中山遥加
社会保障法「社会保障と栄養」
17L409019
中山
遥加
1. 結論
高齢者を中心に国民の健康促進に取り組み、誰もが健康なまま生涯を全うできる社会をつくるべきである。
2.その理由
⑴はじめに
2019年現在、我が国日本における累積債務は約1,200兆円にも及んでいる。それは第一に社会保障にお金がかかりすぎている事に起因するものである。
事実、年間約120兆円もの金額が社会保障費に充てられており、そのうち約40兆円が医療費に、約10兆円が介護費用に使われている。
日本がこのように債務漬け状態に陥っているのは、少子高齢化や社会保障費の増大などが主な原因としてあげられるが、このような少子高齢化社会は200近くある世界の国の中でも他に例がなく、対処するための答えがない状態なのだ。
そもそも社会保障は、医学・法律・経済の3つの分野から成る。しかしその全体図を把握している人は少なく、合成の誤謬が生じてしまっている状況といえる。
これが社会保障にお金がかかりすぎている原因の一つにあげられるが、これを多角的な視点からフォーカスして、今後の日本の社会保障はどうなっていくべきかを述べていきたい。
⑵負担を強いられる若者と制度の破綻
はじめに述べたように、現在の日本では少子高齢化が喫緊かつ最大の課題として取り上げられている。そのため、今後もかなりのペースで高齢者は増え続け、社会保障費はさらに増大していくことが予想される。
まず、今現在の社会保障制度はどのようなものになっているのであろうか。
現在の社会保障は年金・医療・介護の3本の柱で構成されており、その制度は保険料や各種税金などの「国民が納め、国民から集めたお金」で成り立っている。
つまり今の社会のままでは社会保障費が増大するだけにとどまらず、更に社会保障を支えるはず若者も減ってしまい、必然的に数少ない若者に非現実的なものすごい額の社会保障費負担を強いらないと破綻しまう世の中がやってくるのである。
しかし悲しいことに、若者にしわ寄せがやってくる社会は既にじわじわと到来していて、例えば年金に関していえば、「65歳以上の老年人口1人を、15歳から64歳まで現役世代何人で支えるか」という資料〔1〕を[i]みると
1960年には11.2人で支えられていたものが、1980年には7.4人、2000年には3.9人、資料中で現在に最も近い2020年で2.2人、そして2050年にはなんと1.5人にまで減ってしまっているのだ。平成14(2002)年1月推計のもののため少々古いデータに感じてしまうかもしれないが、それでもこの減少ぶりは目に余るものである。
このままだと2100年を迎える頃には支える若者が0人になり、数字上でも明確な破綻を起こしてしまう。
その前にも、2050年の段階でほとんど1人で1人の高齢者を“おんぶ”のように支える時代がやってくるし、ほとんど現在ともいえる2020年だってたったの2.2人で1人を支えているのである。
また最近、いささか気になるニュースが飛び込んできた。
老後は毎月平均5万円の収支不足が生じ、老後から30年の人生があるとすると単純計算で2000万円が必要となる。という内容のものである。
このニュースを聞いて、私は驚いたし酷く落胆した。およそ2人で1人の高齢者を支えなければならない時代に更に自分の老後のための2000万円も貯めなければならないのかと。それは現在の社会を取り巻く状況ではとても難しく、あまりにも現実的ではない。
そうして私は確信した。我が国日本の年金制度はもう既に事実上の破綻を迎えているのではないか、そして社会保障制度もそう長くないうちにパンクしてしまうのではないかと。
⑶社会保障を持続させるためには
さて、そんな状態の社会保障をどうにか持続させるにはどうすれば良いか。
そもそも日本は現状、低負担低福祉に近い社会福祉の構造をしている。〔2〕国としては低負担高福祉の社会福祉構造を目指しているようだが、今の称し高齢化が激しい日本の構造上、現状それは不可能に近いのである。
そして、高齢者と若者の医療費の比較〔3〕を見てみると、若者のかける医療費が18.6万円なのに対して、高齢者(ここでは75歳以上の後期高齢者を指す)は86.5万円もの医療費を使っているのである。その差はなんと4.7倍であり、これだけでも高齢者が多額の医療費を使い込んでいることがよく分かるのではないだろうか。
少子高齢化は一朝一夕では解決することが出来ない。ならばまず先に医療・福祉にかかるお金を、とりわけかかる金額が多く、この先も増え続ける高齢者の医療にかかるお金を抑えていくのが先決なのではないだろうかと私は考える。
もちろん、医療・福祉が必要になった者を見捨てていくわけではない。医療・福祉を受ける高齢者の母数を減らしていくべきなのである。
すなわち私は、高齢者が末期医療に長々とお世話にならず、生涯を終えるまで大きな病気を患うことなく健康なまま寿命を迎えることができる、いわゆる「ピンピンコロリ」が当たり前になる社会をつくることが一番初めにするべきことであると思うし、
しかもそれは長きにわたって重要になる事なのではないかと考えている。
⑷ピンピンコロリを成すために_三大死因へのアプローチ
先の章で述べたピンピンコロリが当たり前の社会をどうやって作り上げるかについてだが、1998年の日本人の死因を見てみると上位3つは1位から順に、ガン・心疾患・脳卒中となっている。〔4〕まずはこの3つをどう減らしていくかが大きなテーマになっていくが、ガンと心疾患・脳卒中では根本的に起こり方も対処法も全然違うものになっている。
まずはガンから見ていくが、ガンとは遺伝子変異によって発生する悪性細胞が増殖し
体内を転移することで起こってしまう悪性腫瘍のことである。
私たちの体は本来、抗原抗体反応(マクロファージによる情報伝達、T細胞の攻撃による免疫)によって発生してしまったがん細胞を排除している。
しかし生活の乱れ、加齢などの原因によって免疫が弱まった状態。もしくはがん細胞によって免疫の働きにブレーキがかかった状態になると私たちの体はがん細胞を異物として排除しきれなくなる。その結果引き起こされてしまうのがガンなのである。
風邪やウイルス性の病気と違ってほとんど発生の予防のしようがないし、誰にでもガンに侵される可能性はある、しかも薬や予防注射のような特効薬も開発されていない。
そんなガンであるが、唯一効果を望まれているのが免疫療法である。
T細胞を活性化し、免疫本来の力を回復させることによってガンを治療するといったものである。
残念ながら現在はまだ発展途上の治療法で100%の有用性を認められている訳ではないが、ガンによる死亡者数を少しでも減らすべく今後の研究の発展を望みたいところである。〔5〕
次に、心疾患・脳卒中についてだが、この2つは生活習慣病との関わりがとても大きいものになっている。
生活習慣病とは、その多くが不健康な生活の積み重ねによって内臓脂肪型肥満になり、これが原因になって引き起こされるものであり、
予防するためにはバランスの取れた食事・禁煙・日常生活の中での適度な運動が必要である。〔6〕
特にジョギングなどの有酸素運動は体内の余剰脂肪を燃やすのに非常に効果的で、筋トレなどの無酸素運動と併せて大変理想的な「成功するダイエット」を成すこともできるのである。
現代を生きる私たちは、その生活の便利さからどうしても運動不足になりがちである。
そのため、現在日本では健康日本21というスローガンを掲げ、官民をあげて国民の健康的な生活を推進している。これは1964年に始まった国民健康づくり運動の中の1つであり、東京オリンピック対策に始められた第一次・Active20 8020運動の第二次・そして現在の第三次と歴史を重ねているものである。
ちょうど2020年に再びの東京オリンピックを控えている今、また健康づくりに力を入れるべきなのではないだろうか。
そして健康日本21では、健康寿命を延ばす・生活習慣病対策などを活動の主軸において、具体的にいうと国民への特定検診の推進や特定保健指導を行っている。
また、運動はすべての健康の母ともいえるものである。
そのため、運動代謝/基礎代謝の値をMets(Metabolic Equivalents)と定義付けし、日々Metsの大きい生活をして健康に過ごすように分かりやすい目安も提唱している。
このようにして、もはや国民病ともいえる生活習慣病患者を減少させようという動きは非常に盛んに行われている。
⑸ピンピンコロリを成すために_認知症へのアプローチ
日本人の三大死因について述べてみたが、今度は死因とは別に、生きていながらも社会保障の観点から非常に悩ましい疾患を述べるとする。
それは認知症についてである。
高齢になるにつれ脳がボケてしまい、倫理観の消失・記憶障害・幼児退行寝たきり・徘徊などを主な症状とする症候群のことを指す。
ピンピンコロリの反対語に「ネンネンコロリ」という言葉もあるらしいが(寝たきりで長く生きる状態のこと)まさにその言葉の通りになってしまうのである。
さらに認知症はその性質から介護の大変さが目立ち、患者を取り巻く家族が患者を老人ホームや介護施設に入れてしまうパターンが後を絶たない。
そういった施設を利用するのは全く悪いことではないのだが、死亡場所の推移〔7〕を参考にすると2009年時点で病院が78.4%・自宅が12.4%・老人ホームが3.2%。以上が死亡場所の上位3つになっている。統計を開始した1951年と比較すると、病院が9.1%・自宅が82.5%で現代と数値が完全に逆転してしまっているのである。そしてこの高齢者の増加と合わせて考えてみると、病院や高齢者向けの施設がどんどん不足していくのは明らかである。こういった施設を造るのにも社会保障費は活かされているが、これは少々勿体ないと思わざるを得ない。
日本には約300万人もの認知症患者がいるとされているが、そもそも認知症患者を減らすにはどうすればいいのか。
認知症は脳内のメカニズム異常によって起こされる症候群で神経伝達物質の減少、もしくは伝達が上手くいかなくなると引き起こされるとされる。
また、脳内の情報伝達が行われる際の要になっているのがミネラルであり、認知症対策の一つにはミネラルの十分な摂取が必要なのではないかという研究結果が出ている。
ミネラルは人間の体を健康に保つために必要な五大栄養素の一つに含まれるが、正しい栄養素の摂取によって判断能力の低下を防げるのである。
やはり認知症の防止には、ミネラルを中心にしっかりと栄養の取れた食事をし、十分な運動と睡眠、更には学習や脳トレで脳を衰えさせないことが重要とされると言えよう。
またこれは、認知症だけに限らず多くの疾患の予防に同じことが言えるのではないだろうか。
事実、昨年大往生した私の祖父は麻雀が大好きで、早寝早起きにしっかりとした食事と日課の散歩は常に守っていた。そのおかげか、生涯を終えるまで認知症の兆しなども見えなかったし、末期医療のお世話にもほとんどならなかった。
最後のお見舞いで交わした言葉が「元気になってまた麻雀しようね!」であったほどである。
⑹おわりに
どうすれば社会保障費を削減し、日本の社会保障を持続させることが出来るかを第一に考えてきたが、やはり何をするにも根本的には健康的な栄養バランスの取れた食事と、適度な運動が非常に大切なのだと痛感した。
そして、今後のわが国の医療・福祉の目的は「現在の疾患を治し健康になる。」から「将来のことも見据えた病気の予防。」にシフトチェンジしていくべきだと思う。
そしてやはり、末期医療にあまり頼らず病院や高齢者向けの施設の利用もそれほど利用しなくていいように、ネンネンコロリではなくピンピンコロリを。
人生100年時代の到来と言われているが、末期医療に頼ることなく生涯を終えるギリギリまで健康でいてほしい。
そして日本は世界有数の長寿国であるが、健康寿命を延ばして真の長寿国になってほしいということを願ってやまない。
(以上。 4916文字)
参考資料・出典
・厚生年金・国民年金増額対策室
http://www.office-onoduka.com/siru_seido/ss0701.html(最終閲覧日:7月30日)
〔1〕
引用元
・国立がん研究センターがん情報サービス 免疫療法
まず、知っておきたいこと
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu01.html(最終閲覧日:8月1日)
〔5〕引用元
・厚生労働省ホームページ 生活習慣予防
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu/seikatusyuukan.html
(最終閲覧日:8月1日)
〔6〕引用元
・社会保障のイノベーション(中江章浩著 2012年 信山社)
〔2〕(図13) 〔3〕(図99) 〔4〕(図144) 〔7〕(図95) 引用元
・社会保障法 講義ノート
金森琢磨【社会保障と栄養】 16j101023 金森琢磨
キーワード: 認知症、ミネラル、神経伝達物質、抗原抗体反応、健康日本21、特定保健指導、生活習慣病、有酸素運動、末期医療
結論
国民は生活習慣を見直すとともに、自身の健康に関心を持ち、国は国民に対してもっと関心を持たせるようにする努力が必要で、小さなことからでも社会保障制度を見直しかえていく必要かえていくがある。
人の体に必要な栄養とは
人の体を動かすためには五大栄養素というものが必要不可欠だ。五大栄養素はタンパク質、脂質、炭水化物、無機質(ミネラル)、ビタミンの5種類で、それらを食事から摂り、エネルギーに変えることで、正常な機能を果たす。
(最近では食物繊維が加わり6大栄養素とも呼ばれる)
五大栄養素には、
タンパク質…筋肉や骨、歯、血液、髪などを作る
脂質・炭水化物…運動エネルギー(力や熱)になる
無機質・ビタミン…身体の健康状態を整える
といった大きく分けて3つの働きがある。
無機質(ミネラル)の役割
体を動かすことにおいて、五大栄養素はすべて大事なものだが、すべて書くと長くなってしまうので、キーワードにあるミネラルについて見ていく。
ミネラルというと、貧血の原因であるヘモグロビンの成分の鉄や、骨と歯の材料となるカルシウムを思い浮かべるだろう。それだけではない、ミネラルは、社会保障を語るうえで避けては通れない生活習慣病と関係しているのだ。
まず、上段でもあげた骨に関する骨粗鬆症、骨軟化症や、高血圧、動脈硬化、糖尿病、さらには認知症、ざっと上げただけでもこれほどに効果を及ぼしている。
骨系統や血液系統はカルシウムや鉄で理解はできる。しかしなぜ脳にまで影響を及ぼすのかみていく。
なぜ脳や神経にまで影響を及ぼすのか
私たちの生命活動は、無意識に働いている自律神経や、意思とは反して動く運動神経などによってコントロールされている。これらの神経は、多くの神経細胞の集まりで、細胞から細胞へと「情報伝達」を行っている。
ミネラルは、体液中ではイオン化(電気を帯びた状態)して存在している。体外からの刺激(光・熱・圧力など)が加わると、細胞内外の電極バランスが変化し、僅かな電気が発生する。この電気信号によって「神経伝達物質」という化学物質が放出され、細胞から細胞へと必要な情報を伝達している。そのため、運動神経の支配を受ける骨格筋も、ミネラル不足の状態では機能を正常に保つことができなくなる。
つまり、ミネラルは情報伝達の要というわけだ。
そのため、認知症や精神疾患に効果がある。またこれは、高齢者だけの問題ではない。現代では、自閉症やうつ病といった若者の心の病が多くみられる。これらにも ミネラルの効果がある。
ミネラルは体内で作り出すことができないので、食事で補うしかない。主にミネラルを含むものは、乳製品や小魚、野菜などがあげられる。海外からの食べ物が入ってきたことにより、昔と比べ、現代ではこれらが食卓に並ぶことが少なくなっている。また、インスタントやレトルトの存在も忘れてはいけない。加工食品の多くに、リン酸塩というものが含まれています。リンはもちろんミネラルだが、
現代ではむしろ、過剰摂取が問題になっている。大事な栄養素だからと言って、 多くとるのが正しいわけではない。多くとりすぎると、カルシウムの吸収の妨げになってしまうのだ。加工食品は、簡単で現代の社会には、必要不可欠だが、 バランスを見ながら、食べなければいけない。そういった食事がとれない場合、サプリメントで補うのも一つの手段だと考える。
病気にかかりにくくするには
社会保障費を抑えるために、まず初めに思いついたのが、「病気にかからなければいい」ということだ。そうすれば必然的に社会保障費は減るだろう。
では、病気にかかりにくくするには何が必要だろう。
まずは、免疫力が大切だ。
免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなるだけでなく、がんなどの病気を発症するリスクも増えてしまう。
また、免疫細胞を活性化させるためには、たんぱく質が必要だ。
このたんぱく質が体に入ってくる細菌やウイルスに抵抗して、感染させるのを防ぐ抗体となる。
B細胞が作るY字型のタンパク質は、Yの形の先に、病原体の抗原がぴったりとはまるようになっている。このように、抗原と抗体が結合することを、「抗原抗体反応」という。
抗体は、抗原抗体反応によって病原体を排除する。
ただ、タンパク質だけを取ればいいというわけではない。
ヨーグルト、漬物、味噌といった発酵食品や、食物繊維、オリゴ糖は、免疫を担当する細胞のバランスを改善をし、酪酸菌は、酪酸を生成して腸の粘膜を修復、免疫機能を高める。またポリフェノール類、青背魚に多く含まれるEPAなどのn-3系不飽和脂肪酸も、炎症を抑えることなどで、腸における免疫力に大きくかかわっている。
またコレステロールも、古い細胞から新しい細胞に入れ替わるのに必要だ。
つまり、食事。上段のミネラルのところでも書いたように、バランスのとれた食事が大切となってくる。
ただ、食事だけが問題ではない。運動や睡眠、飲酒やたばこ、またストレス
など多くの要因が病気にかかわっている。
そのため、国民の健康づくりを目的に、厚生労働省が実施している運動が『健康日本21』だ。
次に、その健康日本21を見ていく。
健康日本21とその問題点
日本の平均寿命は、戦後、生活環境の改善や、医学の進歩 により急速に延び、いまや世界有数の長寿国となっている。
このような人口の急速な高齢化とともに、食生活、運動習慣等 を原因とする生活習慣病が増え、その結果、痴呆や寝たきりな
どの要介護状態になってしまう人々が増加し、深刻な社会問題 ともなっている。少子高齢化社会では、疾病の治療やこれら を支える人々の負担の増大も予想される。 そこで、21世紀の日本をすべての国民が健やかで心豊かに
生活できる、活力ある社会とするために、従来にも増して、健 康を増進し、発病を予防する「一次予防」に重点を置く対策を 健康日本21という。(別名「21世紀における国民健康づくり運動」とも呼ばれる)
いくつかの内容の中で私が興味を持ったのは、特定健診と特定保健指導だ。
この制度は2008年4月より始まり、40歳〜74歳までの公的医療保険(国民健康保険等)加入者全員を対象とした保健制度だ。この取り組みは、個人に関しては自覚のない病気や生活習慣病を未然に予防できるとともに、検診後の保健指導で、健康改善やダイエットのサポートを受けることができるといったメリットがあり、国に関しても、国民全員が健康になることで、保険料値上げを防ぐことができるメリットがある。また、多くのデータを得られることから、今流行っている病気や症状をいち早く発見できることもメリットいえる。
しかし、この制度もまだまだ問題があると考える。
まず最初に、受診率に問題がある。平成27年度の特定健康診査によると実施率は50.1%となっている。これでは制度として定着しているといえない。また、母数が少ないため、先ほど挙げたメリットの、データを取って蓄積するといったメリットが薄まる。
この問題は制度として国民に知らせることがうまくできていない国も悪いといえるが、言い換えれば、国民の健康への関心が低いともいえる。
もう一つの問題は年齢だ。40歳からと聞いて真っ先に思ったのが「遅すぎではないか」ということだ。
今や生活習慣病の問題は高齢者だけの問題ではない。若者の生活習慣病も増えている。
この問題の改善案として20歳、25歳といった節目節目に検診を実施するとより早期発見につながると考える。
最後はペナルティの存在だ。私は何らかのペナルティを科すことは、必要とならば賛成だ。しかし今のペナルティは後期年齢支援金に10%の課徴金が上乗せされるという
大変分かりづらい内容となっており、正直言ってそんなことを行っていることを知らなかった。ペナルティを科すならばもう少し有効に使ってほしい。個人にとっては、ペナルティを受けている実感がわかないのに対し国からペナルティを受けた市は大打撃となる。
いろいろ問題点を挙げてきたが、おおむね方向性としては賛成だ。
ここの問題は、国側の問題もあるが、関心が低い国民にも問題があるといえるそういった、意識改革が重要だと私は思う。
このようにして、国民が健康増進していますが、いずれ人である限りは死んでしまう。その最後の医療である末期医療について見ていく。
末期医療の在り方
今後、医療が発達していったとしても治らない病気は数十年、数百年と存在し続けるだろう。
そうした場合、薬を投与し続けて延命するか、日本安楽死を禁止していますから、薬の投与をやめるかの二択になるでしょう。この問題についてインターネット調査が行われていたので
それをもとに話していく。
まず、『あなたが終末期になったと想定してください。その場合、どこで最期を迎えたいですか。』
という質問
『自宅で最期まで療養したい』が35.7%と最も多く、次いで『医療機関に入院して最期を迎えたい』が27.8%となっており、最後は自宅で死にたいと思う人が多いようだ。『自宅だと家族に迷惑がかかる』という意見もあったので、本心も含めれば
自宅で死にたいと思う人の割合がより多くなるだろう。
次に、『問1のような状況の場合、治療によって生活の質が下がるとしても、とにかく延命を最優先することを目的とした治療(ここでは延命治療と表記します)を望みますか。』という質問90%
『延命治療を望まない』が64.8%と最も多く、次いで『どちらかというと延命治療を望まない』が25.1%、『わからない』が6.2%、『延命治療を望む』が4.0%で、『延命治療を望まない』『どちらかというと延命治療を望まない』を合わせると、89.9%。程度はあれど約90%もの人が延命治療を望んでいなかった。
次に、『あなたの家族(子供は除く)が終末期にあると想定してください。その場合家族(子供は除く)への延命治療を望みますか。』という質問
この結果はかなり驚いた。『延命治療を望まない』が42.3%と最も多く、次いで『どちらかというと延命治療を望まない』が36.1%、『わからない』が11.0%、『延命治療を望む』が10.6%。
『延命治療を望まない』『どちらかというと延命治療を望まない』を合わせると、
78.8%。自分の場合でなく家族の場合でも、約80%が延命治療を望んでいなかった。
インターネット調査で、母数も1,602人と、あまり多くないので鵜呑みにはできないが、ここまで多くの割合の人が延命治療を望まないのであれば、今、日本で禁止にとされている安楽死制度についても、少しずつ検討していくべきだと思う。
やはり、『死』というものは繊細な問題であるため、議論しづらいとは思うが、
当事者またその家族でさえ延命治療を望まないのであれば、一つの安心の要素として安楽死ができる選択肢を作ってあげるのは悪い判断ではないと思う。
最初は、冷たいように感じられるがこれによって、個人でも国でも医療費に割く割合が低くなるだろう。
私見
現代では情報社会となり、仕事は家のパソコンがあればできるものもあり、食べ物や生活用品もネット通販で買えて、家まで届けてもらうことができる。極論、家から一歩も出ることもなく生活ができてしまう。
こういったよくない生活習慣を正すために問題は多くあるが健康日本21はいい指標になっているといえる。これがなければメタボという言葉すら認知されなかっただろう。
もし運動したくない、どうしても出来ないという場合は日々の生活で
ついでにすることを心掛けてほしい。無酸素運動は100メートル走や重量挙げのように急激に力を発生させる運動のため日常生活に取り入れるのは難しいですが、
会社や学校、買い物に行くにも、車をできるだけ使わないことや、階段をできるだけ使うようにするだけで、その過程で運動をすることができる。歩くことや自転車に乗ることは、立派な有酸素運動といえる。そういった意識改革が必要だ。
また個人だけでなく、企業や会社もそうした取り組みをもっと積極的に行ってほしい。激しい運動を取り入れるのではなく、準備運動やストレッチを行うなど、
小さいことから意識改革を行ってほしい。
現在日本は多くの借金を抱えている。今や公債の残高は約1000兆円となっている。
私はこれを聞いても額が大きすぎてあまり実感がわかなかった。ましてや、日本を安全な国だと信じ切っていたのだ。今は金利が低くて助かっているが、もし日本の国債は安全ではないと国民が判断すれば国債の金利が上がり、借金の利息が膨大に増える。1%上がるだけで100億円も…、しかしそれを日銀が買い取っている。
日銀が国債買入オペを行い、金融市場に資金を供給することで成り立っている。
これは決して安心なものではない。何かしらの出来事や災害ですぐに揺らいでしまう。このままの状態ではどんどん日本がまたもし危険な状況に進んでいく未来しかないと断言できる。私は、学がないので改善する方法は消費税をスウェーデンやデンマークのように上げるぐらいのことしか考えがることはできない。またもしこれをするとしても長い年月がかかるだろう。ほかの案があったとしても、一朝一夕に解決する問題ではなくどちらにせよ長い年月がかかるだろう。その解決へ向かう猶予を増やすために、小さいことから見直していく必要があると考える。
本文文字数 5393文字
参考
社会保障のイノベーション/中江章浩
厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/
Wikipedia
https://takuhai-shokuji.jp/godaieiyouso/
https://www.arealink.org/water/mineral.html
https://kenkoujien.com/mineral/sick-10.html
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/160.html
https://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/tv/seibutsukiso/archive/resume028.html
https://www.yakuzaishi-kyujin-job.com/index-254.html
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenfuku/shuumatsuki/survey-h26.html#d
Windows 10 版のメールから送信
小野将輝
私は社会保障を一から考える必要があると思い、そこには栄養が関わってくると思う。
それについて概要を含め理由を説明していく。
1.
社会保障とは何か
社会保障とはいわゆる私生活の救済の役割を果たしている。病気やケガは勿論、老齢や障害、失業という生活や仕事の障害が生じたとき、個人ではなく人々が相互的に支えあい、それでなお支えきれない場合に生活を手助けするのが生活保障という制度である。その中でも「社会福祉」、「公的扶助」、「社会保険」、「公衆衛生」の大きな四つに分けられそこからまた分岐する。
2.
栄養とは何か
栄養とは生物が外部から物質を摂取⇒代謝⇒排出という過程でエネルギーを獲得し生命維持をしている。外部から摂取する物質に含まれる様々な成分を栄養素という。この栄養素は、「糖質」「脂質」「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」の五つに分けることができる。
3.
生活習慣病
ここからはなぜ社会保障と栄養が関係するかを説明していく。
現在の日本人の死亡割合の多くは「脳卒中」「心疾患」「がん」の三つでありすべてが生活習慣病である、という共通点が存在する。これには社会保障の社会保険に含まれる、医療保険が関わってくる。医療保険は国民皆保険、国民健康保険以外にも75歳以上が全員加入する後期高齢者医療制度、特定健康診査・特定健康指導や健康増進事業も展開している。
他には「健康日本21」も少子・高齢化社会において健康で活力のあるものにするために生活習慣病などを予防し、壮年期死亡の減少、健康寿命延伸を目標として、国民運動をする団体も存在する。
そもそも生活習慣病にかかりやすい人間というのはどういうものか、原因を探る必要がある。生活習慣病の原因は大きく分けて三つあり、「遺伝要因」、病原菌やストレスなどの「外部要因」、食生活、運動などの「生活習慣要因」である。遺伝的な部分は先天的であるため、ほかの二つの要因を攻略していく必要がある。
「外部要因」を攻略するにあたって病原菌を体内に取り込まないようにする予防も大切だが、私はストレスをいかに溜め込まずに対処すべきだ、と考える。ハラスメントやブラック企業、2000万円問題など社会問題が増えるにつれストレスを感じる社会人も少なくない。またストレスは生活習慣病に限らず、多くの疾患の増悪因子になるとされている。ストレスは脳の大脳脂質前頭前野にも影響を及ぼす。前頭前野は特に進化した領域で大脳脂質の1/3を占めている。抽象的な思考に関する神経回路があり、集中力を高め、作業に専念させる役割、ワーキングメモリーとして働く。また精神の制御装置としての役割を担っており状況にそぐわない思考、行動を制御する。この神経の中枢は錐体細胞が大きなネットワークを介して働く。多々このネットワーク回路はストレスに弱く、脳全体にノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質が放出され、この濃度が前頭前野で高まると神経細胞の活動が弱まりやがて止まる。これを解消するために十分な休養、身体活動・運動を健康日本21は掲げている。日本もコーヒータイムを作るだけでストレス軽減に繋がるのではないか?
つぎは栄養の視点から考えていく。栄養によって生じる状態を栄養状態という。栄養状態には、欠乏、正常、過剰の三つがありそれらの状態を行き来している。栄養素の欠乏状態では感染症のリスクが増大し、過剰摂取では生活習慣病のリスクが高まる。
まとめると生活習慣病は三つの原因が存在し、それに対応できるように健康日本21が予防できる要項を立てている。この要項を私生活に取り入れることによって生活習慣病のリスクが低下していくと考えることができる。その中でも自分自身で実践できる、有酸素運動や正常の栄養状態でいることが大切になってくる。この要素は認知症の予防の一環になる。
逆に問題も生じている。生体は栄養ではなく異物と判断する体内が抗体や感作リンパ球を作り、再度侵入したときに抗原抗体反応を起こし無毒化するのだが、状況により生体に各種の傷害を与えることもあり、それをアレルギー反応という。これを回避するために食品衛生法施行規則により「特定原材料」としての表記が義務付けられている。一番は摂取しないことが基本だが、食物除去には労力がかかりストレスが生じやすいうえに、代用食品で栄養を賄う必要があり負担が増大する。ゆえに栄養摂取がストレスに転換されることもある。
4.
末期医療
生活習慣病の予防改善は様々な団体が呼び掛けクリアしていこうとしているが一、生活習慣病が進み死の淵に立たされたとき、延命するか残された時間を充実させるかという重大な判断が迫られる。現在、日本医師会は2つの考えを挙げていている。
l
近年、回復の見込みがなく死期が近いような末期がん患者に対して副作用の多い延命治療を行うよりも、患者のQOL、人間としての尊厳を尊重したケアを行うべきであるとする考えが起こってきた。しかし延命治療を望む治療を望む患者ではその意志を尊重すべきことは当然である。
l
近年、医療保険財政などの経済的観点から、老人医療費、特に終末期における医療費が問題視されているが、意志は、患者の生存権が侵害されることのないよう最善の医療を提供しなければならない。また、在宅で医療・ケアなどを通じて多様な看取りの形を考慮することも大切である。
末期医療は生活習慣病だけが原因でなく老人医療も同様の問題として掲げられる。特に高齢化が進む日本では年金と医療保険の総額が右肩上がりになっている。かつての死亡原因は主に感染症によるもので、医療の発展とともに減少されていたこと、人間の平均寿命が延びていることから年齢層の高い人間が増大した。このことから医療保険の負担がこれからも伸びていくと予想される。現在の状況のまま継続的に続けていけば個人の負担が増大してしまい財政が保てなくなる。医療保険だけでなく社会保障全体の財政を考えていく必要がある。また末期治療においては介護保険も問題になってくる。がんの在宅治療や超高齢者の認知症や老人ホームなどの介護施設などの利用が増えていくからだ。つまり年々形式が変わっていくにつれて現在の資金や状態では追いつかない状態にある。
5.
これからの社会保障の在り方
私は社会保障の現在の在り方ではなく時代によって変化させていく必要がある。背景にある少子・高齢化や国民の金銭的、精神的、身体的問題を考慮すべきだ。まず変えていく必要があるのは年金ではないだろうか。働き納めてきた公的年金は基本65歳から受け取れる。これは予測できないリスクを備えすべての人が安心して暮らせるように制度化したものである。しかし「2000万問題」が現在問題視されている。年金という存在もあるがそれでも最低2000万円は必要になってくる。リスクというものがすでに存在しているのに本末転倒である。すでに年金をもらえないというのに対して納める必要性がないのではないか。現時点で年金制度が廃止し納めていた分を全額返還し老後に対する資金運用の資本金に転換させ増やすお金するほうが良いのではないか。同時に貯金だけだはなく、増やすという面で副業や投資など収入源を増加し、失業などのリスクをコントロールするようにアナウンスしていく必要性が伴う。年金を廃止し、余ったお金を医療保険に展開させることが可能になる。その次に介護保険を変える必要がある。老人1人に若者2人のサポートだがこの人数も年々低下し若者の負担が増大する。私は老人が老人同士を支えあう施設を展開すべきだ、と考える。この考え方は老人の中でも体力のある人間が増加しているため、すぐにできるものではないが将来的に展開されていけば介護の人数が低下しても対応できる。その上何もしないわけではなく運動の一環にもなり、栄養のバランスが取れた食事がとれることで認知症や生活習慣病のリスクの低下にもつながる。
6.
まとめ
私は栄養と社会保障に関係性があると考えた。一概に社会保障とはいえ様々な機能が存在しそれを悪用するような人間も存在する。その人間にも処罰を下す必要があるがそれは法の管轄に当たる。現在の社会保障に根底にある問題というのは社会背景や自分自身が摂取しているものが大部分になる。それを解決するためにはまず政府からではなく個人から意識をもつ必要があり、それに伴い実践的に行動に移し対策をしていかなければならない。政府はそれに対し、インフラ整備を行い国民が生活習慣病にならないように金銭面や会社などによるストレス低下のためのサポートを行っていく必要がある。それにとどまらず、社会保障自体の見直しもこれから必要になってくる。年金制度廃止や老人同士が支えあい相互的に介護する社会が築き上げれば、間違いなく日本の社会は現在より緩い低下にとどまるであろう。しかしながらここから上昇に向けるためには第一に個々人の取得を大幅に上げる必要があり、老後ではなく次の世代に対する子供に向けての社会保障を発展させることで、少子・高齢化の脱却や生活水準の向上が見えるだろう。取得が増大になることで、格差社会はより幅広くなる危険性があるため生活保護の分野がより求められることになるだろう。曖昧である健康で文化的な最低限の生活という部分を正確に定める、いいきっかけになるだろう。さらに悪用している人間の摘発も可能になる。
この分野は理系の生物の分野と文系の社会や法律の二つの面を考えなければならないということで内容が大変難しくなっているが、私生活に大変密着している内容である。「政府のこと」という第三者的視点ではなくその社会に生きる一人の人間として、この社会問題を知り、自分にできる対策やサポート、意識を持ってない人間に対しての呼びかけを行い、日本という大きなフィールドで新しい社会保障の形態を考え、それが実現できる世の中になっていけばいいと思う。そのためにはまず自分自身が社会保障を一から考えていく必要があると私は思う。
7.
参考文献
中江彰浩 『社会保障のイノベーション』(2012),pp119-151
しるとぽと(最終閲覧日2019年8月1日)
https://www.shiruporuto.jp/public/emergency/accident/syakaihosyo/shosyo001.html
栄養の概念(最終閲覧日2019年8月1日)
日本生活習慣病予防団体(最終閲覧日2019年8月1日)
http://www.seikatsusyukanbyo.com/main/yobou/01.php
健康日本21(最終閲覧日2019年8月2日)
http://www.kenkounippon21.gr.jp/
日本医師会(最終閲覧日2019年8月2日)
https://www.med.or.jp/doctor/rinri/i_rinri/c01.html
馬場瑞穂
社会保障Tレポート
16K201020 馬場瑞穂
「社会保障と栄養」
結論:「人生100年時代」と言われている現代の日本で、健康的に長生きするためには、食生活や運動を意識して、生活するべきである。
1. 社会保障とは?
まず初めに社会保障制度について述べます。社会保障制度は、大きく4つの柱で構成されています。年金などでおなじみの「社会保険」、高齢者や障害のある人などの支援を行う「社会福祉」、生活に困っている人々を助ける「公的扶助」、人々の健康を維持するための予防や衛生環境を整える「保健医療・公衆衛生」です。日本では、この制度を存続するため、国民も社会的義務を果たすことを求められています。具体的には、社会保険料や健康保険料等の財源となるお金を支払うことで、制度の存続を支えることです。支払い能力(所得水準)に応じた保険料額の設定などにより、収入が多い人はより多くを負担して社会保障制度を支えているのです。この財源を元に、生活を支える各種保障が受けられます。また、日本の社会保障制度は、広い範囲に適用されています。例えば、高額医療費などのように、一定の金額以上の支払いが発生する場合には負担が軽減されます。医療保険に至っては、ほぼ国民全員の加入が法律で定められている。
社会保障制度の4つの柱である「社会保険」、「社会福祉」、「公的扶助」、「保険医療・公衆衛生」は、どのような場合に利用できるのであろうか。「社会保険」は、医療保険や年金保険に代表される制度です。病気にかかった際に病院へ行くと、健康保険に加入していれば、医療費の3割負担で診察を受けることが出来ますね。これは、残りの7割を自分の加入している医療保険(健康保険、国民健康保険等)が負担してくれているからです。このように、病気やケガ、出産、死亡、老齢、障害、失業などの際にも、一定の割合で社会保険の給付によって国民の生活水準の保障をしています。「社会福祉」は、高齢者や障害のある人、母子家庭などの生活をサポートする公的支援です。「公的扶助」は、生活が立ち行かなくなった人々に、経済的に最低限度の生活を保障し、今後の自立を助けるための制度です。「生活保護」はこの公的扶助に含まれます。「保険医療・公衆衛生」は人々が生活する上で、健康に暮らせるよう、さまざまな予防措置や衛生面を管理する制度です。
2. 国民の健康づくりが目的の「健康日本21」とは?
『健康日本21』は正式名称を「21世紀における国民健康づくり運動」といい、2000年(平成12)に厚労省によって策定されました。2003年には「健康増進法」が施行され、この法律に基づく国民の健康増進運動が『健康日本21』です。国民の健康づくりを促進する運動は、1980年代から始まっていました。「国民健康づくり運動」と呼ばれていたもので、1980〜1989年までが第1次、1990〜1999年までは第2次の運動となります。健康日本21はこれの第3次(2000年〜2012年)以降にあたるもので、2013年から現在は第4次、健康日本21の第2次です。健康日本21では、国民の健康づくりのため、「生活習慣病の予防」および「その大きな原因となる生活習慣の改善」を目的としています。我が国の少子高齢化の進展に伴い、壮年期死亡の減少や健康寿命の延伸などを目標に掲げた運動です。この目標を達成するためには、国民一人ひとりが正しい知識を持つ必要があります。そのうえで自ら意思による生活習慣の改善が求められるわけですが、『健康日本21』に賛同する関係団体も国民の健康づくりを支援するとしています。
健康日本21の、具体的な取り組みは以下の通りです。
●健康づくりの情報提供
厚労省ではさまざまな手段を用いて、『健康日本21』の健康づくりに関する情報を発信しています。国や自治体はもとより、企業、学校、病院、保健所などを通じて健康づくりに必要な知識の普及に進めています。
●食生活改善の環境整備
食事量や内容に関する知識の普及のほか、ヘルシーな食事が摂りやすい環境の整備を行っています。給食施設やレストランのヘルシーメニュー提供率のアップ、食品売場のヘルシー食材提供率のアップなどを推進しています。
●こころの病気への対応
経済環境や職場環境、都市環境、住環境がよりストレスの少ないものにするための取り組みを行なっています。自殺者の増加を精神保健の最重要課題のひとつと位置づけ、うつ病の早期発見や適切な治療への取り組みにも力を入れています。
●たばこ・アルコール
たばこに関しては喫煙率半減、未成年者の喫煙防止、非喫煙者の保護、禁煙支援を行なっています。アルコールも同様で多量飲酒の減少、未成年の飲酒防止、節度ある適度な飲酒に取り組んでいます。
●その他の取り組み
糖尿病や循環器疾患の予防のため、適切な身体活動や運動を推奨しています。併せて検診受診率の向上、医療機関へのスムーズな引継ぎ、ハイリスク患者へのアプローチなどの取り組みも行なっています。
3. 特定保健指導とは
特定保健指導とは、平成20年4月に厚生労働省が義務付けられた公的医療保険加入者全員(被保険者・被扶養者)を対象とした保健制度です。日本人の死亡原因の約6割を占めるのが生活習慣病です。その生活習慣病予防のために、40歳〜74歳までの公的医療保険加入者を対象に、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診のことを「特定健診」と呼びます。この「特定健診」の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、且つ、生活習慣の改善でこの生活習慣病発症リスクを抑えることが期待できる方に対して、健診・保健指導に関わる医師保健士や管理栄養士などによる生活習慣の指導サポートのことを「特定保健指導」と呼びます。特定健診は、生活習慣病予防のためにも1年に一度の受診が推奨されており、生活習慣の改善が必要な方は、特定保健指導を受ける必要があります。ちなみに「特定健診・特定保健指導」は、正確には「特定健康診査・特定保健指導」と呼び、時には「メタボ健診」と呼ばれたりもしています。
厚生労働省によると、特定保健指導には男性/女性と、年齢によってその基準が設定されています。基準項目としては、
● 腹囲
● 血糖
● 脂質
● 血圧
● 喫煙歴
などの項目をもとに基準が設定されており、これらの基準値が保健指導判定値を超えている場合に、保健指導の種類が判定されます。ただ、単純に基準値だけで判定されることはなく、最終的には医師がすべての検査項目の結果から総合的に判断し、保健指導とすべきか、医療機関への受領とすべきかを判定します。
特定保健指導の基本的な流れは、
@ 年次計画の策定
A 特定健診(特定健康診査)
B 特定保健指導の判定
C 特定保健指導
D 評価
の5つです。
4. メタボリックシンドロームを予防するミネラル
メタボ予防とされる栄養価の一つとしてミネラルが挙げられます。ミネラルの種類はたくさんありますが、どのミネラルが不足しても健康に影響があります。ミネラルの必要摂取量は微量ではありますが、人間の健康に大きく影響しているのです。
ミネラルの健康維持効果は、
・免疫力をアップさせる
体の免疫力や抗酸化力を向上させる効果があります。特に亜鉛は、細胞分裂に必要となり、不足すると免疫細胞の成長に影響を与えてしまいます。
・精神状態を安定させる
ミネラルは心の健康にも効果があり、カルシウムにはイライラを抑制する効果があり、カリウムには神経の興奮を抑える効果があるので、感情のコントロールをしやすくします。
ストレスに強い体作りにも役立ちます。
・筋肉の働きをスムーズにする
筋肉に効果のあるミネラルは多数ありますが、カルシウムがなければ筋肉の収縮を行うことができません。そして、マグネシウムは筋肉細胞内に取り込まれるカルシウムの量を調節しています。
・健康な血液にする
脂質の代謝に関係するクロムは、インスリンの働きを助け、血糖値の上昇を抑制して、糖尿病を予防する働きがあります。
などがある。
ミネラルのダイエット効果
脂肪燃焼・基礎代謝をアップ
カルシウムには脂肪燃焼を促進し、脂肪の吸収を抑制する効果があるとされています。
また、カルシウムにはイライラを抑える効果もあるので、ダイエットのストレスも軽減され、ダイエットを続けやすくなります。
エネルギー代謝を促進
リンはエネルギー代謝・脂質代謝に大きく関与するミネラルです。また、マグネシウムには基礎代謝を促進する効果があります。代謝が促進されると、脂肪が燃焼されやすく、太りにくい体を作ることができます。
ミネラルを摂取することと同時に、メタボ予防をするためには有酸素運動が挙げられる。有酸素運動とは、ジョギングやウォーキング、エアロビクスやサイクリングなどの長時間継続して行う運動のことを言います。有酸素運動は多くの酸素を取り込み血流によって体中に酸素を運びます。有酸素運動は軽〜中程度の負荷の運動を行い、心臓や肺機能の向上のほか、体脂肪や血中の中性脂肪などを減らす効果が期待でき、肥満や太り過ぎの人におすすめの運動である。
5. 高齢化と認知症
高齢化が進展する日本において認知症患者は年々増加しており、2025年には730万人にのぼると予測されています。高齢者の5人に1人が認知症、という時代は、目の前に迫りつつあるといえるでしょう。そのような状況で「認知症」は、医学的・社会的に重要なテーマとして注目を集めています。認知症は、病名ではありません。症状が集まった状態を指します。これを、医学用語では「症候群」といいます。「症候群」の考え方について、以下に説明します。"ある人が、くしゃみと鼻水がひどくなり、病院へ行きました。検査の結果、「かぜ」と診断されました。"この人の場合、症状は、くしゃみと鼻水です。「かぜ」と診断されましたが、専門的には「感冒症候群」といいます。いわゆる「かぜ」の症状が出ている状態をまとめていうものです。「感冒症候群」は症状の集まりですから症状が出ている原因を知る必要があります。インフルエンザウイルスが原因なら、特別な注意も必要です。ひとことで「かぜ」といっても、原因によって出やすい症状は異なります。似たような症状が出る、ほかの疾患もあります。たとえば、くしゃみや鼻水は、アレルギー性鼻炎でも出ます。アレルギー性鼻炎と「かぜ」では、治療が異なります。ですから、症状だけで判断し、治療するのではなく原因を知り、適切な診断が必要となります。認知症も同じです。ひとことで「認知症」といっても、原因となる疾患や症状はさまざまです脳の中では、たくさんの神経細胞がネットワークを組み、膨大な情報を伝えながら働いています。その情報を伝えるのが「神経伝達物質」とよばれる一群の物質です。アセチルコリンは、数ある神経伝達物質の中で、最も重要なもののひとつです。アルツハイマー型認知症の人が亡くなった後脳を解剖して調べたところ「アセチルコリンの活性が低い」ことが判りました。そこで、アルツハイマー型認知症の一連の症状は、脳内のアセチルコリンの活性が低くなったために起きているのではないかとの仮説が立てられ、コリンエステラーゼ阻害薬が開発されました。コリンエステラーゼ阻害薬の特徴は脳の中でアセチルコリンを分解する酵素の働きを抑えることにより、脳内のアセチルコリンの濃度を高める作用を持つことです。
また、アルツハイマー病モデルマウス及びヒトにおけるAβワクチン療法において、老人斑アミロイドが消失している部位では、Aβを貪食したミクログリア像が証明されました。この事実は脳内移行し老人斑アミロイドに結合した抗体が Fc 受容体を介してミクログリ アに貪食されていることを証明したものです。即ち、この抗原抗体反応によるオプソニン化の存在は、これまで、血液脳関門を容易に通過しないと考えられてきた抗体のごく一部がこのバリアーを突破し惹起することを示しており、アルツハイマー病の抗体治療に整合性を与える傍証となりました。
6. 超高齢化社会に突入した日本が準備すべき終末期医療
人の命には限りがあり、いつかは死という瞬間を迎えます。自分自身の最期のときをよりよく迎えるために、最近話題になっているのがエンディングノートなどを使った終活です。
終活にはお墓やお葬式、相続などがありますが、もうひとつ、準備しておきたいのが終末期のための医療費です。日本人の死因別死亡数を見てみると、上位3位が「悪性新生物」「心疾患」「脳血管疾患」となっており、何らかの病気が原因でなくなる方は64.7%と過半数を占めています。ここから分かるのは、多くの人が何らかの医療処置を受けながら最期のときを迎えるということです。人生の最終段階、いわゆる「終末期」を迎えた患者・家族に対する医療のあり方については、2007(平成19)年に厚生労働省が策定した「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」に、国としての基本姿勢が示されていることはご承知のことと思います。このガイドラインは、2015年に「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に名称が改められていましたが、今年(2018年)3月14日には「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に改訂されています。このタイトルが示すように、最新のガイドラインは、医療のみならずケアについても方針が明記されているのが重要なポイントです。加えて、改訂前のガイドライン(指針)は、病気や老衰などにより回復の見込めない終末期にある患者・家族に対する医療に関して、基本的には病院などの医療機関において活用されることを想定した内容となっていました。
しかし、策定から10年が経過した現在、人びとが望む「人生の最終段階を過ごす場」は、必ずしも病院などの医療機関ではなくなってきています。また、人生を締めくくるまでの時間の過ごし方や看取られ方、看取り方についても、人びとが考える「望ましいあり方」は、人それぞれ、実にさまざまに多様化してきていています。こうした現状に呼応できるようにと、2007年のガイドライン策定以来初めての見直し作業が、厚生労働省に設置された検討会で進められ、今回の改訂となったという経緯です。ガイドライン改訂の背景に、病院以外での看取りニーズの高まり厚生労働省がガイドラインの改訂に踏み切った背景には、「高齢多死社会」の到来という深刻な現実があります。現在私たちの国では、年間約130万人が亡くなっています。このまま進めば、ベビーブームの団塊世代が人生の最終段階を迎えるピーク時の2040年には、この数が今より30万人余り増え、168万人になると予測されています。これだけの数の人が、本人の意思とかかわりなく現状のまま病院で最期を迎える状況が続けば、病院などの医療機関がそのすべてを引き受けることが体制的に難しくなります。そうならないためには、在宅における看取りも可能にする体制づくりが必要となります。
一方、病院ではなく自宅などで最期の時間を過ごしたいと望む人は少なくありません。すでに5年ほど前になりますが、2012年に内閣府が実施した調査では、「治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいですか」との質問に、半数以上(54.6%)の人が「自宅」と答え、医療機関を望んだ人(27.7%)のほぼ2倍という結果になっていました。
ちなみのこの質問で、最期を迎える場所として介護施設などの福祉施設を挙げたのは、4.5%にとどまっています。このように、半数以上の人が「在宅死」、つまり「自分の臨終は自宅で」と望んではいるものの、2016年に亡くなった人で自宅で最期を迎えられた人は13%にとどまっており、73.9%の人は病院で最期を迎えています。人びとが考えている「望ましい最期」を実現していくためには、在宅死を可能にする在宅医療・ケアの体制整備が火急的な課題なのです。
7. さいごに
今回のレポートのテーマである「社会保障と栄養」について調べて分かったことは、まず自分の健康面を大切にしようということと、両親の介護のためにお金をしっかり貯金をするべきであるということです。長生きするためには、バランスの取れた食事をして、適度に運動を心掛ける必要があると感じられました。また、私の両親が認知症になったり、病気にかかってしまったりした際に、やはりお金が必要となるので、私が仕事をして貯金をしていこうと思いました。中江先生半年間ありがとうございました。
引用文献
・社会保障制度とは 2019年7月28日 アクセス
https://www.hoken-buffet.jp/news/knowledge/social_security_system/
・健康日本21とは 2019年7月28日 アクセス
https://www.yakuzaishi-kyujin-job.com/index-254.html
・特定保健指導について 2019年7月28日 アクセス
https://renobody.jp/corporation/kenkokeiei/specific_health_guidance/
・ミネラルの効果 2019年7月28日 アクセス
http://mnrltext.jp/a03kouka.html
・認知症を知り、認知症と生きる 2019年7月28日 アクセス
http://www.e-65.net/medicine/category01_1.html
板垣さくら
国民の健康寿命を延ばさなければ日本の国債は増加し続けてしまうと私は考える。
<日本の国債の現状と解決策>
現在の日本は国債を発行し続けている。この国債は未来の我々に直接のしかかる存在であることを忘れてはいけない。平成24年度の国債を取ってみても一般会計税収の約17年分に相当している。いくら少しずつ返し続けてもこのままでは国債は右肩上がりの一途をたどる。少子高齢化もこの現状に拍車をかけている。少子高齢化が進めば働ける人口が減り、3人で1人の高齢者を支えているという図が崩れて現状が悪化することが目に見えている。少子高齢化は今すぐ解決できる簡単な問題ではない。では働ける人口を増やすにはどうすればよいのだろうか。その解決の糸口となるのが健康日本21である。
健康日本21とは『これからの少子・高齢社会を健康で活力あるものにするため、生活習慣病などを予防し、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸等を目標とする21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」を提唱し、広く国民に呼びかけているところである。』とあるように健康寿命を延ばすための政策のことである。
<病気と予防>
日本の3大死因は癌・心臓病・脳卒中である。この3つの病気のうち癌以外は全て予防ができる病気である。心臓病(生まれつきのものでないもの)と脳卒中の中には生活習慣病が根底にあり生活習慣を改めることで十分に改善し、健康寿命を延ばすことができるものもある。また生活習慣病とは『不健全な生活の積み重ねによって内臓脂肪型肥満となり、これが原因となって引き起こされるもの』で『個人が日常生活の中での適度な運動、バランスの取れた食生活、禁煙を実践することによって予防することができるもの』とされている。ではこのような生活を送るためには現在の生活をどのように改めればよいのだろうか。それを解決するために存在するのが特定保健指導だ。特定保健指導とは『内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)に着目した健診及び保健指導を医療保険者に行わせることに
より、生活習慣病の予防及び医療費の適正化を目指す』ことである。これは特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準の第1条『保険者は、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号。以下「法」という。)第二十条の規定により、毎年度、当該年度の
四月一日における加入者であって、当該年度において四十歳以上七十四歳以下の年齢に達するもの(妊産婦その他の厚生労働大臣が定める者を除 く。)に対し、特定健康診査等実施計画(法第十九条第一項に規定する特定健康診査等実施計画をいう。以下同じ。)に基づき、次の項目について、特
定健康診査(法第十八条第一項に規定する特定健康診査をいう。以下同じ。)を行うものとする 一 既往歴の調査(服薬歴及び喫煙習慣の状況に係る調査を含む。) 二 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
三 身長、体重及び腹囲の検査 四 BMI(次の算式により算出した値をいう。以下同じ。)の測定 BMI=体重(kg)÷身長(m) 2 五 血圧の測定 六 血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)及びガンマ―グルタミルトラン
スペプチダーゼ(γ―GTP)の検査(以下「肝機能検査」という。) 七 血清トリグリセライド(中性脂肪)、高比重リポ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)及び低比重リポ蛋白コレステロール(LDLコレステロール)
の量の検査(以下「血中脂質検査」という。) 八 血糖検査 九 尿中の糖及び蛋白の有無の検査(以下「尿検査」という。) 十 前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣が定める項目について厚生労働大臣が定める基準に基づき医師が必要と認めるときに行うもの』と特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準第1条第1項第10号の規定に基づき厚生労働大臣が定める項目及び基準の『一
貧血検査(ヘマトクリット値、血色素量及び赤血球数の測定) 貧血の既往歴を有する者又は視診等で貧血が疑われる者 二 心電図検査及び眼底検査 前年度の特定健康診査(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)第18条第1項に規定する特定健康
診査をいう。)の結果等において、次のアからエまでに掲げるすべての項目について、それぞれ当該アからエまでに掲げる基準に該当した者 ア 血糖 空腹時血糖値が100mg/dl以上又はヘモグロビンA1c(NGSP)が5.6%以上 イ 脂質 血清トリグリセライド(中性脂肪)の量が150mg/dl以上又は高比重リポ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)の量が40mg/dl未満
ウ 血圧 収縮期血圧が130mmHg以上又は拡張期血圧が85mmHg以上
エ 腹囲等 腹囲が男性にあっては85cm以上、女性にあっては90cm以上(内臓脂肪(腹腔内の腸間膜、大網等に存在する脂肪細胞内に貯蔵された
脂肪をいう。以下同じ。)の面積の測定ができる場合には、内臓脂肪の面積が100cu以上)又はBMI(実施基準第1条第1項第4号に規定
するBMIをいう。)が25以上』のように定められている。より具体的には摂取カロリーと消費カロリーのバランスを取りながら運動をする生活のことである。特に生活習慣病の患者に必要な運動は有酸素運動である。有酸素運動は脂質を消費する運動を指す。具体的にはジョギングが挙げられる。無酸素運動との違いは消費するものが異なる。無酸素運動で消費するものは糖質である。具体的には筋トレが含まれる。
また感染症による死にも予防できるものはある。ワクチン接種と血清療法だ。ワクチンと血清の違いは前者は無毒化した「ウイルス」を体内に使用し、後者は馬や他の動物にウイルスを投与し抗原抗体反応によりその動物が作り出した「抗体」を体内に使用するものだ。免疫力が大幅に落ちている老人や子供に対しては血清療法が使用されることが多い。
このように病気にかかって健康寿命を短くしてしまう要因を防ぐために様々な予防方法が確立されており、これらを利用することで健康寿命を延ばし病気になってしまった際の医療費を軽減することができる。予防にもお金がかかってしまうが生きている限り使い続ける入院費よりよっぽど安いことがうかがえる。
<認知症と税金>
認知症は大きく分けて3種類存在します。アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・血管性認知症と大きく分かれており、それぞれ症状が異なります。アルツハイマー型認知症は記憶力の低下から始まり、疾患が進むにつれ失語や家事や仕事の遂行機能の低下が見受けられます。レビー小体型認知症は幻視が主な症状として挙げられ、血管性認知症は脳梗塞やくも膜下出血等明らかな脳血管障害が起こった後に認知機能が低下し、注意力の低下等をもたらします。今回はこの中でアルツハイマー型認知症に注目します。
認知症にはミネラルの存在が欠かせません。なぜならばミネラルは情報の伝達および物質輸送の要となるのです。人間の脳は刺激を受けてからそれに対して脳から反応を出すように神経を使って体全体へ反応するように伝達します。方法としては核から電気信号が送られて、それを神経伝達物質であるアセチルコリン・セロトニン・ドーパミン・アドレナリン・アミロイドβが阻害することで反応が生まれます。この神経伝達は1種類あれば補えるというものではありません。それぞれ脳のどの部分からのものかで分かれています。アセチルコリンは大脳の中の大脳皮質(前頭葉・頭頂葉・側頭葉・後頭葉)で使用される神経伝達物質です。アルツハイマー型認知症の患者は特にアセチルコリンの体内量が非常に少ないです。つまり大脳皮質がうまく機能していないことがうかがえます。大脳皮質は新しい脳であり損得を考える場所を指します。アルツハイマー型認知症の患者はこれにより記憶力の低下から始まり、疾患が進むにつれ失語や家事や仕事の遂行機能の低下が見受けられます。また身体能力の衰えはここに関してはあまり関係ないので徘徊の可能性も十分にあります。徘徊行動は昼夜問わず行われる行動の為24時間365日介護に休みがありません。家族だけでの介護には限界があります。そのために利用する老人ホームやサービス付き高齢者住宅にも税金が使われています。認知症の有効な予防方法は残念ながらまだ確立されていません。そのためここに投入する税金を削ることは大変難しいのが現状です。
<末期医療と健康寿命>
「これ以上治療しても回復の見込みがない」と判断された時から末期医療は始まります。主な目的は延命治療だ。『限られた生命の中で少しでも寿命を延ばすために医学・医療が存在する。そのため続々と延命治療の選択肢が繰り出される。』『わが国では人生の最終段階の医療に関して口頭で意思表示をしている人は約7割だが、リビングウイル(LW)として書面に記している人はわずか2〜3%に過ぎず欧米と比較して一桁低い。そもそも日本人は自身の終末期医療に関して自己主張をあまりしない。本人と家族が一体となり、時には家族だけで意思決定をする文化である。また認知症や事故で本人の意思が不明な事態が急増している。日本は家族の権限が大きいので本人の意思だけでなく家族にも充分に気を配らなければいけない。』とあるように認知症になってしまった場合意思が不明になってしまうこともある。こうなってしまう前にまずは自分の将来について考える時間がもっと必要である。そのためにも健康寿命を延ばすことは大切なことなのである。
<今後の税金の使い方>
先程述べた老人ホーム等に使われる税金は増加する見込みです。その税金を支払う人は少子高齢化により少なくなっており、そのため国は国債を発行し続けています。予防の為の特定保健指導を行うことで健康寿命を延ばし、税金を支払える人の人口を増やすことは得策です。しかし、私が思うにこの政策の開始は遅すぎたものだと考えます。少子高齢化が加速しており、働き手はより少なくなっています。私は特定保健指導の年齢の幅を年齢に限らずもっと拡大すべきだと考えます。医療において早期発見早期治療は非常に有効な手段です。40歳以上と区切るのではなく現在働いている全ての人に適用すべきです。若ければ体力等もあるので自分の現状をきちんと理解することで現在の働き手は対策を取りやすくなるのではないでしょうか。また働き手が増えることにより税収が見込めるので非常に有効な手段だと考える。国債を将来に押し付ける考えを我々の世代で断ち切り、将来の我々に対して早急な対策が必要ではないだろうか。
<出典>
・健康日本21 http://www.kenkounippon21.gr.jp/
・特定検診・保険指導について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000099071.pdf
・生活習慣病予防
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu/seikatusyuukan.html
・終末期医療の在り方 https://www.med.or.jp/doctor/rinri/i_rinri/c01.html
・社会保障のイノベーション 中江章浩