平田祥子
金利が下がると、将来的に年金が受け取れない可能性があるので、自己資産を作っておいた方が良い。
1.金利と年金の関係
理由は以下のとおりである。年金を支払うのは投資と同等であり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が投資信託によって運用している。Wikipediaによると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は日本の公的年金のうち、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っている厚生労働省所管の独立行政法人である。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成割合は国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%(基本ポートフォリオ,年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)参照)である。資産の約5割が国内外の株式で構成されている。もし、株価の暴落などが起こると大きな損失を生むリスクがある。加えて、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2019年度第2四半期運用によると、2019年9月末の国内債券の利回りは、−0.22%となっている。利回りがマイナスになると、損をしているという事になる。よって、金利が下がると利回りも下がり、期待していた額の収益が見込めない可能性が生じるのだ。現在の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の収益率が高い項目は、外国債券と外国株式である。こうした所得収支と呼ばれる「海外から得た利子や配当(Weblio辞書,所得収支)」を合算し、収益を出していた。このまま年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が35%もの国内債券で運用を続けていると、損が大きくなり、我々が年金を受け取れない可能性が生じる。このようなリスクを回避するには、年金ではなく個人で投資をし、資産を増やすべきである。
2.貨幣供給と金利と失業率の関係
「日本銀行を含む金融機関全体から経済全体に対して供給される通貨の量を見るための指標(SMBC日興証券株式会社,初めてでもわかりやすい用語集,マネーサプライ)」として、money supplyがある。お金が増加すると金利は低下し、企業は設備投資のために銀行からお金を借り入れる。そして、銀行から市場にお金の流通量が増加する。したがって、money supplyは増加する。SMBC日興証券株式会社の初めてでもわかりやすい用語集(マネーサプライ)によれば、あまり増加するとインフレが進み、不況の時は逆になる。それに加え、ケインズ経済学では消費すればするほど、経済が大きく伸びるという考えがある。これを乗数理論と呼ぶ。無限等比級数の和で、配った金/1-消費性向で計算出来る。例えば、消費性向が80%なら、当初のお金は5倍になる。つまり、政府が社会保障や公共事業を積極的に行うことによって、経済が発展し、失業も減少する。思うに、不況の時ほど政府が積極的にお金を使うことによって、消費が増え、市場を巡り、当初のお金が増加する。Money supplyも増加し、不況からインフレに転じると考える。しかし、「金融緩和により金利が一定水準以下に低下した場合、投機的動機による貨幣需要が無限大となり、通常の金融政策が効果を失う(SMBC日興証券株式会社,初めてでもわかりやすい用語集,流動性のワナ)」。この時、消費は増加しない。これを流動性の罠と呼ぶ。SMBC日興証券株式会社の初めてでもわかりやすい用語集では、このような状況に陥った場合、従来の金融政策は効かなくなり、量的緩和やマイナス金利、大規模な財政政策などが発動されることもある。要するに、単純にmoney supplyが増加すれば良いと言うことではない。そして、失業率とインフレ率を表したグラフとして、フィリップス曲線がある。「縦軸にインフレ率(物価上昇率)、横軸に失業率をとったときに、両者の関係は右下がりの曲線となる(Wikipedia,フィリップス曲線)」。つまり、インフレ率が高いときは失業率が低下し、インフレ率が低いときは失業率が上昇する。思うに、money supplyが増加し、消費することによって経済が発展した場合は、インフレ率も高くなるので失業率は低下する。そして、流動性の罠の状態では、失業率も上がる。
3.為替レートの決定
為替については短期と長期がある。短期の為替については利子が高い国で運用した方がよい。この利子に関わる為替レートの決定は、利子平価説と呼ばれる。利子平価説は、「先物外国為替市場での取引によって生ずるリスクを回避しないとする場合に、各国間の利子率の格差を埋め合わせるような形で直物為替レートは変化していく(有斐閣,経済辞典第4版,2002年,p19,アンカバード利子平価)」ような為替レートの決定に与えられた呼称である。長期の為替については、経済力の強い国の通貨で運用した方がよい。このような「長期にわたる為替レートの決定理論で、スウェーデンの経済学者カッセル氏によって提唱され(SMBC日興証券株式会社,初めてでもわかりやすい用語集,購買力平価説)」説が購買力平価説である。「購買力平価説には、絶対的購買力平価説と相対的購買力平価説があり、前者の絶対的購買力平価説は、為替レートは2国間の購買力によって決定される説(SMBC日興証券株式会社,初めてでもわかりやすい用語集,購買力平価説)」である。「後者の相対的購買力平価説は、為替レートは2国間の物価上昇率の比で決定されるという説(SMBC日興証券株式会社,初めてでもわかりやすい用語集,購買力平価説)」である。しかし、SMBC日興証券株式会社の初めてでもわかりやすい用語集によれば、絶対的購買力平価説が成立するにはすべての財やサービスが自由に貿易されなければならず、厳密には成り立たないことになる。相対的購買力平価説に関しても、SMBC日興証券株式会社の初めてでもわかりやすい用語集では、すべての財やサービスが同じ割合で変動することを前提としているため、厳密には成り立たないとしている。が、「実際の経済活動や生活実感に近い購買力平価と、各国の為替レートが大きく乖離したまま超長期的に続くことは難しく、やがて為替レートの変動、あるいは物価上昇率の格差が逆転することで、購買力平価に近い値へ調整される(F-style Magazine,5分で分かる購買力平価説解説購買力平価とその限界)」。そうだとすると、為替レートに大きな変動があったとしても、購買力平価に近い値に調整されるので、短期の為替よりも急激な為替レートの変化に影響されにくい。したがって、長期の為替の方が短期よりも安定した利益を上げやすい。そして、金利と国民所得と国際収支の関係を表したグラフとして、Mundell-Fleming modelがある。Mundell-Fleming modelは、「マクロ経済学におけるIS-LM分析の枠組みを海外部門に導入した、開放マクロ経済学のモデルである(Wikipedia,マンデルフレミングモデル)」。IS-LM分析は、縦軸に利子率、横軸に国民所得をとっている。LM曲線は流動選好(Liquidity Preference)と貨幣供給(Money Supply)を示し、IS曲線は投資(Investment)と貯蓄(Saving)を表している。財政政策の効果はIS曲線に表れ、金融政策の効果はLM曲線に効果が表れる。このIS曲線とLM曲線の交わる点が、乗数効果によりプラスの方に増加すると国民所得は増え、国内総生産(GDP)も増加する。このIS-LM分析のグラフに海外部門を導入したMundell-Fleming modelでは、IS曲線とLM曲線に加え、BP曲線がある。BP曲線は、国際収支の均衡を表している。BP曲線が上昇すると円高になる。これらのグラフを指標とし、現在の為替投資をすると良い。
4.derivativeの種類と選択
derivativeと呼ばれる取引がある。Derivativeは「株式、債券、金利、通貨、金、原油などの原資産の価格を基準に価値が決まる金融商品の総称(SMBC日興証券株式会社,初めてでもわかりやすい用語集,デリバティブ/金融派生商品)」である。取引形態として、先物取引、オプション取引、スワップ取引がある。先物取引はある一定期間先の売買での、ある価格での取引が保証されている。「先物取引は実際の取引の10%程度の証拠金といわれる、いわば手付金のようなもので取引でき(SMBC日興証券株式会社,初めてでもわかりやすい用語集,先物取引)」る。しかし、価格変動などによっては証拠金よりも損失が大きくなるリスクがある。「オプション取引は、将来の決められた日にち(満期日)にあらかじめ決められた価格で買う(売る)「権利」を取引(au,カプコム証券,オプション取引とは)」である。買う権利のことをコールオプションと呼び、売る権利をプットオプションと呼ぶ。オプション取引の場合、先物取引とは違い権利なので放棄する事が出来る。例えば、先物取引では満期日に損失が出た場合でも買い取らなければならない。しかし、オプション取引では権利を放棄することにより、当初の権利を購入するときに支払った金額の損失が出るだけで、先物取引のように買い取りの際の多大な損失が出ない。したがって、オプション取引の方が先物取引より、リスクの少ない取引となる。スワップ取引は「同じ種類の通貨で異なる種類の金利(固定金利と変動金利など)を取引の当事者間で交換する(SMBC日興証券株式会社,初めてでもわかりやすい用語集,金利スワップ)」取引である。「一般的に金利スワップは、金融機関や企業などで、金利変動リスク(金利上昇リスク、金利低下リスク)を回避(ヘッジ)する手段(金融情報サイトiFinance,金利スワップ)」として利用されている。つまり、一度購入したものの金利の種類をスワップ取引によって変更することが出来る。しかし、満期日にならなければ損か得かは分からない。が、一度購入したものの金利の種類を変更できるので、予測通りに金利変動したときは、損失を回避し、利益を生むことが出来る。
5.投資に関わる非課税システム
「日本において、株式や投資信託の投資に対して、税制上20%かかる売却益と配当への課税を、年間120万円を上限に非課税とする(Wikipedia,少額投資非課税制度)」少額投資非課税制度(NISA)と呼ばれる制度がある。しかし、金融庁によると一般口座や特定口座といった他の口座で発生した譲渡益や配当金等の損益通算はできない。そのうえ非課税期間は最長5年間になっている。要するに、長期投資は出来ない上に、5年以内に売却しなければ非課税にならない。したがって、必ずしも利用しやすい制度とは言えない。
6.結論
その上で金利が下がると、将来的に年金が受け取れない可能性があるので、自己資産を作っておいた方が良いと結論づけた。年金として、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に投資してもらうのではなく、個人投資で増やしていく方が、将来的に年金に頼る状況がなくなる。思うに、投資としては、権利を買った以上の損失を出さないオプション取引、安定した利益をあげられる長期の為替取引などのリスクの少ない取引が、遠い将来の資産形成としては有効である。そして、金融商品は1品目に絞るのではなく、複数を組み合わせてリスクを分散させた方がよい。そして、少額投資非課税制度(NISA)は必ずしも利用しやすい制度ではないが、短期的な投資を行う際に利用するなどで活用が出来る。これらを利用し、年金に頼るのではなく、自分の将来的な生活を自分で作るべきだ。(4446字)
参考文献
https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html
年金積立金管理運用独立行政法人
https://www.weblio.jp/content/%E6%89%80%E5%BE%97%E5%8F%8E%E6%94%AF
Weblio辞書 所得収支
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ma/J0489.html
SMBC日興証券株式会社 マネーサプライ
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ri/J0680.html
SMBC日興証券株式会社 流動性のワナ
Wikipedia フィリップス曲線
経済辞典第4版 有斐閣
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ko/J0263.html
SMBC日興証券株式会社 購買力平価説
https://fstandard.co.jp/column/asset-management/1297
F-style Magazine 5分で分かる購買力平価説解説購買力平価説とその限界
Wikipedia マンデルフレミングモデル
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/te/J0098.html
SMBC日興証券株式会社 デリバティブ/金融派生商品
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/sa/J0007.html
SMBC日興証券株式会社 先物取引
https://kabu.com/item/fop/op_detail.html
au カプコム証券 オプション取引とは
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ki/J0260.html
SMBC日興証券株式会社 金利スワップ
https://www.ifinance.ne.jp/glossary/derivatives/der003.html
iFinance 金利スワップ
Wikipedia 少額投資非課税制度
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/overview/index.html
金融庁 少額投資非課税制度(NISA)
金森琢磨
年金と金利
結論
今後、年金は少子高齢化や国の借金でどんどんもらえる額が減り自分たちがもらう頃には、それだけでは絶対に生活できなくなる。その時のために、自分年金を作る必要がある。
今後の年金はどうなるのか
そもそも年金とは、そもそも一般にある医療保険とか生命保険とは異なり、自分たちのために払っているのではなく、老後世代を支えるために、働く世代が払っているものです。
厚生労働省の人口動態統計によると、2018年の出生率は91万8397人と3年連続で100万人を割っている。晩産化や結婚をしない人が増えている影響が大きいと見られ、さらなる少子高齢化の一途をたどっています。
少子高齢化が進むということは、保険料を支払う世代が減り、逆に年金を受け取る世代が増えるとういこと。そのため自然と、受け取ることができる年金の金額の減少していきます。また、年金は安定しているように見えるが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIS)という機関が年金を管理、運用しており、現在GPIFは「国内債券:35%、国内株式:25%、外国債券:15%、外国株式:25%」のポートフォリオに向けて、日本株・外国株式などの買い増しを進めているそうです。「今、株価は好調だから、利益が出ていいんじゃないか」と思われる方もいるかもしれませんが、株価の暴落があった場合、大きな損失を招くリスクもあります。実際、リーマンショックがあった2008年度の収益額は、マイナス9兆6670億円となっており、その前年度のサブプライムローン問題と合わせて、ほとんどの収益が吹き飛んでしまった計算となります。
株式の比率が現在に比べて低い時代でもこのような事態に見舞われたのですから、近い未来に同じような金融危機が起こった場合、損失は比べ物にならないのかもしれません。その結果、待ち構えているのは、増税や年金給付額の縮小といった「国民の負担増」です。ですから、安全とはいいがたいです。
バブル崩壊以降の日本の金融政策
日本の金利はバブル景気崩壊から景気悪化を食い止めるため、一貫して下落傾向がき、1999年には0.15%という、当時の常識から考えれば異常事態とも言える低金利に誘導するゼロ金利政策が導入されました。これにより一時的に景気は回復軌道にのりましたが、2000年代のITバブル崩壊と2008年のリーマンショックと世界金融危機により、再度のゼロ金利政策の導入を余儀なくされます。そして、2013年にはアベノミクスの一環として大規模な金融緩和が導入され、その追加策として2016年にはマイナス金利政策が導入されたことで、10年物国債利回りもマイナス利回りという事態となりました。
アベノミクスによりどう変わったのか
アベノミクスの理論的根拠とされるのが、Mundell-Fleming
modelです。。
1990年代初頭のバブル崩壊を直接の発端とし、1997年の消費税増税やアジア金融危機を経て顕著になったデフレーションによって停滞した日本経済は、アベノミクスを行いました。アベノミクス日本経済に大きく影響を及ぼし、安倍晋三首相がアベノミクスを掲げてからというものの、日本株の価格が約1万円ほど上昇しています。
さらに日本企業の株価だけではなく企業の倒産件数も減り、経常利益も過去最高水準に達した企業も多く存在しており、アベノミクスは日本経済に大きな影響を与えた。さらに、政府が投資したお金で経済効果が増幅されるたことで、企業の利益が増えたため、ケインズ経済学の本質である乗数理論の効果で税収も増えています。
中央銀行は、貨幣供給量(money supply)を増減させることで景気をコントロールする金融政策を担っている。。景気が悪化した場合、貨幣供給量を増やして金利を低下させる「金融緩和」が行われます。
日本は超低金利になっており、国内に新たな投資対象がいなくなり、LM曲線は水平になる流動性の罠に陥っているように思えるが、「機動的な財政政策」によりGDPも上昇しているので、何とか抜け出せているのではないかと考えます。
また、アベノミクスの大胆な金融緩和によってデフレーションからインフレーション基調に移行した。これにより失業率も以前より減少し、フィリップス曲線に則った動きになっているといえると思います。
しかし、メリットばかりではありません。「円安により企業収益が増えたとしても、実質賃金が下がるため国内の消費は冷え込んでしまう」「大企業と中小零細企業、大都市圏と地方といった具合に、格差拡大が重層的に進んでしまう」といったデメリットもはらんでいます。
自分年金のを作るうえで大切なこと
国から支給される年金に頼ることができなくなることが、目に見えていいる今、自分自身で老後に必要なお金を作ることが大切になってきます。タンス貯金や銀行に預けておくだけでは、ほぼ増えることはない。そこで、資産の運用をする必要があります。
まずは、運用の基本方針を見ていく
@基本原則を抑える
ex)日本の金利が上昇する→円高になる
A長期予測と短期予測を分ける
ex)長期…ケインズ経済学 短期…新古典派経済学
Bリスクを分散する(asset
management)
ex)ハイリスクハイリターンローリスクローリターンをうまくまぜる
株 債券 銀行預金 タンス預金
元本保証 × △ 〇 ◎
収益性 ◎ 〇 △ ×
C歴史の流れを見る
ex)1985年プラザ合意 円安が良い 2020年 今 円高
所得収支,投資収益
所得収支というのは、経常収支の柱の1つですが、外国から得た利子・配当や賃金などと、外国へ支払ったそれらなどの差額を指します。なお、所得収支は、投資収益と雇用者報酬に分けられますが、投資収益が所得収支の約99%以上を占めています。
投資収益とは?投資収益というのは、海外の子会社、支店の営業活動から得られる収益、株式や債券への投資から受け取る配当金・利子などのことで、次の3つに分類されます。
■直接投資収益
■証券投資収益
■その他投資収益
ただし、投資していた株や債券などの有価証券を売却して儲けた利益は、
資本収支に区分されますので、投資収益には計上されません。
日本の投資収益は?
日本の投資収益というのは黒字が続いていますが、これは日本が輸出で稼いだお金を海外に投資し、積み上げられた資産から得られる収入が増えたことを意味します。これは、過去の蓄えからの収入が多くあるということですから、日本の国全体で見た場合には、かなりの資産家であるといえるでしょう。
長期と短期における為替レート
長期における為替レートの決定理論が購買力平価説です。
この為替レートは、2国間の購買力の比に等しくなるように決定されることです。
この場合、購買力は物価水準の逆数になります。
つまり、物価が高ければ購買力は低くなり、物価が安ければ購買力は高くなることになります。これに対し、短期における為替レートの決定理論が金利平価説(利子平価説)です。
金利平価説は、金利によって為替レートが決まるとする理論です。
金利平価説によれば、為替レートの変動は、短期的には自国と外国の金利差で決まるとされています。アセット・アプローチと逆の金利の低い国の為替レートが上昇することになります。
derivativeによりリスクを減らし、収益性を上げる
金融商品には株式、債券、預貯金・ローン、外国為替などがありますが、これら金融商品のリスクを低下させたり、リスクを覚悟して高い収益性を追及する手法として考案されたのがデリバティブです。
デリバティブには、大きく分類すると先物取引、オプション取引、スワップ取引の3種類があります。
・先物取引は、対象商品における将来の売買について、現時点で特定の価格で約束をする取引のことを指します。現時点で買う取引をする場合、将来に約束した価格で購入することになります。反対に、現時点で売る取引をする場合は、将来に約束した価格で売却することになります。
・オプション取引には、コール・オプションとプット・オプションの2種類があります。コール・オプションとは、対象商品において、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)で商品を買うことができる権利のことです。プット・オプションとは、コール・オプションとは反対に、権利行使価格で商品を売ることができる権利のことです。買い手は自分の都合が良い場合だけ権利を行使でき、権利を行使しない場合は先に支払ったオプション料の分のみが発生します。
スワップ取引は、主に金利スワップ取引と通貨スワップ取引があり、金利スワップ取引は、同じ種類の通貨で異なる種類の金利(固定金利や変動金利など)を取引の当事者間で交換する取引です。通貨スワップ取引は、種類の異なる通貨間の将来の金利と元本を交換する取引です。
derivativeのメリット・デメリット
デリバティブのメリット・デメリット
メリット
・相場変動リスクを回避できる
・レバレッジを効かせて少ない資金で多額の取引ができる
・多様な商品の取引ができる
デメリット
・相場が急騰・急落することがある
・保証金を維持するために損失が増える場合がある
・取引が複雑化・高度化している
税金をおさえるため少額投資非課税制度(NISA)
NISAとは
個人投資家のための税制優遇制度であり、NISAでは毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。簡単に言うと株式投資において通常は利益に対して約20%も掛かる税金が、タダになる制度です。 「一般NISA」と「つみたてNISA」がありますが、どちらか一方を選ぶことになります。
確定申告もなく、少額からでも始められるため、非常に若者向けなサービスだと感じました。やはり投資と聞くと嫌厭してしまいがちですが、このような始めやすいものがあると
いいなと思いました。
まとめ
日本人の特徴として、長いものに巻かれろの精神の人が多く、何か起こるぎりぎりまで何もしないということが挙げられます。日本の歴史から見たとき、40年周期で悪い状況に陥っていっており、2025年辺りにちょうど40年に周期に当たります。平和に暮らしているようでも、不安材料は、そこら中に落ちています。東京オリンピック後のバブル崩壊、消費税引き上げによる景気減速、日銀の金融政策、考えれば考えるだけ、不安になってきます。
このような、危機が迫っているのにお国柄か、日本人はどこか「日本は大丈夫」と思っている節があると思います。また若者でこのような問題意識を持っている人は、少なく感じます。まず、こういった意識を変えていく必要があると感じました。
すぐそこまで来ている日本の危機で焦ることのないよう、資産づくりを若いうちから、
挑戦したいと感じました。
参考文献
社会保障のイノベーション
https://imidas.jp/ichisenkin/g01_ichisenkin/?article_id=a-51-052-12-03-g204
https://xn--u9j460nu9a58aw75c.com/beginners/why-is-japan-progressing-in-ultra-low-interest-rate-era/
http://hitsusya.com/abenomics-fail1
https://webronza.asahi.com/science/articles/2018041200002.html
https://toyokeizai.net/articles/-/120362
https://crowdcredit.jp/blog/entry/337/
https://jp.reuters.com/article/forecast2020-yenbond-idJPKBN1YU0
https://note.com/jyaga0716/n/n13bc68cc4d9a
https://www.shiruporuto.jp/public/data/encyclopedia/deriv/deriv101.html
https://www.nsspirt-cashf2.com/entry/2018/11/26/000000
https://chewy.jp/businessmanner/4238/
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html
Wikipedia
千葉涼太
年金と金利
16J118011千葉涼太
これからの時代の老後は年金と投資の利益で生きることになる。
1まずは年金について
年金は世代間助け合いということで働き盛りの現役世代が納めた年金保険料が今の老人に給付されるという仕組みになっている。しかし、これから少子高齢化によって年金保険料を納める現役世代が少なくなり負担が大きくなりすぎることが予想される。
そこで年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)という団体が未来世代のために現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いなどに充てられなったものが、将来世代のために積立てお金を運用している。安定した収益を得ていくためにGPIFは様々な工夫をしている。
長い目で投資を行う。
短い期間では、運用によって得られる利益はプラスやマイナスに大きく振れる可能性がある。しかし運用の期間が長くなるほど、プラスとマイナスがお互いに打ち消しあうことで、年率平均の収益の振れ幅を小さくする効果が期待出来る。
GPIFによる年金積立金の運用は、様々な資産を長期にわたって持ち続ける「長期運用」によって安定的な収益を得ることを目指している。
分散して投資をおこなう
運用する資産は、経済などの状況によってそれぞれ価値が変わる上に、外国の資産の場合は円高や円安も収益に影響敷いていく。
ひとつの種類の資産だけでなく、国内外の様々な種類の資産に分けて投資をすることで、世界中の経済活動から収益を得ると同時に、大きな損失を抑える効果を期待出来る。
この長期投資と分散投資の組み合わせにより、収益の安定を目指している。
利子平価説とは
為替(かわせ)相場決定理論の一つで、直物相場と先物相場という二つの相場がどのような関係をもって決定されるかを説明したもの。ただし、為替相場決定理論の代表的理論である「購買力平価説」や「アセット・アプローチ理論」では、直物相場を念頭においた相場がどのような要因とメカニズムによって決定されるかを説いており、それとは性格が異なることに注意を要する。あえて例えるならば、2本の電車の線路の軌道(とくに注視しているのは、その1本の直物相場)がどの方向に向かっているかを説いている代表的理論に対して、金利平価説は2本の線路の幅がどのように決定されるかを教えているといえる。
あらゆるビジネスの世界での収益機会は、理論的に整理すれば、二つしかありえない。一つは、自らの価格変動予想に基づいて、リスクを負って、価格変動益を追求する投機speculationである。もう一つは、経済の基本原理と現実の歪(ゆが)みを活用することによって、まったくリスクを負うことなく、きわめて小幅の鞘(さや)をとるという裁定arbitrageである。一瞬の歪みを狙(ねら)って、瞬時に大量の取引をなしうる金融の世界においては、裁定取引は巨額のものとなっており、その代表的形態が金利裁定取引にほかならない。その結果、結論からいえば、国際金融市場では内外金利差≒直先スプレッド(直物相場と先物相場の乖離(かいり)率)という関係が成立する、という考え方が金利平価説である。
いま、リスクを冒して投機をせず、安全確実に少しでも多くの運用収益を確保したいと考える投資家が、100億円を内外で1年間運用する場合を考えてみよう。円金利が5%(年率)であったとすれば、国内での運用では1年後に105億円の元利を確保できる。国際化された社会では海外での運用も可能であり、いまドル金利が10%、直物相場が100円/ドルであるとすれば、100億円をドルに転換し、ドル預金等で運用すれば、1年後には1.1億ドルの元利が得られる。ただし、外貨での運用はこれを1年後に円に転換する際の直物相場が不明であるため、リスクが伴い、投機に挑戦するということになる。しかし、もう一つの選択肢として、ドルに転換し、ドルで運用を開始すると同時に1年物先物相場で1.1億ドルのドル売り予約を締結しておくことができる。実務的には、直物ドル買い、先物ドル売りをペアで取引する外国為替のスワップ取引を締結するということである。
とすれば、国内において円で運用した場合はもちろん、海外においてドルで運用した場合も当初から確定利回りのリスクのない運用となる。にもかかわらず、1年物の先物相場が95.45円/ドル(105億円÷1.1ドル)よりドル高であったら、どのようなことがおこるであろうか。当然、あらゆる日本の投資家がすべての自己資金、さらには借入金まで、安全確実に余計に利回りの得られるドルでの運用に投入することになろう。その結果、直物相場はドル高、先物相場はドル安に調整され、仮に直物相場が100円/ドルのままだとすれば、1年物の先物相場は95.45円/ドルになり、円での運用もドルでの運用も105億円と、同額になるはずである。
それを、式で表せば、おおむね
内外金利差≒直先スプレッド
厳密にいえば、次のような関係式が成立する。
日本の金利−外国の金利×先物相場/直物相場=(先物相場−直物相場)/直物相場
その意味は、次のように理解できる。国際化された現代社会では、内外二つの資産運用(資金調達も同様)の選択肢があるが、先物予約付またはスワップ付で外貨運用することによって、双方とも(価格変動)リスクがないのならば、その収益はかならず一致するはずである。とすれば、たとえばドルの金利が円の金利よりも高く金利収益が多い分、かならず為替相場は今日の直物相場より満期日の先物相場のほうがドル安になり、その間のドル運用によって、為替差損が生じることになるという原理が成り立つということである。
なお、直物相場に比べ先物相場がドル安の場合をドル・ディスカウント、逆の場合をドル・プレミアムとよんでいる。つまり、外国為替市場では、直物相場と先物相場は無関係に動いているわけではなく、金利裁定取引によって調整がなされ、内外金利差の幅をもって平行に動いていくというメカニズムが作用しているということである。
2為替の基礎
急速な少子高齢化が予測され将来に対して不安があり、さらに1100兆円の国の借金があることからお金をあまり使わずタンス預金になっていることから日本政府はアベノミクス異次元の金融緩和をして市場のお金を増やす政策、いわゆるmoney supplyをしてきた。アベノミクスは乗数理論を利用したものである。しかし最初はうまくいっていたこのアベノミクスで金融緩和しすぎてマネーを増やしすぎて今の日本は流動性の罠に陥っている。流動性の罠とは、金融緩和により利子率が一定水準以下に低下した場合、投機的動機に基づく貨幣需要が無限大となり、通常の金融政策が効力を失うことである。
マンデルフレミングモデル(英語:Mundell-Fleming model)は、マクロ経済学におけるIS-LM分析の枠組みを海外部門に導入した、開放マクロ経済学のモデルである[1]。「マンデルフレミングモデル」は、ロバート・マンデル(1932年10月24日 - )とジョン・マーカス・フレミング(1911年 - 1976年2月3日)の2人の経済学者の名前をとっている。以下に解説するいくつかの仮定のもとで、固定相場制や変動相場制における金融政策や財政政策の国民所得に与える影響について、理論的なモデルを提示した。
フィリップス曲線
縦軸にインフレ率(物価上昇率)、横軸に失業率をとったときに、両者の関係は右下がりの曲線となる。フィリップスが初めて発表した時は縦軸に賃金上昇率を取っていたが、物価上昇率と密接な関係があるため、縦軸に物価上昇率を用いることが多い。
これは、短期的にインフレ率が高い状況では失業率が低下し、逆に失業率が高いときはインフレ率が低下することを意味する(インフレーションと失業のトレードオフ関係)。つまりフィリップス曲線とは、短期において「失業率を低下させようとすればインフレーションが発生」し、「インフレーションを抑制しようとすれば失業率が高くなる」ということを表した曲線である。
Derivativeとは株式・金利・為替(かわせ)などの原証券や通貨売買の在来の取引法から派生した、新しい金融商品。金融派生商品。取引の種類はオプション、スワップ、先物取引の三種類。
日本は借金大ではあるが所得収支でトップクラスである。株や債券の金利でもうけており外貨保有率が非常に高い。(2018年世界所得収支ランキングで2位である)
少額投資非課税制度(NISA)について
アベノミクスの三本目の矢で投資を自分で勉強を促している。そこでNISA
がでて来る。通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。
NISAとは、2014年1月にスタートした、個人投資家のための税制優遇制度です。NISAでは毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。
3まとめ
これからの日本は少子高齢化により今の世代間の支え合いの年金制度の崩壊は免れないと思う。故にこれからの時代は国民年金だけでなく社会保障個人講座のような個人年金の制度を作るべきだ。しかし日本人の国民性から完全に崩壊しないと動かないため制度改革を待つのは難しい。だったら老後2000万円のお金を作るにはある程度のリスクを覚悟して投資をするしかない。
ハイリスクハイリターンを取るか、ローリスクローリターンを取るかは人それぞれだが投資はするべきだ。リスクを分散するための投資の基本は、金利、為替、税金、手数料をよく勉強して、株、債券、預金、土地、金、などに分散してGPIFのような運用方法が個人的には理想的だと思う。賃金の上昇が期待できない今の日本で生き抜くために自分で将来の対策を考えなければならない。
参考文献
https://kotobank.jp/word/金利平価説-1525787、ウィキペディア、金融庁ホームページ、日経新聞、GPIFホームページ
小川夕輝
中江 先生
遅れてしまい大変申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
年金と金利
16j11024
小川 夕輝
キーワード 年金積立金運用独立行政法人(GPIF)、所得収支、少額投資非課税制度、derivative、利子平価説、money supply、乗数理論、Mundell-Fleming Model、流動性の罠、フィリップス曲線
結論 長期予測と短期予測を分け、リスクを分散して運用することが個人年金を積み立てる上で必要である。
1.
はじめに
平成30年度の公的年金給付額は厚生年金・国民年金併せて約55兆円にのぼった。その内の7割を現役世代が負担し、2割強は国庫が負担し、残りを年金積立金が補っている。年金を満額支払った場合の受給額は国民年金が約6万5千円、厚生年金は男性が約16万6千円、女性が約10万円になる。
このような世代間扶養が我々が年金を受ける時代にまで続いているとは思えない。子供が増えていく前提はいまや崩れ、少子高齢化が更に深刻になることが確実視されている昨今、世代間扶養の年金に老後の生活を頼ることはできないだろう。そのため、個人年金の作成・活用が必須となる。
まずは2章でマクロ経済の基礎知識を概観したあと、3章でMMT理論について扱い、個人年金の運用でいかにして利益を出すかについて意見を述べたい。
2. 年金とマクロ経済
新卒で会社に雇われたとして、税金や年金を納めると我々の手元に残るお金はほんのわずかしかない。少ない元手で個人年金を積み立てるとなると投資がよいと思われるが、失敗しないためにはマクロ経済の基礎知識が重要になるだろう。
マクロ経済は、GDP、消費及び投資、物価、金利、貨幣数量、為替レート、株価・地価などの変数が相互に関係しあい変動する。たとえば家計や企業など経済の主体が行う消費や投資はGDPの6割を占め、GDPの値を変動させる。GDPは物価とともに財・サービスに対する需要と供給が一致する点で決定されることになる。金利水準は人々の消費や投資への意欲に決定を及ぼす。このようにマクロ経済変数は相互依存関係にある。
投資
企業の投資と並び、家計の消費は経済の総需要を構成する。消費は総需要を通してGDPや物価の決定に重要な影響を及ぼすことから、これらの決定要因についてみていく。
代表的な消費理論であるケインズの消費関数は、「現在の消費は現在の所得に依存する」とした。将来の所得や金利が現在の消費に及ぼす影響は限定的であり、現在の所得が消費を決定するとしたのだ。その上で、ケインズは「所得の増加に応じて消費は増えるが、所得の増加分ほど消費は増えない」とし、所得が1増えても消費は1より小さくしか増えないことを指摘した。これが限界消費性向である。
ここから投資に入るが、まずは投資の種類から説明する。民間部門による投資支出は、企業による設備投資、家計が住宅建設に支出する住宅投資、販売されなかった生産物の蓄積たる在庫投資に大別される。政府部門の投資は公共投資といい、道路やダムの建設など対価が発生せず民間企業がやらない公共財の支出は公共投資となる。設備投資は民間投資全体の7〜8割を占めるため、一般に投資というと設備投資を指す。
貨幣
貨幣は我々の生活に欠かすことのできない存在である。貨幣には物やサービスの対価となる決済手段、財の価値を計算する単位としての価値尺度機能、そして金融資産として貯蔵する価値貯蔵機能の価値貯蔵手段の3機能がある。
その定義についてみていくと、まずわれわれが普段手にしている紙幣と硬貨は現金通貨と呼ばれる。現金通貨以外にも銀行預金のなかの当座預金などはただちに現金に変えることができるし、小切手やカードを通じて支払いをすることができる。これらもやはり貨幣の一つとみなされ預金通貨と呼ばれる。そして、貨幣の定義とはこの現金通貨と預金通貨を合計したものと考えられ、M1と呼ばれている。(M1=現金通貨+預金通貨)
次に、同じ銀行預金でも定期預金は満期前であっても解約して現金化できるため準通貨と呼ばれ、また他人に譲渡し現金化が可能な譲渡性預金までも貨幣に加えて、M3と呼ばれるより広義な貨幣も定義できる。(M3=現金通貨+預金通貨+準通貨+譲渡性預金)
M3に投資信託や国債まで含めたものが広義流動性と呼ばれる。流動性とは換金性をあらわし、M1が最も流動性が高く、国債などに近づくにしたがって流動性は低くなる。
貨幣は基本的に現金と預金の合計と考えられ、実際に供給された貨幣量がマネーサプライと呼ばれる。現金は9割が紙幣のため中央銀行が現金を供給する主体となり、その発行する貨幣量は現金と準備預金を合わせてマネタリーベースと表現される。
マネーサプライは物価の安定と密接に関わっている。マネーサプライが急に増えたら貨幣の価値が相対的に減少し、物価が上昇することからインフレーションを起こす。逆にマネーサプライが増えると貨幣価値が上がり、物価が下落しデフレーションが発生する。一度インフレが発生すると人々は手元の現金を手放して品物に変えようとし、財への需要の増加でインフレがさらに加熱する悪循環を引き起こすため、物価の安定のためにシニョレッジ権をもつ中央銀行はマネーサプライをコントロールして過度なインフレを未然に防ぐことが重要といえる。中央銀行がマネーサプライをコントロールする方法を金融政策といい、第一の手段が公開市場操作である。中央銀行は金融機関から国債を購入する買いオペレーションや、逆に自らが持つ債権を売却する売りオペレーションを通して金融市場への資金供給を増減させる。
マネタリーベースとマネーサプライの関係を表すのが貨幣乗数である。つまり、マネタリーベースが増えたら信用乗数だけマネーサプライが増える。たとえばAという人物が10万円の収入を得てそのうち80%の8万円を甲銀行の預金口座に入れた。甲銀行はそのうちの20%である1万6千円を準備預金として中央銀行に預け、残りの80%である6万4千円を別のBへの貸出に回す。Bは甲銀行から借りた6万4千円を店で消費し、その店の店主は6万4千円の売り上げを乙銀行に預金する。ここで、預金通貨の増加額は8万円+6万4千円で14万4千円になった。これが信用創造である。
貨幣需要の考え方にフィッシャーの交換方程式、ケンブリッジ方程式の二つがある。フィッシャーの交換方程式はマネーサプライ×貨幣の流通速度=物価水準×実質GDPで表され、「1単位の通貨が一定期間のすべての取引を実現するのに何回回転したか」を意味する。ケンブリッジ方程式も似たような形であり、マネーサプライ=所得のうちどれだけ貨幣で保有するかの係数×名目GDPで表される。どれだけ紙幣を刷ってまわそうとも、企業の内部留保や貯蓄などで世の中に出回らなければ貨幣の流通速度が低下し、景気はよくならない。
そして流動性の罠とは、金利が十分低下したときに貨幣に対する需要が無限大に増えるという特殊な状況を指す。通常であれば貨幣の貯蓄量が増えていくと、追加で貨幣を保有しても得られる満足は低下することになる。つまり貨幣の限界効用は逓減することになるが、限界効用に下限があり、実際に一番低い水準に至ると得られる満足が逓減することもなくなり、人々にとっては消費よりもいかに多く手元の貨幣を増やすかに熱心になる。そうすると消費活動は冷え込み、不況が継続することになる。
近年の日本は「ゼロ金利」政策のもとで名目金利が非常に低くなっている。もっとも流動性の罠に陥っているかについては非常に難しい問題だが、この状態で国内総生産を増やすためには金融政策ではなく財政政策に頼るべきだろう。政府支出も恒等式に含まれているため、政府支出が国内総生産を増やす乗数理論は金利に関係なく機能する。
上でインフレについて触れたが、ここで失業との関係について触れておきたい。端的に言うと相対的に貨幣価値が下がるインフレは失業率とトレードオフの関係にあり、その負の関係を示した曲線がフィリップス曲線である。これによると失業率が下がっている時はインフレ率が高く、つまりインフレを起こさずに雇用を増やすことは難しいことになる。
現在では国内だけでなく海外を取引相手にする企業も非常に多く、日本と海外諸国の結びつきは非常に強くなっているといえよう。ここでは輸出・輸入に関係する円の価値、為替レートの変動について検討する。
海外との取引は、財・サービスに関する経常取引と金融資産に関する資本取引に大別される。日系企業が自動車を輸出するのは経常取引であり、その代金の支払いを約束した手形を輸出相手国から受け取るのは資本取引になる。経常取引の収支は細分化され、財の輸出・輸入の差額の合計である貿易収支、サービスの取引に関するサービス収支、配当や利子・特許収入などを合計した所得収支、政府間の無償の物資の援助などの経常収支で構成されている。
海外と取引をしたとして、自国の通貨は他国に通用しないため外国通貨と交換をする必要がある。かつては1ドルを360円に固定する固定相場制が採用されていたが、1971年のニクソンショックでその制度が崩壊し、現在は変動相場制に移行して外国為替市場で通貨の需給により為替レートは決定される。
為替レートの決定に関する仮説に購買力平価説と利子平価説がある。
購買力平価説は長期的な為替レートの理論である。たとえば同じ商品が国内外とで異なる価格で取引されており、外国財が自国財より安い価格だった場合、貿易業者は外国財を輸入するだろう。外国財の購入にはドルを支払う必要があるためドルに対する需要が高まり、為替レートはドル高になりこのような国際的な財の裁定取引は内外の価格差がなくなるまで続くことになる。つまり、同じ財は通貨単位を揃えれば同じ価格で取引されることになる「一物一価の法則」が成立すると考えられる。
購買力平価説は商品裁定や財・サービスに対する購買力という実物的な要因に着目するのに対し、より短期的な資本取引の側面から為替レートが決定されると考えるのが利子平価説である。これは、たとえば国内と海外のどちらかに1万円を投資しようとしたする。1年満期の国内債権に投資すると1年後の元利合計は1万円+利子だが、米国債に投資するときにはまず1万円をその時の為替レートでドルに交換し、その資金で米国債を購入することになる。そして1年後の利子が加わった元利で再び円に戻したとき、海外投資の方が有利であれば多くの人が米国債に投資しようとするだろう。その結果円安・ドル高になる。また米国債の購入増は債券価格が上昇し金利の低下をもたらすため、利子が低下する。そうすると、最終的に国債と外国債のどちらに投資しても同じ収益になる。
もっとも、為替レートの変動には政治的な要因も重要になるため一概にはいえないが、このような原則から大幅に外れることはないだろう。
国内経済における総需要の決定はIS−LM分析で行われる。IS曲線は投資と貯蓄を意味し、財・サービス市場の需要と供給が一致していることを表す。LM曲線は流動性に対する需要、すなわち貨幣需要と貨幣供給の関係である貨幣市場の需要と供給の一致を表す。縦軸に利子率、横軸にGDPを示した図で表され、IS曲線とLM曲線の交点が財市場と貨幣市場を均衡させる所得と金利の組み合わせを表す。それを更に拡張させ、資本移動が完全な経済を想定したものがマンデルフレミング・モデルである。
3. 投資と年金
現在は、年金積立金運用独立行政法人(GPIF)が独立して年金を運用している。そのポートフォリオは「国内債券:35%、国内株式:25%、外国債券:15%、外国株式:25%」で運用されており、われわれの年金は実質投資に回されている。年金を支払うということは投資をしていると言っても過言ではない。現在は日本株・外国株式などの買い増しを進めているため、もしも株式の暴落が起これば大きな損失を生じる恐れがある。実際、リーマンショックがあった2008年度の収益額は、マイナス9兆6670億円となっており、その前年度のサブプライムローン問題と合わせてほとんどの収益が吹き飛んでしまった。
個人年金を作るにあたり、投資先として債券を選ぶのがいいのか、株式が望ましいかという問題がある。株式の場合は、それを保有し続けかつ会社が存続している限り、株式を発行している会社から配当金をもらうことができる。債権の場合には利子を受け取ることができる。
株式を持つと、将来にむけて継続的に利益を得ることができるが、その利益を考えるために割引現在価格について触れておく。割引現在価格とは、将来のお金の価値を現在の価値に換金した価値のことをいう。たとえば、もし利子が1%だった場合、今から1万円を1年間預金などで運用すれば100円の利子がつき、得になる。このように1%の金利を考慮すると今の1万円は将来の1万100円分の価値を持っているといえ、逆に1万円から1%の金利を引くことで現在の価値になおすことができる。
そして、株価は株を持つメリットに等しくなるように決まる。具体的に言えば、一株の購入費用より現在の割引価格が高ければ、多くの人は儲かると考えて株価を買い求めるため株価は値上がりする。逆に一株の購入費用が現在の割引価格より高ければ、既に株を保有している者は売った方が得をするため売りに出て、株価は値下がりすることになる。こうして一株あたりの株価は一株をもつメリットと等しくなるように決する。現実の経済では多くの会社は倒産しない限り永続し、かつ満期はないから株価は無限の先の配当について、無限等比数列の和の公式を用いた割引現在価格で表されることになる。
株価には二つの性質がある。第一に、市場の金利と株価とは負の相関関係を持つ。もし市場の金利が上昇すれば、株を持つメリットが減少するため株を持ちたいと意欲する人が減り、株価は減少する。逆に金利が下落すれば株を持つメリットが増加するため株価は上がる。
第二に、企業の業績が高ければ高いほど株価は高くなる。企業業績の向上は企業がより多くの利益を生み出すことを意味し、その分配当も多く出るため、株を買いたいと意欲する人が増え、株価が上昇する。
もっとも、株価は銀行預金と違い元本が保証されない危険資産である。もし銀行預金と同じ収益率であれば、誰もが元本保証のある銀行預金を選ぶだろう。つまり、リスクのある資産が魅力的になるためには、リスクプレミアムがつく必要がある。
デリバティブは「先物」「オプション」「スワップ」の3個に分類できる。
ある商品について、将来の一定期間後にいくらで取引するかを現時点で約束する取引が先物取引である。また金融商品を対象とした「金融先物取引」には、ある国の通貨を別の国の通貨に交換する際の為替相場を対象とする「通貨先物」、債券を対象とする「債券先物」、日経平均株価のような指数を対象とした「株価指数先物」がある。
先物取引に似ているが、ある原資産について、将来の一定期間後にある値段で取引できる「権利」を売買するのがオプション取引である。一定の手数料を払えば権利を買うことができ、売買するのはあくまで権利なので、当然損になりそうなときは放棄することができる。
そして金利を対象とする金利スワップ、為替相場を対象とする通貨スワップなど、性質の異なる支払い義務などを交換する制度がスワップである。
このような投資で老後の生活資金を積み立てようとする人が増え、少額投資非課税制度が知られるようになってきた。これは株や投資信託などの運用利益を年に120万円まで非課税にする制度であり、通常なら約20%の課税をうけるところNISA口座で利益を出すと節税面で大きなメリットを受けられる。税で儲ける手段もあるのだ。
4. MMT理論
日本の財政赤字は令和元年度で約900兆円に迫ろうとしている。日本人一人当たりで約713万円を借金しているようなものだ。不況による税収減や、少子高齢化が進み社会保障費が増えていることから、本来は発行禁止の赤字国債を特例としてほぼ毎年発行している。
国債の第一の役割は現在の税収に制約されずに必要な政府支出を実行できることにある。時間を通じて財政収支が均衡していれば、国債発行により円滑な財政運営が可能である。第二に、ケインズ経済学はより積極的な役割を国債に付与している。増税による政府支出の増加によっては国民所得の増加分は少なくなるが、増税を行わず国債発行による政府支出はより大きく国民所得を増加させる。
ここだけでは聞こえがいいものの、問題点もある。民間貯蓄の一部が国債保有に向かうと、国債の大量発行による利子率の上昇でクラウディング・アウトが発生し民間投資の減少が影響を受けることも考えられる。また所得分配上の問題として、国債の保有者に対して行われる国債償還に国民全体から徴収される税金が使われると償還時に同世代の中で所得が移転するのも問題だろう。
もっとも、一番大きな問題は国債の負担にある。最終的に900兆円に迫る借金は、将来的な償還の時点で税金を徴収する必要があり、仮に国債借換によるさらなる償還の先延ばしがされれば将来世代に負担が転嫁されることになろう。どちらにせよ負担は現在か将来の国民に重くのしかかることとなり、これが赤字国債が原則発行禁止となった理由である。
この借金を返済しなくともよいという、MMT理論(現代貨幣理論)が提唱された。この特徴は3点あり、一つは「自国通貨を持つ政府は、財政的な予算制約に直面することはない」というものである。日本は日本円建ての国債しか発行しておらず、日本政府が財政破綻することはない。二つ目は「全ての経済は生産と需要について環境的な限界がある」。政府に金銭的な制約がなかったとしても、供給能力の不足によるインフレ率が限界になり、経済力は民間や政府の投資により強化されることで国債発行の上限を押し上げるという。三つ目は「政府の赤字はその他の経済主体の黒字である」とした。つまり、政府支出が徴税の額を上回れば家計の収入は増えるという。
本当に借金を返さなくともよいのであれば国民の一人として喜ばしいが、実際にはそういう訳にはいかないだろうと思う。借りたものを返さないでよい訳がない。
5. おわりに
簡潔にまとめると、景気がよければ金利は上がり、マネーサプライ が増えると金利は下がり、金利が下がっているときには債券を買うのがよいようだ。マネーサプライを増やしたところで内部留保や貯蓄になり流通しないのであれば、フィッシャー方程式に照らして国民所得も物価も上がらない。
時期を読みつつ投資しながら、うまく個人年金の創設に努めたい。
参考文献
「平成29年度
厚生年金保険・国民年金事業の概況」〈 https://www.mhlw.go.jp/content/000453010.pdf〉
平口良司『マクロ経済学』有斐閣、2015年。
宮尾龍蔵『コア・テキスト マクロ経済学』信世社、2017年。