ということにはなりませんので、親としてどう不適格なにかを主張、立証する必要があります。しかし、親権はあくまでも子どもの財産管理と法律上の代理人というものであって、親権を取得したからと言って、必ずしも一緒に住むことができるわけではありません。一緒に住むことができる権利は監護権と言い、子どもを引き取って育てる権利のことです。円満離婚を促す場合、養育費の不払いを防ぐことから親権を父親が取り、母親が監護権を取るなど分離して権利を分ける場合が多いですが、必ず分ける必要があるわけではありません。相手側から分離する主張があった場合は親権の取得方法と同じであるが、比較的早く審理は終わるようです。

 

3 離婚と訴訟

 

 裁判によって、私人間あるいは国家と国民間の紛争、利害の衝突を法律的に解決調整するために、当事者を関与させて審判する手続を訴訟という。事件の内容によって、民事訴訟、人事訴訟、刑事訴訟、行政訴訟などの区別がある。離婚訴訟を提訴するときに適用されるのが、人事訴訟法である。人事訴訟法とは、家族法上の法律問題について行われる訴訟法であり、自分で言うとするなら、民事訴訟法(民訴)の特別なものと考えてもらえればよいかと思います。つまり、人訴も民訴の一部ということなのです。また、民事訴訟法は個人または家族間の遺産などの物を相続するのに適用される法律であり、自分の中で想像している民事訴訟は、以下の判例を使って意見を述べます。

 

 例)父であるAが死んで、その間には前妻Bの子どもである長男Cと次男DCの妻であるEがおり、また、後妻のHの子どもにFGがいるとします。このとき、BHは既に亡くなっているとします。Dが後見人となり、全ての財産を相続するため、FGが相続放棄となるはずだったが、D自身が相続放棄したため、Cが全て相続することになった。しかし、Cが急死してEが相続することになったが、Eは日頃から周囲の面倒を見ていなかった。FG利益相反を理由として相続放棄は無効と提訴した。

 

 制限行為能力者制度によって、後見人には以下の決まりがあります。

 

開始

注意義務

親権

子の出生

自己と同一

未成年後見人

親の死亡

善良な管理者

成年後見人

審判

同上

任意後見

契約

同上

 

 このとき、親権者には代理権、未成年者後見人には同意権、成年後見人には取消権が生じられます。この点で自分が少し気になったのは任意後見についてです。任意後見のメリットとして、業務範囲の中から自分で必要と思われる項目だけを契約に盛り込むことができます。例えば、具体的にどういった介護や治療を受けたいか、自宅の売却の際の要望等を契約書に盛り込むことも可能なため、当人の意向を最大限実現出来る内容に「カスタマイズ」することが可能となるのです。つまり、この点が任意後見契約の大きな魅力=メリットと言えるでしょう。しかし、任意後見の問題点として、上記に挙げたメリットそのものが問題点となってきます。契約内容を自分で決められるという事は、契約に書かれていない項目については、任意後見人は手を付けることができません。契約内容を決めるときには細心の注意が必要となります。また、後見人を自分の意思で決めることが出来るという事は、仮に家族の中から選任したいと思った場合、その結果、家族間に亀裂を生じさせる危険性もあるという事です。全て自由に出来るという事は、全て自己責任になるという一面をよく認識しておく必要があります。この制度に私は賛成だと考えた。親族内の財産の相続は第三者には決定権がない限り、どんな利益相反が生じたとしてもその親族内できちんと決めた以上、責任を負うことは義務であると思ったからです。

 

 この判例で最高裁は、DFG間には利益相反は成立しないと述べました。この場合、DFGは同時に相続放棄をしているため、どちらかが利益が多いかという関係はないためである。また、多くのパターンを迅速に処理しなければならない問題があったときは形で判断すべきだと述べました。この判例から思ったことは、どんな民事訴訟が起こったとしても同じことですが、任意後見と同じように選任した後は、その選任された人が相続の第一責任者として責任を負いつつ、親族内で慎重に意思決定をし、最終的には訴訟なんて起こさずに全員が納得いくような相続してもらいたいと思いました。

4 生殖補助医療と家族

 生殖補助医療とは、自然な生殖が困難な場合に生殖を人工的に補助するために行われる医療のことをいい、人工授精、体外受精、代理懐胎などがある。生殖補助医療に関する日本の法律は現在ありません。生殖補助医療の問題点として挙げられるのは、妊娠・出産の身体的リスクのほか、生まれてくる子の福祉の問題、親子関係(誰を母にするのかなど)の問題、さらには代理母が生んだ子を夫婦に引き渡さなかったり、逆に夫婦が子を代理母から引き取らないなどの実際上のトラブルなど、枚挙に暇がないほどの様々な論点を抱えています。数ある法案テーマの中でも難題として採り上げられています。さらに日本人でも、何度も流産・死産を繰り返す「不育症」であったり、何度か不妊治療を試みたもののうまく行かず、子供をなかなか授からなかったりしたときに、代理出産を選択肢のひとつとして検討する夫婦もいます。日本国内での代理出産(代理懐胎)は、法律で禁止されているわけではありません。しかし、倫理的観点などから、日本産科婦人科学会が「代理懐胎の実施に関与したり、斡旋したりしてはならない」という通達を出しており、政府の厚生科学審議会も「代理懐胎は禁止する」という見解を示していることもあり、日本国内で代理出産が行われることは基本的にありません。一方、海外では不妊治療の延長として代理出産を行っている国もあるため、日本で代理出産できない夫婦が可能性を求めて海外へ渡航するケースもあります。

このことから、私は日本にも代理母制度を設けたほうがよいと思いました。どうしても子どもが欲しい夫婦や、現在大きな問題となっている少子化を防ぐ効果もあるのではないかと思いました。しかし、上記に挙げたように、不育症や引き取り・渡し上のトラブル、論理的観点などからといった問題点もある。そこで考えたのは、医事法の分野に代理母制度とそれに纏わる生殖補助医療に関する法律を考案したらいいのではないかと思いました。医療に関する事なので一定の法律は定めなければならないと思いました。これらの法律ができれば、少子化も減少する可能性もあれば、結婚率も上昇するのではないかと考えました。

 

なお、日本における年間死亡数は約130万人に対し、出生数は約90万人になります。そのうち、生殖補助医療により出生した人数は約5万人に及びます。その他には、非嫡出子が約2万人、未成年養子が約3万人、普通養子が約9万人、特別養子が約600人もの人が出生しています。また、約20万人の人が人工妊娠中絶をしているそうです。年間に約40万人の人が生殖医療を行っていたのは自分の中でとても驚きでした。現代では体内受精が困難なために、少子化が進んでいるのだろうか? もしこの考えが少しでも当てはまるのであれば、生殖補助医療が当たり前のように利用されるようになるのは時間の問題だなぁと思いました。

5 嫡出否認・認知の効力

 ある判例で、白血病治療のために放射線治療をした患者が亡くなって、その翌年に患者の妻が凍結精子を用いて体外受精を行った。亡くなった夫も体外受精を望んでいたが、妻は夫の死亡を病院に知らせていなかったために、体外受精で生まれた子どもの出世届を役所が受理しなかった。それに対し、妻は提訴したということがあります。

 最高裁は、役所の主張を認め、出生届の受理をしないことを正当としたと述べました。その理由として、嫡出推定、代襲相続、死後認知などが認められないと挙げられた。その中でも私が気になったのは、死後認知についてです。死後認知は、民法787条において、「子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提訴することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。」と定められているが、この判例の場合は、夫が亡くなってから3年は経過されていないと推測したため、787条は適用されるのではないかと考えました。仮にこれが嫡出否認の訴だとしたら、出訴期間が1年と定められているため、適用はされません。なお、認知や嫡出の取り消しは原則的に禁止されています。また、一般法理の活用の内容として、権利濫用の信義則が使われています。

私はこの観点から、死後認知の権利行使期間の制限をもう少しだけ延ばした方がいいと思いました。例えば、亡くなってから4年後に初めて知ったときに死後認知の訴をしたくても、期間が過ぎているため提訴できないということが起きます。また、人は行方不明になってから7年が経過すると亡くなったことになると民法上で定められているが、7年経った後すぐにその5年前に亡くなっていたことが発覚した時においても、死後認知を提訴することはできません。このようなことも考えて、死後認知の権利行使期間の制限は上記の事を踏まえて3年から8年に改正した方が良いのではないかと考えました。しかし、上記に述べたことの判例がない以上、この案が適用されるのは難しいものだと感じました。

 以上の事を踏まえて、家族は生きていく上では、かけがえのない存在であり、家族は家族全員で守らなければならない義務が少なくとも自分の中ではあると思います。そのためには、皆が納得のいくような法律を作って、その法律を最大限に活かし、家族内で作り上げてきたものや、守ってきたものを責任持って守ってもらいたいと思いました。

 

参考・出典

https://wotopi.jp/archives/36158

https://kotobank.jp/word/裁判離婚-186664

https://kotobank.jp/word/協議離婚-186661

http://seikatuiroirojoho.info/category2/entry18.html

https://kotobank.jp/word/訴訟-90076

https://asqmii.com/jijico/2016/07/31/articles20848.html

https://192abc.com/36316

https://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20140518/Jijico_9795.html

ポケット六法 平成30年度版 有斐閣  編集代表 山下友信 宇賀克也

法律学小辞典 第5版 有斐閣  編集代表 高橋和之 伊藤眞 小早川光郎 能見善久 山口厚

その他は講義内で採ったノートを参照

 

 

 

 

入江真希

家族と裁判

 

 結論:離婚をするときは子どもの将来を第一に考えてから行うことが大事だと思う。

 

はじめに

近年、離婚する人たちが増加している。日本の離婚率は約35%前後となっており、離婚率の上昇には核家族化が理由の一つとなっている。それに伴い子どもの親権を巡る問題が多く生じており、離婚に関する訴訟が深く関わっている。

家族と裁判とは

家族と裁判に必要な訴訟法のうち関わりが深いのは人事訴訟法である。

人事訴訟法とは身分関係の争いを解決するための民事訴訟の一部である。人事訴訟手続法所定の婚姻事件、養子縁組事件、親子関係がこれにあたる。人事訴訟法は非公開であり、実定法37条、82条の原則公開の例外を除き、プライバシーが保護されている。また対世効をもち、原告・被告だけでなく第三者に対しても効力を及ぼす。(例:行政法・会社法)しかし人事訴訟法にはデメリットがある。人事訴訟法の管轄は家庭裁判所であり、調停をしておく必要がある。離婚調停が不成立に終わったからといって自動的に離婚訴訟になるわけではない。そのため離婚訴訟を提起したい場合は、改めて訴えを提起することが必要である。(調停前置主義)私は、民事訴訟は調停をせずに提起することが可能であるので、民事訴訟のほうが良いのではないかと考える。

離婚の仕組み

離婚には様々な種類があるが大きく分けて二種類ある。それは協議離婚と裁判離婚だ。協議離婚は夫婦の話し合いのみで可能であり欧米では協議離婚でも立ち合いが必要である。裁判離婚は協議離婚、調停離婚すべてが成立しなかった場合、離婚訴訟を起こし、裁判所が判決を下す。裁判離婚を起こすには法的に認められた離婚の理由がなければならない。ここで判例を挙げる。B子が統合失調症なのでABに対して離婚を請求したが離婚は認められるか?私は、Aを勝たせる(離婚を認める)。病を患っている人に離婚を請求することは正直可哀想だとは思うが、回復する見込みがない精神病であるならば認めるべきではないかと考える。判決は、Aの離婚を認めた。強度で回復の見込みがない精神病に夫又は妻がなってしまった場合には、他方の配偶者は裁判で離婚を求めることができる。精神病であることについて、本人には責任はないが、夫婦間の意思の交流すら正常にできない場合は法律で婚姻関係を強制することは不適切だ。そこで民法770条1項4号で「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は離婚の訴えを提起することができるとされている。だが、薬などによって回復の見込みがある場合は離婚の請求が認められない。ここである疑問が生じる。回復とあるがどの程度回復すればよいのかという問題がある。それは精神病の程度が一時よりも状態が良くなっており、近い将来退院できるとしても、夫婦としての任務に耐えられる程度まで回復の見込みがない場合には、離婚の請求を認めるとした裁判例がある。

嫡出否認の訴え

嫡出否認とは、婚姻中、または離婚後300日以内の子どもは法律上夫又は前夫の子どもとなる。嫡出否認はこのような場合に妻又は前妻が出産した子どもが自分の子どもではないとして父子関係を否認できることをいう。ここで判例を一つ挙げると、ABが婚姻してDが生まれるが2年後にDNA鑑定した結果Dは元彼Cの子であるとわかる。Aは父子関係を否定できるか?という判例がある。結論は否定できない。DNA鑑定はあくまで一種の推定であり、Dの法的安定性を重視した。養子は血縁関係がなくても法的に親子とされているためである。民法772条で「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と規定している。しかし、嫡出否認は、夫が子の出生を知ってから1年以内に申し立てなければならないため、たとえ実子でないとしても、この期間を過ぎてから嫡出否認をすることはできない。すなわち、1年を経過すると、父子関係が確定してしまう。その場合、そのまま他人の子を自分の子として育てていかなければならず、扶養する義務や亡くなった際には相続も発生することになる。自分の子でないと確信したら、直ちに嫡出否認の訴えをする必要がある。私は、夫だけではなく妻も嫡出否認の訴えができるようにするべきではないかと思う。また夫だけが訴えることができるのは男女間の差別があるのではないかと個人的に思う。

 

生殖補助医療で生まれた子をめぐって

近年、昔に比べると生殖補助医療という言葉が世間に浸透してきている。生殖補助医療とは体外受精をはじめとする、近頃進歩した新たな不妊治療法を指す。日本では、法律で認められていない。この問題は賛成派と反対派に大きく分かれている。反対派は、子のアイデンティティ保護の必要、人間の尊厳を損ねる葛藤をもたらすと考え、賛成派は、家族を作る自由(幸福追求権)であるという意見が生じている。アメリカでは概算で1年に1500人の子どもが代理母から生まれている。私は、日本の意見と同じで反対である。確かに、子どもが欲しくても作ることができないで悩んでいる人は多くおり、自分がその立場であったら、生殖補助医療に対して肯定的になると思うが、将来生まれた子供が成長するにあたって様々な問題が生じると考える。一つに生まれてきた子の法的地位はどうなるか(親はだれなのか)といった問題が出てくる。また代理母出産をした場合、代理母による出産で生まれた子との親子関係はどうなるのか(依頼者夫婦の嫡出子になるのか)などの問題がある。これらの問題に関して最高裁で判決された事例を挙げよう。男性が死亡後に保存精子を用いた人工生殖によって生まれた子の親子関係はどうなるのかという問題があった。ここでの問題は、@子は死んだ父との法的親子関係を確立できるのかA死後認知の訴えは認められるのかということである。結論は、認められない。「死後認知の法制は、少なくとも死後懐胎子と死亡した父との間の親子関係を想定していないことは明らかであり、死後懐胎子については、その父は懐胎前に死亡しているため、親権に関しては、父が死後懐胎子の親権者になり得る余地はなく、扶養等に関しては、死後懐胎子が父から監護、養育、扶養を受けることはあり得ず、相続に関しては、死後懐胎子は父の相続人になり得ないものである。また、代襲相続は、被代襲者である父を相続し得る立場にない死後懐胎子は、父との関係で代襲相続人にもなり得ないというべきである。」とした。私は、死んだ人の精子を用いて子どもを産むことに反対である。いくら死んだ夫との子どもが欲しいと思っても、生まれてくる子どものことを考えると、様々な問題に直面しなければならなくなると思うからだ。

養子に関する問題

養子縁組には、実の親と子の関係を存続させる普通養子縁組と、関係を消滅させる特別養子縁組がある。ここでは特別養子について詳しく述べる。特別養子縁組とは、6歳未満の子を基本帝に養親との親子関係のみにし、実の親子関係を解消する特別な養子縁組の制度だ。実父母による監護が著しく困難又は不適当などの特別の事情があり、子どものために特に必要があるときに成立する。養親は配偶者のある者で、かつ夫婦がともに養親となる共同縁組であることが基本的な要件である。要件は以下の通りだ。

@養親が夫婦で、その両親が養親になること。A養親の一方が25歳以上で、他方が20歳以上であること。B養子となるものが6歳未満であること、6歳未満から一緒に暮らしている場合は、例外的に8歳未満であること。C実の親の同意があること。D実の親が子どもを虐待する、行方不明などのとき。E実の親による監督保護が著しく不適当で、子どものため特に必要なとき。

特別養子縁組は、申し立てをしてもすぐには認められない。実際に養子となる子どもを試験的6か月以上預かり、家庭裁判所による審判が必要である。また、離縁による父母血縁親族との関係は終了する。次に、養子縁組のメリットは親子関係が実子と同じように成立するということであり、デメリットは、実の親子関係ではないため、一定の条件を満たせば離縁することができてしまうとういうことだ。養子制度について、私は肯定的である。子どもを育てたくても育てられない人や子どもが欲しくてもできない人がたくさんいる中、お互いがきちんと同意したうえでならよいと思う。虐待や人身売買などの問題が起こす可能性があるので、法律を規定していくことが必要ではないのかと考えた。

親権とは

ここまで大きく離婚・摘出否認生殖補助医療・養子のことについて取り扱ってきたが、子どもを育てる中で一番重要と言っても過言ではないのが親権である。親権に関する事例は様々あるが、その中の一つの事例について説明する。@Aが死んで相続が発生した。Aすべての財産をBに相続させるため母Dが子EFと代理して相続を放棄B子Eが成人後利益相反として相続放棄が無効と提訴した。誰を勝たせるべきか?判例は、Bを勝たせた。子EFの相続放棄によって母Dは利益がないため利益相反ではないとした。形式的判断説と実質的判断説があり、形式的判断説は代理権乱用と権利濫用があるとしている。実質的判断説は親権者が利益を受ける一方、子の利益を実質的に侵害するような行為は利益相反であるとされる。これに対し、形式的判断説は親権者の法定代理権乱用と民法93条但書において親権者が子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は利益相反にあたらないとしている。

将来を見据えた制度

将来、認知症などの精神病や自己の判断能力が不十分になるかもしれない。その際を見越して、本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に後見事務の内容と後見する人(任意後見人)を自ら事前の契約によって決めておく制度を任意後見制度という。もう少しわかりやすく言うと、将来不安を感じている人が、将来を見越して事前に公証人役場で任意後見契約を結んで置き、精神病などにかかった時に家庭裁判所に申し立てをし、任意後見監督人の選任をしてもらうということである。なお、任意後見契約においては任意後見人を誰にするか、どこまでの後見事務を委任するかは話し合いで決めることができる。しかし、一身専属的な権利(例:結婚・離婚・養子縁組)については任意後見契約に盛り込むことはできない。

まとめ

今回初めて親族法という法律について学んだが、親族法は日々生活していく中でとても関わりがある身近な法律であるなと感じた。将来結婚をし、子どもを授かるとし、そのまま幸せな生活を送ることが最も素晴らしいことだが、離婚をする可能性は誰しもある。何も考えずただ、離婚をしたいと思って離婚すると将来子どもが成長していく際に他の子どもに比べて様々な問題が起こってしまうのは避けられないと思う。親権は子どもにとって重要な権利であり、父母どちらにするべきかしっかりと話し合い、考えたうえで獲得することが大事であるということを改めて感じたため、冒頭のように述べた。

 

出典: http://www.riconhiroba.com

       https://babylife.org/adoption/

www.seinen-kouken.net

 

 

 

 

 

洞口将輝

家族と裁判

17J105012洞口 将輝

 

はじめに

「家族と裁判」とは、変化がもたらす家族問題の解決である。

人は産まれてからすぐに家族というコミュニティに属する。成長と共に、結婚という新たなコミュニティを形成したり、出産で構成人数が増えたりもする。逆に 離婚という形などでそのコミュニティが壊れたりすることもある。そのコミュニティ内に何か変化が起こるとき、様々な問題が起こると想定される。このような問題を解決する場が裁判であり、今回は、その変化と問題解決について考察していく。

 

離婚の増加に対する国の対応

最近、有名人や芸能人などの離婚がテレビで騒がれている気がする。離婚と聞いて、身近に感じることはないだろうが、どこにでも起こる離婚だからこそ、スクープとしてとりあげられるのかもしれない。日本では、年々離婚率が上昇しており、二分に一組が離婚をしているという数字が出ているくらいである。そんな、離婚大国の一歩手前の日本では、夫婦間の話し合いだけでは解決出来ず、裁判をするケースが増えている。離婚については日本の法律上、調停前置主義が採用されているため、いきなり裁判離婚をすることは出来ない。そもそも調停前置主義とは、裁判をするにあたってはあらかじめ調停をしておかなければならないということである。そのため、原則として離婚調停をした上、不調(不成立。話し合いがまとまらないこと)に終わっていることが裁判離婚をする条件となる[1]

 離婚に関して使われる法律は民法の中の人事訴訟法である。20044月から、新人事訴訟法が施行されている。新法のポイントは、@人事訴訟の家庭裁判所への移管、A家庭裁判所調査官による事実の調査制度の新設、B参与員制度の新設、C人事訴訟の土地管轄の変更等多岐にわたるのだが、ここでは@Cについて触れたいと思う。

当事者間で離婚の話し合いができないとき、まず、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになる。そして、調停でも話し合いが整わないとき、離婚訴訟を起こすことになる。従来、この離婚訴訟は、地方裁判所へ起こすことが定められていたのだが、離婚訴訟についても地裁裁判所ではなく家庭裁判所が扱うこととなったのだ。家庭裁判所の機能を充実させることにより、人事訴訟の一層の充実・迅速化を実現しようというのが立法目的である[2]

 

 このことから国が法律を変えてまで離婚の増加問題を深刻に受け止めていることが見て取れる。離婚は夫婦間の問題だけではなく、その夫婦の間にいる子どもの未来にも大きく関わってくることであると考える。子どもの親権はどうなるか、養育費はどうするか、色々と考えないといけない。夫婦間にとっては「離婚しました、はい終わり。」で縁を切れたのかもしれないが、子どもにとっては唯一無二の存在であることを忘れないでほしいと私は思う。

 

産めない母と育てられない母 〜血縁こそが家族か〜

子どもがほしくても出来ない親にとって、子どもを「授かる」のではなく、子どもを「作る」方法として不妊治療が挙げられる。その中で、近年よく耳にするのが生殖補助医療である。しかし、これにはいくつかの問題がある。一つは保険適用外のため、高額な費用がかかること、もう一つは、この医療に関する法律がなく、関連団体がガイドラインなどを定めるにとどまっている点である。したがって、日本で卵子提供や代理出産を行っても、罪に問われることはない。このため、これらの生殖補助医療の実施を公言している医療機関もあるくらいだ。法整備がなされていなくても問題が顕在化するのは、生まれた子どもの母親が誰かという問題についてではないか。民法もこの点を明記しておらず、ある夫婦が、代理出産によって生まれた子どもが、夫婦の嫡出子だとして提訴したことがあった。東京高裁は嫡出子として認める判断をしたが、最高裁は子を懐胎し出産していない女性との間には母子関係は成立しないとして訴えを退けた。結局、この夫婦は、子どもと特別養子縁組をしたのだった[3]。このケースでは、血の繋がりがあるにも関わらず

法的に親子関係が認められていない子を家族として迎えている。この制度には、血の繋がりのない子を家族として法的に認めるというもう一つの側面がある。

このきっかけとなった事件の概要は、菊田医師が、中絶を懇願してくる女性を「出産したことを戸籍に残さないから」と説得し、産まれた子を育ての親となる信頼できる夫婦に託していた。戸籍法、医師法に抵触する行為だとは知りつつも、赤ちゃんの命を守るために行ったこの行動は、世論を動かした。このことが、先ほどの「特別養子縁組」という制度が導入されるきっかけとなった[4]。育てられないという理由から今まで救えなかった子どもの命が守られ、子どもがほしいと望む者へ家族として迎えられるようになったのである。

 

この制度が出来たことによって、従来の普通養子縁組のように実方との親権が残らず、子どもにとっての親は1組となったことから、本当の意味での家族となることが出来たのではないか。言うまでもないが、先に述べた生殖補助医療についての法整備を迅速に行うことは必要不可欠であり、これが子どもの出来ない夫婦の助けになる。これはまた、子どもを守るという観点からも言えるのではないか、と考える。

 

親が繋げる子どもの未来

 先でも述べたように、子どもにとって親(父と母)は絶対に必要不可欠な存在である。例えば、未婚の夫婦の間に子どもが出来たとする。法律上は、母と子は当然に親子であるという認識がある。それは、懐胎、出産という明確な現象に裏打ちされるものだからである。ところが、父と子はこのような身体的なつながりが無いため、戸籍上の夫婦関係にないいわゆる内縁の妻の子との間には、法律上の親子関係は無いことになる。そうなると内縁関係に基づく父親が亡くなっても、当然に相続人にもなれない。戸籍の上のことはともかく、この子にとって母と内縁関係にあった男性は、紛れもなく父親であることに変わりはない。そこで、母親が死後認知という制度を使って、亡くなった者を子どもの父親だと法律的に認めてもらい、子どもの未来を助けることが出来る[5]。それに似た民法に「嫡出推定」というものがある。これは早期に子供の戸籍を確定して扶養義務を負う父親を法的に明確にすることが、子供の利益や権利保護につながるとの考え方に基づく。しかし、この制度には、問題があるのではないかと思う。DNA鑑定の登場、生殖補助医療の進歩、家族・夫婦関係の価値観の多様化などにより、嫡出推定の概念と現実との乖離(かいり)が生じており、日本の法整備の遅れが指摘されている点である。これにより離婚後に前夫以外の男性の子を妊娠し早産した場合、前夫の子となる嫡出推定を回避するため、出生届を出せず、子供が「無戸籍児」となることが社会問題化している[6]。この問題の背景に、嫡出否認が夫にしか認められていないということがある、と私は思う。現に神戸地裁ではこのような判例がある。嫡出否認が夫のみに認められている民法の規定は、法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、兵庫県内の60代女性と娘、孫2人の計4人が国に計220万円の損害賠償を求めたものであった。神戸地裁(冨田一彦裁判長)は、規定は合憲とし、請求を棄却した。原告代理人によると、無戸籍問題の一因と指摘されている嫡出否認の違憲性に争点を絞った初めての訴訟で、娘と孫2人は長く無戸籍の状態に置かれていた。 訴状などによると、女性は、夫から度重なる暴力を受けて別居し、別の男性との間に娘が生まれた。離婚成立後に男性を父とする出生届を提出したが、婚姻中に妊娠した子は元夫の子とみなす民法の「嫡出推定」で不受理となった。嫡出否認の手続きを検討したが、元夫にしか権限がなく、暴力の危険から断念した。男性との父子関係を確認する認知調停も申し立てたが、裁判官に「元夫の証言が必要」と指摘され、取り下げた。元夫の死亡が判明した後の昨年まで娘と孫は無戸籍状態となった。 明治時代の民法を引き継ぎ、妻や子に嫡出否認権を認めない制度について、女性側は法の下の平等、両性の平等などを定めた憲法に反し、国会が民法を改正する立法措置を怠ったと指摘。そのため無戸籍となり、行政サービスを受けられないなど精神的苦痛を受けたと訴えていた。 一方、国側は、夫のみ否認できる規定を含む現行の嫡出推定制度は「(扶養義務を負う)父を早期に確定させ、子の利益を守り、家庭の平和を尊重する観点から合理性がある」などと反論していた[7]

 

 嫡出推定は、たしかに子どものためになると思うが、上記の神戸地裁の判例を見ると、今一度改正の余地があるのではないかと思う。このようなケースを例外として認めるのは難しいかもしれないが、本当に子どものことを考えるならば母にも嫡出否認の権限を与えるべきであると私は考える。

 

親に求められる冷静な判断

 これまでは親から子どもに対してのアクション(法律的なことも含む)を見てきたが、次は子どもから親に対して出来ることを、一つ例を挙げて考えたいと思う。

今まで自分の世話をしてくれていた親が高齢になり、次第に自らの身の回りのことも出来なくなり、意思能力が衰えてきたときに子どもが後見人となり、親の身の回りに配慮しながら財産の管理や福祉サービスの契約などを行い、親に代わって、親の権利を守り、生活を支援することが挙げられる。親は自分の判断能力が衰える前に、任意後見人制度を使い、自分の意思でこどもを後見人とすることができる。一番近くの身内であり、今まで世話をしてきたことを考えると、当然自分も同じように世話をしてもらえるだろうと思うことは至極自然のことであると思う。だが、利益相反が起こり得る子どもを任意後見人に選ぶことには問題がある。というのも、子どもは本人が亡くなった後、相続人になる立場の人だからである。自分が相続人になることを考えた場合、親が自分自身のためにお金を使おうとするのを、やすやすと見逃すことができるだろうか。この場合、子どもは親が亡くなった後、自分に残る財産を少しでも多く残そうと考え、サービスの良くない介護施設に入所させたり、厄介者扱いされたりなど、財産を握られ、お金をかけてもらえなくなる、という悲しい現実が実際多くあるようだ[8]

 

上記のような後見人による権利濫用によって自分の財産が自分自身に有用な使い方がされないことは、親にとって受け入れ難い現実ではあるが、このような現実があることをしっかりと理解し、受け止めることが大事だと思う。そして、第三者を後見人とすることなどの、冷静な判断が求められるのではないかと私は考える。

 

さいごに

 今回のレポートに際し、様々なケースでの家族コミュニティの変化を見てきた。その中心にあるのが子どもと親の関係であったのは明らかである。本来、家族円満でその中で問題が起こったとしても、家族間で解決するのが望ましいが、現実、自分たちだけでは解決できないような問題を、法を使って解決するのである。まだまだ法が時代に追い付いていないことから、より子どもの未来を第一に考えた法整備がなされることを願ってやまない。

 



[1] https://best-legal.jp/divorce-trial-flow-390

[2] http://www.josei-law.com/archives/blog/557/

[3] https://news.mynavi.jp/article/20180218-585951/

[4] http://happy-yurikago.net/2017/04/3962/

[5] http://yuigon-isansouzoku.com/section3/37.html

[6]https://kotobank.jp/word/%E5%AB%A1%E5%87%BA%E6%8E%A8%E5%AE%9A-895997

[7] https://mainichi.jp/articles/20171129/k00/00e/040/301000c

[8] https://gentosha-go.com/articles/-/1917

 

 

 

 

渡邊理久

 

家族と裁判について私は、家族関係、親子関係など複雑化している人間関係から、現在の法律からは導きだすことは難しい部分があり

、過去の判例をもとに多様化する場合に、判例法主義に基づいた解決を見出すことが必要だと私は考えております。

 

離婚問題

 

まず家族関係としてもっとも多いと言われるのが離婚問題です。

離婚問題を様々なシチュエーションがあり、多様化する中で、適当される法律が人事訴訟法があります。

人事訴訟法とは(平成15716日法律第109号)とは、家族法上の法律関係について民事訴訟法の特則を定めた法律のことをいう。

離婚の手順として3種類あげられます。

➀協議離婚

離婚をする約3割の家庭のうち、およそ9割がこの協議離婚を選択して離婚をしていると言われています。夫婦がお互いの離婚条件に同意していれば、離婚届を提出するだけで離婚が成立するため、最も争いやトラブルが少なく、離婚にかかる期間も短い、さらに費用もかからない方法と言えます。
ただし、離婚に際して具体的な取り組みをしないまま離婚してしまうことで、後から後悔するケースも多いため、事前準備が何よりも重要と言えます

A離婚調停

離婚調停は、協議離婚では決着がつかない場合に、調停委員という第3者を挟む形で進める離婚方法のことで「夫婦関係調整調停」とも呼ばれています。
夫婦間のトラブル内容や離婚理由に関係なく、誰でも申し立てることが可能

B裁判離婚

離婚調停でも合意が得られなかった場合に申し立てるのが離婚裁判です。離婚裁判では訴えを起こした方を「原告」と呼び、訴えられた方を「被告」として、裁判の内容も第三者に公開されるという特徴があります

裁判離婚では、離婚すること自体の訴えと併せて、慰謝料の請求や財産分与といった金銭問題、未成年の子供がいる場合は親権者の決定、養育費の請求も同時に争われることになります。
また、協議離婚や調停離婚では離婚する理由(法定離婚原因)は特に問われることはありませんでしたが、離婚裁判を起こす際には民法が定めている「法定離婚原因」が必要となり、原則として、有責配偶者(不法行為をした側)からの離婚請求は認められません。
 

その他に離婚裁判で争うこと

 

裁判離婚を行う場合、法律が定める離婚原因がないと離婚ができないとされています。もし離婚調停を行う段階でこれはまずそうだな、訴訟になるかもという懸念があれば、法定離婚事由があるかも見直しておく必要があると思われます。
 

具体的な法定離婚原因とは

 

こういった問題で、民事訴訟法の特例として扱うものが人事訴訟法である。

人事訴訟法の定義として2条にはこの法律において「人事訴訟」とは、次に掲げる訴えその他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴え(以下「人事に関する訴え」という。)に係る訴訟をいう。

 婚姻の無効及び取消しの訴え、離婚の訴え、協議上の離婚の無効及び取消しの訴え並びに婚姻関係の存否の確認の訴え

 嫡出否認の訴え、認知の訴え、認知の無効及び取消しの訴え、民法(明治二十九年法律第八十九号)773の規定により父を定めることを目的とする訴え並びに実親子関係の存否の確認の訴え

 養子縁組の無効及び取消しの訴え、離縁の訴え、協議上の離縁の無効及び取消しの訴え並びに養親子関係の存否の確認の訴え

と規定されています。

 

 

A親子関係

現在では親子関係でも様々な問題のケースがある。

2つの例をあげて見たいと思います

 

結婚生活を送る夫婦の間に子どもが生まれ,その後何年も子育てをしながら幸せな家庭を築いているというケースがあるとします。

夫は,妻が産んだ子は当然自分の子だと信じていましたが,ある日突然,妻から「この子はあなたの子じゃないの」と打ち明けられました。驚いた夫は,自分と子どものDNA検査を受けたところ,「父子確率0%」という検査結果が出てしまいました。

この父子関係を否認したいと考える場合の例についてお話ししようと思います。

民法では,婚姻中の妻が子を妊娠した場合,その子は夫の子と推定されます。これを「嫡出の推定」といいます。また,夫が父子関係を否認するためには,子の出生を知った時から1年以内に家庭裁判所に訴えを提起しなければならないとされています。これを「嫡出否認の訴え」といいます。

 「1年」という出訴期間が設けられていますので,夫が子の出生を知って何年も経った後では,「嫡出否認の訴え」を提起し父子関係を否認することはできません。

 ところで,父子関係を否認するための訴えとしては,「嫡出否認の訴え」のほかに,「親子関係不存在確認の訴え」という種類の訴訟もあります。この「親子関係不存在確認の訴え」には,出訴期間の制限はありません。

 ただし,子に「嫡出の推定」が及ぶ場合,「嫡出否認の訴え」によるのが原則です。裁判例上「親子関係不存在確認の訴え」が認められるのは,例えば,妻が妊娠した時期に夫が遠隔地に居住していたなど,夫婦が性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情がある場合に限られています。

 そのため,そのような事情がない場合には「親子関係不存在確認の訴え」は認められず,「嫡出否認の訴え」の1年の出訴期間を過ぎると,法的に父子関係を争うことはできなくなってしまいます

 

A戸籍上結婚していない男女の間に子供が生まれました。さらに男性には妻との間に子供が一人います。しかし男性が妻ではない女性との間に子供を

認知しないままなくなった場合父子関係は成立するのかという事例があったとします。

この場合死後3年以内なら認知請求訴訟を提起することができ、この制度のことを死後認知と言います。

死後認知された子供は最初から男性の相続人とし、他の子供がいたとしても同じ権利を有するということが言えます。

遺産分割でも妻が5割、実子(嫡出子)が25割、認知が成立した子供(非嫡出子)が2,5割となります。

 

私は憲法14条の法の平等に反するということで嫡出子と非嫡出子の差別をなくしたこの制度こそ法の柔軟性が適用されており

素晴らしい制度だと感じました。

 

 

 

 

B多様化する家族と親権

 

様々な理由から子供を授かれない人たちがいます。

様々な夫婦の形や、熟年婚や同姓婚が増え、個々が尊重される時代になっています。

その分妊娠や出産にリスクがかかりやすくなった。

そういった人たちのため医療が凄まじい発展を遂げています。

人工授精(ath,aid)、体外受精、代理懐胎などの生殖補助医療の発展により、そういった人たちにも子供を授かる機会が増えています。

だが、戸籍登録や血縁上つながりのない関係、非嫡出子などの問題が発生し、国や地域によって受理されないなど問題も発生しています。

例をあげると高田向井問題がある。

200311月にタレントの向井亜紀さん(当時39歳)と元格闘家の高田延彦さん(当時41歳)の間に子供が誕生しました。
この子が日本では認められていない代理出産だったことから賛否両論を呼び、裁判でも争われたことがあります。 

20031128日、米国ネバダ州で30代女性(代理母・シンディ)が帝王切開で双子の男の赤ちゃんを出産しました。
高田夫妻の精子と卵子を体外受精させて、それを代理母の子宮に着床させる
いわゆる代理出産で生まれた子でした。

高田夫妻は19941月に結婚
6
年後の20009月に夫婦が待ち望む妊娠が判明しましたが、喜びも束の間、子宮がんが同時に見つかります。

病巣のみを切除する手術が2度試みられましたが、予想を上回る重症と判明
最終的に卵巣は温存できたものの、子宮を全摘する手術を受けざるを得なかったのです。
この時、授かっていたまだ16週の胎児も助けるすベはありませんでした。

手術後の2年後生存率は40%と宣告された向井さんの闘病生活は続きましたが、彼女は「高田の遺伝子を残したい」と切々と語り、20028月、夫婦で渡米を敢行します。
理由は、日本では代理出産が代理母の身体的負担が大きく、社会の混乱を招くなどの理由で今も禁止されているためでした。

最初は人工授精に失敗し、2度目は着床に失敗
代理母を代えての3度目の挑戦の末の成功でした。

代理出産を公言した向井さんの会見は議論を呼び、「非合法だ」、「高額費用のかかる代理出産ができるのは金持ちだからだろう」と批判的な声も上がりました。
一方で夫婦愛や向井の母性に共感する人も多く、特に不妊に悩むカップルは成否を注視しました。

さらにもう一つの壁が、この夫婦を待ち構えていたのです。
それは戸籍の問題でした。
夫妻は実子として品川区役所に出生届を提出しましたが、これが突っぱねられ、不受理となったのです。

代理出産が認められている米国では、子供は精子と卵子を提供した夫妻の子として扱われますが、日本の法律では高田さんと出産した代理母の米人女性の子供として届け、改めて向井さんと養子縁組をするという不自然な形を取らなければならなかったのです。

しかも、これに則って届けると、夫婦と代理母との間で交わされていた出産後、一切の親子関係を残さないとの契約に反し
双子の親子の戸籍は日米の法律のエアポケットにはまり、中ぶらりんになってしまったのです。

この出生届の件は裁判に持ち込まれ、第2審(東京高裁)は高田・向井夫婦が勝訴するものの、20073月最高裁では「立法による速やかな対応が強く望まれる」としながらも逆転し、双子を実子として届け出ることは認められませんでした。
結局、夫婦はこの双子を日本の戸籍に入れることを断念
現在、米国籍のまま日本で暮らしています。

海外での代理出産は今まで100例以上あるようですが、それまでは役所に代理出産の事実を告げずに出生届を出し、そのまま受理されるケースがほとんどでした。
代理出産をめぐる生命倫理や、法律上の取り扱いに関し、様々な論議を呼んだ事件でもありました。

私自身の結論はこれこそ時代に合わせた法律の柔軟性が必要だと考えます。

現在様々な形の家族がある中で、こういった特殊なケースが増えてきています

だからこそ様々な形の家族を容認するために、法律の柔軟性が必要だと私は考えてます。

 

 

また親権権利濫用してしまうケースも生まれています。

そもそも親権とは、子どもの利益のために、子どもを監護、教育する権利であり、義務のことをいいます。あくまでも「子どもの利益のため」ですから、親が子どもを支配して、思い通りにするために認められる権利ではありません。親権は、身上監護権という権利と、財産管理権という権利に分けられます。

まず、身上監護権とは、子どもをどこに住まわせて生活させるのかを決める居所指定権、監護や教育に必要な範囲内で子どもを叱ったり、注意したりすることのできる懲戒権、子どもが職業を営むことを許可する職業許可権のことです。財産管理権とは、子どもの財産を管理し、その財産に関する法律行為(売買や贈与、賃貸借、和解などの契約)について、法定代理人とし法律行為を行います。
「親権」と「親」であることの意味は全く違います。生物学上の「親」は、親権を有していようといまいと、あくまでも「親」です。「親権者」でないことによって、親子関係までなくなるものではありません。子供が成人するまで、親権者は制限行為能力者として子が法定代理人として代わりに法律行為を行え、この制度を制限行為能力者制度といいます。

これは法律行為を行うには意思と能力が備わっていることが前提のため意思や能力が欠けて者では十分な利益が保障されないとして備わった制度であり、親権者の他に未成年後見人、成年後見人、任意後見人

があります。

この制度は権利能力を本人以外委ねることができ、権利濫用につながるリスクがあると考えております。

親権者である父又は母が親権を利用し、子との間で利益が衝突する法律行為を利益相反行為といい、

この行為を行う場合、通常どおりに親権者が子を代理してしまうと、親権者の利益が優先され、子の利益が害される可能性があります。

そこで、そのような場合には、子の利益を守るため、親権者等は家庭裁判所に申立てをして、子のために特別代理人を選任しなければならないこととされました

がしかし親権というのはとても大きな力を持ち、その権利を求め養子をとる者もいます。

養子縁組は2種類あり、普通養子縁組は戸籍上は実父との関係は残るが、特別養子縁組を行うと、実父との関係は完全に切れ、養父とは養父との嫡出子の身分を取得し、法定血族関係も生じます。

そういった実父としての権利を得られる特別養子縁組が成立するにはいくつかの条件があります。

養親は配偶者のある者でなければならない

養親は25歳に達していなければならない(養親の一方が25歳以上の場合にはもう一方は20歳以上であればよい)

請求のときに原則6歳に達していないことが必要(6歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合は8歳未満)

養子となる者の父母の同意がなければならないのが原則(意思表示ができない、虐待・悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は同意は不要)

養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情が必要

と厳しい条件があります。

私自身家族関係が多様化するなかで、特別養子縁組の厳しい条件が課せられるのは、親権という大きな権限の濫用を防ぐためだと思います。

 

 

 

Cまとめ

 

現在の社会では様々な家族関係や親子関係の形があります。

その多様化する中で法を柔軟化が必要だとわたしは思います。しかし一概法を変えると言っても無理があると思います。

その代わり裁判という公平な審議がある中で少しでも多くの問題が平和的に解決していけるようのなればと考えております。

現在では

裁判員制度が導入され、法律行為以外での判決が出ており、判例法定主義に向かい様々な問題に対応していくことを最後に強く願います。

 

 

家族と裁判について私は、家族関係、親子関係など複雑化している人間関係から、現在の法律からは導きだすことは難しい部分があり

、過去の判例をもとに多様化する場合に、判例法主義に基づいた解決を見出すことが必要だと私は考えております。

 

 


(参考文献)

 

厚生労働省ホームページ

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169158.html

コトバンク

https://kotobank.jp/word/%E8%A6%AA%E6%A8%A9-81627

京都はるか法律事務所ホームページ

http://www.kyoharu.com/kodomo/faq/category1/page1.html

流山パーク司法書士事務所ホームページ

https://www.nagareyama-park.com/column-55/

離婚弁護士ナビ

https://ricon-pro.com/columns/26/

gossip history

https://gossip-history.com/g00220/

 

 

 

 

 

 

 

岡部勢那

科目:親族法 学籍番号:16e215013 氏名:岡部 勢那

 

「家族と裁判」

 

第0章〜結論〜

家族と裁判に関わる色々な知識を知るべきである。

 

第1章〜国民がわかりやすく〜

従来、人事訴訟事件の第一審の管轄は地方裁判所とされていたが、今回の新法により家庭裁判所に移管されることになった。家裁移管の理由は、従来、調停は家庭裁判所、訴訟は地方裁判所と手続が分かれていた状況から、1つの裁判所で双方を扱うことによって、国民が分かりやすく、また利用しやすい状況を創出すべきであること、財産分与や子の監護等に関する処分について判断するために、家庭裁判所が調査官を擁するなど有形無形のノウハウを有していることに鑑み、それを訴訟でも有効利用するためであった。また、参与員の活用も期待される。これに伴い、子の監護者の指定その他子の監護に関する処分または財産分与についての裁判(附帯処分)及び親権の指定についての裁判も家庭裁判所が行なうこととなった(人訴法 32 )。そして、人事訴訟にかかる請求の原因である事実によって生じた損害賠償請求事件も家裁で裁判をすることが可能となった。ただし、地方裁判所にも管轄はある。なお、人事訴訟にかかる請求の原因である事実によって生じた損害賠償請求事件については,先行する人事訴訟が係属する家庭裁判所において訴えを提起することができることとされ、地方裁判所または簡易裁判所に先行して係属する損害賠償請求事件については人事訴訟が係属する家庭裁判所に移送して併合する仕組みも設けられた(人訴法 8 ,17 )。なお、人事訴訟事件とともに申し立てられた附帯処 分にかかる事項を被保全権利とする保全事件も家庭裁 判所の管轄である。

 

第2章〜家族間での裁判〜

夫婦や親子等の関係についての争いは、基本的に話合いにより解決するのが適当であると思われますので、まずは家事調停を申立てていただくことになりますが、家事調停で解決ができない場合には、人事訴訟を起こすことになります。人事訴訟の代表的なものは裁判離婚つまり離婚訴訟です。離婚訴訟では、未成年の子どもがいる場合に離婚後の親権者を定めるほか、財産分与や子どもの養育費などについても離婚と同時に決めてほしいと申し立てることができ、離婚訴訟とともに、離婚に伴う慰謝料を求める訴訟を起こすこともできます。基本的には民事訴訟の審理手続と同じ手続で行われますが、家庭裁判所における人事訴訟においては、参与員が審理や和解の試みに立ち会い、意見を述べたり、子どもの親権の指定などについて、家庭裁判所調査官が、子どもに面接して調査したりすることがあります。このことからも子供が関わることがあるためやはり子どもにもある程度の知識は必要である。

 

第3章〜否認と認知〜

まず嫡出否認の訴えとは、日本国の民法に定められる夫の権利で、子が嫡出であることを否認する否認権の確認訴訟を意味する。日本国の民法772条では、「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。」とされ、その期間につき、「婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」と規定されている。そこで、同規定により、子が「夫の子である」と推定された場合(推定される嫡出子)、夫これを否認することができる(民法774条)が、そのためには嫡出否認の訴えを行わなければならない(同法775条)。ただし、772条の定める期間中に誕生した子であっても、夫が長期の海外出張や別居等の理由により、妻が子を妊娠する可能性がないことが客観的に明白である場合、子は同条の適用を受けない「推定されない嫡出子」となる。「推定されない嫡出子」については、家庭裁判所において、親子関係不存在の訴えを申し立てることになる。夫は、子の出生後において、その嫡出である事を承認した時は、その否認権を失う(同法776条)。嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない(同法777条)。夫が成年被後見人、法定後見(ご本人が、実際に物忘れが酷くなったり、判断能力が低下してきたことにより、契約や財産管理に不安や不都合が出てきた場合に、ご本人や親族が裁判所に申し立てること、判断能力が低下してからでなければ利用することはできない制度です)か、任意後見{将来の判断能力が低下した場合に備え、誰を後見人にし、その後見人にどういったこと(法律行為等)を任せるかなどを予め決めて、任意後見契約を、ご本人と、ご本人が選んだ将来後見人になる人(任意後見受任者)が結ぶこと、任意後見契約は契約なので、判断能力が低下してからでは、基本的には利用することが出来ません。} であるとき、前条の期間は、後見開始の審判の取消しがあった後夫が子の出生を知った時から起算する(778条)。次に死後認知の訴えについて、父親の死亡後に,非嫡出子と自然血縁関係にある父親との間の親子関係を成立させる法制度のことです。認知とは,父親と非嫡出子との間の親子関係を成立させる意思表等のことですが,認知には,任意認知と強制認知の二種類があります。任意認知とは,文字通り,父親の任意の意思表示で行われる認知のことで,生前に自分で戸籍届出をする認知と,遺言による認知があります。強制認知とは,家庭裁判所に訴えてする認知です(認知の訴え)。子又は一定の関係者が,父を訴えます。父の生前にするのが原則ですが,父が死亡してから3年以内であればできます。「死後認知」とは,死後に行われる認知のことですから,任意認知のうち遺言で行われるものと,強制認知のうち死後に行われるものをいいますが,特に後者のみを指して死後認知ということもあります。 

 

第4章〜不妊による選択〜

不妊カップルの主な選択肢は

1生殖補助医療を含めた不妊治療を利用することによって、子供を産む可能性に挑戦する。

2二人暮らしを続けながら自然に妊娠するのを待つ。 

3実子にこだわらずに、養子を迎えることを検討する。

主にこの3つがある。まず1について、「生殖補助医療とは生殖を補助することを目的として行われる医療をさし、具体的には、人工授精、体外受精、顕微授精、 代理懐胎等をいう」と定義されている。日本では、生殖補助医療を行う医院の数が他国に比べ非常に多く、広く普及している。実施の条件などについて公的な規制はなく、産科婦人科学会の自主指針があるだけだが、その内容は比較的抑制的である。カップル間の体外受精の利用は法律婚・事実婚の夫婦に、第三者の精子の提供を受ける人工授精は法律婚夫婦に限られ、第三者からの卵子や受精卵の提供は認められておらず、代理出産も禁じられている。これに対し1990年代末以降、学会のルールに背いて卵子提供による非配偶者間体外受精や代理出産を行う医師が出るに及び、厚生労働省と法務省が実施条件や親子関係のルールを定める審議会答申を重ねたが、立法は実現していない。この間、第三者提供を伴う生殖補助医療を介して生まれた子との親子関係を争う訴訟が複数おこり、日本でも実際にそうした問題が起こっていることが明らかになった。国内ではできない生殖補助医療を海外に行って受け、生まれた子との親子関係が国内法上認められないケースも出てきた(2007323日の最高裁判所判例では、日本人夫婦がアメリカで行った代理出産について、依頼者女性と生まれた子の母子関係を認めないという判断が下された。この後、特別養子縁組が申請され、認められた)。広がる一方の生殖補助医療に対し、日本社会の親子関係の実態をふまえて、ルールを確定する立法を行う必要があり、新しい技術の安全性を評価する仕組みも必要である。3について養子には普通養子と特別養子がある。普通養子とは子どもを育てたい、育ててもらいたいという双方の合意で成り立つのが普通養子制度です。法律上は、ゆるやかな制度です。子どもには両方の親(実親・養親)の相続や扶養義務が残ります。子どもが幼いときには、家庭裁判所の許可が必要です特別養子は児童福祉のための養子縁組の制度で、様々な事情で育てられない子供が家庭で養育を受けられるようにすることを目的に設けられた。子どもの権利を守り、健やかに育てていくために、昭和63年1月1日から施行された、まだ新しい制度です子どもの年齢は6歳未満(例外8歳未満)で、養親はどちらかが25歳以上の者で、夫婦共同で養子縁組をする必要がり、また離縁は原則禁止されている。民法の第四編第三章第二節第五款、第817条の2から第817条の11に規定されている。(上記にある様々な事情とは主に中絶が検討されている場合や児童虐待が起きている場合のことです)これらのことで私は、生殖補助医療に関する基本法の制定が必要であり生まれてくる子の福祉を最大限に尊重するべきであると考える

 

第5章〜親権者と子の利益相反権利濫用

民法では、「親権者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する」と定めています(民法824条本文参照)。ここでいう「管理」とは、子の財産の保存(例えば、家屋の修理)・利用(例えば、家賃収入を得るための賃貸)・改良(例えば、家屋の増築)を目的とする行為のことを言いますが、その目的の範囲内での処分行為(例えば、劣化腐敗の恐れのあるものを売却する)も含まれます。そして、「子を代表する」とは、広く子の財産に影響を与えるべき法律行為について、子の地位を全面的に代行できるという趣旨です。さらに、これとは別に、子に同意を与えることによって子自身が行う法律行為を完全に有効にさせる権限も有しています(民法5条)。このように、親権者は子の財産ないし財産に関する法律行為について、広範な権限(財産管理権・代理権・同意権)を有しているのです。しかし、これらの権限は、もっぱら子の利益のために認められたものであるため、当然一定の制限を受けます。利益相反も制限の一つです。すなわち、親権者である父又は母と、子との間で利益が衝突する法律行為(=利益相反行為)を行う場合、通常どおりに親権者が子を代理してしまうと、親権者の利益が優先され、子の利益が害される可能性があります。そこで、そのような場合には、子の利益を守るため、親権者等は家庭裁判所に申立てをして、子のために特別代理人を選任しなければならないこととされました(民法826条)。また、利益相反行為のための特別代理人選任の規定は、子の利益を保護することが目的です。そのため、利益相反行為とは、

@親権者にとっては利益となるが、子にとっては不利益となる行為

A同一の親権者のもとに複数の子がいる場合、一方の子にとっては利益となるが,他方にとっては不利益となる行為

を言います。したがって、例えば親権者が自己の財産を子に贈与する場合のように、親権者と子の利益が相反しても、親権者の不利益によって子が利益を受ける関係の場合には、ここでいう利益相反行為には当たりません。

当該行為が利益相反行為か否かの判断基準は、判例は「行為の外形から客観的に判断すべき」としています。子の利益を保護することは当然ですが、もう一方で、利益相反行為であることを知らずに取引関係に入った第三者(上記例2の抵当権者など)も保護する必要があります。そのため、当該行為をした親権者の動機や意図などの主観は考慮せず、あくまで行為の外形を客観的に見て判断することとしたのですしかし、例「親権者が自己の遊興費を得るために、子名義で借金をし、子の所有する不動産に抵当権を設定した場合は」また、例「親権者が第三者の債務を担保するために、子の所有する不動産に抵当権を設定した場合は」両方とも、親権者自身の債務ではないため、外形的・形式的には利益相反行為に当らないということになってしまいます。これでは子の利益の保護として不十分なことは明らかでしょう。そこで、権利濫用である「代理権濫用」という理論(民法93条但書き類推適用)を用いて子の保護を考えていくことを明らかにしました。上記判例の要旨を抜粋・要約すると次のとおりです。

1 親権者は、原則として、子の財産上の地位に変動を及ぼす一切の法律行為につき子を代理する権限を有する(民法824条)。

2 親権者がこの権限を濫用して法律行為をした場合、その行為の相手方が右濫用の事実を知っていた(又は知ることができた)ときは、その行為の効果は子には及ばない。

3 しかし、親権者が子を代理してする法律行為は、利益相反行為に当たらない限り親権者の広範な裁量にゆだねられている。

4 そして、親権者が子を代理して、子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は利益相反行為に当たらない。

5 そうだとすると、親権者の行為が子の利益を無視して親権者自身又は第三者の利益を図ることのみを目的としてされるなど、親権者に子を代理する権限を与えた法の趣旨に著しく反すると認められる特段の事情が存しない限り、親権者による代理権の濫用に当たると解することはできない。

6 したがって、親権者が子を代理して、子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為について、その行為が子に経済的利益をもたらすものでないことから、直ちに第三者の利益のみを図るものとして親権者の代理権濫用に当たると考えるのは相当でない。

結局、親権者の行き過ぎた代理行為については、代理権濫用の理論により子の利益を保護しうるとしながらも、当該行為がそもそも利益相反行為に当らないのであれば、親権者に法定の代理権を授与した法の趣旨に「著しく反する」と認められる「特段の事情」が存しない限り、代理権の濫用にはならないとして、代理権濫用となる場面を非常に制限しました。ここから、親権というものが非常に強い権限であることがご理解いただけると思います。これらに置いて私は利益相反に置いて私は親権者の動機や意図も考慮して判断するべきだと考える 

 

第6章〜まとめ〜

大きなくくり自体は国民のためにわかりやすく、利用しやすくされてきていることは確かだが、利益相反権利濫用の判断や生殖補助医療などのような踏み込んだ内容には国民のために、改善すべきことがあると考えられた。また家族間での裁判について家族間で裁判が起こらないことが何よりであるが、もし裁判が起きてしまうもしくは起こすことがあれば、やはり知識が必要である。大人はもちろん特に子どもが関わってくることが多いため、私は子どもにも(年齢によるが)知識は必要であると考える上記にはないが長崎県で母親から虐待を受けていた10歳の女の子が裁判を起こすという例からも。また知ることで注意するべきことがわかる。そして何よりも自分たち子または、子ども自体の権利、福祉、大切さを考え、裁判にあたらなければならないと私は考え思った。

 

 参考文献、引用文献

   https://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2004_06/2004_06_03.pdf

   http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_04/

   https://www.bengo4.com/c_1018/d_6452/

   https://souzoku.sougouhoumu.com/法定後見制度と任意後見制度/

   https://www.meitoku-office.jp/word/684/

   https://www.nagareyama-park.com/column-55/

   https://www.nagareyama-park.com/column-57/

   https://kotobank.jp/word/生殖補助医療-545452

   http://narasatooya.jp/youshienkumi.html

   https://maiuma.com/adoption-special-adoption-difference/

 

 

 

 

神代秀真

家族と裁判

15e203008 神代秀真

 

 

『家族と裁判とは自身の存在を証明することや主張することである。』

 

1 家族に関する法

家族に関する法律には、家族および親族の生活関係を規律する法規の全体である家族法がある。家族法に関係する事例と家族に関する裁判について説明していくものとする。

 

(人事訴訟法

(注1)「人事訴訟法の趣旨としては、民法第一条 この法律は、人事訴訟に関する手続について、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の特例等を定めるものとする。更に定義としては、第二条 この法律において「人事訴訟」とは、次に掲げる訴えその他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴え(以下「人事に関する訴え」という。)に係る訴訟をいう。 一 婚姻の無効及び取消しの訴え、離婚の訴え、協議上の離婚の無効及び取消しの訴え並びに婚姻関係の存否の確認の訴え

 二 嫡出子の否認の訴え、認知の訴え、認知の無効及び取消しの訴え、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百七十三条の規定により父を定めることを目的とする訴え並びに実親子関係の存否の確認の訴え

 三 養子縁組の無効及び取消しの訴え、離縁の訴え、協議上の離縁の無効及び取消しの訴え並びに養親子関係の存否の確認の訴え」となっている。これについて私は人事訴訟法は身内であったり、家族の問題を解決する民法であり、我々の生活にも大きくかかわっていると私は考える。

 

(裁判離婚

(2)「民法第770条@夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。一 配偶者に不貞な行為があった時。二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。三 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない時。五 その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき。

 A裁判所は前項第一号から第四号までに掲げる事由が、ある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を破棄することができる。」

(3)「民法第七六六条 (離婚後の子の監護に関する事項の定等) @父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、この監護に要する費用の分担、その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、この利益を最も優先して考慮しなければならない。A前項協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。B家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前二項が必要と認めるときは、前二項の規定による定めを変更し、その他この監護について相当な処分を命ずることができる。

C前3項の規定によっては、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生じない。

第七六七条 (離婚による復氏等) @婚姻によって氏を定めた夫または妻は、競技場の離婚によって、婚姻前の氏に復する。A前項の規定により、婚姻前の氏に復した夫または妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより、届け出ることによって、離婚の際に、称していた氏を称することができる」。

(4)「民法第七六八条(財産分与) @協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。A前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して、狭義に変わる処分を請求することができる。ただし離婚のときから、2年を経過したときは、この限りではない。B前項の場合には、家庭裁判所が、当事者双方がその協力によって、得た財産の額、その他一切の事情を考慮して、分与させるべきか、並びに分与の額及び法定を定める。」

(注5)「民法第七六九条(離婚による復氏の際の権利の継承) @婚姻によって氏を改めた夫または、妻が、第八九七条第一項の権利を承継したあと、協議上の離婚をしたときしたときは、当事者その他の関係人の協議で、その権利を承継すべき者定めなければならない。A前項の協議が調わないときは、又は協議をすることができないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。

民法第七七一条(協議上の離婚の規定の準用) 第七百六十六条から第七百六十九条まで<協議上の離婚の効果>の規定は裁判上の離婚について準用する。」これについて私は、もちろん子がいる家庭なら親権者はどちらにするのか、慰謝料の額や養育費、裁判の費用はどちらが負担をするのか、きっちり決まって離婚が成立するのがその夫婦にとって最善の策ならそれはベストだが、やはり子のことを考慮すると両親が法廷で離婚を争うのは今後の人生においてもかなり酷なことであると考えられるため、一番はやはり裁判長からの提案で行われる和解による裁判の終結が最も望ましいのではないかと私は考える。これなら裁判官が双方の間に入り双方の言い分を聞きながら進めていき、そして双方が納得した上で和解が無事成立したら和解調書がつくられ、その段階で裁判が終わります。この和解による裁判の終結こそが、子のためにも一番ベストな方法なのではないかと私は考える。

(生殖補助医療

我が国の現行民法では、父子関係は民法第772条によって規定されている。「妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子」「婚姻成立の日から200日後又は婚姻の解消若しくは取り消しの日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定する」と決められている。つまり夫が死亡すれば婚姻関係は当然に消滅するので、夫の死後に凍結精子を用いた生殖補助医療が行われ子が出生した場合、その子は、妻が婚姻中に懐胎した子ではないため、嫡出推定を受けられないと現行民法では考えられている。そこで問題になるのはやはり死後生殖から出生した子が特別養子の扱いになるのかや親権が誰にあるのかやその子が父子関係の成立をさせるための制度である死後認知を求め提訴したときに請求が認められるかがこの生殖補助医療が取り巻く問題だと私は考える。そして、(注6)「判例は死後認知の子の原告適格(平成元年1110日最高裁)があった。この裁判では、検察官を被告とする認知の確定判決に対する再審の訴えと認知を求められた亡父の子の原告適格について裁判所が見解を示しました。検察官を相手方とする認知の訴えにおいてである。検察官を相手方とする認知の訴えにおいて認知を求められた父の子は、右訴えの確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有するものではないと解するのが相当である。

ただし、民事訴訟法に規定する再審の訴えは、確定判決の取消し及び右確定判決に係る請求の再審理を目的とする一連の手続であって(民事訴訟法427条、428条)、審の訴えの原告は確定判決の本案についても訴訟行為をなしうることが前提となるところ、認知を求められた父の子は認知の訴えの当事者適格を有せず(人事訴訟手続法322項、23項)、右訴えに補助参加をすることができるにすぎず、独立して訴訟行為をすることができないからである。」またこれについて私は倫理的問題やそれが法律によって正当化されてしまうのではないかと懸念していることやなにより出自の事実が家族の秘密(家族のタブー)として子に事実が知らされないことにから派生される家族の中の問題にも繋がってしまうと私は考える。またこの問題で着目する点は、その子の出自を知る権利の法的保障問題にも繋がってくるのである。このように、生殖補助医療技術の利用には、複数の法的問題、倫理的問題、社会的問題や課題を抱えており、これらの技術が今後更に発展しているからこそ、これらに対処するための法の制度が整備されかつ導入されることが今後急務になっていくのではないかと私は考える。

(任意後見

(注7)「民法第七条(後見開始の審判)精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年者後見人、未成年後見監督日、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。」また、(8)「基本原則第一条@私権は、公共の福祉に適合しなければならない。A権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。B権利の濫用は、これを許さない。」そして、(9)「民法第八二六条(利益相反行為)により、@親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

A親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない」これにつて私はこの制度のメリットとして後見人を自由に選ぶ権利があること、また任意後見人になるために特別な資格は必要ではないため親族や行政書士などの法律関係者や福祉の専門家などの被後見人にとって信頼のおける最も最適な人選が可能である一方、デメリットとしてこの制度には法廷後見制度のような取消権が設けられていないということ。つまり、非被後見人が判断能力がないのにも関わらず、もしくはその権利を権利濫用し、任意後見人の立ち合いがない時に結んだ不利な契約をしてしまった場合にも、その契約を取り消すことができる取消権が認められていないということ。これについて私は被後見人の選定には細心の注意が必要になると考える。



 

 

 

引用資料

(1) 衆議院http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/15620030716109.htm 平成30731

(2)ポケット六法平成29年度版 p488 編集者代表 山下友信・山口厚 

(3)同上 p488

(4)同上 p488

(5)同上 p488

(6) リラックス法学部.yoneyamatalk.biz 平成30731

(7) ポケット六法平成29年度版 p424 編集者代表 山下友信・山口厚

(8)同上 p488

(9)同上 p495

 

 

 

 

堀田正平

家族と裁判

 

家族関係の裁判はとても深く一つの正しい答えなどないものだと思います。

家族絡みの裁判は他の裁判とは大きく異なり、他の人にはあまり知られたくない、家族間ではお母さんには知られたくない、お父さんには知られたくないなど様々な事情がありながらもプライバシー感がとても強い問題になります。実際の弁護士さんに寄せられた今までの例でみると、「私な家族には知られたくない一心で送達場所も指定したのに家族に裁判所からの書留通知を知られてしまい困っています。」「昨日大阪簡易裁判所より家族宛に口頭弁論期日呼び出し状及び答弁書催告状が届きました。」「から家族に電話があり・裁判所にいかないといけない。」等々の状況に遭われてしまったケースの相談や、「の配偶者が裁判のことを知らないとして、配偶者やその家族に裁判や債務の件について債権者またはが請求することは可能ですか」「近隣トラブルによる相談ですが、これまでの経緯から相手とは話し合いのレベルではなく、結論的な相談なのですが、相手の家族全員が当方の家族全員に接触すれば法的な処罰対象と言う条例を裁判所経由で出す事は出来ますか」などの疑問も寄せられています。民事紛争の解決手続き分野に「家族との裁判」に関連する相談が多く寄せられている現状です。

家族を訴え、告訴することは家族間でなくとも、映像や音声などによる証拠や第三者等による目撃事例が必ず必要になってきます。それが家族間となってくると、一緒の空間に暮らしてる状況下の中で選ぶ得らなくてはならないし、ましては夫婦感になれば、婚姻関係の法律も考慮しなければなりません。その後の生活のことも考えれば、場合によっては一生の縁を切り、べつべつの生活のことも考えなければなりません。住民票や子供をどうするかも決めなければなりません。

 

 

婚姻関係と親子関係

そもそもなぜ法律として「婚姻」と題する章を置いているのでしょうか。

社会現象としての婚姻は、民法ができる以前から存在していました。名所としては婚姻より、「結婚」という表現を用いることが多く、結婚式をあげたり、披露宴をするなど、慣習上の儀式を得て成立するものだと考えられてきました。そこに法律が介入する余地はないように見えないでしょうか?

法律上の婚姻が成立したとすると、様々な法的効力が発生するのです。その中には、夫婦の「同居、協力、扶養義務」のように常識的に当然と思えるものもあれば、必ずしも常識からは導けないものもあります。しかし今の世界には、ともかく法的効果が権利義務という形で規定されています。民法の定める婚姻という制度は、民法総則の法人と似ています。構成員から独立性を有する団体はいろいろ存在していますが、それが法律によって法人として認知されると、一定の法的効果が認められます。ちょうどそれと同じように、婚姻という一種の共同体が形成されると一定の法的効果が発生するので、どのように婚姻が成立するかについての規定が必要なのです。この法的効果に基づき証明するための民事訴訟法があります。親子関係の存否のような人の基本的な身分関係の確認,離婚のような法定の原因に基づく基本的な身分関係の変動(形成)を目的とするものです。

 

血の繋がりだけが家族ではない

家族というと、両親がいて、そこから生まれた子どもがいる、場合によっては祖父母も同居する・・・といったかたちを思い浮かべる人もいると思います。

しかし、実際に血のつながりのある人の集団だけが「家族」ではありません。

世の中には、「里親制度」を利用して血縁関係はないけれど、親としてしっかりと親権をもち、家族としての絆をもち、ともに生きている人たちもいます。

多くの人たちにとって、家族や家は、安心できる、自分を守ってくれる空間ではないでしょうか。

しかしみんなが全員そうである現実ではありません。

配偶者以外と性的関係を持つ「不貞行為」があること

同居や夫婦生活の拒否、扶養義務を怠るなどの「悪意の遺棄」がある

相手が3年以上「生死不明」

相手に回復の見込みのない「強度の精神病」がある

その他、婚姻を継続しがたい「重大な事由」がある。など人によって様々ではありますが、さまざまな要素があり、離婚となるケースが多々あります。

離婚の手順は3種類があります。

離婚をする時、夫婦の話し合いで解決する「協議離婚」、協議離婚では決着がつかなかった場合に行う「離婚調停」、離婚調停でも離婚が成立しなかった場合に「離婚裁判」を行うという手順になります。

裁判離婚は、協議離婚で離婚内容がまとまらず、離婚調停や審判でも離婚の成立に至らなかった場合に、裁判を利用して離婚の判決を得るものになります。

ただし、離婚に際して具体的な取り組みをしないまま離婚してしまうことで、後から後悔するケースも多いため、事前準備が何よりも重要と言えます。

裁判離婚で争われることとして、離婚すること自体の訴えと併せて、慰謝料の請求や財産分与といった金銭問題、未成年の子供がいる場合は親権者の決定、養育費の請求も同時に争われることになります。

その他に裁判離婚で争うこととして、慰謝料の支払いがあるのか、支払うのであればそれはいくらか、子供がいる場合は親権はだれがもつか?

財産分与があるのであればいくらにするか?などがあります。

裁判離婚を行う場合、法律が定める離婚原因がないと離婚ができないとされています。もし離婚調停を行う段階でこれはまずそうだな、訴訟になるかもという懸念があれば、法定離婚事由があるかも見直しておく必要があると思われます。

前の夫と離婚し、新しい夫と婚姻関係を結んだ場合でも、離婚して日以内の出産は今の夫の籍に入れられないことになっています。そこで嫡出否認の調停により新しい夫の戸籍に入籍できます。しかし嫡出否認には前の夫にも用意してもらわなければならないものもあるので、なんらかの原因があって離婚した夫と連絡を取らなければならないことがやりずらい問題でもあります。

特別養子縁組といって、新たに法的な親子関係が築かれ、「実子」となる制度もあります。この特別養子縁組は、家庭裁判所の決定により、実の親との法的な関係が解消され、育ての親との間に、新たに法的な親子関係が築かれることから、先程述べたような裁判離婚等で、小さい子供などにも実親ととしてちゃんと認定され、新しい未来に一歩踏み出せることも可能です。

「結婚していない男女の子は、結婚した夫婦の子の半分しか遺産を受け取れない―」。今月、最高裁の大法廷で「婚外子」の相続差別は違憲とする決定が出されました。明治時代から年以上続いてきた民法の規定が変更を迫られることとなり、今、様々な波紋を呼んでいます。「最高裁の判断は家族制度が崩れる」という反発の声があがる一方で、事実婚やシングルマザーの増加で、婚外子は年々増加。今や全体の%(毎年約万千人誕生)。一人目はシングルマザーで出産、二人目は結婚して出産など、同じ家庭の中でも法的格差が生じる家庭も増えている。さらに今、明治時代には想像も出来ず、現行法では明確に位置づけられない「卵子・精子提供」など生殖補助医療による“新たな家族”が生まれています。その権利や格差をめぐって裁判も起きています。違憲決定を機に議論が高まる現場を取材し、現代の家族とルールについて考えることが今の日本にとって大切なことだと言えます。

 

親子や親族関係による法律行為と相続

夫の死亡により、その妻(親権者)と子供(未成年者)が共同相続した不動産を売却するが、家庭裁判所が選任した特別代理人が契約日に出席できない。ついては、その特別代理人に他の代理人を選任してもらい、その者に未成年者の代理行為をさせても問題ないか。

結論としては、問題がある。というより、そもそも本件の売買契約においては、特別代理人が代理をする必要はなく、親権者である母親が子供(未成年者)の代理をすればよい。なぜならば、本件の売買契約は利益相反行為にはならず、本件の特別代理人も、母親(親権者)と子供(未成年者)との遺産分割協議のための特別代理人だからである。

「利益相反行為」の意味については、【質問】に象徴されるように、意外にも誤解されている。利益相反行為になるかどうかの判断基準については、行為の外形から客観的に利益が相反しているか否かを判断すべきとする見解(「外形標準説」という。)が通説・判例であり、この考え方によれば親権者の主観的意図やその効果を具体的に判断すべきではないということになる。そして、たとえば、子の財産を親権者に移転する場合、親権者が自分の債務の担保として、子を代理して子の不動産に抵当権を設定する場合などのように、親権者に利益で、子が不利益を受ける場合は明らかに利益相反行為に当たる。しかし、親権者が子と共同相続した不動産を売却する場合に、子の持分を代理人として売却することは、そもそも利益相反行為ではない。子の財産を親権者が買う場合と異なり、第三者に売却する場合に一方の当事者の一部の者の代理人になることは、いわば第三者に対する味方側になることであって利益相反行為にはならず、したがって、特別代理人の選任も必要がない。このことが、案外誤解されている。

将来、認知症などにより判断能力が低下した場合に備え、あらかじめ「信頼できる人」と任意後見契約を結んでおき、実際に判断能力が低下した際にこの「任意後見人」から財産管理等の必要な支援を受けられるようにする任意後見制度という制度という制度があります。この契約は公証人により公正証書にされ登記されることが特徴です。

時間的な流れとしては、

 ()任意後見契約締結

 ()判断能力の低下

 ()任意後見契約発効(任意後見監督人選任)

という順になります。

このうち、()()の間に「任意代理契約」を締結する場合がありますが、ここで財産侵害等の被害が多く発生しています。

過去にこんな事件が・・・・

おもに一人暮らしの高齢者に巧みに近づき、時に法律等の専門家であることを強調し、また任意後見制度という公的な仕組みを利用することで安心させて、ご本人にとって重大な財産侵害にあたるような契約等を行うというものです。

・身近なところでも・・・・

都内でも、不必要な住宅リフォーム、なんの利益にもならない多額の投資、持ち家や土地の不当に安い価格での売却といった深刻な被害が起きています。

すでに判断能力が不十分な方については、任意後見制度ではなく、法定後見制度を利用することになります。

法定後見制度については、家庭裁判所のほか、区市町村や区市町村社会福祉協議会、弁護士会・司法書士会・社会福祉士会などの専門機関にお問い合わせ、自分にとってどの手段が最も適切であるか考えなくてはなりません。

亡くなった方(被相続人)に認知していない子供がいる場合、死後認知という手続きで認知をしてもらうことが可能です。

認知が認められると、その効力は生まれたときにさかのぼります(民法784条本文)。

ですから、死後認知された子供も最初から相続人であったことになります。

もっとも、死後認知は、死後年間できるので、死後認知が認められた時には、すでに遺産分割手続きが終わっているということがあります。

そのような場合については、相続をやり直すのではなく、既に相続財産を受け取った相続人が、死後認知された相続人の相続割合相当額のお金を支払いなさいということになっています(民法910条)。

 

そのため、どういう手続きで解決するのか、争う相手は誰にするのかが問題になったのが東京地方裁判所平成28年10月28日判決の事例です(控訴されています)。

死後認知による相続問題は裁判で解決するものであり、これが問題となるのは、家庭裁判所には裁判手続きのほかに審判という手続きがあり、遺産分割は審判で決めることになっているため、死後認知によって生じた相続問題も遺産分割に準ずるものであるから審判手続きでするべきではないかという見解があるからです。

この点について、東京家庭裁判所は、審判事項について定めた家事事件手続法39条は、審判事項は別表1と2に限定する趣旨であるから、同表にない死後認知後の相続問題は裁判手続きで判断するとしたのです。

 

この判決の見解は、学説上も通説的なものです。

 

最後に

家族は社会や国家の基本的構成範囲です。家族が乱れれば社会が乱れ、やがて国家が乱れます。平和な家族であることが社会の平和に繋がり、サイクルを作っていると思いました。その秩序を支えているのが法律であって、権利や義務があると考えました。

男女の格差や平等もしっかりすべきです。嫡出否認の条文に関しては「前夫から申し立てる」と明記されていますが、この例に関していえば、女性からも申し立てたい状況もあると思います。男女の権利乱用を防ぎながらもお互いを思いやり平和な家族、やがては平和な社会に繋がるサイクルに私も賛同したいと思いました。

 

参考文献

民法W  親族・相続

ポケット六法

家族法 民法を学ぶ 

小説で読む民事訴訟法

少しでも有利に離婚したいならきっちりと証拠を集めなさい−幸せになるための別れかた

判例先例 親族法–後見− 

民法解読 親族編

インターネット参考文献

http://nagomilaw.com/column/840-死後認知後の相続手続き

http://life-spt.tokyo/case/any-guardianship/-任意後見の事例

http://www.livingwithfamily.net/kazoku-toha/chi-tsunagari/

https://ricon-pro.com/columns/26/#toc_anchor-1-1

https://www.retpc.jp/archives/1633/-親子の利益相反行為

 

 

 

 

宮崎耕輔

「家族と裁判」      16e201011宮崎耕輔

結論:自分は家族と裁判は家族間の争いが起きた時自分たちでは解決できない場合とても密接な関係にあると思います。なので身につけておいた方が良い知識がたくさんあると思います。

 

はじめに:身内関係の争いや問題が起きた場合解決するための民事訴訟があります。それが人事訴訟です。人事訴訟に関する手続きについて、民事訴訟法の特例等を定めるものが人事訴訟法です。この法で定められているものは婚姻訴訟、養子縁組訴訟、親子関係訴訟が現在当たります。このように家族の問題によって訴訟を使い分けられます。人事訴訟以外にも家族間の問題に使用することができるいろいろな法律があります。

 

1、婚姻問題

婚姻問題で使うことのできる訴訟は婚姻訴訟です。婚姻訴訟とは、人事訴訟の一種です。民法及び人事訴訟法において明文の規定で認められている婚姻事件訴訟は、婚姻無効の訴え、婚姻取り消しの訴え、離婚の訴え及び離婚取り消しの訴えがあるが、解釈上離婚無効の訴えが認められている。2016年の日本の統計では三組に一組の割合で離婚するという、離婚率が約30%という数値が出ています。原因としては、性格の不一致や浮気などがあります。離婚したくても夫婦間の離婚協議がうまくいかず、話し合いの場を離婚調停に移しても不成立に終わった時、夫婦の一方が家庭裁判所に離婚の訴えを起こすことがあります。その場合の裁判を裁判離婚と言い婚姻訴訟として扱われます。離婚をする時の問題としては離婚したい夫婦の間に子供がいた場合親権問題だと思います。離婚する際には子供の親権を決めないと離婚することができません。親権を決めるポイントは、これまでの監護状況、子供に対する愛情、肉体的精神的に健康であること、子供の年齢、子供の意思、育児に時間を十分にかけられるか経済的に余裕があるかがみられます。このポイントを踏まえて裁判されます。裁判の結果親権を決めます。そして親権を持つ人は親権者と言います。このような親権などの権利の行使に当たってその正当な範囲を逸脱し、正当な権利の行使とは認められていませんそのことを権利濫用と言います。民法上権利濫用は禁止されています。

 

2、親子関係問題

親子関係問題で使うことのできる訴訟は親子関係訴訟です。親子関係訴訟は子の否認、認知、認知無効、認知取り消し及び民法773条の父を定める訴えのことですその公益的性質にかんがみ検察官の関与、職権探知主義の採用、既判力の拡張など婚姻事件訴訟に関する規定が準用されています。このほかに判例及び学説によって、特定の法律上の親子関係、ことに実親子関係の存否と訴訟の目的です。親子関係存否確認の訴えも親子関係事件訴訟に属するものとされ、実際にはこの訴えが数多いです。親子関係事件訴訟には親子関係不存在確認というものがあります。夫婦が婚約中に妊娠・出産した子どもは、たとえ不倫相手の子だとしても、法律上は夫のことして扱われます。また離婚後300日以内に生まれた子供は、前夫のことされてしまいます。しかしこのような場合であっても夫婦間にできた子供ではないことが明らかな場合は、親子関係不存在確認の訴えにより、親子関係を解消することができます。親子関係不存在確認の訴えが認められるためには、夫婦間の子ではないことが明らかな状況を証明しなければなりません。そのような状況は、婚姻後200日以内に生まれた子、夫が服役中に妊娠した場合、夫と子供の血液型と一致しない、長期別居している場合、夫と子供の人種が違う、夫の生殖不全があります。この親子関係不存在確認の訴えには凄く似たものがあります。それが嫡出否認の訴えです。夫婦が婚姻に妊娠・出産した子どもや、離婚後300日以内に生まれた子どもは嫡出子と呼ばれます。この場合は嫡出否認の訴えを起こすことができます。通常の夫婦生活を送っている夫婦のうち、妻が不倫相手の子供を妊娠してしまったような場合は、夫と不倫相手の子であるかが明らかな状況とは言えないので、、親子関係不存在確認の訴えは起こせません。このような場合に親子関係を解消することができるのが嫡出否認の訴えです。一方夫婦間の子ではないことが明らかな場合には推定の及ばない子とされ、また婚姻後200日以内に生まれた場合には推定されない嫡出子とされています。これらの場合は親子関係不存在確認の訴えを起こすことになります。親子関係不存在確認と嫡出否認の違いは親子関係不存在確認の申立人は、法律上の父、母親、子、実の父親で、申立て期限はなく認められる条件は推定される嫡出子に当たらないことです。嫡出否認は申立人は法律上の父のみで申立て期限はこの出生を知ってから1年以内で認められる条件は推定される嫡出子に当たることです。このようにこの二つはの似ているようで少し違う部分があります。さらに親子関係問題で子供から父、母に自分の子だと認めさせる行為があります。それは認知です。これは法律上の婚姻関係によらずでき、3年以内であれば死後でもできます。このことを死後認知といいます。監察官を相手として訴えるものです。関係者を対象にしたDNA鑑定や証言などをもとに総合的に判断されます。今最も親子関係で注目されていることは、生殖補助医療の発展によるものだと思います。生殖補助医療とは、体外受精を始めとする近代進歩した新たな不妊治療法のことです。現行の法律では生殖補助医療を利用することによって出生した子供の存在を想定していなく。親子関係の決定方法は、婚姻に基づく自然懐胎を前提としており、分娩者の事実が認められる者を母とし、その夫を父と推定するのがあ原則です。しかしこのような原則を貫くと、代理出産のような治療を利用して出生した子供の場合は、養親になる予定の依頼者と出生時の間に法的な親子関係が認められないケースが存在します。親子関係を何によって判断するかという点について現行法は統一的な基準がなく、現行法の親子関係の成立の原則を貫いた場合には生殖補助医療の利用が増加する現実に対応ができていません。なので生まれた子の出自を知る権利の保障をどう扱うかが課題になると思います。

 

3、養子縁組問題

養子縁組とは、実の親子関係事件のない人との間で、親子関係、またそれを通した親族関係を結ぶことを可能にする制度が養子縁組です。最近では、子供を授かることができない夫婦が、子育ての喜びのために養子をもらうケース、虐待のせいで実の親のところに戻れない幼い子を実の親と切り離して養子にするケースも増えています。養子縁組には二つあります。一つ目が普通養子縁組です。普通養子縁組とは養子が実親との親子関係を存続したまま。養親との親子関係を作るという二重の親子関係となる縁組のことを言いいこの場合における養子を普通養子といいます。先程言った子育ての喜びのために養子をもらうケースはこちらの養子縁組が多いです。二つ目は特別養子縁組といい養子が戸籍上も実親との親子関係を打ち切り、養親が養子を実子と同じ扱いにすることを言います。この場合における養子を特別養子といいます。虐待が原因で養子にするケースはこちらの養子縁組が多いです。養子縁組のメリットは、何と言っても親子関係が実子と同じように成立するという点です。そして、その関係は原則として生涯続くことを予定しています。ですから家業の後継やお墓の管理、苗字の維持等、様々な目的を達することができます。しかし一方養子縁組にはデメリットもあります。まず実の親子関係ではないので、一定の条件を満たせば離縁することができます。つまり何十年にわたって形成されてきた関係が、トラブルを原因として突然なくなってしまうというリスクがあります。また養子に対する偏見は未だ残っており、養子となった方がコンプレックスを抱いたり、実子や親族から財産目当てなどと思われて、煙たがれたりしてしまう等のリスクもあります。

 

4、老後問題

もし将来認知症になってしまったらどうしますか、一人では生活することができなくなってしまいます。そういう時は任意後見制度というものがあります。今は元気でも将来が心配、もしも判断力が不十分になったら支援してくれる人が欲しいそんな時に、支援してくれる人と将来を約束をし、支援内容を決めあらかじめ本人と支援者の間で任意に契約を行う制度です。この制度によって後見人ができる業務は財産管理、身上監護です。任意後見制度のメリットといえば業務範囲の中から自分で必要と思われる項目だけを契約に盛り込むことができますし、さらに具体的にどういった介護や治療を受けたいか、自宅の売却の際の要望とを契約書に盛り込むことも可能なので、当人の意向を最大限実現できる内容にカスタマイズすることが可能となります。この点とやはり自分で、将来を託す人物を指名できる点がメリットといえます。デメリットは逆に自分で決めた内容でしか、後見人は手をつけることができないということです。本人と後見人は様々なことでぶつかり合ってしまうことがあります。利益の面で言うと利益相反行為というものがあります。本人と後見人とが共同相続人の立場にある時、両者は利益が相反する関係になります。例えば、父が亡くなって始まった相続の場合、母の後見人として娘が選任されていた時がそのケースです。母も、後見人の娘も同じく父の相続人です。娘は後見人として資産分割につき、母の利益を最大限尊重するようにしなければいけません。また娘は娘で相続人の立場で、自己の利益を主張します。すると後見人としての娘と、相続人としての娘とでぶつかり合うことになります。このような利益相反行為は他の例もあります親権者と子、後見人と被後見人、理事と法人とたくさんの場合があります。

 

5、最後に

家族には、その家族ごとに様々な状況、環境に応じた問題が存在しその問題を確実に解決することができる法律がこの国日本には存在している。だがその反面、近年では科学技術進歩や医療技術進歩により法律が追いついていない部分が存在しています。なのでそのような進歩に今後の対応が気になってくると思います。自分は二十代になりました。なので今後家族ができたり上記で書いたような問題や事件が起きないとは言えないと思います。そうした場合自分の知識を利用して優位に解決できるようにこれからも法律について調べていきたいと思いました。

 

参考文献

https://kotobank.jp     (コトバンク)

https://ja.wikipedia.org/wiki(ウィキペディア)

 

 

 

 

伊藤 匠

 

 

0 結論

 

 家庭と裁判の問題点として子の法的安定性が整っていない。

 

 

 

1 日本での裁判離婚

 

  日本は海外と比べて離婚しやすい。離婚の場合協議離婚が九割。そして調停が一割、現状で裁判離婚を行っているのは1%である。そしてその裁判に用いられている法が人事訴訟法である。

 

人事訴訟法とは家族上の法律関係について民事訴訟法の特則を定めた日本の法律である。この法律により従前の人事従前手続法は廃止された。

 

現在の日本では書類一枚で離婚することが出来るが、海外では違う。例としてドイツを出す。離婚として別居期間を一年以上設け弁護士を立てて離婚申請をして裁判をするさらに元配偶者の経済力がない場合援助する義務も生じる為とても離婚しにくく出来ている。

 

 

 

2 裁判離婚による子の問題

 

 問題としては幾つかあるがまず嫡出否認から考えていく。嫡出否認とは嫡出子(婚姻関係にある男女に生まれた子)であると推定された子についてその嫡出性を否認する者である。その対象となる子は妻の出産した子でありかつ772条(行員成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは帳消しの日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定する)により嫡出推定を受けるものでなければならない。離婚をした際に嫡出否認を訴えの効果によりこの出生の時に遡り、子は夫の子ではなく母の非嫡出子であったこととなる。これが問題の一つである。結婚後出産、二年後にその子供は夫婦の子供ではないとわかり今訴えを起こす判例がある。その判例では民法772条で婚姻中に懐胎したものとみなす為、二年後というところに注目。そして子供の法的安定性を重視するため親子関係の否定できないものとした。 

 

 

 

 3 日本と海外による特別養子縁組

 

 幼子と実子の制と同様に養育できるように創設された養育制度が「特別養子縁組」と呼ばれることが多い。児童福祉の為の養子縁制度で、様々な事情で育てられない子供が家庭で養育を受けられるようにすることが目的。これに対し従来の普通養子縁組の場合、戸籍上、養子は実親の二人組の親を持つことになるが、特別養子縁組は養親と養子の関係を重視するため、養子は戸籍上養親の子となり実親との親子関係がなくなる点で普通養子縁組と異なる。

 

 日本と海外の比較としては「親権」というものがとても重要となることが非常に有名である。これに関しては「実親が子と法的な関係を無くす」というものである為実親の同意が得られないことや、裁判が長引くことや特別養子縁組が成立しないケースがある為すぐに成立しないことが多々ある。

 

 次に日本と海外での成立数である。日本では児童相談所、民間団体の総合で約年に500人程度、まだ普及していたい日本においてこの数字は多いのか少ないのかわからないこともある、そのため海外と比較していく。数字だけで比較していくとヨーロッパでは五倍以上、アメリカでは桁が違うほどに多い。また養子縁組に対しての意識も違う、上記で書いてあるように日本では「親権」、実親との関係を大切にしていく考えに対して海外では「この子供と家族になりたい」との考えを大事にしている取り組みらしい。

 

 

 

 4 死後認知

 

 死後認知とは親の死亡から三年以内であれば子は認知(死後認知)の訴えを起こすことが出来ると定めている。検察官を相手として訴えることが出来る。審理の内容は血縁的な親子関係の有無、関係者を対象にしたDNA鑑定や証言などももとに総合的に判断される。原告の名誉回復や相続権の確保など、訴えの目的は多様だ。

 

 判例として大金持ちAが死亡後二年後に自分はAの息子であると名乗り訴えた。この訴えを知らなかったBがこれを否定する訴えを提起することが出来るか?という事例である。これに関しては父の認知によって成立する。ここ民法787条で死後三年までなら認知可能となっている、そして人事訴訟法15条によって検察官を被告とする人事訴訟において相続を害される第三者を当該、人事訴訟に参加させることが必要で、決定し、その利害関係人を訴訟に参加させることが出来るとある。このことからBは訴えられない。家族関係の早期安定を一とするためそのようなことは出来ない。

 

 

 

 5 任意後見

 

 任意後見制度は本人の契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になった時の後見事務の内容と後見する人を自ら事前の契約によって決めておく制度である。この制度のメリットとしては本人の判断能力が落ちる前に任意後見人を選ぶことが出来、契約内容が登記されるので公的に証明される。デメリットとして死後の処理を委任できない。法廷後見制度のような取消権がない。上記4の死後認知での行為は任意後見人では行えないということがわかる。

 

 

 

 6生殖補助医療

 

 生殖補助医療とは人工授精や体外受精などの技術を用いて子をもうけようとする不妊治療の総称。体外受精が実用化された1970年から1980年代には人工生殖などと称していたが1990年後半以降、英語の(assisted reproductive technology)の訳語として「ART」という言い方が日本で定着した。これに関して日本産婦人科協会は代理出産や第三者による卵子提供を認めない立場をとるが、日本では法的拘束力がない。

 

 社会的、倫理的問題として生殖補助医療は当初「神の領域に人の手が入る」生命操作への抵抗から議論された。だがそうした抵抗は不妊治療としての普及とともに徐々に薄れ、現在先進国では出生時の一割以上が何らかの生殖補助医療を経て生まれているといわれる。一方生殖補助医療は配偶者間で行われるだけではなく、精子、卵子、受精卵、子宮などに支障がある場合、第三者の提供を受ける形で広がった。

 

 国ごとにこの医療に関しては対応が変わる。生まれてくる子供と親の法的関係を確立するための立法を世界に駆けて行った欧米諸国でも、その内容には大きな差がある。イギリスでは有償の代理出産契約が禁じられただけなのに対してドイツでは代理出産だけでなく、第三者からの卵子、受精卵の提供も禁止されている。フランスでは生殖補助医療を利用できるのは法律婚または同棲している男女のカップルに限られ単身者や同性のカップルの利用は認められていない。代理出産以外の第三者提供は認められているが提供者は生まれてくる親になるまた、されることのないと民法に規定し、親子関係が錯綜する事態を防ごうとしている。

 

 また判例では代理母として依頼を受け取った者が子を受け渡さなかった事例がある、判決では依頼人に養育権が与えられ代理母には面会権が与えられた。このように人はいざとなると子を手放したくなくなることが契約上問題となる。また、もう一つの判例として夫の死後凍結精子を使い、妊娠出産したが役所は出生届を認めなかった判例がある。判決では役所の意見を尊重し出生届の受理しないことを正当とした。死後には受精しないと考えた。

 

 二つの判例を上げたように生殖補助医療でも人工授精ではAIHAID、体外受精だと、顕微鏡受精、凍結卵子、代理懐胎だと代理母などがあり各国で問題が出ている。

 

 

 

 7 利益相反と権利濫用

 

利益相反行為とはある行動により一方の利益になると同時に、他方への不利益になる行為である。他人の利益を図るべき立場でありながら自己の利益を図る行為が典型的な例であり、利益を図るべき他人に対する義務違反になることが多い。略語としてCOIconflict of interestが用いられることがある。今事例の判例として、夫が死亡、子が家を相続その後妻は再婚、再婚相手の男の借金の抵当権にこの子供の相続した家を出した。成人後子がそれは母の親権権利濫用によるものであり利益相反行為に当たり抵当権の排除することが出来るのか?という事例がある。判決では利益相反に当たらず妻の権利濫用にも当たらない。事実上妻に利益がないものであるとされた。これに関して私は意見がある。

 

 また他事例としてAが死亡し相続人が四人その二人が相続放棄をしてBが相続したが急死しB妻であるCが相続した、それについて相続を放棄した二人と妻C利益相反に当たるのだろうか?今判例において利益相反に当たらない、相続放棄は要式行為ではなく単独行為の為利益相反には当たらないという判例の見解が出ている。

 

 

 

8 私見

 

家庭と法において私は最初に法制度が整っていないと問題点を挙げた。実際そうであろう、日本の裁判離婚においては書類一枚でも離婚することが出来裁判を行う必要もない。養子縁組においても問題が多い。日本の養子縁組制度による成立している人数は少なく海外の方が圧倒的に普及している、そして養子に繋がる死後認知による相続の問題などがある。また夫の死後の相続に関しても親の都合でこの相続分を他に回すことが出来る。

 

 親が親権を持っているとはいえ解釈で権利濫用になることに成るようなことでいいのだろうか?私は否だ。まず7で説明した私の見解を話す。「法は家庭に入らず」という言葉がある、事実上他人の担保として子の財産を回していることに関して確かに妻側に利益を取得していることはなく利益相反行為に当たらない。だが考えてみてほしい抵当権を付けたのは再婚の夫である、判例下で出てはいないがそこに関しても問題があると考えることが出来る。金による結婚だった場合私は判決のどちらも当たらないではなく、妻は子に対しての親権を利用した権利濫用であり相続分を私的に利用した利益相反行為に当たると考える。誰しも相続して大金が手に入るのなら手に入れたいだろう。事実私もそうだ。法は正義であり子の財産を不当に使うことは権利違反であると私は考える。

 

  また生殖補助医療に関して日本は基本的に認めていないが法的縛りもない、やはりそれが問題である。自民党のプロジェクトチームが代理母について法案をまとめたとあるが、それでも日本で完璧に認めているわけではないだろう。

 

 現在の子供に対する法において安定性を保っていない為民法の分野から見直していくべきであると考える。

 

 

 

任意後見制度マニュアル

 

https://www.seinen-kouken.net/2_nini/

 

人事訴訟法

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E6%B3%95

 

嫡出否認

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AB%A1%E5%87%BA%E5%90%A6%E8%AA%8D

 

特別養子

 

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%c6%c3%ca%cc%cd%dc%bb%d2

 

特別養子縁組の制度や問題について里親ブロガーが解説する

 

https://ouchinikaerou.com/2018/05/06/tokubetuyousiengumi_seido_mondai/

 

生殖補助医療

 

https://kotobank.jp/word/%E7%94%9F%E6%AE%96%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E5%8C%BB%E7%99%82-545452

 

試験研究室

 

http://nsks.web.fc2.com/

 

裁判必須!ドイツでの裁判は日本のように紙一枚ではいかない

 

http://harubobo.com/2016/04/18/divorce-in-germany/

 

リーガルサポート

 

https://www.legal-support.or.jp/support/arbitrarily.html

 

お疲れ様でした、よろしくお願いします!

 

 

 

 

 

 

板垣さくら

17J103010 板垣 さくら

 

裁判を行う裁判所、ひいては国家は憲法25条を守るために安定化を図っているのではないだろうか。

 

<裁判の意味>

まず、今回のテーマにおいての裁判は家族の安定化を図るための国家による介入だと定義する。憲法第25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」としている。これを守るための国家による介入に私は賛成だ。しかし、あまり国家が介入しすぎるのもプライバシー保持の観点からみると手放しで賛成とは言い難い。

<婚姻の自由から生じる結果と問題点そして人事訴訟法の役割>

日々婚姻関係を結ぶ男女がいる中でもちろん離婚する男女も存在する。ここでの離婚と「夫婦双方生存中における当事者の意思に基づく婚姻の解消」を指す。日本の伝統では有責主義を取っていたが現在は破綻主義をとっている。離婚は4種類の形が存在する。1つめは協議離婚だ。協議離婚とは民法763条「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。」と民法764条の「第七百三十八条、第七百三十九条及び第七百四十七条の規定は、協議上の離婚について準用する。」によって定められている。日本ではおよそ9割がこの形式をとっている。2つめは調停離婚。3つめは審判離婚。最後に裁判離婚だ。裁判離婚とは民法770条「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。一 配偶者に不貞な行為があったとき。二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」また人事訴訟法37条の「離婚の訴えに係る訴訟における和解(これにより離婚がされるものに限る。以下この条において同じ。)並びに請求の放棄及び認諾については、第十九条第二項の規定にかかわらず、民事訴訟法第二百六十六条(第二項中請求の認諾に関する部分を除く。)及び第二百六十七条の規定を適用する。ただし、請求の認諾については、第三十二条第一項の附帯処分についての裁判又は同条第三項の親権者の指定についての裁判をすることを要しない場合に限る。離婚の訴えに係る訴訟においては、民事訴訟法第二百六十四条及び第二百六十五条の規定による和解をすることができない。

離婚の訴えに係る訴訟における民事訴訟法第百七十条第三項の期日においては、同条第四項の当事者は、和解及び請求の認諾をすることができない。」を適用する。人事訴訟法は家族の形を作るために様々なケースに対応している。例えば子の認知。認知には2種類あって任意認知と強制認知が存在する。前者は届け出又は遺言でわかるが後者は審判又は判決となっている。そして前者後者両方に関わる問題が死後認知である。死後認知とは夫が子の出生前に死亡したとき又は嫡出否認の訴えを提起しないで死亡したときに人事訴訟法41条「夫が子の出生前に死亡したとき又は民法第七百七十七条に定める期間内に嫡出否認の訴えを提起しないで死亡したときは、その子のために相続権を害される者その他夫の三親等内の血族は、嫡出否認の訴えを提起することができる。この場合においては、夫の死亡の日から一年以内にその訴えを提起しなければならない。夫が嫡出否認の訴えを提起した後に死亡した場合には、前項の規定により嫡出否認の訴えを提起することができる者は、夫の死亡の日から六月以内に訴訟手続を受け継ぐことができる。この場合においては、民事訴訟法第百二十四条第一項後段の規定は、適用しない。」の1項により規定されている。今日の日本では判例や通説によれば母子関係は原則母の認知を要せず、分娩の事実によって当然発生するとされている。

また子の嫡出否認については民法774条「第七百七十二条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。」により可能だが民法772条「婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」より困難だと私は考える。しかし昨今科学技術の発展の恩恵として生殖補助医療が生まれた。生殖補助医療には様々な問題点が存在する。例えば卵子、母体共に提供してもらう場合それはお金をもらっていたとしても依頼人の母親とその夫の子供といえるのだろうか。これまでの法律にならえば答えはNOである。嫡出推定その他さまざまな法律を絡めたとしても先程述べたように判例や通説によれば母子関係は原則母の認知を要せず、分娩の事実によって当然発生するとされている。人事訴訟法どころか民法ですらこのケースに対応できていない。これは早急に対応すべき問題点である。

 

<子供の利益>

ではなぜこのように生まれてくる子の親を早急に決めねばならないのか、それは子供の利益のためである。結婚も離婚も自由だがそこにある意味子供は巻き込まれてしまっている被害者に私は見える。まず子供にも大人同様に憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」が適用される。また民法819条は「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。第一項、第三項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。」により親権を持つ者がきちんと指定される。親権とは「親権者が未成年の子に対して有する身分上の監護教育を内容とする権利義務の総称」だ。具体的には民法820条「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」より監護・教育を受けさせる義務、民法821条「子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。」より居所指定の義務など子が現代の社会で憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」で定められた最低限度の生活を国家が提供するのに必要な義務を親、親権者の義務としている。

しかしこの親権を持つ者の規定も法律によって定められてはいるが実の親が親権をもっているとも限らない。家族を安定化させるための制度がいくつか存在する。まず日本には養子縁組という制度がある。養子には普通養子と特別養子が存在する。両者とも養子の利益・福祉を図るべく養親子関係の安定した地位確保のためという共通の目的はあるが前者は養子と実親の親族関係を存続させるのに対し、後者は実方の血族との法律上の親族関係(実親子関係)を婚姻障害を除き消滅させるという大きな違いがある。また後者は養親となる者の請求により、原則として6歳未満の子供に限り家庭裁判所の審判によって成立するものである。つぎに任意後見任意後見とは「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況における自己の後見事務(生活・療養看護および財産管理に関する事務)の全部または一部について本人(委任者)が受任者に対し委託するとともに、その委託に係る事務についての代理権を付与する」ことだ。これにより上記場合でも憲法25条が守られている。

 

<親権を持つ者の義務>

親権を持つ者はその権利濫用は許されない。子の財産の管理や法律行為の代理は民法824条「親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。」で定められている。また民法827条「親権を行う者は、自己のためにするのと同一の注意をもって、その管理権を行わなければならない。」とあるので子の利益と相反する行為(子と親権者の利益相反)はあってはならない。もし権利濫用しようものなら民法825父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、管理権喪失の審判をすることができる。」により親権又は管理権の剥奪がなされる。

<代理権についての疑問>

代理権について今の日本では未成年だからという理由で本人の代わりを務めてしまっている。しかし本当にこれでいいのだろうか。今までやってきた判例をみるとそのほとんどが「推定」「代理で行った」で訴えを起こしている。英国では基本的に本人に行わせてサポートに徹するというMental Capacity Actというものがある。これを日本にも導入することによってこれらの齟齬が少しは解消されるのではないだろうか。もちろんこれを行うためにも日本の法律や暗黙の常識等様々な事項を変えていかなければならない。

 

<結論と私がこれからの日本に望むこと>

家族を安定させることとは憲法25すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」をまもるためのものと私は考えた。しかしそこには冒頭で述べたようにどこまで国家が国民の私情に踏み込んでいいのか、という問題が発生する。個人の自由、プライバシーを守りつつ憲法やその他の法律を完璧に守るというのは現代の日本では困難を極める。公共と私の明確な不可侵のボーダーラインを早急に作成するか現在施行されている法律の改変がこれからの時代に必要となるだろう。

 

《参考文献》

・民法小辞典[改訂版] ()住宅新報社 玉田 弘毅(初版20099

 

 

 

 

青木洋太郎

 

家族と裁判についての私的見解としては、現在の複雑化する人間関係、家族関係、親子関係を考えるとき、すべての問題を現行法のみを基準としてはかり、対応するのは難しいため、過去の判例をもとに類推しつつ、多様化するシチュエーションに応じた法の運用、すなわち判例法主義に近づけた、法の運用にしていく必要があると考える。

 

 テーマ1:離婚と裁判の観点

離婚と一口に言っても様々な類型がある。協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚など離婚が成立するケースによって分類される。実際の離婚の約90%が協議離婚であり、離婚において裁判はあまり行われない。というのも民法770条において、配偶者に不貞な行為があったとき、配偶者から悪意で遺棄されたとき、配偶者の生死が三年上明らかでないとき、配偶者が強度の精神病かかり回復の見込みがないとき、その他婚姻を継続し難い事由があるときなどと、離婚せざるを得ない事情がある場合のみに限られているからである。こういった問題で、民事訴訟法の特例として扱うものが人事訴訟法である。人事訴訟法の定義として同法第2条には「この法律において人事訴訟とは、次に掲げる訴えその他の身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴えに係る訴訟をいう。 一、婚姻無効及び取り消しの訴え、離婚の訴え、協議上の離婚の無効の訴え並びに婚姻関係の存否の確認の訴え 二、嫡出否認の訴え、認知の訴え、認知の無効及び取り消しの訴え、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百七十三条の規定により父を定めることを目的とする訴え並びに実親子関係の存否の確認の訴え 三、養子縁組無効及び取り消しの訴え、離縁の訴え、協議上の離縁の無効及び取り消しの訴え並びに養親子関係存否の確認の訴え」と規定されている。民事訴訟法との違いとしてはその裁判の形式と訴訟の承認が主として挙げられる。弁論主義+公開の形式をとる民事訴訟法に対して、人事訴訟は職権探知主義+非公開の形式をとる。この点で人事訴訟法の特徴として、まず職権探知主義があげられる。これは証拠に基づき法的な判断を下す、ということだ。双方の主張が対立しているからこそ協議離婚や調停離婚で話がまとまらず、第三者による公正、公平な判断を求めているのだから至極当然のことである。もう一つの特徴として非公開のところに注目したい。「人事訴訟における当事者本人若しくは法定代理人又は証人が当該人事訴訟の目的である関係の形成又は存否の確認の基礎となる事項であって自己の私生活上の重大な秘密に係るものについて尋問を受ける場合においては、裁判所は、裁判官の全員一致により、その当事者等又は証人が公開の法廷で当該事項について陳述をすることにより社会生活を営むのに著しい支障を生ずることが明らかであることから当該事項について十分な陳述をすることができず、かつ、当該陳述を欠くことにより他の証拠のみによっては当該身分関係の形成又は存否の確認のための適正な裁判をすることができないと認めるときは、決定で、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる。」(人事訴訟法第221項より)これはプライバシーに配慮し、より公正公平な判断に近づけるものである。

 この仕組み、人事訴訟法の法制度について自分は良いものと考える。というのも、離婚というものは見方によれば私情の話である。離婚する夫婦の財産分与などには裁判はもちろん公平な立ち位置に立った司法機関において公然に、法に基づいて判断されるべきものだが、その夫婦に子供がいる場合、その親だけの話ではない。子供の将来などを考えると、より慎重に判断をするべきだと考える。それにはプライバシーの保護やより多くの事実証拠をあげたうえでの判断が必要だと考えるからである。

 

 

テーマ2:親権・親子関係についての観点 

@    進む医療と親と子

日本だけでなく、世界には子供が欲しくても、様々な理由から子どもを授かれない人たちもいる。様々な夫婦の形や、結婚の時期などに個々が尊重されるようになった分、熟年婚や同性婚ももちろん増え、その分妊娠や出産に問題やリスクがかかってくる。今挙げたものはわかりやすい2つに過ぎず、様々なパターンがある。そういった人たちのために医療も発展してきた。人工授精(ATH,AID)、体外受精、代理懐胎などの生殖補助医療の発展により、そういった人たちにも子供を授かる機会が増えた。だが、戸籍登録や血縁上つながりがない関係、非嫡出子などの問題が発生し、その国や地域によって受理されないなどの問題も同時に起こった。例とてして高田向井問題がある。高田夫妻は、妻の向井さんが子宮がんのために懐妊することできなくなったので、自らの卵子と夫の精子との体外受精卵を米国で代理母に移植して出産してもらった。そして、帰国後に子を嫡出子(夫婦の間の実の子)として戸籍係に届け出ようとしたのですが受理されなかったため、東京家庭裁判所に提訴した。しかし、訴えは却下され、これを不服として東京高等裁判所に控訴したところ、嫡出子として受理することが認められた。しかし、最高裁は、「子を懐胎、出産していない女性との間には、その女性が卵子提供した場合であっても、母子関係の成立を認めることはできない」と述べて、嫡出子であることを認めなかった。

このように日本は婚姻においてはある程度の自由を認め始めている一方、親と子の関係については法律主義をとっているというねじれた状態に現在なっている。これに対しては、時代や世界の考え方に柔軟に対応して行く必要があると私は考える。

A    親と子とは

 子供が成人するまで、親権者は制限行為能力者として子の法定代理人として代わりに法律行為を行える。これを制限行為能力者制度という。これは法律行為を行うには意思と能力が備わっていることが前提のため意思や能力が欠けた者では十分な利益が保証されないとして備わった制度である。親権者の他には未成年後見人、成年後見人、任意後見人がある。この制度は権利能力を本人以外に委ねる点が特徴であるが現在の親と子の関係が形式的にも中身的にも複雑化してきている現代社会では、問題となることがあった。母子、父子家庭や養母、育ての母など色々な「親」の形をとる家族も増え、それに社会も差別的な目で見ることも少なくなり、受け入れられ始めた中、法律上の親というものは柔軟に対応できているのかということだ。民法では「親権者は、この財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する」と定めている。(民法824条本文参照)このように親権者はこの財産ないし財産に関する法律行為について、広範な権限(財産管理権・代理権・同意見)を有している。これらはもっぱら子の利益のために認められているものであるため、一定の制限を受ける。その中に利益相反行為も含む。すなわち親権者である父または母と子との間で利益が衝突する法律行為(利益相反行為)を行う場合、通常どおりに親権者が子を代理してしまうと、権利者の利益が優先され、子の利益が害される可能性がある。そのため親権者等はそのような場合には特別代理人を選任しなければならないこととされた。親権は先で述べたような広範な権利を持つため権利濫用されてしまう恐れもある。そう考えると親権はとても大きな権限である。そのような権利を欲しいがために、養子をとる者もいる。この養子には普通養子と特別養子がある。普通養子縁組は戸籍上では実父との関係は残るが、特別養子縁組を行うと実父との関係はすべて切れ、養父とは養父との嫡出子の身分を取得し、法定血族関係も生じる。そういった実父としての権利を得られる特別養子縁組が成立するには、家庭裁判所の審判が必要であり、いくつか制限がある。

1、父母による監護が著しく困難または不適当などの特別の事情があり、子の利益のために特に必要でなければならないと認められること(民法817条の7)

2、養子になるには、6歳未満でなければならないが、6歳に達する前から事実上養育されていたと認められる場合、8歳未満であればその限りではない(民法817条の5)

3、養親になるには原則として夫婦が25歳に達していることが必要とされているが、夫婦の一方が25歳に達していない場合においても、その者が20歳に達していればよい(民法第817条の4)養親の上限年齢については、民法上の規定はない。年齢以外では、健康で安定した収入があることなどが要件である。

 

晩婚化が進む中、もっと普及し、実の親子関係を結ぶことができる特別養子縁組がこれだけ厳しい制限があるのは、やはりそれだけ親権のもつ力が大きく、権利の濫用の引き金になりうるということなのかもしれない、と私は感じた。

 

B    子供の認知について

 子供には嫡出子と非嫡出子とに分けられる。嫡出子とは、法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた子どものことをいう。なお、嫡出子は「推定される嫡出子」と、「推定されない嫡出子」に分類できる。非嫡出子とは、法律上の婚姻関係がない男女の間に生まれた子どものことをいう。上に挙げた推定される嫡出子とは、母親は分娩の事実から明らかだが父親が誰かは明らかではないため、民法では772条で規定を置いている。まず、7721項では妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子であると推定するとしている。さらに妻が婚姻中に懐胎したということを証明することも難しいため、婚姻成立の日から200日後、もしくは離婚などの婚姻解消の日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定する、と7722項で規定している。このように子供の生まれた時期から嫡出子であることが推定される場合がある。これを推定嫡出という。この規定からすると婚姻成立の日から200日以内に生まれた子を推定されない嫡出子ということがある。そして民法774条で夫は「夫の子である」と推定された場合、これを夫は否認することができるがそのためには嫡出否認の調停、審判、訴えを行わなければならない、としている。(民法775)。そして嫡出否認の訴えには子が出生してから1年以内に行わなければならないという期間制限がある。またその期間中であったとしても妻が子を妊娠する可能性がないことが明白な場合、子は772条の適用を受けない、推定されない嫡出子とされる。推定されない嫡出子の場合、父親は嫡出否認ではなく親子関係不存在確認の調停、審判、訴えができる、こちらは期間制限がない。 嫡出子かどうかの問題は以前大きく相続に関わっていた。以前は親が亡くなったとき相続できる割合は嫡出子で1/4、非嫡出子で1/6と大きく差があったが現在は同じ1/4である。平成2594日に民法900条の嫡出子と非嫡出子の相続分の違いについての内容に違憲判決が下り、一部改正されたためである父親が認知しなければ父親と非嫡出子との間の法律上の親子関係は認められない。血のつながった親子であっても、法的に親子関係を成立させるためには認知届の提出が必要になります。認知をすることによって、子供が父親の戸籍に移動するというわけではなく、子供の戸籍に父親が記載され、父親の戸籍に「認知」したという事実が記載されることになる。また、認知の中に死後認知がある。認知しないまま父親にあたる男性が死亡した場合、父子関係を成立させるための制度である。民法では親の死亡から3年以内であれば子は認知(死後認知)の訴えを起こせると定めている。検察官を相手として訴える。関係者を対象にしたDNA鑑定や証言をもとに総合的に判断される。

   一般に愛人との間の子など、あまりいい扱いを受けてこなかった非嫡出にも平等な権利を 与えられる機会が与えられた法整備は法の下の平等に一歩近づけているのではないかと感じる。

 

 

 〜まとめ〜

 冒頭で述べたように現代社会も現代家族も複雑化し、法律の制定時の環境とはだいぶ変わった。科学の進歩や医療の進歩、いままでの考え方が明日には変わっているかもしれない。そんな進化や変化が受け入れられやすくなった現代において、法律の適用範囲外の問題も出てくるかもしれない。それらすべてに対応した法整備など無理であるし、ある一定の基準をもった公平な立場である司法機関(裁判所)は必要である。古きは温め新しきも聞き入れ解決に向け柔軟に対応する、温故知新とは違うがそういった裁判がこれから行われていけば、と思う。

 

 

〈参考・引用に用いた資料サイト〉

衆議院ホームページ

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/15620030716109.html

 

離婚弁護士相談広場

https://www.riconhiroba.com/procedure/divorce-process-trial.html

 

カケコム

https://www.kakekomu.com/media/18922/

 

弁護士ドットコム

https://www.bengo4.com/

 

リーガルモール

https://best-legal.jp/

 

 

 

六法全書

授業の板書ノート

 

 

 

 

芳賀 開

20187月 親族法レポート 中江章浩先生  芳賀開

 

テーマ:家族と裁判

結論:子どもの権利を尊重した法整備をすべきである。

 

l  離婚

家庭内での紛争は様々な背景がある。「人の基本的な身分関係は明確かつ画一的に確定される必要があり,この関係について生じた紛争を解決するための特別の民事訴訟をいう。人事訴訟事件について訴えを起こす者は,まず家庭裁判所に調停(家事調停)の申立てをしなければならない。」(https://kotobank.jp/word/人事訴訟-81850)このように離婚などの身分関係にかかる事件についての手続きを定めたものを人事訴訟法という。離婚の方法は4つある。協議離婚、離婚調停、裁判離婚、裁判離婚である。87.8%が協議離婚となっており大部分を占める。調停離婚が成立しなかった場合家庭裁判所に訴え、離婚が成立する理由を証明しなければならない。理由の例として不貞行為や悪意の遺棄、三年以上の生死不明、強度の不治の精神病などがある。

 

l  子供の身分

上記で説明した婚姻関係が子供の身分や利益に大きな影響を与える。嫡出否認はその例である。『婚姻中又は離婚後300日以内に生まれた子どもは,婚姻中の夫婦間にできた子(嫡出子)と推定されるため,仮に他の男性との間に生まれた子どもであっても出生届を提出すると夫との間の子どもとして戸籍に入籍することになります。 この調停において,当事者双方の間で,子どもが夫の子どもではないという合意ができ,家庭裁判所が必要な事実の調査等を行った上で,その合意が正当であると認めれば,合意に従った審判がなされます。』(http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_07_15/)。嫡出否認は嫡出推定されたものだけができることである。これまで自分の子供と思い込んでいた存在が他人の子供だと知ったら大変ショックなことだと思う。このような場合にする手続きが上記のものである。このように手続きの結果によって子供の利益は大きく左右されてしまう事例は他に死後認知というものがある。これは婚姻関係のない男女の間に生まれた子供のことを認知しないまま男性が死亡してしまった場合に父子関係を成立させる制度である。『親の死亡から3年以内であれば子は認知(死後認知)の訴えを起こすことができると定めている。検察官を相手として訴える。審理内容は血縁的な親子関係の有無。関係者を対象にしたDNA鑑定や証言などをもとに総合的に判断される。原告の名誉回復や相続権の確保など、訴えの目的は多様だ。最高裁によると、死後認知を含む認知、認知の無効及び取り消しの訴えは、昨年までの5年間で年252〜276件。』(2016-08-30 朝日新聞 夕刊 1総合)このような嫡出否認死後認知といった政策が子供の身分の保護や利益の保証をしている。生まれてくる子供には親の婚姻関係による都合などは関係なくこのような制度で守っていくべきだと思う。

 

l  親と子供

近年代理母や同性婚など婚姻関係や親と子供の関係の多様化が目立つようになった。代理母とは『代理母(ホストマザー)とは遺伝的につながりの無い受精卵を子宮に入れ、出産する。借り腹。』(https://ja.wikipedia.org/wiki/代理母出産)である。同性婚については渋谷区で同性カップルを「結婚に相当する関係」と認めるという報道が記憶に新しい。このような世間的に特殊な親子関係やカップルの関係において注目されるのが生殖補助医療である。『不妊症の夫婦の頻度は、約10%。難治性不妊の治療として、精子や卵子などを体外に採取して治療するARTが急速に発展し、広く利用されている。体外で精子と卵子を受精させてから女性の子宮に戻す体外受精・胚移植精子・卵子の提供者が夫婦間とは限らない場合の生命倫理や子供の人権をどう考えていくか、なども課題。なお、20044月より、都道府県等が指定した医療機関で特定不妊治療(体外受精および顕微授精)を受けた夫婦に対して、費用の一部を助成する特定不妊治療費助成事業が開始、不妊夫婦に対して経済的負担の軽減が図られている。』(https://kotobank.jp/word/生殖補助医療技術-187161)というものとなっている。この技術については様々な問題が存在する。まず上記にあるように多くの費用が掛かること、胚について第三者と妻の争い、血縁関係などから生じる親子関係のありかたなどがあげられる。特に親子関係の面では特別養子扱いになってしまうなどの問題が最近野田総務相により浮き彫りにされた。『(卵子提供を受けて出産した)息子とは血がつながっていないが私は実母。DNAが一致している代理母による出産は、子どもとは「特別養子縁組」になる。(生殖医療など)そういうことがなかった時代の法律の下で今の子どもの身分制度があり、法制度で(実母としては)認められないことなっている。そうしたことを変えていく必要がある。』(https://www.asahi.com/articles/ASL5D45W1L5DULFA009.html特別養子とは『特別養子縁組による養子。特別養子縁組は,もっぱら子の利益をはかることを目的として 1987年に新設され (民法 8172) ,家庭裁判所の審判によって成立し養子と実方の血族との親族関係が終了する点において,従来から存在する普通養子縁組とは大きく異なる。この審判は6ヵ月以上の試験養育の状況を考慮したうえでなされる (817条の8) 。養親となる者は原則として 25歳以上の夫婦に限られ,夫婦がともに養親とならなければならない (817条の34) 。また,養子となる者は原則として縁組の審判申立て時に6歳未満でなければならない (817条の5) 養親による虐待など特別の事由がある場合には家庭裁判所が離縁を認めることはできるが,協議または訴訟による離縁はできなくなる (817条の 10) 。なお,戸籍には実子とほぼ同様の記載がなされ,実父母の氏名は記載されない (戸籍法20条の3など。』(https://kotobank.jp/word/特別養子-168017#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89)というものである。子供の利益を第一に考えられた制度であることは一目瞭然なのだが生殖補助医療においてこの制度を適用し親子関係を定めることにおいては切実に子供を望んでいたパートナーの気持ちを考えると自分は賛成できない。またこの制度には未婚の母の子殺し、虚偽の出産届などといった子供の利益侵害どころではない問題、実親の同意の困難、特別養子のプライバシーが明らかになってしまうなどの問題がありまだまだ見直しが必要だと思う。子供の身分から子供の利益を守ることについては分かったが親子関係をクリアしている子供についての利益侵害はあるのだろうか。よく聞く「親権」とは何を指すのだろうか。『父母が未成年の子に対して有する身分上(ないし人格上)および財産上の監督保護を内容とする権利義務の総称(民法818条以下)。〈権〉という文字が使われているが,内容的にはむしろ義務が重要である子の監護教育,居所指定,懲戒,職業許可,財産管理および子の財産に関する法律行為の代理である。親権者と子の利益が相反する場合(利益相反行為)には管理権がない。』(https://kotobank.jp/word/親権-81627)というものである。利益相反とはある行為が一方では利益にもう一方では不利益になることである。親権には行使の制限があることがわかる。親権者が権利乱用をするといった問題があるからだ。親権者が子供名義で借金。子の所有する不動産に抵当権を設定したというような例が挙げられる。この場合親権者自身の責務ではないため、外形的・形式的には利益相反行為に当たらない。このようになってしまうと子供の利益の保護としては不十分である。『親権者の行き過ぎた代理行為については、代理権濫用の理論により子の利益を保護しうるとしながらも、当該行為がそもそも利益相反行為に当らないのであれば、親権者に法定の代理権を授与した法の趣旨に「著しく反する」と認められる「特段の事情」が存しない限り、代理権の濫用にはならないとして、代理権濫用となる場面を非常に制限しました。』(https://www.nagareyama-park.com/columu-57)親権の効力がとても強いことがわかった。代理の法律行為が親権者に多くゆだねられていることなどから行き過ぎた代理行為などがあるのではないか。また利益相反は親の相続問題にも関係する。ここで問題になってくるのが任意後見である。任意後見とはアルツハイマー型認知症などに年老いてなる前に後見人を選んでおくという制度である。相続だけの面で考えた場合の話をする。子からすると親からの相続が多いほうがいい。しかし親が自分たちのためにお金を使うほど相続分は減ってしまう。法定後見制度のように本人や配偶者のために金を使ってくれないという可能性がある。

 

l  まとめ

「婚姻関係」と「子供の利益」には密接な関係があることが分かった。子の利益の「利益」部分には金銭面的な面と身分的な面があると思う。金銭的面では死後認知が大きな影響があると思う。また嫡出子と非嫡出子の相続問題などからも「婚姻関係」がもたらす「子供の利益」への影響がわかる。嫡出否定や嫡出推定には男女差別の問題もある。女性についてのみ6か月の再婚禁止期間をもうけるということが議論となったこともある。身分的な面でいうと特別養子があげられる。一見生殖補助医療と相性がいいように思われるが上記の通り問題はまだ山済みだ。法律婚が重視される日本でさえ同性婚が受け入れられつつある。このことからわかるように社会の在り方や価値観は日々変化している。嫡出否認の制度は明治時代の民法から引き継がれた規定だそうだ。これまでの社会的養護の現状としては『親が亡くなったり親が子を育てられなくなったりした場合、子どもを国の責任で養育することを「社会的養護」という。だが養護の必要な約46000人の内9割は施設で暮らしているという現実がある。… 90%近くが施設養護で生活をする子ども達だが、201310月時点で見ると児童養護施設は全国に595カ所ある。赤ちゃんは乳児院という施設にいるが、その数は全国で130カ所だ。20133月末の時点で約3000人の赤ちゃんが育てられてはいるが、里親に委託される子どもは全体の10%強にあたる約5000人。2012年度末の時点で全体の約14.8%に留まっている。』(https://zuuonline.com/archives/129768)どんな背景のある子供でもスタート位置は同じでなければならないと思う。子供の利益を保護していくために身分を生れたその場から保証されるような法整備がなされるといいと思う。

 

 

 

 

村上 明沙佳

 

親族法レポート 

学籍番号: 17J107012 

氏名村上 明沙佳

 

《家族と裁判》

全体結論:世の中の家族には沢山の事情があり法律が我々を助けてくれる。

離婚をする家庭、財産相続人で揉めてる家庭、養子縁組と実子の関係など沢山の家庭の事情がありその中では裁判に至るものまでもある。裁判の順番は、関係を調整しつつ行う調停前置主義から地方裁判所・家庭裁判所高等裁判所最高裁判所と行われる。現在の最高裁判所は大法廷15人、小法廷5人で構成される。裁判を受ける権利がありそれは行政不服審査法に至る。日本の場合は法律婚主義、欧米の場合は事実婚主義にある。しかしキリスト教では基本的には離婚をすることを認めない。

裁判にも色々あり、家庭にも色々ある。その他の事は例や判例を使ってその家族と裁判について触れていこうと思う。

 

生殖補助医療

第一に、結婚して夫婦となった男女の間で子どもが欲しくてもなかなかできない場合(性生活約1年を目安とされる)に近年進歩している生殖補助医療という新たな不妊治療がある。子どもがどうしても欲しかった家庭には望ましい治療にも思えるがこれは別例も存在する。

ベビーM事件というAB(Bは夫、Aは妻)に子どもが生まれず代理母としてCに人口受精(精子はBのもの)をし妊娠して5ヶ月以内に流産をしたら報酬は無し、5ヶ月以降に流産をしたら逆に1000ドルを支払うという事例があった。その時は養育権はABの夫妻にあった。ところが妊娠し無事に赤ちゃんが生まれた後に養子契約にサインをすることだったが、それを拒否しCは自分が生んだ赤ちゃんを連れて行ってしまった。それをAB夫妻が訴え裁判となった。その判決は父親はB、母親はCであり但し、親権 の方はAB夫婦にあると決まった。しかし父親側に親としての適格性があると認められCには面会権(訪問権)が認められたという。(参照www.arsvi.com) Cには親権 も養育権も認められなかったので子は完全にAB夫妻の特別養子 

になった。

生殖補助医療により、より効率的に出産が今以上にできる世の中になる未来は近しいのではないかと思う。

 

遺産相続

第二には、家族の遺産相続の問題について述べようと思う。兄弟が多ければ親の遺産相続の問題は多い。ここで、基本的な後見人について見てみる。未成年後見人の場合相続は親の死亡の時に始まり同意権が行使される。この同意権は未成年者が行う法律行為に関して認め、未成年者は精神上未成年なだけであり障害なわけでもないので同意で十分だからという事もある。

次に成年後見人は親の死亡後に審判される。これは後見人候補者の意向を調査したり審問などして申立の内容を聴取したりする。その審判は申立から約3ヶ月と言われたりする。また、成年被後見人が法律行為に関して不利益だと判断されれば取り消し(取消権)が認められる。

3つ目の任意後見人は契約によって決められる後見人である。本人が契約の締結に必要な判断を有してる間に、自己の判断能力が将来不十分になったときに後見事務の内容を後見する人を、自ら事前の契約によって決めておく制度である。申立の後に「認知症かな?」と思ったら、家庭裁判所に申立をし任意後見の監督の選任をしてもらうという行為ができる。(参照www.seinen-kouken.net)

そしてこの3つに共通して注意しなければならないのは善良な管理者である。自己の財産を管理し自己の事務を処理する際にはらったりする為の注意である。これらは民法918(相続人の相続財産の管理)、民法940(相続放棄者の相続管理)などに記載されている。(参照www.bengo4.com)

また、一度相続放棄をした場合はどちらが誰が得をしている関係ではなくなるため、利益相反(一方にとっては利益になるが他方にとっては不利益になること)は成立しないのである。(民法860利益相反行為)

 

死後認知

第三は、未婚でかつ生まれた子の父親であるはずの男性が死んでしまった場合について述べる。結婚してない場合にその男女の間に生まれた子どもを男性の方が認知してないまま死んでしまった時に父子関係を成立させるための制度を死後認知という。死後認知の請求はその男性の死後3年以内なら認知求訴訟を提起できる。死後認知を請求して認められた子どもは生まれた時から父親の子どもであったとみなされる(民法784 認知の効力)。そして認められたらその子どもは父親の相続人となるのである。ただし、認知請求が認められるまでに遺産分割協議などが済んでしまっている場合には、混乱を避けるため、遺産分割協議は有効としたまま、他の相続人にお金を請求することになる(民法910条 相続開始後に認知された者の価額の支払請求権)

死後認知の請求のポイント(20145月のもの)としては @認知請求訴訟を行う A原告は子供(住所のほかに本籍地も書く)B子供が未成年の場合、母親が「原告法定代理人親権者母」として手続きを行う C管轄は、原告の住所地または、父親の最後の住所を管轄する裁判所(人事訴訟法4条1項)D被告は、管轄裁判所に対応する地方検察庁(人事訴訟法12条3項)E検察庁名の下に「検事正●●」と書く(代表取締役の要領でF訴訟物の価格は160万円(価格算定不能と考える)G請求の趣旨は「原告が、本籍●●●●(平成日死亡)の子であることを認知する」と書く H調停前置主義の適用がないことを書く(家事事件手続法257条2項ただし書き、最判昭36年6月20日) I利害関係人を書く(人事訴訟法28条、人事訴訟規則16条別表六)J利害関係人とは、認知が認められた場合、相続割合が変わるものである。(参照nagomilaw.com)

 

未婚の三角関係

先に結論を言うと、嫡出否認はできない。強制認知が一番早い。

第四には、自分の周りで実際に起きている家族・血縁問題のことを例えにして自分の意見を踏まえつつ述べようと思う。

 A()B()は結婚を前提に過ごしていたが決して付き合ってはいなかった。そこにC()が付き合ってない事を知っていた為、Bの事を好きになりBと仲良くなり性関係を持ったがABが結婚を前提に一緒にいることは知らなかった。そこでAが、BCの関係を知り切羽詰まり倒れて病院に搬送をされ記憶を失くした(後々記憶は戻った)。その間にBACどちらを選ぶかを決めCと一緒にいることを決めたが、ABの関係は途絶える事なく性関係も持っていた。そして一年半後にAは、Bとの子がお腹にいることを、予定日は9月と7月に公表したがBは自分の今の生活を崩されたくないが為、認知しない・子どもにも会わない・子どもに関与しない・親権は無視する、と言った。 

ここで私が疑問に思ったのは判例でもあまり見かけない"未婚"という事である。ABは結婚を前提にしてそれは両親族とも公認であったとされるがまだ結婚はしていなかった。なので夫婦で決める協議離婚も、調停離婚不成立場合に夫婦一方が家庭裁判所に訴えて行われる裁判離婚とも話が違うのではないかと。そもそも結婚をしていなければ離婚という話もないのだから。

一度、裁判離婚について簡単に説明すると、裁判離婚は訴訟者を原告と言い、訴えられた方を被告という。その裁判は第三者に公開され、離婚すること自体の訴え・慰謝料請求・財産分与・未成年者存在場合の親権者明確・養育費請求も同時に争われる。(参照ricon-pro.com)

話を戻すと、Bが認知しない・子どもに関与しないと宣言している時点で自分の子どもと認めず養育費、扶養に関わる事もないという事になる。そもそも認知しないという自己宣言をしているのが分かりかねる話だが、そういう場合は強制認知をさせるのが手っ取り早い。その為に強力なものはDNA鑑定を示せるものではないだろうか。Bが養育費を納めないという親権すらも書き換える行動もなく親権を犯すような行為に一番効果的なのは人事訴訟ではないだろうか。人事訴訟とは、婚姻や養子縁組、親子関係といった人の身分関係の紛争を解決する特別(特別法)の民事訴訟である。特別法である理由は家事事件手続法に基づき家庭裁判所で調停を試みる必要があり、金銭貸借といった経済取引と性質が違うからである。この場合、親子関係に該当するのではないかと私は考える。その為、Bの発言や行動に対して人事訴訟を起こす権利があるのではないか。もしこれが一般法理の活用に反するものであるのからば権利濫用が通じるのではないか。形式的な権利行使の外形はあるがその時の具体的な事情に照らして社会通念上妥当とされる範囲を超えていたら実質的に権利行使として認められない場合になるものである。

だがしかし先程も述べた通りAB間でできた子どもはABは未婚かつ、別の相手(世間一般では浮気相手だろうか)との間にできた子どもである。正式な夫婦間で生まれた子は嫡出子と言えるがABはいくら婚約・結婚前提で過去に一緒にいたとは言え既にBは違う人を選んでいるため正式な夫婦との間でできた子とは言えない。だからここでBがいくら否定をして自己宣言をしようが嫡出否認として申し立てるのは難しいのではないだろうか。嫡出否認は、婚姻中または離婚後300日以内の子どもは法律上で夫・前夫の子となるが妻または前妻が出産した子どもが自分の子ではないと父子関係を否定でき、その要素は@実子ではくA原則は夫による申請B出生を知ってから一年以内の申し立てというが、そもそも婚姻も離婚もしてないためこの嫡出否認は通用しないだろう。(用語参照www.bengo4.com)

ここからあくまでの私の意見を述べる。

まず最初に自己宣言をしている認知否認をどうにかするべきではないか。勝手に否認出来ることではしっかりと自覚させるためにはまずは強制認知に持っていく必要がある。その為にまずは調停の申し立てをする必要がある。女性側が申し立てができるのが強制認知。それにはまず強力な証拠となるDNA鑑定したものが一番重要になるためDNAを鑑定できるものを採取する必要がある。そこまで終えたら男性側に養育費や扶養の問題を解決してもらわなければならない。普通ならば年収から割り出して養育費は納めていく。女性側が責任取って結婚してほしいと思っていなければ一先ずはここを解決すればよいと思う。ましてやCが決める事でもないのだから。

そして子どもが育っていってからだ。子どもが父親に会いたいと言えば子どもと面会すべきだと思うが、男性(B)はそれすらもしないという。基本的に親権があり子どもが面会をしたいと言えば面会をせざるを得ない。決める権利は子どもにあるのではないか。

ここまでのは憶測で語るしかないが基本的知識を使い判断できたものではないかと思う。自分で考えてみたことで勉強になることも沢山あった。

 

家庭と裁判の繋がりは一番複雑な関係をもっているため特別法が適用されたり最高裁までいくものも多い。私達はそれを他人事だと思っていてはいけない。それはいつ自分がそうなるかも分からである。裁の判決も法律上に基づいて行われるので悪くない方が不利になることすらもある判決を下される場合がある。

どこで何が起きたか把握しその法律上の規定を知る事で今後何かが起きた時に役に立つことがあるのは確かではないだろうか。

 

 

 

 

室橋涼風

親族法 「家族と裁判」

 

結論 : 父母どちらかに親権を与える場合、年齢関係なく子供が最優先で決定すべき。

 

1. 家族であるための重要性と役割

家族とは、配偶者や血縁関係や姻戚関係にある人で、精神的な結びつきがある人のことを指す。同じ家に住んで同居している人や生計が同じ人に限らず、別居している人や生計が別の人も含まれることがある。ある調査によれば、家族であるための重要性として、「血縁関係がある」「法的なつながりがある」「困ったときに助け合う」という意見があった。また、家族であるための役割として、「心の安らぎを得る」「子供を生み育てる」という意見が非常に多かった。家族においても、夫婦関係だったり、親子関係だったりと、家族には様々な役割や重要性が存在していることが分かる。

 

2. 裁判離婚と協議離婚

まず、交際している男女が正式に婚姻すれば夫婦となる。しかし、夫婦内でトラブルが起こってしまえば離婚してしまうケースが少なくない。離婚の仕組みとして、大きく2つのパターンがある。それが、裁判離婚と協議離婚だ。協議離婚は夫婦の話し合いのみで離婚することが可能だが、裁判離婚は、民法第770条より、配偶者に不貞な行為があったときや、悪意で遺棄されたときや、配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないときなどの場合に、裁判上での離婚の訴えを提起することが可能である。離婚の訴えは、人事に関する訴えの1つの例であるから、民法だけでなく、人事訴訟法にも関わることとなる。人事訴訟のうち、代表的なのが離婚訴訟で、離婚訴訟では、未成年の子供がいる場合に離婚後の親権者を定めるほか、財産分与や子供の養育費などについても離婚と同時に決めてほしいと申し立てることができる。人事訴訟の特色として、職権探知主義であること、プライバシー保護のために裁判を非公開で行えること、対世効があることである。職権探知主義は、訴訟資料の収集を裁判が行い、身分関係の事実確定に当事者の処分権の介入を認めない。また、対世効は、原告・被告だけでなく、第三者に対しても効力を及ぼして、身分関係を画一的に処理しようとする。

私が夫婦の離婚について気になったことは、離婚の増加にともない、離婚に巻き込まれてしまう未成年者が増えていることである。婚姻中、父母は共同して親権を行うが、離婚に際しては一方を親権者としなければならない。婚姻中は父が親権者になる割合は半分近くであるが、離婚してしまうと母が親権者になる割合が増えていることから、子供は母の元へついていく割合が多いことが分かる。

協議離婚の場合には、いずれが親権者なるかを父母の協議により定めるが、協議が調わないときには家庭裁判所が協議に代わる審判をする。裁判離婚の場合には、裁判所が親権者を指定する。いずれの場合にも、子の利益を基準として決定される。子供のいる夫婦が離婚した場合、子供の養育費めぐりが問題となる。これについては、離婚後も父母は子の養育費を分担する義務があるが、養育費の取り決めは協議離婚の要件とされていない。子の養育費の決定は父母の協議に委ねられており、協議が調わないときには、家庭裁判所がこれを定める。

裁判離婚の場合、離婚の判決に際して、子の養育費の支払を命じることができる。なお、妻が婚姻中に夫以外の男性との間に子をもうけた場合で、@子と夫の間に自然的血縁関係がないことを妻が夫に告げなかったために、夫が親子関係を否定する法的手段をうしない、A夫は婚姻中、子の養育・監護のための費用を十分に分担しており、B離婚後の子の監護費用をもっぱら妻において分担することができないような事情がうかがわれない、という事情においては、妻から夫に離婚後の監護費用の分担を求めることは権利濫用にあたる。これは有名な判例の1つの例である。

 

3. 親子関係と新しい医療の補助

そもそも親子とは何か。法律上の親子として、親子関係は、生理上の親子関係(血縁)を基盤とする実親子関係(実子)と、血縁関係にない者の間での法定的・擬制的な養親子関係(養子)に区別される。実子は、さらに婚姻から出生した子(嫡出子)と結婚関係外で出生した子(非嫡出子)に区別され、婚姻外で生まれた子も、父母が婚姻したときは、婚姻から出生した子として扱われる(準正嫡出子)。また養子縁組は、当事者間の契約(届出)による普通養子縁組と家庭裁判所の審判によって成立する特別養子縁組に区別されている。

次に、嫡出子と非嫡出子について説明する。まず、嫡出子については、推定を受ける場合と、推定を受けない場合がある。妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子であると推定し、婚姻成立の日から200日後または婚姻の解消もしくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定され、このような場合が、嫡出推定を受ける嫡出子と呼ばれる。推定を受けない場合は、婚姻の届出をしてから200日以内に生まれた場合である。婚姻成立の日から200日以内に生まれた子は、民法772上の嫡出推定は受けないが、出生と同時に嫡出子の身分を有することを認めるに至ったという判例がある。これらの場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。しかし、親子関係を安定させるために、原則として、夫のみが、子の出生を知った時から1年以内に限り、嫡出否認の訴えを提起することが許されている。訴えの相手方は、子または親権を行う母である。

非嫡出子は、民法では、779条より「嫡出でない子は、その父または母がこれを認知することができる」と規定している。認知には、自発的に親子関係を認める任意認知と、裁判によって成立させる強制認知がある。任意認知は、親の意思に重点があり、強制認知は、生理的に親子であるとの事実が重視されている。1942年の民法改正により、父の死後にも認知(死後認知)の訴えをすることが認められた。しかし、同時に死亡の日から3年以内に限るという制限がつけられている。死後認知は相続財産争いの手段とされることが多いから、たとえば、任意認知に対する承諾を拒否していた子が、父の死亡後に一転して認知の訴えをするようなときは、認知請求権の濫用として排斥することも考えられる。認知の効力は、出生の時に遡って生ずるから、子は出生時から認知者との間に親子関係があったことになる。そして最近では、生殖補助医療を受けて誕生した人工授精・体外授精の親子が、日本を含めアメリカやイギリス等で存在している。人工授精とは、妊娠を成立させるために人工的に男性の精子を女性の生殖器官内に注入する医療行為であり、夫の精子を用いる配偶者間人工授精(AIH)と、提供者の精子を用いる非配偶者間人工授精(AID)がある。これに対して、精子と卵子の授精を試験管の中で行わせ、受精卵の分割を待って女性の子宮または卵管内に移植して妊娠を成立させ、分娩させるのが体外授精である。夫が死亡した後に妻が亡夫の保存精子を用いて出産したり、生理上の父母が死亡した後に、残存していた胚が代理母に移植されて子が生まれたりすることもあり、法的な混乱が危惧される。そのため、生殖補助医療制度の適用についての法的規制が望まれており、また出生する子についても子の利益の観点から明確な法的地位が付与されるべきである。3003年に、生殖補助医療制度の整備に関する報告書が出されており、その内容として、@代理懐胎(代理母・借り腹)は禁止する。A精子提供者は満55歳未満の成人、卵子提供者は子のいる35歳未満の成人。同一人の提供は妊娠した子の数が10人まで。B精子・卵子の保存器官は2年、胚は10年とし、提供者が死亡した時は廃棄する。などの報告がされていた。卵子提供・胚提供の場合の親子関係について、他の女性から卵子の提供を受けた夫または第三者の精子によって授精させた後、妻の子宮に移植した場合は、分娩を基準として母子関係の発生を認め夫婦間の子として取り扱うべきである。20037月に、法制審議会生殖補助医療関連親子法制部部会中間試案は、精子・卵子・胚提供により出生した子の親子関係において、@卵子・受精卵の提供を受けて生まれた子の母は、出産した女性とする。A妻が精子・受精卵の帝京を受けて出産したときは、同意した夫を父とする。B精子を提供した男性は父にならない。意思に反して精子が用いられた男性は父にならない。という原則を提示した。

 

4. 親権の意義と内容

親権とは、成年に達しない子を監護・教育し、その財産を管理するため、その父母に与えられた身分上及び財産上の権利である。親権という言葉は、親の権利ないし権限・権威という言葉を想起させることから、親の側に視点をおいて構成された法律関係のようであるが、現在では、子のための親子法という親子法全体を通じる原理に従い、親権においても、子のための親権が求められている。そのため、親の権利というよりも、親の義務であるという捉え方がされており、親権と称するよりも親義務と表現すべきである、ということもいわれる。親権に服する子は未成年者である。ただし、未成年で婚姻した者については、成年として扱われるので、親権には服しない。

親権の内容として、親権を行う者は、子の監護・教育する権利と義務を負う。また親権者は、その法定代理人を行使するに際し、自己に利益となり、子に不利益となるようなことをしてはならない(利益相反行為の禁止)親権者と子の利益が相反する法律行為については、親権者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。また、親権者が数人の子に対して親権を行う場合において、その1人と他の子との利益が相反する行為については、その一方のために、特別代理人の選任を求めなければならない。利益相反行為となるかどうかの判断は、客観的にみて、親権者にとっては利益となり、子にとはっては不利益になるものであるかどうかである。これは形式的判断説といわれる。これに対し、親権者が利益を受ける一方で、子の利益を行使するに実質的に侵害するような行為は利益相反とするべきであるとする、実質的判断説も有力に主張されている。形式的判断説に関しては、親権者の法定代理権濫用と民法93条但書において、親権者が子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は、利益相反行為にはあたらないとしている。しかし、それが子の利益を無視して自己または第三者の利益を図ることのみを目的としてなされるなど、親権者に子を代理する権限を授与した法の趣旨に著しく反すると認められる特段の事情があり、親権者による法定代理権の濫用に当たる場合には、相手方がその濫用の事実を知り、または知りうる時に限り、民法93条但書の類推適用によって、その行為の効果が子に及ばないものと解せる。また、利益相反行為にあたる行為を親権者が法定代理人として行ったときは、無権代理行為となる。したがって、子が成年に達した後に追認しない限り、無効である。

親権において一番問題となっていくのは、離婚後の親権の決め方である。離婚する夫婦に未成年の子供がいる場合、子供の親権を持つ親権者が誰になるかは、夫婦が離婚する前に決めておかなければならない。夫婦間に争いがなく協議離婚した場合でも親権者を決めて記入していなければ、役所は離婚届を受理してくれないので離婚は成立しない。夫婦が協議離婚する場合は、父と母の話し合いによって親権者を決める。話し合いで決まらない場合は、調停で決める。調停で決まらない場合は、家庭裁判所で決める。という流れになっている。

 

5. 判断能力の十分でない者を保護するための制度

制限行為能力者のための保護制度として、後見・保佐・補助がある。後見とは、成年者が通常備えているべき判断能力を欠く者のために開始されるもので、法定代理人としての後見人わ、本人に付け、本人に代わって法律行為を行わせることで本人の利益を保護するための制度である。後見には、親権を行う者がいない未成年者のために開始される未成年後見と、事理弁識能力を欠く者のために家庭裁判所の審判によって開始される成年後見の2種類がある。

まず、未成年後見について説明する。未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で未成年後見人を指定することができる。親権者が管理権を喪失した時も同様である。指定後見人がいないときは、家庭裁判所は、未成年後見人またはその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。また、未成年後見人は、未成年者の身分監護につき、親権者と同一の権利義務を有する。財産管理・法定代理権についても親権者と同様の権利義務を有するが、親権者とは異なり、善良なる管理者としての注意義務(善管注意義務)を負い、後見監督人及び家庭裁判所による監督を受ける。

成年後見人については、精神上の障害により事理弁識能力を欠く状況にある者につき、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官らの請求により、後見開始の審判を行い、成年後見人を選任する。

次に、保佐について説明する。保佐は、保佐開始の審判によって始まる。保佐人は、被保佐人が借財または保証をすること、不動産その他重要財に関する取引、相続の承認・放棄または遺産分割、新築・増改築など、一定の重要な取引等を行う際に、同意を与える権利(同意権)を有する。また、保佐人には特定の法律行為についての代理権を付与することができる。代理権の対象となる特定の法律行為は、同意権利の対象となる事項に限定されない。保佐人の代理権は、取消権及び家庭裁判所による保佐人の同意に代わる許可制度とあわせて、新制度で導入されたものである。

最後に、補助について説明する。補助も、補佐と同じように補助開始の審判によって開始する。補助人は、特定の法律行為についての同意権または代理権を付与される。代理権の範囲についてはとくに制限はないが、「特定の法律行為について」の代理権であるから、財産管理一切という決め方では不十分である。同意権の範囲については、保佐人における要同意事項の範囲内で、その一部のものに限られる。

未成年後見人、成年後見人と並んで、任意後見人が存在する。任意後見の制度として、任意後見契約というものがある。これは、任意被後見人として保護を受ける者が、任意後見人となる者に対し、自己が精神上の障害により事理弁識能力が不十分な状況に陥った場合における、自己の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務の全部または一部を委託し、その委託にかかる事務について代理権を付与する契約である。なお任意後見制度にはメリットな点とデメリットな点がある。メリットとしては、@本人の判断能力が低下する前に契約するから、本人が自由に任意後見人を選べる。A契約内容が登記されるから、任意後見人の地位が公的に証明される。B家庭裁判所で任意後見監督人が選出されるから、任意後見人の仕事貢献度を確認できる。

一方、デメリットとしては、@死後の処理を委任することができない。A法定後見制度のような取消権がない。B財産管理委任契約に比べ迅速性に欠ける。というようなことがいえる。

 

6.まとめ

親族法の授業ではこれまでに、夫婦関係、親子関係、親権等について扱ってきた。私は、この授業で事例を学んでいく度に、考え方の範囲が広がっていった。授業を通じて私が最も気になったのが、結論でも述べたように、親権の決め方を変えた方がよいのではないかということである。審判や訴訟においては、子供が15歳以上の場合、子供に意見を聞くことが原則であるが、調停や家庭裁判所に至らせることなく、子供の意思や利益をより強化させてもよいのではないかと思った。たとえば子が10歳なら10年間父母の間で育てられてきたわけだから、その段階であれば父母のことを一番理解しているのは子であるから、親権を決めるのは父と母のことを最も理解している人が決めるべきだと考えた。よって私は、結論のようなことを述べた。

 

参考文献

民法親族・相続第5

民法W 補訂版 親族・相続

デイリー六法2018